yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 11/5

米国内の小型旅客機の操縦士をやっている、裕坊といいます。

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湿気がやや多い最近のデトロイト地方。早朝は霧が深い日が続いたのですが、日が射してくる時間になると、

朝焼けの日差しに紅葉が映し出され…

 

そんな時に足を伸ばしたくなるのが、季節限定リンゴ搾りジュースとドーナツが買えるリンゴ農園。

のどかな風景が延々と広がり、

 

農園によっては、柵越しに山羊さんが放牧されているところなどもあったりして、

 

愛嬌ある姿を見せてくれます。

 

ただこの季節、避けられないものといえば……

 

庭じゅうに広がる落ち葉………

 

ブロワーと呼ばれる機械を使って、

 

落ち葉を庭の奥へと寄せ集めて、

 

寄せ集めて…

 

一段落すると…

もう日が暮れかけとる……

 

あとは袋へと落ち葉を詰めるだけ…

 

さすがに寄せ集めるだけでも、クタクタになっておりましたので…

全部を袋詰めするには至らず…

 

それでも、頑張りました…

ミシガン州に住む者ならではの、この季節の風物詩……

 

そして米国のエアラインパイロットのここ最近の風物詩といえば…

契約更改時における、パイロット組合主催の抗議集会。

 

米国の航空会社は、ほぼ全社(地域航空会社の中に、1社例外が存在します)が所属パイロットによる組合を形成していて、通常5年を目処に会社との労働契約が締結されるのですが、ここ最近は契約更改時になっても会社側が更改交渉に素直に応じないため、抗議集会が風物詩化しつつあります。

デルタ航空でも最近になってストライキへの賛成票が多数を占めることになり、先日日本のメディアで報道されるまでになりました。

 

前回の更改交渉は2016年。その時の抗議集会では、制服帽に上着のスーツを全員が着用しての集会だったのですが、

今回はコロナ禍を挟み、更改交渉が異様なまでに長引いていることもあり…

 

ほぼ全員が制服帽を脱いだ上での参加に至っています…

実は各空港内でデルタ航空パイロットたちが制服帽を着用していないのは、そのため…

 

まぁ元々帽子を被りたくないという人は多く、カバンの後ろポケットに挟んだまま空港ターミナル内を闊歩しているパイロットは、以前もよく見かけておりました…

ただ今後デルタ航空をご利用の方の皆さんにご報告申し上げておきますと、ほぼ100%の確率で年内にストライキが起こることはありません…

 

なぜかというと、今も連邦法上効力がある『鉄道労働に関する規定(英語ではRLA:Railway Labor Actといいます)』の縛りがあるため…

鉄道と航空会社の従業員は、労働契約や契約更改交渉における不満がある時でも自由にストライキを決行する権利はなく、合法上ストライキを行うためには、いくつかの経緯を経る必要があります。

 

そのうち最も時間がかかるとされているのは、首都ワシントンに事務所を置く国家調停庁(NMB:National Mediation Boardといい、従業員はわずか38名)による労使間の仲裁を経ること。

 

調停庁から具体的な仲裁案が提案され、再び労使間における協議を重ねた上でそれでも再び隔たりが大きい時は、交渉の最後の日から30日間の冷却期間へと入ります。

それでもお互いが平行線のまま締結に至らなかった場合に限り、ストライキが合法的に許可されることになります。

 

ちなみに米国内では、1番最近では12年前の2010年初夏にスピリット航空パイロットによるストライキがありました。

 

そもそも「鉄道労働に関する規定」は、19世紀にボルチモアオハイオ州を結ぶ鉄道会社が、1年の間に従業員の給料を3度も下げたことから、大きな抗議活動が起こったことに端を欲したのですが…

当時は国の大動脈の役割を担った鉄道。流通が止まってしまうとアメリカ全体における経済の停滞を波及させかねないという事情が大きく関わっていました。ただし、現行法が施行されたのは、もう今から80年以上も遡る1936年…

 

到底現在の状況を反映した法律とは言い難く、労働者の立場からすると労使交渉の大きな足枷になっていることは間違いありません。鉄道会社の労働条件は現在に至るまで思わしくないようで……

中でも北米最大級の貨物積載量を誇るBNSF社(本社、テキサス州フォートワース)では、現在進行形で労使交渉が大きく決裂したまま、不穏な空気を抱えています。

 

BNSF社は、最近になって各労働者に勤務実績をポイントで評価するという、一見フェアにも見える制度を導入したのですが、実は家族の扶養のための休暇や病欠という、本来寛容であるべき休暇ですらポイントが次々に減るという仕組みだったらしく、組合は激怒…

