yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 11/20

米国航空会社に勤務する、裕坊です。

前回の投稿から2ヶ月が経っておりました。大変お待たせしました。

 

昨年も今回と同様、2ヶ月ほど空白ができたことがありましたが、この時は選択転籍権を行使して地域航空会社のエンデバー航空からデルタ航空へと転籍し、研修の真っ最中。

現在も乗務している機材、ボーイング717型機への機種移行訓練を2ヶ月に渡って受けていました。

 

こちらの写真は、裕坊が以前所属した会社の主力機、CRJ-900型機。

 

そしてこちらが現在乗務しているボーイング717

両機種とも俗称をTテイルと呼ばれ、機体後方にエンジンが据え付けられているのが特徴。尾翼に直接エンジンからの排気ガスが噴射されるのを防ぐ目的で、水平尾翼垂直尾翼の上部に据え付けられていることから、こう呼ばれます。

 

見た目には共通する部分も多いのですが… 中身は全くの別物…

機体設計が古いために、手動操作を必要とする操作系も多く、ボタン類、スイッチ類をかなり覚えなければならなかったとあって、不器用な裕坊はかなり悪戦苦闘しておりました。

 

 

航空機製造メーカーが同一ですと比較的操作系が近いことも多く、培ってきた経験が生きることも少なくないのですが、全く異なるメーカー同士を乗り継ぐとなると大抵の場合0からの覚え直し…アメリカの航空会社の場合、数ヶ月で機種移行訓練が終わるように研修が組まれているので、勉強のペースも必然的に超がつくほど早いペースになります。

 

 

例えていうならロッククライミングとでも言えるでしょうか…

 

ただある程度機種に慣れてくると、機械の操作そのものは大抵同じことの繰り返しになるので、平坦な道を歩くような感覚になってきます。

ここまで来るのに、平均的にかかる時間は早い人だと3ヶ月。裕坊の場合、6ヶ月ほどを要しました。

 

デルタ航空では最初に任命された機種で2年間を過ごさないといけない社内規則があるので、しばらくはボーイング717型機の乗務になります。

一時はデトロイトから東京への路線の使用機材、エアバス350型機への移行を目論んだこともあったのですが、最近の会社の方針でデトロイトからのエアバス350型機の就航便数は減少(その分、アトランタとロサンゼルスからの就航便を増加することになるんだそうです)。

 

国内線中心の機材でありながら、30時間の宿泊滞在が伴う勤務シフトが多いのもB717ならではの恩恵なので(下の写真5枚は、カナダ・モントリオールで撮りました)、

しばらくボーイング717に乗り続けるつもりにしています。

 

 

そして今回の2ヶ月の空白といえば……最初に貼り付けた写真から、ほぼご想像いただけたでしょうが……

 

 

実はピアノなどを始めてしまっておりました。講師が主催する発表会があったのが、先日の土曜日、11月18日…

とりあえず高校時代などは野球に熱中していた裕坊でしたが、音楽関係は全くの初めてで、もちろんピアノなどは全くの素人…

 

 

普通はハノンやバイエルなどをしっかりと学習した上で、曲へと入るところ(愛妻ちゃんの手解きで、ハノンにはしばらく励んでいたのですが)…

 

 

本来辿るべき過程を大きく飛び越えて…

数ヶ月の突貫工事で、結局ブルグミュラー作のアラベスクを完成させてしまいました。

 

ピアノはおろか、楽器すらまともに触ったことすらなかった裕坊にとっては、新たなロッククライミング

実際にロッククライミングをされる方は、岩の角度によって「寝ている岩」「起きている岩」といった表現で難易度を言い表されるそうですが、裕坊にとってのこの2ヶ月はまさしく『起きている岩の岩登り』…

 

 

何とか人前で披露しても恥ずかしくない水準にまで仕上げたつもりだったものの…

 

いざステージに置かれたピアノの前に座ってみると、 鍵盤が視界から消えよった………

 

 

 

 

まだまだ人生修行です……