yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/26

デルタ航空の下請け航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

今週は月曜日から合計で6日間連続するフライト。4月末の大型連休前に大学同窓会の出席を予定していて、「その前に一稼ぎ」を目論んでおりました。ただアメリカから日本へ帰国した際は、2週間の自己隔離が必要になりますし、同窓会の出席は諦めることに……………今月末は「一稼ぎのためのスケジュール」のため、この6日間のフライトの後も、1日のお休みを挟んで、さらに次の4日間のフライト…………

 

個人的には、ウィルス感染の確率を少しでも減らすために家で大人しくしているのが理想なのでしょうが、医療関係者は休むことができませんし、スーパーなどの従業員の方、或いは食料品や生活必需品の運搬をする流通業界とてそれは同じ。航空会社も、国から必需業種(Essential Business)に指定されていますので、業務は通常通り続いております。アメリカの連邦議会で、国内航空路線の完全遮断も議題には上っておりますが、そうなったとしてもしばらく先の話になるでしょう。

 

3日目となる水曜日は、午後3時ごろの出勤。

外はポカポカ陽気の小春日和………気温が13度まで上がっておりましたので、車の中はまさにポカポカだったのですが………

 

普段ならまずまず埋まっているはずの、従業員駐車場……

 

専用シャトルバスの乗り場から離れて停めているというのはあるのですが、

それにしてもガラガラ……

 

今月中旬から、徐々に増えてきていた欠航便。

水曜日は、その欠航便が運航便を上回ったような印象を受けました……

 

先週までは、まだ一部開店していた、自然食材を使った空港内のお惣菜屋さん、プラムマーケット……

水曜日には、既に閉店。しばらく続くものと思われます………

 

裕坊の水曜日の元々のスケジュールは、朝から4便だったのですが、そのうち3便は欠航になり、ケネディ空港行き1本だけ……

27名の搭乗でしたが、そのうちの半分が移動で乗ってきた航空会社クルーという有り様でした……

 

到着後の、ケネディ空港……

すれ違う人の大半は、こちらでも航空会社の職員であったり、清掃の係りの方であったり、売店の従業員だったり………

 

その売店も、ほとんどがシャッターを閉めていて、ターミナルの中は本当に閑散としておりました……

 

ホテルの送迎シャトル乗り場へと向かう途中で通った、ターミナルの搭乗手続きカウンター。

既にほとんどの航空会社が欠航を決めていることもあって、乗客の姿はなし……

 

これが本当にニューヨークなのか、と目を疑う光景が広がっておりました……

人と人との濃厚接触を防ぎ、感染の速度を抑え込む以外には、ほとんどできることもありませんし、仕方がありません……

 

日本では早くから、治療対象を重篤患者に絞り、治療にあたることができる病院の許容量に余裕を持たせておく施策を取ってきましたが、今までの結果を見る限り、功を奏しているのではないでしょうか。

 

それでも未だに検査拡大を主張する発言が後を断ちません。最近では、楽天社長の三木谷浩史さんが、同様の検査拡大主張を自らのツイッターにてされていらっしゃいましたが、感染症学の基礎知識もないまま、有名人だからといって軽々しく発言をするのは、もういい加減やめていただきたいです。同じような発言を、アメリカの内科医師が同じように発信されておりましたが、この医師とて同様。

 

 

ここは裕坊、力を込めて何度でも書きます。病院勤務の経験がある薬剤師として、もう一度書きます。

 

 

まだ治療薬もワクチンも完成されていないこの環境で、確固たる治療法も確立されていない中で、最も重要なこととは何か。 それは『医療崩壊を防ぐこと』。

医療崩壊」をさせない、とはどういうことか。この意味とは、重篤患者を増やさないこと、そして医療従事者を守る、という意味も含まれているのです。

 