先ほど説明した30日間の冷却期間は既に9月16日(金)に失効…

 

急遽大統領のバイデンさんが仲介しての、緊急調停を招集する事態にまで至っています。

 

航空会社を一瞥しても、最近になってユナイテッド航空パイロット組合が、会社からの昇給案を拒否したのに続いて、

 

アメリカン航空も会社案を拒絶…

 

フランスでは、航空管制官が昇給を要求して1日ストライキを実施し、当日はパリのシャルル・ド・ゴール空港を発着する便の半分が欠航…

裕坊は必ずしも組合推しではありませんが、現状に見合う労働条件への交渉には会社側も素直に応じて欲しい、に一票。裕坊の憶測では、デルタ航空の契約締結はおそらく年明け…毎日送付される組合からのメールを読みながら、契約交渉の成り行きを見守っています。

 

 

そして数日後にはいよいよ久しぶりの出勤。

 

しばらく水漏れが続いていた水道の元栓のことが、頭から離れませんでしたが……

 

なんとか漏れが完全に直りました……

 

 

 

 

 

やれやれです…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 11/2

米国内で、短中距離路線の旅客機に乗っている、裕坊といいます。

11月になりました。日本のプロ野球オリックス・バファローズが、昨年の雪辱を果たして日本一。おめでとうございます。

 

決勝打を2度も放ったラオウこと杉本裕太郎選手、第5戦でサヨナラ2ランを放った吉田正尚選手の活躍はもちろん見事でしたが、終盤を完璧なまでに締めていた宇田川投手や山﨑投手(第7戦では、打ち込まれてしまいましたが…)、1勝3セーブの大車輪の役割を果たしたワゲスパック投手の活躍もなかなか見事でした。この3人のうち、誰か1人でもいいから優秀選手賞をあげて欲しかった…

ホームランのインパクトが強すぎて、どうしても打者の活躍に目が行ってしまうのは仕方ないですが、現代野球では欠かせないセットアッパーの活躍がなかなか注目されないのは、ちょっと不憫…というより、そもそも投手の活躍が、特に最近評価が低い傾向にあるのが気になります…

 

大リーグもいよいよ2022年シーズンが大詰めを迎えて、ワールドシリーズの数試合を残すのみ(11月1日時点で、フィリーズが2勝1敗)。既に今季のMVP記者投票は終わっているので、MVPの発表はワールドシリーズの終了を待つのみではありますが…

15勝を挙げていながら、ホームラン34本。しかも終盤は打率も上げてきて2割7分台。それより何より規定打席規定投球回数を両方とも到達という、あのベーブ・ルースですら成し遂げられなかった前人未到の大記録。恐らく62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ選手(ヤンキース)との一騎打ちにはなったのでしょうが、裕坊の中ではMVPは大谷翔平選手以外にはあり得ないです。どんな結果が待ち受けとんのやろなぁ〜…

 

月曜日に予定されていたワールドシリーズ第3戦は1日順延…ここ最近は、中西部でも霧雨のような日々が続き、デトロイト地方も朝は霧が深く出る日が続いておりました。

10月の終わり頃にかけて気温は上がり、

 

霧雨のあいにくのお天気ながらも、10月31日はハロウィン日和。

 

まずまず順調なお仕事…

 

担当する路線は、以前所属した航空会社と重なる都市ばかりなので、景色は以前とほとんど同じものを眺めています。

こちらの写真は、運航が始まって間がない格安航空会社のブリーズ航空。写真のブラジル製エンブラエル195型機を皮切りに、今年に入ってエアバス220型機による長距離運航も始まるようになりました。

 

その反対側は、裕坊が10年以上乗り続けたリージョナルジェット機のCRJ−900が停泊。間違いなく裕坊の中では名機です。

この時、写真の機体は左側のエンジンが立ち上がらずに、出発したばかりのゲートへと引き返しておりました…どうしても長く使っていると、機械類は不具合を起こしてしまうんやなぁ〜…

 

 

長く使っていると不具合を起こしてしまうものといえば……

 

 

水道栓とて同じ……

実はこちらは、我が家の水道栓…しかも市から引いている水道栓の一番手の栓なので、これがちょっと厄介……

 

そもそものきっかけは、といいますと…

台所の水道が漏れ出したこと…それまでもやや漏れ気味ではあったのですが、ある日突然、栓を閉めても閉めても水が完全には止まらなくなり、蛇口の取り付け部分のカートリッジ交換をしようとしたのが始まりでした。

 

必要な部品は、既に買っていたので、

 

メーカーが提供しているビデオを見ながら、

中の金属が緩くなっているカートリッジを交換するのみ…

 

