yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 10/11

米系航空会社で副操縦士を務めている、裕坊といいます。

秋が深まってきました。

 

秋といえばこちらでは、来年初夏に卒業を控える高校生たちが、挙って大学選びと入学願書作成に忙しくなります。 暇を縫っては、時々息子くんの大学見学などにもお付き合い…

数万人という規模の学生を抱えるような学校も存在し、

 

中にはキャンパス間の移動に、大学お抱えの専用バスを利用することも…

ちなみにその大学お抱えのバスは学生だけでなく、誰でも無料で利用できます。

 

科学技術系の大学見学では、

 

航空学、宇宙学の研究所の案内などもありました。

ちなみにジェットエンジンは、通常の巡航飛行中は回転数が平均1分あたり10,000回転以上(乗用車の高速運転時は平均で2,000回転ですので、およそ5倍の速さになります)にもなるので、各装備品を動かすパワーにもってこい…エンジン周りには与圧系、油圧系、発電機など、様々な器機が配置されています。

 

こちらは裕坊が乗務するボーイング717型機のエンジン。配置は以前の担当機材、リージョナルジェット機と全く変わりません。

 

遠く目で見ると、以前乗っていた機体とほとんど同じようにも見えてしまいます。

先日3日勤務のフライトを終えて帰宅したのですが、

 

早朝のパターンでしたので、始発便の外部点検の時は、外は真っ暗でした…

 

こちらは着陸時のボーイング717型機の光景。

基本設計はかつてのマクドネル・ダグラス社、DC-9型機なので、パイロットが型式取得証明に必要な訓練を終えると、免許にはDC-9と記載されます。

 

ちなみにDC-9が旅客機として最初に投入されたのは、今から50年以上も前の1965年。ローンチカスタマーは、デルタ航空だったそうです。

 

デルタはその後もDC-9の派生型を次々に投入して、積極的な運用をしてきました。

コロナ禍前までは主力機の1つでもあったMD-88型機は、その代表格。

 

ほとんど同じ座席数を持っていたMD-90型機も、かつての主力機材。

 

ボーイング717型機の座席数が110なのに対して、MD-90型機は160名の収容力。

そのためこちらでは客室乗務員も4名が乗務しておりました(B717は3名乗務)。MD-88、MD-90とも、コロナ禍の中でデルタ航空からは全機退役しています。

 

B717型機は、その発展型。

全長はMD−90型機などと比較するとかなり短いですが、

 

自動操縦系などが刷新され、 計器画面もグラス仕様になって、とてもスッキリとしています。

 

ちなみにこちらはMD−90型機のコックピット。

 

デルタで運用されている機体は、かつてフロリダ州オーランドに本社があった格安航空のエアトラン航空(2014年までに、サウスウェスト航空に吸収合併されています)の主力機材でもありました。

ボーイング737型機と717型機を併用していたエアトラン航空。

 

サウスウェスト航空への吸収合併時は、実はボーイング737型機よりも多くの機材を保有(737型機の52機に対して、717型機が88機)。

吸収合併後は717型機が余剰機材となり、デルタ航空にリースされています。

 

デルタでは2022年10月現在、64機を運用中なのですが、多くの機体にATの機体番号が付いているのは、エアトラン航空で運用されていた時の名残。

エンジンが胴体後方に据え付けられているので、推力が両側とも機体軸に近いのが特徴。片側エンジンが故障しても、方向軸が不安定になりにくいメリットがあります。

 

そのため片肺飛行でも完全自動着陸、さらには視界ゼロですら着陸できてしまうというスグレモノ…

ただ販売数は伸びず、胴体延長型の計画もあったのですが結局は頓挫。717型機は2006年5月が最終の製造になり、1番新しい機体でも機齢が16年を超えているので、老朽化もさすがに隠せなくなってきました…

 

2022年に入ってデルタは、ボーイング737Maxシリーズの購入契約(100機)を発表したばかり…

公式には2025年度を以って717型機が全機退役ということになっているので、B737Maxによって置き換えられることになるかも知れません。

 

実は社内では、カンタス航空傘下のカンタスリンク社が運用しているボーイング717型機を購入するという噂もあり、ひょっとすると延命することになるかも知れません…

まだ先のことは、よく分からないです…

 

717型機が就航しているのは、かつて裕坊が勤務した航空会社で訪れたことがある都市ばかり…

 

前回の3日勤務では、久しぶりにミネアポリスからの発着もありました。

 

アメリカン航空の基幹空港のノースカロライナ州シャーロットからも発着。

 

こちらは本格的な改築が進んでいて、

一部では搭乗手続きカウンター側の工事が終わっています。黒い幕の反対側へと出ると…

 

昔からのカウンター…

実はこちらの方が、賑わっておりました…

 

木曜日からは3日勤務が2回連続で続く、怒涛の合計6日勤務が待ち受けているのですが、

最近になって、車を一台買い替えましたので、

 

 

ローンが1つ増えた……

 

 

 

 

 

頑張ります…