yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/25

米国地方路線を小型旅客機で飛んでいる、裕坊といいます。

5日勤務のフライトをこなし終わって、帰宅しました。

 

こちらは裕坊が所属する、デトロイト・メトロポリタン空港。

かつては、空港内にある会社事務所に立ち寄って専用コンピューターで空港出勤を報告していたのですが、

 

現在は会社から支給されているiPadで報告。空港内では、直接出発ゲートへとやってきてしまいます。

 

ゲート係員にドアを開けてもらって、飛行機へ一番乗り。

 

整備員さんが乗っていると、何事があったのかとドキドキ…

この時は整備記録を確認していただけで、出発には支障ありませんでした…やれやれ…

 

通常の旅客機だと、コックピット内にパイロットが持ち込むスーツケースを置くだけのスペースが確保されているのですが、リージョナルジェット機にはそれだけの余裕がないので…

まずは客席内の荷物棚にスーツケースを入れます。

 

短時間で折り返す時以外は、電源が入っていないことが多いコックピット。

このままだと旅客機はウンともスンとも動かないので、

 

まずは頭上にあるパネルを使って……電源立ち上げ……

一番左上にあるのが電気系統で、一番大きいスイッチを入れて地上からの外部電源や、第3エンジンなどを立ち上げると、機内の電源が入り、

 

計器パネルも浮かび上がってきます。

CRJシリーズのリージョナルジェット機は、一部画面を除くと計器画面は、市販テレビではほとんど見かけなくなったブラウン管タイプ…

 

ちなみに外部電源の取り付け口は、機首の右側。

ボーディングブリッジからケーブルが伸びている場合もありますし、

 

このような発電機を使って、電気を取り入れることも可能。

 

出発前には飛行機の周りには、他にも色んな出発準備が行われます。

給油も必要…

 

大手航空会社になると、各基点空港では地下に収められたタンクから燃料を取り入れることが多く、

そんな時は主翼横に設置されている燃料吸い上げ装置を使って、機体へと燃料を送り込みます。主に主翼に燃料は収められ、長距離飛行で余分な燃料が必要になるときは、機体中央下部にあるスペアタンクに収められる仕組み。

 

荷物の搭載も行われます。

 

CRJシリーズのリージョナルジェット機は、機体が細くて通常の旅客機のように胴体下にはたくさん貨物を収められないので、 主エンジン下にあるドアから、後方貨物室にほとんどの貨物を積み込みます。

その間、パイロット2人のうち1人が外へと出て、外部を目視による点検。

 

先日は、機首脚の油圧液チューブのカバーが剥がれかけていたのですが、

 

チューブそのものにはダメージはなく、飛行に支障はなし。

ただ整備員の確認を取った方がいいことには、間違いありません…

 

こちらが裕坊がいつも座っている、機長席。

黒いプラスチックの枠の中に会社支給のiPadを据えて、必要な情報はそこから得るようになりました。会社マニュアルやら空港レイアウトの情報などが満載のiPadを使っています。

 

管制官や同乗のパイロットと飛行中会話をするのに使う、ヘッドホン。

 

座席横にはジャックがあるので、それを2本差し込み、

 

操縦桿据え付けのボタンを押すと、管制官と無線の交信ができる、という仕組み。

飛行中では、同乗のパイロットとはヘッドホンを通して会話します。

 

出発前には、飛行計画路なども打ち込み。

計器画面下に機内備え付けのコンピューターがあり、飛行経路の入力だけでなく、気象情報なども得られるスグレモノ…

 

打ち込み完了…

 

準備が完了する頃には、 機首脚にプッシュバック用のタグが据え付けられているので、

 

管制官(主要空港では、駐機場の往来を管理する専門の管理官との交信になります)に許可を取って、 プッシュバック…

 

そして誘導路を通って、滑走路まで…

 

目的地の空港で着陸した後は、現地空港の地上係員に迎えられて、

 

ゲート入り。

中心線を頼りに前進し、決められた線に機首脚が来たところで係員から❌の合図が出されるので、そこで停止…

 

主脚に車輪止めがかけられたところで、地上係員から安全確認の手信号が送られてくるので、

 

搭乗口が開けられると、

 

ボーディングブリッジが据え付けられます。フライトはここで完了。

お客様をお見送り。これを5日間で14回の繰り返しでした。

 

1日のフライトが終了すると、ホテルまで…

空港によっては、ホテル送迎のシャトル乗り場まで長い距離を歩くことも…

 

安堵のひと時…

 

そして翌日には、ホテルを出発して、

空港へと舞い戻ると、

 

外部目視点検…

4泊5日でしたので、これを4回繰り返し…

 

ちなみにこの5日勤務では、デトロイトを初日に出発した後は、ケネディ空港を何度も行ったり来たり…

 

既に第4ターミナルに全便が集約されることが決まっているデルタ航空便。

 

第4ターミナルのBコンコース最南端にあるゲート、B53、B55は既に閉鎖になっていて、改築の準備が始まっていました。

 

5日で合計14便と、忙しかった5日間。

 

いつもパック寿司やらポケ丼などでお世話になっているお店が、

 

実はインディアナポリス空港、Aコンコース内にも新規開店。

裕坊には、めっちゃ朗報…

 

この時は新メニューの、牛丼をいただきました。

 

バチが当たったんやろか……

実は直後のモントリオール行きでは、16年間の勤務で一番揺られたんじゃないか、と思うくらいの揺れ…

 

それでも5日間を無事終了…

 

帰宅当日はあいにくの小雨。でも気分は晴れ。

アウディくんのお出迎えを受けての帰宅になりました。

 

 

 

 

 

そのアウディくんに乗り込んで、息子くんが出演を予定している音楽コンサートへお出かけしてきます。