yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 1/16

アメリカ国内地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

定期航空会社に勤めるパイロットであれば、誰もが課される年次飛行訓練。

 

出発から帰宅まで、計5日間で組まれていた予定をこなし終わって、日曜日の午前中に帰宅しました。

 

出発していたのは、先週の水曜日。

 

最終便のミネアポリス行き搭乗で、空港出勤は夜遅く…

 

時期的なこともあり搭乗率が落ち着いていて、半分以上の空席…

 

ガラガラのミネアポリス空港へと到着後、

 

ホテルへと向かう送迎シャトル待ち…

 

落ち着いた佇まいのホテルでの4泊でした。

 

オミクロン株を中心とするコロナ禍が癒えないアメリカ…朝食サービスはあるものの、ミネソタ州ではコロナ禍前のようなバイキング式は復活しておらず…

 

オムレツなどを注文して、箱詰めでいただく方式…

ちなみにオレンジジュースは有料でした…

 

そして2日目から4日目にかけて通ったのが、こちらの施設。

飛行訓練センター。ミネアポリス空港のすぐ南側にあり、滑走路30Rへとアプローチしているとコックピットから眼下に見えます。裕坊が勤める航空会社、エンデバー航空の前身の一部でもあるメサバ航空が運営していた訓練センターで、

 

現在はカナダ・モントリオールに本社があるCAE(Canadian Aviation Electronic)によって運営されています。

CAE社は世界全体で50ヶ所ほどのパイロット訓練施設を運営し、地域航空会社だけでなく格安航空会社のパイロット訓練施設なども提供。中には航空会社の名前が付与された施設などもあり、

 

代表的なのがフロリダ州オーランド国際空港北側にある、ジェットブルー・ユニバーシティ。

 

ちなみにジェットブルー航空といえば、アメリカ国内でサウスウェスト航空に次ぐ規模の運航便数、旅客数を誇る、代表的格安航空会社。本社はニューヨークにあります。

 

シミュレーターは旅客機実機に引けを取らないほどの購入費がかかる上に、点検や管理にも費用が嵩むので、格安航空会社にとっては悩みのタネ……そのため飛行訓練提供会社に委託するケースも少なくなく、

ジェットブルーの施設はその一例。ただジェットブルーは運航規模が大きくなって乗務員数も多いために、オーランドの施設は専属契約で使用している、というのが実態のようです。

 

施設内はシミュレーターだけでなく、機体胴体の模型なども設置されていて、搭乗口の開閉、緊急設備の取り扱い訓練などはこれらを使用。

 

客席も本物を使用してみたり、

 

客室乗務員さんの訓練用に、ギャレー設備までが提供されるほど、中身は充実。

 

そしてこちらは、裕坊が通ったミネアポリスのCAE訓練センター。写真はロビー。

現在エンデバー航空だけでなく、ミネアポリスに本社を置くサン・カントリー航空も、パイロット訓練をこちらの施設で行なっています。

 

休憩室。

 

コーヒーはセルフサービスで、おかわりも自由。

 

ジュース類やスナック類、サンドイッチまで販売されていて、

 

自ら商品を手に取ってスキャン。アップルペイなども受け付けてくれるので、

 

気軽にジュース類なども買えるようになりました。

 

そしてこちらが、シミュレーターが立ち並ぶ大部屋…

 

裕坊は5基あるCRJ用シミュレーターのうち、第4シミュレーターを3日連続で使用。

 

中へ入ってみると、操縦席と全く同じ作りになっています。

 

スイッチ類から計器用画面、操縦席コンピューターまで、作りは実機と全く同じ。

ちなみに初日は機長資格を持つ同僚と合同で訓練になったために、裕坊は10年ぶりに副操縦席(右側の操縦席)に2時間ほど座ることになりました。

 

最近は窓からの景色の画質も、かなり向上しています。

ただ実機ではまず行うことがない操作を頻繁に繰り返すため、油圧系統への負担が大きく、どうしても故障がち…

 

案の定故障が発生して、整備員を呼ぶ羽目にまでなり…

 

その時はたまたま他のシミュレーターに空きがあり、幸い残りの訓練を済ませることができました。

 

また裕坊が訓練を受けている期間中、ミネソタ州では降雪警報が出たりするなどし …

教官が30分以上遅刻…

 

そんなハプニングがありながらも、3日間の訓練は無事終了しました。

ちなみに訓練内容については、操縦技術よりも危険予知や危機管理、危機回避から安全着陸などを重視する連邦航空局の意向を反映したものが多く盛り込まれるようになり、10年前と比較すると大幅に改訂されたものになっています。

 

訓練が終わって、一番ホッとする瞬間…

 

翌朝には、改装が終わったばかりのミネアポリス空港から、

 

まだ日が昇らないうちに客席に落ち着いて、

午前中には到着…

 

午後には息子くんの用事にお付き合い。助手席に乗ってお出かけなどもしておりました。

ミシガン州では14歳8ヶ月から運転が可能。息子の同級生には既に単独で運転する者も多く、学校の駐車場を観察していると、日本との文化の違いを大いに感じます…

 

今日の息子くんは高速道路も臆することなく、自らナビのルートの一部に入れて走っておりました…

そして10月に仮免許を取得してからというもの、とうとう運転時間50時間を達成。

 

お祝いでゆっくり外食しようとも考えたのですが…

レストラン内があまりにも混雑しておりましたので…

 

お持ち帰りで、我が家で食事をいただくことになりました。

ちなみに居酒屋三平さん、メニューが大幅に増えていて内容が大いに充実しています。

 

 

 

 

 

数日お休みの予定でしたが、まだ乗務員不足が深刻な米旅客航空業界…明日早速出勤です…