蓋やネジなどを取り外して、取っ手を外し、

 

剥き出しになった、使い古しのカートリッジ…

既に我が家を購入して以来、10年以上全く交換していなかったので、水流調節のパッキンが完全に劣化しておりました。

 

レンチで古いカートリッジは引き抜き、

 

新しいものを挿入するだけ。

ただ取っ手に中に入っている水流調節用プラスチックまでもが劣化していて、破裂……

 

その部品は急いでアマゾンに注文して、

翌日早朝配達で調達…

 

部品は午前6時には届いていたので、台所の水周りは2日がかりで解決しました。

 

問題だったのが、こちら…

実は作業するのに、台所の下にある水道栓を回して水を止めようとしたのですが、しばらく回していなかったせいか、金属が硬直して栓を回すことができず、

 

しかも家庭内の水道のパイプを辿っていくと、台所の水を止める栓が他にない……

 

仕方なく、市から引いている元栓を閉めざるを得なかったのですが……

これが実は悲劇の始まり……

 

こちらも我が家が建って以来、恐らく一度も回していなかったと思われ……

栓が一部で腐食していて、

 

ノブを回した途端に、水がダダ漏れになり……

写真を写すまでの間に、内側のナットをかなり固く止めたので、一時的には止まったのですが…… さすがにこのまま放っておくわけにはいかず……

 

ホームセンターへと走ってみたものの…

 

ちなみに店内はハロウィンが終わると同時に、あっという間にクリスマスへと模様替えになっておりました…

ちょっとやそっとの部品で、とても解決できるようなシロモノではなく…

 

結果的には、市の水道を管轄する事務所をハシゴする羽目に陥っておりました…

数日のうちには、市の職員に市からの水道を一時的に止めてもらえることになり、

 

そこから元栓の修理という手筈が整いました…

いよいよ数日後には、元栓の修理……水がなくては人間は生きていけませんが……

 

 

 

 

 

怖い存在であることも確かなようです……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 10/27

米国内で国内線中心の旅客機に乗っている、裕坊といいます。

 

裕坊がアメリカにてフライトトレーニングをアメリカで始めたのが、2002年2月。フロリダ州のオーランドからやや北にあるフライトスクールにて、飛行訓練を受けておりました。

 

飛行教官時代を含めて、フロリダにいたのはおよそ4年半ほど。

当時の訓練機は、白地に青と赤のストライプで、訓練機材の中心はセスナ社製とパイパー社製。

 

裕坊がフライトスクールを離れる頃になって、真新しいシラス社製(本社:ミネソタ州ダルース)が、たくさん導入になっておりました。

操縦桿にエアバス機と同じく、サイドスティックを採用。ただ裕坊は、一度もシラスには乗ったことがありません…

 

デルタ航空の孫会社でもあった当時の学校(コムエアー・アビエーション・アカデミー(Comair Aviation Academy))は、

経営母体が次々に変わって、デルタ航空の系列からも完全に切り離され、

 

現在では防衛情報技術、航空宇宙技術を主に取り扱う企業(L3Harris Technologies(本社、フロリダ州メルボルン))に経営母体が変わっています。

 

そのフロリダ州のフライトスクールに通っている当時の裕坊の愛車……1996年式ダッジ・ネオン……

車好きの方ならよくご存知、1990年代に日本の小型乗用車市場への切り込みを見込んで開発された、クライスラー社の力作中の力作です。

 

 

ただご記憶の方も多いと思いますが、日本の国産乗用車には随所に実力の差を見せつけられ、悲惨なほどの大敗北を喫し、クライスラーのセダン車は日本市場から完全撤退……

 

 

実際に裕坊自身も約8年ほど所有したのですが、オーバードライブが装備されないオートマギアのため、高速で時速100キロ以上を出すとエンジンは高回転になって震えが収まらず、内装の布は天井から垂れ下がりヘッドライトは黄ばみやすく、夜には前がほとんど見えなくなるというシロモノでした…

アメリカに来たばかりの頃、学校の係員の知り合いを通じて、オークションにて格安の値段で購入。ただ当時の裕坊には、これを買うのですら精一杯でした…

 

そして一定の経験を積んで、当時テネシー州メンフィスに本社があったピナクル航空(現在のエンデバー航空)に採用されたのが、2006年。

航空会社への採用をきっかけに、自分へのご褒美も兼ねて大型セダンを《フロリダ州にて、ここ重要です》購入…2003年式のビュイック・リーガル。既に7万マイルを走行していたこともあり、1万1千ドルという破格のお値段でした。

 

時は流れて、16年……ミシガン州へと住居を移し、地域航空会社員として生活してきた裕坊と共に歩んできた16年間を、雪も積もる過酷な条件の中で大きな故障もなく頑張ってくれていました。

