yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/22

アメリカの地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

 

裕坊の年末の追い込みの業務は、まずは2日間を跨ぐフライトと日帰りの研修の計3日勤務でした。

空港の出勤は、15年間勤務してきた中でもほとんど記憶にない遅い時間で、外は真っ暗……勤務を終えて駐車場へと戻ってくる人と交代するように、従業員駐車場送迎バスに乗り込み、

 

ターミナルに着いたのは、ロンドンやアムステルダム行きですら出発したあとの、午後10時…

トンネルをくぐってBコンコースからの出発でした。

 

クリスマス仕様に飾られた我が社の事務所で、マスクを補充。

 

午後11時に出発し、ナイアガラの滝から近い、ニューヨーク州バッファローまでやってきて宿泊していました。

 

そして翌日はお昼頃の出勤。

クリスマスが近づき、搭乗手続きカウンターは人で大混雑していました。

 

2日目も担当は1便だけで、ニューヨークのケネディ空港まで。デルタ航空が管轄する便が発着するのは、主に第4ターミナル。

西側にあるBコンコースには、2軒のシェイクシャックがあるのですが、南側にあるお店も再開しています。 ハンバーガーをいただいてもよかったのですが、

 

ケネディ空港まで来ると、自然と足が向いてしまうのがこちら…

パック寿司のお店。

 

最近ではメニューが増えてポケ丼なども買えますし、

すき焼き丼なども買えます。ただし、ニューヨークですので、やはりお値段は高めで、税金を入れるとおよそ17ドル…薄めのプラスチックの容器に、熱々のおつゆをたっぷりと入れてくれるので、容器はとても熱いです…テーブルを探して食べるのがオススメ…

 

ケネディ空港からはお客さんとしてデトロイトに戻ってきて、夜8時の到着。

翌日早朝には、また従業員駐車場へと戻ってきておりました。

 

その日はダウンジャケットに身を纏って、私服で空港へと出勤……この日は初めからお客さんとなっての移動です。

A75ゲートからは、カンクン行きが出発…当日のカンクンのお天気は、晴れ、気温摂氏25度。

 

でも乗ったのはお隣A76ゲート出発のフライト。やってきたのは、雪が舞うミネアポリス……

当日のミネアポリスのお天気、雪、気温摂氏マイナス8度……お勉強のためにやってきたので、それもガマン…

 

向かったのは、我がエンデバー航空の本社でした。

ミネアポリス空港の敷地内の南西端にあります。かつてのノースウェスト航空の整備課の本部。緊急装備品の取り扱い実技訓練のためにやってきていました。

 

かつては本社で行われていた座学講習の一部だったのですが、 年に一度の座学講習は、コロナ禍をきっかけに全社オンライン化が進み、

我が社ではパイロット向けが昨年6月から既にオンライン化していて、客室乗務員の座学講習も2022年1月から全面オンライン化することになっています。 連邦航空局(FAA)ミネアポリス支局からの承認を受けて始まった、オンライン形式による座学講習。

 

一時的な許可の元で始まっていたものの、それを恒久的に継続できるかについては、長らく交渉が続いていました。

比較的スムーズな折衝ではあったそうですが、1つだけ航空局が懸念していたことがあり、

 

消化器の取り扱い、酸素マスクの使い方、非常口の取り扱いなど、緊急装備品取り扱いの実技訓練だけがなかなかまとまらずに長引いていました。

 

実技を年に一度実施を求める航空局側と、オンラインでの復習で済ませたい航空会社側のせめぎ合いがしばらく続き…

折り合いがついたのが今年の3月。2年に一度、実践形式での訓練をすることでまとまりました。

 

ちなみに裕坊が乗務しているリージョナルジェット機の場合、搭乗口が他の旅客機とは違っているのが特徴。

ここのおさらいと実技が、航空局にとって一番大きな懸案事項だったらしいです。

 

CRJシリーズ旅客機の搭乗口は階段がついていて重量が重いため、通常のジェット旅客機で採用されている密閉式ではなく(密閉式だと、機体胴体にかかる負担が強すぎるため)、採用されているのは、金属ロック固定方式。

8箇所ある留め金が固定されていることを確認するのは、重要項目の1つ。各箇所がロックされていることを示す緑色の線があるので、ドアを閉めた際に各箇所を確認します。

 

普段お客さんが乗っている状況でのドアの開閉は、客室乗務員さんのお仕事。ただ回送便担当時は、客室乗務員さんが乗らないで出発することも稀ではなく、パイロットがドアの開閉を担当することも…仕組みはおさらいしておかないといけません。

ドアトレーナーと呼ばれる本物と同じドアの仕組みがついた訓練器具を使って実技。

 

機体の胴体の一部を切り取ったような訓練器具でかなりスペースを必要とするので、大抵は飛行訓練用シミュレーター施設に設置されているのですが、

我が社の場合は本社ビル内に訓練器具があるため、シミュレーター飛行訓練にスケジュールが組み込めないことがネックになっていました。

 

結果として日帰りでミネアポリスまでを往復し、実質30分ほどの訓練を受けて家路に着くことに…

 

デトロイトに着いたのは、夜の7時…

長らく航空会社に勤務していると、こんなこともあります。

 

本来であれば、ここで今年1年の勤務の締めくくりだったのですが……各社とも人員不足が顕著で、それは我が社といえども例外ではなく……

 

 

 

 

 

しばらく休日を返上してのフライトに出勤します。