米系航空会社で副操縦士を務める、裕坊といいます。
アメリカ中西部、北部においては気温が10度台にまで下がり、長袖にジャケットを羽織る朝晩ですが、フロリダ州を始めとする南西部の州ではハリケーン・イアンが襲来…
風の強さが過去最大級になって、それによる高潮被害が甚大なものになっていたそうです…
被害が激しかったのが、フロリダ州の西海岸側…
家屋や乗用車などが軒並み浸水、水没し、
ヨットハーバーなどに停泊していた自家用ヨットやボートなどが、陸に散乱する事態になってしまいました…
1日でも早く、日常生活が戻ることを願うばかりです…
そんな中裕坊は、まずは1回目の実機による慣熟訓練が先週終わっておりましたので、
2回目となる研修のために、アトランタまで向かいました。
実機での慣熟訓練の詳細は、各航空会社と連邦航空局との間で取り決めが行われていて、デルタの場合、国内線主力機材だと25時間。
先週の3日勤務では10便を担当して、15時間の飛行時間をこなしていたので、
残り10時間が必要になります。
実機慣熟訓練2回目の舞台は、アトランタ。
組まれていたのは、5都市往復で合計10便。
全路線とも、飛行時間2時間以下の短距離路線ばかり… ただ拘束規定時間の超過を防ぐために、担当便乗務の前日にはアトランタへと移動しておりました。
お迎えの専用シャトルに乗り込んで、アトランタダウンタウンの北にあるホテルまで。
今までは全く縁がなかった高級ホテル。各都市のダウンタウン高級ホテルに泊まることが、最近ではすっかりと多くなりました…
前回が始発便を含む早朝便をこなしたのに比べて、今回は夕方から始まり、最終便までをこなします。
以前乗務していたリージョナルジェット機とは、全く機体の製造コンセプトが違っている旅客機とあって、シミュレーター訓練中はスイッチ類の操作手順がなかなか手につかず、苦労の毎日…
休日にはロサンゼルスを訪れて、友人との旧交を深めて鋭気を養ったりもしました。
それにしても、ロスがこんなに気候がいいところだとは知らなかった…
それがやっとスイッチ類の操作も手に馴染み始め、
シミュレーターによる研修が終わったのが、実は結婚記念日でもある9月8日。
1回目の実機研修で、デトロイトを行ったり来たりした後…
今度はひたすらアトランタの行ったり来たり…
アトランタといえば、デルタ航空の本家お膝元。本社は空港のすぐ北にあります。
1番多くの便数が行き交うアトランタ空港。機材の大きさによって使用するコンコースが分けられているのですが、
ボーイング717型機の主な発着は、Cコンコースからで、
北端まで行くとかつての勤務先、エンデバー航空のアトランタ事務所があったりします。
ただ今回は、顔見知りに会うことはありませんでした…
発着ゲート数が足りなくなると、BコンコースやDコンコースから発着することもあります。
今回の行き先は、リージョナルジェット機に乗務している時に訪れたことがある都市ばかり…
アトランタからは2泊の宿泊滞在を含む、5都市の往復便の担当でした。
オハイオ州のデイトンを訪れていたり(写真は、搭乗手続きカウンター上にある、ライト兄弟の初飛行時用飛行機のレプリカ)、
レキシントンには、バーボンウィスキーの蒸溜所が町の至る所に点在しています。
競馬用のサラブレッド養成所が多い町としても知られるのも、もう1つのレキシントンの顔…
金融の町としても知られるノースカロライナ州のシャーロットにも、宿泊滞在しておりました。
シャーロット空港は、アメリカン航空の基幹空港の1つ。フードコートがとても充実しているので、裕坊も良くお世話になっています。
そして研修の締めを飾ったのが、ルイジアナ州のバートン・ルージュ行きの往復便。この2便が正式なラインパイロット登録への最終確認となる、路線審査となりました。
往路バートン・ルージュ行きが操縦桿を握る操縦担当、折り返し便は操縦桿を直接握ることがない、フライトのアシスト役。無線や補助翼のレバーなどを動かすのが主な役目。
長く感じた3ヶ月半に渡る研修。アトランタへと向かう便を担当する頃には、スイッチ類の操作も手に馴染むようになり、
無事合格…お墨付きをいただいた上で、
デトロイトへと戻る便の出発コンコースへと移動。
各コンコース間は地下で結ばれており、多くのお客さんは地下鉄で移動します。
デトロイトまでは、乗客の1人になって機上の人になっておりました。
デトロイト到着は、深夜1時…
翌日に正式にラインパイロットとして登録され、
10月から通常の運航便に乗務できることになりました。
9月に4年制高校の4年生になった我が息子くん、高校卒業を控え、今は大学への入学願書作成の真っ最中…
愛妻ちゃんも、そろそろ車の買い替え時期…
しっかりと家計を支えなくては……
新しい職場での本当の試練は、これからです…