機長昇格訓練の時には、デトロイトから当時研修施設があったメンフィスまで2日がかりで運転したことも…

 

特に走行状態は悪くはなかったのですが、塩が派手に撒かれるミシガン州の路面条件はさすがに堪えたようで、サビが下回りを覆うようになっていました。

息子くんも音楽活動をするのに、機材の運搬で大きなスペースを必要とする場面が多くなり、愛妻ちゃんが乗っていたワゴン車を息子が乗る機会が多くなるなど、様々な状況も同時に重なることになったので、

 

愛妻ちゃんの新しい足用に、雪道でも安定して乗れる車を一台思い切って購入。

 

16年間乗り慣れたセダンくんを、売却することを決断しました。

搭載されているV6型の3,800ccのエンジンは、とあるユーチューバー整備士さん(Car Wizardという、カンザス州で整備屋さんを営む整備士さんのYouTubeです)に言わせると、数ある乗用車のエンジンの中でも、歴代ベストと評価するほどに信頼性が高いエンジン。名残惜しくはあったのですが、さすがに一度に4台を所有するほど余裕はない…

 

ということで、買取業社でセダンくんを引き取ってもらうことになりました。16年間安全に裕坊を運んでくれたことに感謝して、何枚もの写真を撮ってお別れ……

最後の書類に署名を終え、

 

引き渡しも終了、となるはずでした…

 

 

 

ところが………

 

 

 

書類の手続きを担当する別の女性から、後日電話がかかってきて……

 

書類が1枚足りないらしい……

しかも車の売買で、最も重要な書類ということらしい……

 

タイトルと呼ばれる、自動車の売買の際に必要となる書類の原本が欠けていると告げられたのですが……

探してみたものの、原本がない………

 

今時、簡単にオンラインで申請くらいはできるやろ……

 

 

 

ところが………

 

 

 

今、裕坊が所有していることになっている4台のうち、ビュイックだけがオンライン申請できないらしい…

なんでや……

 

 

不思議に思いながらも、自動車登録記号を入力して詳しく検索してみると…

 

 

購入した時のフロリダ州に、タイトルがまだ残ったままになっておりました……買ったディーラーさんはフロリダ州……そういえば、フロリダ州からミシガン州へとタイトルの登録先を移す手続きをしていなかった…

しかもフロリダ州のタイトルはオンラインでは受け付けてもらえないので、郵送か直接事務所へと出向く以外に方法がない……

 

この様式の書類が、車の売買の際にはとても重要なんだそうです…

郵送だと最低でも1ヶ月以上かかるとのこと……

 

 

 

それなら、行き掛けの駄賃……

 

 

 

いっそのこと、暑い日差しのフロリダへと行ってしまえ〜〜……

ということで、

 

 

 

 

 

 

重要な任務遂行のため、フロリダへと旅してまいります………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 10/20

米系航空会社で、国内線を飛んでいる裕坊です。

 

秋がすっかりと深まってきて、肌寒い日が続いているミシガン州

メープルの木の葉もしっかりと色づいてきました。 息子くんが運転免許を取得し、学校までは自らハンドルを握っての登校。

 

大きな責任から1つ解放されたとあって、息子を送り出したあとは時間にもちょっと余裕が持てるようになり、

 

ミシガン州の秋の風物詩、アップルサイダーミルを愛妻ちゃんと2人で訪れたりすることも…

息子くんは、来年夏にはまずは一区切りの卒業生。

 

 

方や裕坊は16年勤めた地方航空会社から、親会社へと転籍したばかりの新入社員…

担当機種のボーイング717型機。見た目はかつて乗務したリージョナルジェット機とほぼ同じで、エンジンは胴体後方に据え付けるタイプですが…

 

担当機材が変わると、飛行機の仕組みやスイッチ、ボタン類の位置などが全く違うので、操作手順なども含めて1から覚え直しになります…

訓練中は、他のことを考える余裕がなくなるほどに、勉強に集中しておりました…

 

実機での慣熟訓練が終わって、およそ半月。やっとのことで、スイッチ類、ボタン類も板についてくるようになりました。

ルーティンが板につき始める頃には、いよいよ次の冬の季節。 出発前の除氷作業なども入ってきます。

 

それらの手順を身につけるのが、今後の課題……

 

ちなみにこちらの写真は先日訪れた、シカゴ・オヘア空港での一コマ…

かつてはデルタ航空便のオヘア空港発着は、旅客ターミナルの南西部に位置するEコンコースからだったのですが、

 

10月12日(水)から、国際線ターミナルからになりました。

 

