yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/7

アメリカの地域航空会社で、小型旅客機操縦を担当している、裕坊といいます。こんにちは。

4日間のお休みをいただいて、月曜日のお昼過ぎに出勤しました。

 

コロナウィルスの感染の爆発的な再拡大の影響がさすがに出始めているのか、ちょっと客足が落ちたように見えた今日月曜日のデトロイト空港。

お昼頃の出勤で、出発便ラッシュの谷間になるということも手伝って、搭乗手続きカウンターも今日は閑散としておりました。

 

ちなみにマクナマラ・ターミナルのAコンコース中央から両端を結ぶ電車は、既に運休から半年以上が経過。

 

出発ゲートA35の横にある日本食レストラン「空」は、先月半ばに発令されたミシガン州条例により、店内飲食が今はできなくなっています。

予定では、州条例の期限は今週の水曜日(12月9日)だったのですが、ミシガン州における状況もいまだに改善されておらず、しかも感謝祭中の人の移動が想定を遥かに超える多さだったため、感謝祭時の影響を観察する名目で、州条例も12日間延長されることになりました…

 

 

こりゃ、この冬の間の制限解除は、ほぼ無理かもなぁ〜〜……

 

 

レストランでは、店内飲食スペースがテーブルや椅子などで囲まれて入れなくなっていて、

今は持ち帰りのみ…

 

入り口付近にメニューが貼られて、

気軽に持ち帰り可能な品を、選ぶことができるようにはなりました。

 

どんより曇り空の中を、デトロイトを出発したのは2時前。

 

3便を担当したうち、最初の2便はニューヨーク州の西部に位置するエルマイラ往復。

のどかな空港で、現在就航があるのは、デルタ航空管轄便(エンデバー航空運航)と、 格安航空会社のアリージャント航空。

 

ちなみにアリージャント航空は同じ格安航空会社でも、ちょっと他とは違ったビジネスモデルを構築していて、

小さな地方の空港からリゾート地などを結んだりして、他の格安航空会社と差別化しています。

 

大都市への就航こそあるものの、大規模空港を使うことはなく、ちょっと町から離れた小規模の空港を主に使うことによって、着陸料などを節約。

例えば、ディズニーワールドにシーワールド、ユニバーサルスタジオなどがある南国のリゾート地、フロリダ州オーランドの場合、上の写真にあるオーランド国際空港(空港コード:MCO)は利用せず、

 

運用しているのは、オーランド国際空港から車で約30分ほど北へと上がった、サンフォード空港(コード:SFB)。

ちなみに裕坊は、この空港で飛行訓練を受け、飛行教官を長らく務めておりました。

 

アメリカの自然大地が広がるアリゾナ州フェニックスの場合は、1番規模が大きいのはスカイハーバー空港(コード:PHX)なのですが、

こちらも空港利用料がどうしても高くついてしまうのでしょう。

 

カイバーバー空港から東へと行くことおよそ30分の、メサ・ゲートウェイ空港(コード:AZA)を利用しています。

 

また乗務員の勤務パターンも他の航空会社とは違っていて、

実はフライトは全て日帰り…

 

1往復の担当便を終えると、大抵家路に着くんだそうです。

 

若干お給料は、大手や他の格安系の航空会社と比較すると低いのですが、 毎晩家族が待つ家へと帰ることができるのが魅力だというパイロットも多くいるようです。

ホテル代を節約したい会社にとっても、コスト削減ができるので、お互いウィンウィンの関係。

 

かつてはエンジンが胴体後方に据え付けられた、マクドネル・ダグラス社製のMD−80シリーズを多く保有していたアリージャント航空、MD−83型機を最大53機保有していたこともありました。中古機材をかき集めることによって、機材購入費の削減も目論んでいたようですが、

故障があまりにも多く、運航にかなりの支障をきたした上に、整備費用が予想以上に嵩んで、こちらは全機エアバス社製の機材へと置き換えになっています。

 

現在では、エアバス320シリーズの機体を、合計で105機保有

さすがに飛行機代の節約までには漕ぎつけられたかったようで…

 

 

運航便がかなり限定されているので、エルマイラ空港では出発直前まで保安検査場も閉鎖になっていて、出発1時間前になっても折り返しのデトロイト行きの乗客の方の姿はなく、閑散…

往路のエルマイラまでは乗客19名、

 

折り返しのデトロイト行きが、15名の搭乗でした。

 

到着した後のデトロイトも、月曜日は閑散…

3月の中旬以降に起こったコロナウィルスの感染拡大初期に起こっていた、ガラガラのターミナルの光景を思い出さずにはいられませんでした。

 

そして担当3便目に乗ってやってきたのは、カナダの最大都市、トロント

実は同じ時間帯の到着便は、裕坊が担当していた便以外には一切なく、出発便もヨーロッパに向けて出発していた国際線機材、1機だけ…

 

ガランとしたターミナルを、入国管理局へと向かい、

 

入国管理局を通過後の、荷物受け取りのコーナーも、今日は人影が全くなし……

 

そして到着ロビーからは、

お迎えの人たち用に置かれていた椅子が、

 

全て撤去されておりました。

これが現実なんやな〜〜……

 

ホテルの送迎シャトルも、他に宿泊客がいなかったせいか、我々乗務員の到着を本来の出発時刻が過ぎても(普段は30分毎の運行)待ってくれておりました。

 

ホテルのチェックインロビー。

 

いたのは我々乗務員4人だけ……

ひょっとしたらこれは今までの中でも、1番厳しい冬の訪れを示唆しているのかな〜〜…

 

ホテルに到着後、愛妻ちゃんからメッセージ。息子くんが来週受ける予定にしていたテストも、来年夏まで延期だそうです……

 

 

 

 

明日は夕方ごろの出勤で、2便を担当です。

 

 

 

 

 

 

 

12月7日(月)担当便

デルタ4988便(EDV 4988)デトロイト(DTW)− エルマイラ(ELM)

デルタ4960便(EDV 4960)エルマイラ(ELM)− デトロイト(DTW)

デルタ5019便(EDV 5019)デトロイト(DTW)− トロント(YYZ)