yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 5/1

米国旅客航空会社で、小型機に乗る裕坊と申します。こんにちは。

今週は5日連続での自宅待機の後(そのうち数日は、休日としての扱いになりましたが)、5日間のフライトへと出発。ただし出勤直前になって、またしても予定変更……日曜日の夜に一旦帰宅して、また月曜日の夕方出勤という変則のパターンに……

 

このご時世ですので、旅客便は直前で減ることはあっても、一切増えていないのが現実……

まだまだ今後フライトが減る可能性もあります……予約数が極端に少ない場合などは、航空機の運用に支障がなければ(往路、復路の都市ペアが同じ場合など)、欠航は出発直前といえども発生しています。ただ航空会社としても、社会的距離(ソーシャルディスタンシング)を保つため、満席では運航できないのも事実……

 

昨日木曜日の夕方に、コロナウィルスの状況に適切に対応するための新しいガイドラインも会社から送付されてきました。それによると、あえて空席を確保しておくために、全体で客席数の60%分までしかチケットは販売しておらず、ファーストクラスは隣同士の着席を避けるために、半分の空席を残して各便とも運航することを決めたようです。減収は前例がないほどに大きいですが、社会的距離も保たなければいけませんし、仕方ない措置です…… 

 

 

本社機能も、社内の建物内における従業員同士の接触を最小限に抑えるために、現在稼働しているのは整備課、運航管理課、乗務員管理課、給与課など必要最小限に留めらています。新人研修はパイロット、客室乗務員共に完全に中断。機長昇格などの訓練も当然のことながら中断中。 実をいいますと、乗務員全員に一年に一度課される年次研修も、座学、飛行訓練ともに中断しています。

 

特にシミュレーターを使った飛行訓練ともなると、

狭いシミュレーターの中に3人(機長、副操縦士、飛行教官)を押し込めてしまうことになり、疫病防止センターのガイドラインに完全に反することになってしまうので、現在は研修施設の建物自体が閉鎖中……そのため年次研修も完全に滞った状態になっていますので……

 

救済措置として、連邦航空局は各乗務員の研修期限を2ヶ月延長して対処することになりました。本来3月に更新するはずだったパイロットは、研修受講期限が5月に延期。4月に期限を迎えるはずだったパイロットは6月まで期限延長……6月中の研修再開を、目指しているようです。

 

飛行訓練は、実機を使うかシミュレーターを使うより他に方法がありませんが、座学については本社までわざわざ出向かなくとも、遠隔授業でも可能なのではないか、と会社は検討中。6月に試験的にオンラインによる講義を始めてみるそうです。既に各乗務員とも、会社から供給されているタブレットは持ち歩いていますので、あと必要になるのはアプリとインターネット環境……

既に遠隔授業用のアプリの開発に、着手しているそうです。しばらくはzoomなどの一般的なアプリを使うことになるかも知れませんが……

 

現在アメリカでは、ほぼ全ての航空会社において、コスト削減の目的から遠隔学習は早くから取り入れられておりました。我が社でも年次研修にかける日数を削るために、講義内容の半分以上を自宅などで専用アプリを使って履修。

以前は5日かけていた座学期間は、現在では実質2日間に大幅に短縮されています。 新人研修や機長昇格訓練など、数ヶ月に渡る研修についても、マニュアルの自宅での学習は既に多くの航空会社で導入されています。

 

例えば、フロリダ州に本社を置くスピリット航空を例にとってみると……

一旦採用が決まると、メールにて飛行機の仕組みを簡単に解説したマニュアル、コックピット内の概要、操縦手順などが送られてきて、研修が始まる前には一通り履修しておくように言われるそうです。

 

ただ今までですと、ほとんど学習内容を自らのペースで、1人で学習するのが基本でした…… 今度は授業を直接遠くにいながらにして、20名ほどがオンラインで一同に介して授業を行うという、少なくとも我が社では初の試み……

現在スケジュールの変更などを、プッシュで通知するアプリを作成に当たった会社と、新たな我が社専用のアプリの開発に着手しているそうですので、裕坊自身成り行きにちょっと注目しています……早ければ6月にも試験的に導入するそうですので、乞うご期待です。

 

しばらく続いた雨がようやく止んで、今日金曜日は久々のポカポカ陽気…

ちょこっと庭作業をして……

 

出発前に、ロビンさんにご挨拶……

最近では除草剤を蒔いている時でも、親鳥はどっしりと座っているようになりました……

 

雛たちは孵化して今日が4日目……ご飯をしっかり食べて、スクスクと育っています……

 

食欲も旺盛………

ごめんね〜、餌は持ってないのよ………親鳥が帰ってくるのを、待っといてな〜〜….……

 

 

今日は1便だけの担当で、ニューヨーク州の州都、アルバニーが目的地です。