実際の発着は国際線ターミナルの中でも、増築された北西側。

設備が新しいのはとてもありがたいのですが……

 

駐機場のスペースが極端に狭いのがちょっと難点…

駐機場が主要誘導路 B にスレスレに接しているので、翼端を気にしながらの駐機になります。

 

コンコース中央付近は、売店なども多く賑わっていて、

 

国際線便が多いこともあり、免税店も充実。

 

新ターミナル移転を祝う風船も、スカイラウンジ前にしっかりと飾られていました。

 

ただ隙間を縫って無理やり増築したせいか、発着ゲートまでがかなり遠くなっているので、ご利用のお客さまには不便かも知れません…

 

歩いても歩いても、端へと辿り着かない…

 

東の端までやってくると、日本航空のドリームライナーが停泊しておりました。

 

その当日は、カンザスシティダウンタウンへ宿泊滞在。

 

翌日はノースカロライナ州の州都、ローリーでの宿泊。

 

日差しが眩しく、気温も20度まで上がってポカポカ陽気の中、向かっていたのは、

 

ノースカロライナ州を代表する大学の町、チャペルヒル

 

大学に隣接する、古い歴史を持つホテルへの宿泊滞在でした。

 

最初にここノースカロライナ大学チャペルヒル・キャンパスが学生を受け入れたのは1795年と、アメリカの中でも最古の歴史を持つ大学らしいです。

 

州都のローリー市からはローリー国際空港を挟んで反対方向になるので、人口規模は大きくなく、キャンパスもややこじんまり…

 

ただ18世紀からの歴史を持つだけあって、各校舎ともレンガや石造りなどの趣のある歴史的建造物ばかり。

 

その歴史に合わせるかのように、街全体もゆったりとした時間が流れておりました。

 

ノースカロライナ州といえば、アメリカを代表するバーベキューの町。

レストランが立ち並ぶフランクリン通りには、各種のレストランも並んでいたのですが……

 

裕坊が立ち寄ったお店といえば、日本人としてはやっぱり入りやすいアジア系…

 

こんなものを頂いておりました…

 

翌朝は、送迎シャトル4時台で空港へと出勤…

 

趣がある各種調度品が並べられたホテルも、この時間はさすがにひっそり…

 

エレベーターの停まっている階が、針で示されているという年代物でした…

 

実は3日勤務が2回連続で続く、合計6日連続勤務をこなしていたので、

 

毎日、早朝の空港出勤。 ボーディングブリッジを降りると、

 

飛行機の中は、まだ空っぽ…

早朝出勤をほぼ1週間頑張った後のご褒美といえば、お給料のはずなのですが…… 実は前回の給与金額、

 

 

 

ゼロ………

 

デトロイト空港内事務所へと立ち寄って、事務所責任者にまで確認を取ったのですが、

 

新人向けマニュアルの中にも、お給料に関する事項がしっかり明記されていて、新人訓練生からラインパイロットへと移行する際の、一時的な措置ということらしいです…

契約にも記載されている以上、誰もが通る道……

 

 

ただ、ってことは…………

 

 

お財布の中身が寒いまま生活するのが、私生活上の今後の課題……

ほんのちょっとだけど、貯蓄しておいてよかった……

 

フライトは終わりました。

大手の航空会社で生活基盤を築くのは、これからやなぁ〜………

 

 

 

 

 

 

 

家族3人、力を合わせて頑張ります…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

裕坊パイロット日記 10/11

米系航空会社で副操縦士を務めている、裕坊といいます。

秋が深まってきました。

 

秋といえばこちらでは、来年初夏に卒業を控える高校生たちが、挙って大学選びと入学願書作成に忙しくなります。 暇を縫っては、時々息子くんの大学見学などにもお付き合い…

数万人という規模の学生を抱えるような学校も存在し、

 

中にはキャンパス間の移動に、大学お抱えの専用バスを利用することも…

ちなみにその大学お抱えのバスは学生だけでなく、誰でも無料で利用できます。

 

科学技術系の大学見学では、

 

航空学、宇宙学の研究所の案内などもありました。

ちなみにジェットエンジンは、通常の巡航飛行中は回転数が平均1分あたり10,000回転以上(乗用車の高速運転時は平均で2,000回転ですので、およそ5倍の速さになります)にもなるので、各装備品を動かすパワーにもってこい…エンジン周りには与圧系、油圧系、発電機など、様々な器機が配置されています。

 

こちらは裕坊が乗務するボーイング717型機のエンジン。配置は以前の担当機材、リージョナルジェット機と全く変わりません。

 

