yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 6/30

米国航空会社で、小型旅客機に乗務する裕坊です。

 

現在カナダのケベック州を中心に広がっている山火事。6月29日(木)現在でも243ヶ所で手がつけられない状態になっていて、既に森林焼失面積は810万ヘクタール……空は煙で覆われる状態になり、オンタリオ州ケベック州などでは肺疾患を患う人を中心に健康被害に関する警報などが発令されて、打ち上げ花火などの屋外イベントが中止になるなどの影響が出ているんだそうです。

 

その煙はアメリカの空をも覆い、南はノースカロライナ州まで届く事態にまでなりました。デトロイト地区でも空気の状態が悪くなって、屋外での活動や運動などを制限するように気象局が呼びかけています。

 

 

そんな中でつい先日発生したのが、デルタ航空ボーイング717型機の胴体着陸

3つ装着されている着陸脚のうちの首脚装置が故障し、機首部分を地面に着けての着陸になっていました。でも幸い怪我人等はなし…乗客乗員全員が何事もなく降機して、バスにてターミナル入りしておりました。

 

着陸装置は地上における機体重量を支えるのが目的で装着されていますが、現在の旅客機はほぼ例外なく主脚と前脚の3脚仕様になっています。

 

かつてレシプロエンジンを積んでいた当時は、旅客機といえども後脚式が採用されていた時代がありました。

ただし写真からもご想像いただける通り、この方式だと地上滑走時の前方視界の確保がしにくいのが難点…

 

後脚式ですと前脚式に比べて機体構造が軽くなり、旋回性を高めることができるというメリットがあります。ですので零式戦闘機を含めた第二次世界大戦当時の戦闘機は、ほぼ例外なく後脚仕様が採用されていました。

 

クロバット仕様の軽飛行機は、現在でも後脚仕様が主流になっています。

 

着陸脚は離陸後は胴体内にしまい込まれ、着陸直前、滑走路からおよそ10キロ手前で再び機体胴体へと降着させるのですが(赤い枠で囲んだところに車輪の型をしたスイッチがあり、離着陸時にスイッチを上下させます)

 

先日アトランタからノースカロライナ州のシャーロットへと向かっていた機体では、前脚が故障…胴体着陸をせざるを得ない状態になっていました。

ただ機体の故障というのは、各航空会社とも想定の範囲内。どんなにくまなく整備をしていても故障というのは100%防ぐことはできません。大切なのは、故障後の対処…

 

各航空会社ではシミュレーターを使った飛行訓練で、着陸脚故障時の対処は例外なく課されています。不具合が発生した場合は、大抵油圧系統の解除装置を使用。着陸脚の重量によって3脚とも自由落下で降りてくる仕組みになっているのですが、今回はそれでも前脚の降着ができなかったということでしょう…

こんな時は空港上空で旋回を繰り返しながら、燃料をできるだけ消費。燃料の残りがおよそ30分前後にまで減ったところで滑走路へと着陸します。ここまで燃料を減らすのは、万が一主翼に搭載されている燃料に引火したとしても、火災を最小限に留めることができるため。

 

この便では着陸後、副操縦士が真っ先に降機して乗客の皆さんを安全な場所へと誘導しておりました。

怪我人なく対処をした乗務員たちに、改めて敬意を表したいと思います。

 

 

ここ最近3週間の裕坊。6月初旬の一時帰国で1週間の休暇を取っていたこともあり、3日勤務をこなしては1日お休み、4日勤務をこなしてはまた休暇が1日といった具合でした。

ターミナル改装工事が続くテネシー州ナッシュビル空港は深夜の到着…

 

翌日は平日だったにもかかわらず、ターミナル内は大混雑…

 

ごった返すターミナル内では、かつて勤めた地域航空会社の元同僚と遭遇する場面に恵まれ、

 

翌日には、かつて何度も発着したシンシナティ空港に、現在の会社に転籍後初めて到着。

 

かつてチリソース入りのホットドッグをよく買っていたお店は既に閉店…

 

新しいサンドイッチのお店が開業しておりました。

18日間の間に15日の勤務が入るスケジュールをこなし切った後は…

 

自分へのご褒美…

お気に入りの餅ドーナツをしっかりといただいた上で、

 

こちらも外せないお寿司屋さん…

そして独立記念日を控えた7月は、まずは6日連続勤務から…

 

 

 

 

まずは日帰り勤務をこなして、続いて5日連勤へと出勤です。