病院へと来られる患者さんは、何もコロナウィルス感染だけで来られているわけではありません。高血圧の方もいれば、高脂血症や糖尿病でこられている方もいます。心臓病の方もいらっしゃいますし、胃や腸の不調で来られている方もいるでしょう。感染症の方だけを治療するためだけに病院は存在するわけではありません。この方たちには、コロナウィルスに対して弱い方もいらっしゃるでしょう。むしろ既往症をお持ちですと、コロナウィルスにはいったん感染すると重篤症状が出やすいことが、今までのデータからもハッキリしています。

 

日本は医療保険が充実して、心配だからとすぐ病院にかかれる環境にありますが、特に自覚症状もないのにコロナウィルスの感染が心配だからと気軽に検査に訪れると、そこからコロナウィルスが蔓延して、病院が感染源になる可能性があります。陽性と判断されて、症状がそれほど酷くなくても入院となれば(そもそもコロナウィルス診断に使用されるPCR検査キットは、的中率自体が70%ほどとそれほど高くなく、擬陰性と診断されることも少なくありません)、そこで病床を埋めてしまうことにも繋がります。

コロナウィルスが病院内に蔓延ることになり、それが原因で感染を早め、コロナウィルス感染者を爆発的に増やしてしまったのでは、本末転倒そのもの。入院の必要がない患者で病院を溢れ返させてしまっては、通常医療すら機能しなくなる可能性があることに留意しておかなくてはなりません。コロナウィルス以外の治療で訪れている患者さんの診療が、遅れてしまうことにも繋がってしまうのです。検査拡大は、メリットよりもデメリットの方が遥かに大きいことが、これでお分かりいただけると思います。

 

もう一つ大切なのは、医療従事者を守ること。イタリアやスペイン、或いはお隣の韓国でもそうですが、検査を拡大したが故に、医療従事者にも感染が広がり、自己隔離が必要になって、通常の診療をできない事態にもなりました。患者を診察することができるのは、医療従事者のみ。彼らが倒れれば、一切通常の医療だって遂行出来なくなるということを、肝に銘じておく必要があるのです。実際にイタリアやスペインでは、若い医師の方が医療業務過多に陥り、コロナウィルスの犠牲になって、何人も命を落としました。

ワクチンの市場投入に見込まれる期間は、およそ1年から1年半。まだワクチンが完成していないこの段階でできるコロナウィルス対策といえば、重篤患者に対する対症療法くらいのもの。何度も書きますが、今はとにかく爆発的な感染を封じ込めて、重篤患者が出ることを防ぐこと、コロナウィルスが原因で亡くなる方を1人でも少なくすることに徹底するべき、大切な時なのです。治療法が確立するまでの間は、感染を抑える工夫を施していく以外には方法がないのですから。

 

ですから、日本ではこれまでの施策を維持し、できるだけ感染者数を少なくとどめながら、治療法確立までの間、しっかりと「時間稼ぎ」をお願いしたいです。

 

 

最近ではWHOのテドロス事務局長のお顔を拝見する日が続くことになっていますが、あまりにも中国に忖度する発言が目立ち、とうとう世界で辞任を要求する署名が、52万を超えましたね。で、よくよくこの方の経歴を調べてみると、

どうやらエチオピア出身。

 

中国によるアフリカへの投資は、ここ最近かなり顕著でしたが、エチオピアはその中でも突出した国だったようで、過去20年間を振り返ってみると、なんと1,143件もの投資件数があったのだそうです。

2019年単年だけで見ても、エチオピア全体への投資流入額は25億ドル。そのうちの60%が中国からの投資で占められていたんだそうです。中国による投資で、エチオピアの現在の経済が成り立ってきた経緯がありますから、テドロス氏的には、中国を揶揄する発言はしにくいでしょう。ただコロナウィルスによる魔の手は、アフリカにも及んでいます。今後どのように自国を指導していくのか、その手腕には、裕坊は個人的に大いに注目しています。

 

中国の武漢で発生したウィルスであるにもかかわらず、未だに一言の謝罪もしない中国共産党。ここへ来て、米軍によって持ち込まれた可能性がある、とまで外交部によって発せられました。この疫病が一段落したとき、世界の各国が中国にどのように対処するのか、こちらにも注目しておきたいですね。