遠く目で見ると、以前乗っていた機体とほとんど同じようにも見えてしまいます。

先日3日勤務のフライトを終えて帰宅したのですが、

 

早朝のパターンでしたので、始発便の外部点検の時は、外は真っ暗でした…

 

こちらは着陸時のボーイング717型機の光景。

基本設計はかつてのマクドネル・ダグラス社、DC-9型機なので、パイロットが型式取得証明に必要な訓練を終えると、免許にはDC-9と記載されます。

 

ちなみにDC-9が旅客機として最初に投入されたのは、今から50年以上も前の1965年。ローンチカスタマーは、デルタ航空だったそうです。

 

デルタはその後もDC-9の派生型を次々に投入して、積極的な運用をしてきました。

コロナ禍前までは主力機の1つでもあったMD-88型機は、その代表格。

 

ほとんど同じ座席数を持っていたMD-90型機も、かつての主力機材。

 

ボーイング717型機の座席数が110なのに対して、MD-90型機は160名の収容力。

そのためこちらでは客室乗務員も4名が乗務しておりました(B717は3名乗務)。MD-88、MD-90とも、コロナ禍の中でデルタ航空からは全機退役しています。

 

B717型機は、その発展型。

全長はMD−90型機などと比較するとかなり短いですが、

 

自動操縦系などが刷新され、 計器画面もグラス仕様になって、とてもスッキリとしています。

 

ちなみにこちらはMD−90型機のコックピット。

 

デルタで運用されている機体は、かつてフロリダ州オーランドに本社があった格安航空のエアトラン航空(2014年までに、サウスウェスト航空に吸収合併されています)の主力機材でもありました。

ボーイング737型機と717型機を併用していたエアトラン航空。

 

サウスウェスト航空への吸収合併時は、実はボーイング737型機よりも多くの機材を保有(737型機の52機に対して、717型機が88機)。

吸収合併後は717型機が余剰機材となり、デルタ航空にリースされています。

 

デルタでは2022年10月現在、64機を運用中なのですが、多くの機体にATの機体番号が付いているのは、エアトラン航空で運用されていた時の名残。

エンジンが胴体後方に据え付けられているので、推力が両側とも機体軸に近いのが特徴。片側エンジンが故障しても、方向軸が不安定になりにくいメリットがあります。

 

そのため片肺飛行でも完全自動着陸、さらには視界ゼロですら着陸できてしまうというスグレモノ…

ただ販売数は伸びず、胴体延長型の計画もあったのですが結局は頓挫。717型機は2006年5月が最終の製造になり、1番新しい機体でも機齢が16年を超えているので、老朽化もさすがに隠せなくなってきました…

 

2022年に入ってデルタは、ボーイング737Maxシリーズの購入契約(100機)を発表したばかり…

公式には2025年度を以って717型機が全機退役ということになっているので、B737Maxによって置き換えられることになるかも知れません。

 

実は社内では、カンタス航空傘下のカンタスリンク社が運用しているボーイング717型機を購入するという噂もあり、ひょっとすると延命することになるかも知れません…

まだ先のことは、よく分からないです…

 

717型機が就航しているのは、かつて裕坊が勤務した航空会社で訪れたことがある都市ばかり…

 

前回の3日勤務では、久しぶりにミネアポリスからの発着もありました。

 

アメリカン航空の基幹空港のノースカロライナ州シャーロットからも発着。

 

こちらは本格的な改築が進んでいて、

一部では搭乗手続きカウンター側の工事が終わっています。黒い幕の反対側へと出ると…

 

昔からのカウンター…

実はこちらの方が、賑わっておりました…

 

木曜日からは3日勤務が2回連続で続く、怒涛の合計6日勤務が待ち受けているのですが、

最近になって、車を一台買い替えましたので、

 

 

ローンが1つ増えた……

 

 

 

 

 

頑張ります…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 9/30

米系航空会社で副操縦士を務める、裕坊といいます。

 

アメリカ中西部、北部においては気温が10度台にまで下がり、長袖にジャケットを羽織る朝晩ですが、フロリダ州を始めとする南西部の州ではハリケーン・イアンが襲来…

 

風の強さが過去最大級になって、それによる高潮被害が甚大なものになっていたそうです…

 

被害が激しかったのが、フロリダ州の西海岸側…

家屋や乗用車などが軒並み浸水、水没し、

 

ヨットハーバーなどに停泊していた自家用ヨットやボートなどが、陸に散乱する事態になってしまいました…

 

1日でも早く、日常生活が戻ることを願うばかりです…

 

 

そんな中裕坊は、まずは1回目の実機による慣熟訓練が先週終わっておりましたので、

2回目となる研修のために、アトランタまで向かいました。

 

