yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 5/3

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

先週の金曜日から合計で5日間のフライトへと出発し、まずは3日間の予定をこなし切って、一旦帰宅しました。本来の予定では今回の5日間はずっと出ずっぱりのまま、合計14便を担当する予定になっていました。それが結果的には、7便の担当に……

 

それでも最初の2日間は、当初の予定そのまま。

上の写真は、初日金曜日の夜、ニューヨーク州の州都アルバニーでフライトを終えて、ホテルへ向かうときのターミナル内の風景…

 

そして翌朝、快晴のお天気の中を出発…

 

保安検査場を見ても、ほとんど人はいません……

 

いつもなら朝でも客で賑わう、アメリカで人気のチキンバーガー屋さん、チックフィレー。こちらのお店は、空港内の店舗は、ほとんど全店コロナウィルス蔓延当初からお休みに入っています。

普段でもチックフィレーは、日曜日は毎週例外なくお休み。従業員を最優先に守るというのを謳い文句にしていますし、たとえ1人といえども従業員に感染させたくない意気込みが伝わってきます。

 

そしてウィスコンシン州アップルトン経由で(その経由地、アップルトンでは3時間の待機でした…)

ミネアポリスまでやってきて、昨夜はそのまま宿泊。到着ゲートはA12。Aコンコースはムービングウォークが節電のために停止しておりましたので、まずはこちらを歩き切り、Cコンコースを抜けてホテルの送迎シャトル乗り場へと向かったのですが……

 

ちなみに本当に蛇足になってしまいますが、改装が終わったミネアポリス空港Aコンコースにあるフードコートは、既に開店の準備は整っています。

ただコロナウィルスの影響が大きすぎて、いまだに一度もお店は開いておりません……

 

Cコンコース内を走る空港内の電車、運休中……結果的にほぼ2キロを歩き切ることになり、ホテルの送迎シャトルに乗る頃には汗がじんわり……

徒歩25分の道のりでした。移動客が少なくなると、あちこちの設備が運用停止になって、こんな影響まで出てきます。

 

乗客の方の姿を見かけませんし、仕方ありません……

 

宿泊先のホテルに到着。いつもなら壁伝いに流されている水も、昨夜は完全に止まっておりました……

 

ほとんどのお店がまだ閉店になっているか、お持ち帰り専用になっているレストラン。

 

ホテルの1階にあるレストランも、お持ち帰りだけのサービスになっています。

昨日はミネアポリスでも気温が20度にまで上がって、ポカポカ陽気。紫外線が強くなると、コロナウィルスの半減期はかなり短くなり、ある実験によると半減期が2分にまで短くなるそうですので、夏の間だけでも収束することを願いたいですね。

 

 

少しずつ暖かくなり始め、新規感染者の数が頭打ちになる州が多くなりつつあるアメリカでは、徐々に段階的に外出禁止令が解除されたり、お店の営業停止の解除などが進められつつありますが……

痺れを切らしたアメリカ人たちは、通常の生活を再開できるよう求めて、あちこちの州でデモ…… 皮切りとなった感があるミシガン州……

 

州知事であるウィトマー氏の名前を、ナチス政権のヒトラーになぞらえて、「ハイル・ウィトマー」とまで叫んで行進する人まで出る始末……

 

つい先日などは、さらに過激になったデモ隊が州議事堂に乗り込んできての抗議活動を展開したらしいです。

抗議活動をしている人たちに、マスクをしているのはごく少数だったのだとか…… 抗議活動をしたのは、ほぼ例外なくミシガン州共和党支持の保守派。こちらでは保守派はほぼ例外がないと言っていいくらい、合衆国憲法2条を盾に、銃の所持の合法性を声高に訴えてきますので、デモ行進の鉄則でもある、武器を持たないという基本的ルールはこの連中には全く通用しません……

 

先日の州議事堂乗り込みでのデモの際には、かなりの抗議参加者がライフルを所持しての活動だったそうです……

先日の規模は数百名と、4月中旬に行われた大規模デモ(この時はほぼ 1万名の参加だったそうです)に比べると規模としては小さかったらしいですが、州議員の中には防弾チョッキを着てまで臨戦態勢に入る人までいたのだとか……

 

抗議する相手をなんか間違ってるような…………

闘う相手は、ウィルスなのに…………

 

トランプ大統領によって署名されたコロナ緊急助成金は、2兆ドル(日本円にしておよそ220兆円)という過去最大級の規模。

妻が受け取っている失業者保険の金額を見るとよく分かるのですが、まずまずの金額は入ってきます。今年になって申請した確定申告の申請内容を元に、各世帯にほぼ例外なく給付金額を算出。裕坊一家の場合、裕坊自身は未だに失業していませんので、裕坊は給付の対象から外れても仕方ない、と覚悟を決めていたのですが、蓋を開けてみると満額の支給でした……(大人1人1,200ドル、子供1人あたり500ドル)

 

それに加えて妻の失業保険が支払われ、さらにその上に一時給付金が別途加算。これを全部足していくと、結構な金額になるのです。普段稼いでいる給料を上回る額の給付を受け取っている家庭もある、とニュースになったケースもありましたが、あながち有り得ない話ではありません。

少なくともこれだけの給付金があれば、当面の生活には困ることはないはずなのですが……

 

自営業などを営んでいて、固定費の支払いなどに頭を痛めているケースがあったものと想像しますが、もうちょっとガマンできるだろうに、というのが裕坊の率直な印象……

 

 

実はミシガン州で、もう1つ話題になったニュースがありました。それはコロナウィルスが蔓延して、今1番必要なはずの病院の突然の閉鎖という、にわかに信じがたいニュース………

実は息子が数年前に救急でお世話になって(実際にはただの便秘でしたが)、総額で日本円にしておよそ60万円の請求を送ってきた病院です。

 

いくつかある病院のうち、コロナウィルスの診察を一手に引き受けていた施設を、突然何の前触れもなしに閉鎖……

 

鍵は固く閉められて、一時的に閉鎖する旨を告げる看板だけが、放置されているそうです。

裕坊が知る限り、未だにこの施設は再開にはなっていません。

 

実は元々この病院は、従業員の扱いも決してよくはなかったのでしょう。待遇改善を求めて従業員による抗議デモがあったことでも知られるこの病院……

実際に息子がお世話になった時は、病院に勤める医師や看護師さんは、皆プロ意識がとても高く面倒見がいい人たちばかりだったのですが…… あまりの請求金額の高さに、それ以来この病院には一度も訪れておりません………

 

実はコロナウィルスの治療に当たる施設に対する敬意を評して、地元の学校のボランティアから医療に必要な物資が最近になって届けられたばかり……

 

病院側からしてみると、コロナウィルスの診察治療には、マスクを診察する患者ごとに変えたりガウンも着替えたりと手間がかかる上に、人工呼吸器などを使うと、医療器具にも費用がかかったりと、経営面からは利益が非常に出にくいらしく、病院にとっての「ウマミが少ない」診療になっているんだそうです……

本来は持ち込むべきではない「市場原理」を医療の場に持ち込んだアメリカの現在の医療の結末……コロナウィルスを教訓にして、医療の実態が変わることを、心から願わずにはいられません………

 

 

明日月曜日は4日目。再び夕方に出勤します。