yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 9/12

米国内の航空会社に勤める、裕坊といいます。

前回の投稿からおよそ3ヶ月。大変お待たせいたしました。

 

米国の地域航空会社から、親会社である大手航空会社に転籍したのが6月初め。緊張の研修初日の風景。各航空会社とも乗務員不足が深刻になる中、裕坊の研修クラスは60名の大所帯でした…

実をいうと、コロナ陽性の直後だったとあって気怠さが残り、肺にも違和感が残る中での無理やりのショーアップ。

 

バースデーを模るかのような、新人歓迎のB−dayパーティーもあったのですが、裕坊自身はアップアップでした…

 

新人パイロットが研修を受ける第3研修棟内。写真にあるのは裕坊の担当機種となる、ボーイング717型機。ボーイングと名乗っていながら、元々はマクドネル・ダグラス社製のDC−9型機の派生型。ですので、パイロット免許に記載される形式証明は、DC−9になります。

同じく派生型であるDC−9スーパー80型、MD−90型機などは日本エアシステムでも頻用されておりました。

 

体調は一般教養受講中、完全に回復することはなく、それでも何とか乗り切って最終日を迎え……

 

ちなみに3棟ある研修ビルは、道路の上を跨ぐ渡り廊下で繋がっています。

 

一般教養最終日は講習後、制服に着用するウィングの授与式典が開催されました。

 

全員スーツやカクテルドレスに身を包んで、研修施設敷地内にあるデルタ・ミュージアムまでご招待。

裕坊も新調したスーツに身を包んで登場…当日は愛妻ちゃんもデトロイトから駆け付けてくれました。

 

既に退役したボーイング747型機が展示される博物館へと集合しての授与式。

 

操縦室内も公開されており、

 

客室も現役時そのままに展示されています。

ただ当日の気温は33度… 機体後方部の様子。

 

天井などは剥き出しになっていて、クーラーなども効いておらず、全員汗だく……

汗びっしょりになりながらのウィング授与、というオマケ付きでした…

 

普段はお酒を全く飲まない裕坊も、愛妻ちゃんのビールのお裾分けをいただくことに…

 

お料理にも舌鼓を打つ、夕方のひと時…

 

こちらがいただいたウィングで、

 

中身を開けると…制服に着用するウィングが1個入っています。

 

5時に始まった授与式は、8時に解散となりました。

会社には10ほどの機種が存在し、担当機種によって慣熟訓練は分かれますので、一般教養が終わると皆スケジュールはまちまちになります。

 

それまでしばしの休日…

 

帰りの道中、愛妻ちゃんとシンシナティからオハイオ川を挟んで南にある、ケンタッキー州のコービントンという街を散策。

 

シンシナティと同じく比較的アメリカでは歴史がある町で、煉瓦建の建物が並ぶ、かわいい街並みが見られます。

 

そこで偶然にも、愛妻ちゃんが探していたレストランを発見…

 

ワインをいただきながらの夕食となりました。

 

オハイオ川を挟んで、シンシナティの夜景が見えるホテルで1泊。

 

数日を我が家で過ごし、1週間後にはアトランタへと戻るスケジュールだったのですが、

 

 

実はアトランタ入りまで、そこから1ヶ月半…

今も日本国籍のままの裕坊は、アメリカからすると外国人。外国籍の場合、パイロット訓練前に過去の経歴審査が必要になり、その手続きにほぼ1ヶ月半の時間を要します……

 

 

6月1週目に研修を始めた60名の中でも、ほぼ1番最後となる慣熟訓練の開始でした…

再びアトランタ入りする頃には、空は秋色…ただ一般教養研修中は体調が優れず、機種慣熟訓練に向けての勉強などほとんどできていなかったので、結果的には大いに助かりました。

 

研修棟入り口付近。

本社ビルのすぐ北側にあります。

 

こちらが本社ビル。

 

付近の治安は日中であればまずまず安定しているのですが、深夜早朝はあまりよくない空港付近…

2週間連続で、裕坊が大の苦手とする早朝出勤での訓練が続いたこともあり、その間は「車通勤」などもしておりました。

 

朝一番の訓練ですと、研修棟入りは朝の午前5時…

ご褒美といえば、日中には停める場所を探すのも苦労する駐車場でも、場所探しをしなくて済むこと…

 

研修棟内…

 

パイロットの採用数が多く、シミュレーターの数が需要に追いつかないので、一部の機種ではマイアミでの訓練も行なっています。

 

裕坊が乗務するボーイング717型機は、全てアトランタにて。717用のシミュレーターは、合計3基。

1ヶ月を要した慣熟訓練のうち、シミュレーターを使っての訓練は後半の2週間。先日シミュレーターによる慣熟訓練までが、ようやく終わりました。

 

1ヶ月間宿泊していたホテル。アトランタ空港の北にあって、研修棟から徒歩の距離。大変便利なのですが、

パイロット研修の需要が過去に例を見ないほど高く、現在は航空会社による貸し切り状態になっていて、ホテルの看板が外されています。

 

我が家があるデトロイトまでを、高速道路経由で家路に着くこと2日間…

3ヶ月の間にデトロイトアトランタを2往復。

 

1回当たりの走行距離が1,150キロになって、

2往復での走行距離は4,500キロ…

 

研修中のお供として、愛車のアウディくんも本当によく頑張ってくれました。

 

 

 

 

数日後には研修最終段階となる、実機による慣熟訓練が始まります。