実機での慣熟訓練の詳細は、各航空会社と連邦航空局との間で取り決めが行われていて、デルタの場合、国内線主力機材だと25時間。

 

先週の3日勤務では10便を担当して、15時間の飛行時間をこなしていたので、

 

残り10時間が必要になります。

実機慣熟訓練2回目の舞台は、アトランタ

 

組まれていたのは、5都市往復で合計10便。

全路線とも、飛行時間2時間以下の短距離路線ばかり… ただ拘束規定時間の超過を防ぐために、担当便乗務の前日にはアトランタへと移動しておりました。

 

お迎えの専用シャトルに乗り込んで、アトランタダウンタウンの北にあるホテルまで。

 

今までは全く縁がなかった高級ホテル。各都市のダウンタウン高級ホテルに泊まることが、最近ではすっかりと多くなりました…

 

前回が始発便を含む早朝便をこなしたのに比べて、今回は夕方から始まり、最終便までをこなします。

 

以前乗務していたリージョナルジェット機とは、全く機体の製造コンセプトが違っている旅客機とあって、シミュレーター訓練中はスイッチ類の操作手順がなかなか手につかず、苦労の毎日…

 

 

休日にはロサンゼルスを訪れて、友人との旧交を深めて鋭気を養ったりもしました。

 

それにしても、ロスがこんなに気候がいいところだとは知らなかった…

 

それがやっとスイッチ類の操作も手に馴染み始め、

シミュレーターによる研修が終わったのが、実は結婚記念日でもある9月8日。

 

1回目の実機研修で、デトロイトを行ったり来たりした後…

 

今度はひたすらアトランタの行ったり来たり…

 

アトランタといえば、デルタ航空の本家お膝元。本社は空港のすぐ北にあります。

1番多くの便数が行き交うアトランタ空港。機材の大きさによって使用するコンコースが分けられているのですが、

 

ボーイング717型機の主な発着は、Cコンコースからで、

 

北端まで行くとかつての勤務先、エンデバー航空のアトランタ事務所があったりします。

ただ今回は、顔見知りに会うことはありませんでした…

 

発着ゲート数が足りなくなると、BコンコースやDコンコースから発着することもあります。

今回の行き先は、リージョナルジェット機に乗務している時に訪れたことがある都市ばかり…

 

アトランタからは2泊の宿泊滞在を含む、5都市の往復便の担当でした。

オハイオ州のデイトンを訪れていたり(写真は、搭乗手続きカウンター上にある、ライト兄弟の初飛行時用飛行機のレプリカ)、

 

ケンタッキー州レキシントンも往復…

 

レキシントンには、バーボンウィスキーの蒸溜所が町の至る所に点在しています。

 

競馬用のサラブレッド養成所が多い町としても知られるのも、もう1つのレキシントンの顔…

 

金融の町としても知られるノースカロライナ州のシャーロットにも、宿泊滞在しておりました。

シャーロット空港は、アメリカン航空の基幹空港の1つ。フードコートがとても充実しているので、裕坊も良くお世話になっています。

 

そして研修の締めを飾ったのが、ルイジアナ州のバートン・ルージュ行きの往復便。この2便が正式なラインパイロット登録への最終確認となる、路線審査となりました。

往路バートン・ルージュ行きが操縦桿を握る操縦担当、折り返し便は操縦桿を直接握ることがない、フライトのアシスト役。無線や補助翼のレバーなどを動かすのが主な役目。

 

 

長く感じた3ヶ月半に渡る研修。アトランタへと向かう便を担当する頃には、スイッチ類の操作も手に馴染むようになり、

無事合格…お墨付きをいただいた上で、

 

 

デトロイトへと戻る便の出発コンコースへと移動。

各コンコース間は地下で結ばれており、多くのお客さんは地下鉄で移動します。

 

デトロイトまでは、乗客の1人になって機上の人になっておりました。

 

デトロイト到着は、深夜1時…

 

翌日に正式にラインパイロットとして登録され、

10月から通常の運航便に乗務できることになりました。

 

9月に4年制高校の4年生になった我が息子くん、高校卒業を控え、今は大学への入学願書作成の真っ最中…

 

愛妻ちゃんも、そろそろ車の買い替え時期…

しっかりと家計を支えなくては……

 

 

 

 

 

新しい職場での本当の試練は、これからです…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 9/23

米系航空会社に勤務する、裕坊といいます。

シミュレーター訓練が終わってから、自宅があるデトロイトへと帰宅…1週間ほどのお休みをいただいておりました。

 

デトロイトからおよそ北へ1時間ほど行ったサギノーにある日本庭園での、日本祭りも訪問。

 

