yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 8/23

アメリカの小型旅客機専門の航空会社に勤めている、裕坊といいます。こんにちは。

先週の金曜日に4日間のフライトに出発して、今日は3日目。今回はずっと午後出勤のパターンで、今日は夕方までホテルに滞在しています。この4日間は、アトランタを基点とするフライトが中心。親会社のデルタ航空の本社があるアトランタからの発着便は、長距離から超短距離まで様々なパターンがありますが、裕坊が乗務するリージョナルジェット機は、大半が短距離路線で、行く先は地方都市がほとんど。

 

初日はミシシッピ州の州都、ジャクソンまでやってきて、2日目はお昼過ぎの出発。

ミシシッピ州ジャクソンは平常時であれば、デルタ航空本体がほとんど運航便を担当する都市。

 

空港自体は、若干こじんまりとしています。

コロナウィルスの影響によって、空港管制塔が業務時間を短縮している空港の1つにもなっていて、平常時であれば11時まで運用のところ、現在は午後7時まで。

 

ちなみに空港管制塔がない空港や、管制塔の業務時間外に着陸する時は、自機の機種(リージョナルジェット機やセスナなど)、機体番号(航空会社の場合は、便名)、空港との位置関係、離着陸滑走路などを無線機にて発信。他に離着陸する飛行機などがいる場合は、その飛行機とやり取りすることもあります。初日は夜9時過ぎの到着でしたので、位置情報を何度か発信しながらの着陸となりました。

 

空港内には、コロナウィルス蔓延防止の宣伝も。

 

ミシシッピ州の州都でもあり、南部でも『AAAサザン・トラベラー』誌(AAA Southern Traveler Magazine)によって、ミシシッピ州でも最も素敵な街にも選ばれたジャクソン。とても厳かな建物が立ち並び、煉瓦建ての建物もとても映えるジャクソンのダウンタウンは、景観もとてもいいのですが……

 

昨年裕坊が久しぶりに訪れたメンフィスと同様、ほとんど人の姿を見ることがありませんでした……

 

ホテルの送迎シャトルの運転手さんに言わせると、ここ最近は特に人の動きが少なく、宿泊客数もかなり落ち込んでいるのだとか……

ただ見所自体は多いそうです。特におすすめなのが音楽を中心とする、芸術巡り。その中でもブルース発祥を体験してみるのが、オススメなのだとか。ブルースとは、アメリカ南部に息づく音楽。ジャクソンにて生まれたブルースも数多いそうです。ファーリッシュ通り地区のF. ジョーンズコーナー(F. Jones Corner)やハル・アンド・マルズ(Hal and Mal‘s)などがその代表。

 

街を囲む景観も悪くないです。

 

前回訪れたのがいつだったのか思い出せないくらい、裕坊にとって久しぶりのジャクソン宿泊だったのですが、

時間をかけて、またじっくりと訪れてみたいと思わせる街でした。

 

緑に囲まれたジャクソン空港を出発したのは、お昼過ぎ。

 

3時過ぎにはアトランタへと戻ってきて、

 

平常時であれば、カラシ入りのドレッシングが美味しい鶏肉サラダをいただくところなのですが、

あいにくお休み……開いているお店が限られるので、食べられる昼食も限られてしまいます…

 

各便出発前には、係員が背中にこんな噴霧器を使って、機内を消毒してくれます。

係員がわざわざ背中から下ろして、写真を撮らせてくれました。

 

このノズルから霧状で消毒液を噴霧するそうです。これであれば、効率的な消毒が可能。

かなり細かい霧状での噴霧で、機器類にも影響がないということらしい……ただ保証はせんからな、と笑っておりました…

 

機械類の故障を防ぐため、実際コックピット内は噴霧による消毒は今でも行っていません。ですので、コックピット内の消毒は各自パイロットの役目。消毒用アルコール入りのナプキンで、裕坊たちパイロットは、自ら毎日せっせと吹いております……

 

次にやってきたのは、ジョージア州オーガスタ。

改装が終わったばかりなのか、厳かな雰囲気を残しながらも、絨毯も壁も新しくなっているターミナル。とても気持ちいいです。

 

クラシックな雰囲気の時計台がお出迎え。

 

ここは農産業を支えるトラクターの生産が盛んな町だそうです。

なんと年間でのトラクター生産台数は、100万台以上…

 

ただオーガスタといえば、やっぱりゴルフ。

マスターズ・ゴルフ・トーナメント(Masters Tournament)の開催地にもなっているオーガスタ。

 

オーガスタ歴史博物館(The Augasta Museum of History)には、都市の歴史だけでなく、住んでいた著名人、さらには代表的なプロゴルフプレーヤーについての展示などもあり、その一部が空港内でも展示されています。

現在の展示は、パット、チップ、バンカーショットのマスターとも言われたレイモンド・フロイド(Raymond Floyd)。1992年にはPGAツアーとシニアPGAツアーでの勝利を、年内に達成した初めてのプロゴルファーにもなりました。ちなみにフロイドは、その前年の1991年に、日本の九州志摩カントリークラブで行われた、KBCオーガスタゴルフトーナメントにも参加して優勝しています。

 

オーガスタ空港には、出発待ちの乗客向けの憩いの場があり、

 

こんな中庭を眺めながら、

 

ゆったりとした気分で出発待ちをすることも可能。

空港の規模自体は大きくないので、乗り過ごしをする心配はありません。搭乗が始まったら、係員がちゃんと中庭まで呼びにきてくれます。

 

またも折り返しアトランタまで戻った後、今度は夕暮れの中を、

ブリティッシュエアウェイズのドリームライナーこと、ボーイング787型機に続いての離陸でした。需要減に伴って、英国を代表するこの航空会社からもジャンボ機ことボーイング747型機は全機退役が前倒しすることになって、双発機に全て置き換えが進んでいます。

 

昨日やってきたのは、ノースカロライナ州のファイエットビル(Fayetteville, NC)。

 

ここも空港はこじんまり。

 

フードコートというよりは、大学のカフェテリアといった雰囲気の売店コーナー…

 

あちこちで工事が進むファイエットビル空港。

 

北へとちょっと行くと、かつて空軍基地の1つだったポープフィールドがあり、現在も米陸軍の航空支援隊の基地があるファイエットビル。

1990年代に入ってのファイエットビル市の人口の伸びは凄まじく、それまで6万人にも満たなかった人口は1990年代に入って10万を超え、今では21万人を超える町へと急成長しました。

 

その需要に応えるように、次々と工事が進んでいます。

かつては50名仕様の旅客機だけの就航だったファイエットビル。地方都市の将来を占う都市の1つになるかも知れません。

 

 

3日目の日曜日は、夕方の出発で2便を担当です。