午後開催された催し物の1つに、息子も音楽会で参加…

プロが準備してくれた音響のおかげもあり、なかなかの出来栄えでした。

 

お天気も良く、盛況の1日…

ただしばらく暑い日が続いていたミシガン州…特にテントの下はかなりの暑さで、皆さん汗だくでした……

 

お休みの間には、これからの航空会社を取り巻く環境に大きな影響を与えそうなニュースも幾つか流れていて、

中でも目を引いたのが、これからの中短距離航空輸送の主力候補になる可能性もある、航空タクシーサービス。

 

航空タクシー用機材開発に手がけている企業のうち、2社との契約を立て続けに発表したのがユナイテッド航空

超音速旅客機の購入契約を締結したり、航空タクシー用機材を合計で数百機にも渡る導入計画を発表したりと、アメリカ国内における航空会社の中でも、率先した先行投資を行なっています。

 

乗用車の自動運転の本格的な普及とともに、航空輸送界におけるさらなる自動化の波及は、もはや時間の問題…将来的に航空会社の存在が脅かされる可能性もありますから、先手を打ったということでしょう。

ただ技術開発への障壁はまだまだ高いのも事実なようで……

 

グーグル社の共同創設者の1人でもあるラリー・ページ氏(写真下)が運営する航空タクシー機材、キティーホーク(写真上)の開発は、一旦停止することになってしまいました…

ただこの波は、決して止まることはありません…30年後には航空輸送を含めた旅客輸送の体系は、大きく様変わりしていることでしょう。

 

 

30年後、50年後には輸送業界の勢力図って、どうなっとんのやろな………

 

 

そんな思いを抱きながらも、緊張の面持ちでデトロイト空港初出勤…

もとい、16年間通い続けた同じ空港での、転籍後の初出勤……いよいよ実機での慣熟訓練の始まりです…

 

こちらが転籍後の担当機種になる、ボーイング717型機。

 

エンジンが機体後方に装着されているので、かつて裕坊が乗務していたリージョナルジェット機と、見た目はほとんど変わりません。

全長もかつての担当機種CRJ−900型機と比べて、ほんの少し長いだけ…

 

先日の火曜日が、裕坊にとっての実機での初飛行になりました。

裕坊が操縦桿を握っての初フライトは、ローリー(ノースカロライナ州)からのデトロイト行き、DL698便。

 

ちなみに外部点検時のこの風景、リージョナルジェット機とほとんど変わらず…

かつて乗務していたリージョナルジェット機を、そのまま点検している気分……一見違うといえば、客席窓の間隔が狭くなっていることくらい…

 

撮影ポイントを変えてちょっと遠くから撮ってみると、操縦席の窓の形が違っているのが分かります。DC−9型機の派生型なので、中央窓があるのが大きな特徴……上の写真がB717で、下がリージョナルジェット機。

 

さらに角度を変えて撮ってみると…

機種が変わったのを実感するのが、お預かりの荷物を入れる貨物室の位置が異なっているのを見た時…

 

ボーイング717型機は、右側の胴体下に2つの貨物室が設置されています。

 

こちらが副操縦士席からの計器パネルを見た時の様子…

かつてはボーイング717型機も、西海岸路線に配置されていた時期があったのですが、最近ではアメリカ大陸の東半分に集約されているので、

 

行く目的地も、何度も訪れたことがある都市ばかり…

写真は、ローリー空港。

 

こちらはエンデバー航空時代もよく通い詰めた、和牛バーガーを取り扱うバーガー屋さん…

 

顔見知りの従業員さんまでいらっしゃいました…

 

大手の航空会社とあって、宿泊するのも豪華なホテルなのですが…

 

3便を担当した初日は、さすがに気疲れして…

 

ホテルに着くなり、夕方のうちから熟睡……

 

最初の3日勤務は、両日ともにシカゴ(オヘア国際空港)での滞在でした。

 

外見はリージョナルジェット機に近い機体なのですが、基本設計が全く異なる旅客機とあって、操作系の扱い(エンジン立ち上げなど…)の違いも大きく、しばらく戸惑った時期もあり、

特にシミュレーター訓練時は、他のことを考える余裕もなくなるほど勉強に集中したこの2ヶ月。

 

実機に乗ってやっと新しい職場へ参加できる手応えを感じ始めた3日間でした。

 

一仕事終わった…

 

気温が急激に下がって、日中でも10度台とひんやりのデトロイト

 

我が家の植木も、葉が色づき始めています。

そして土曜日から間髪を置かずに、今度はアトランタへ…

 

 

 

 

 

実機慣熟訓練、2回目はアトランタを行ったり来たりです。