yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 8/16

アメリカの国内線を中心に、小型旅客機に乗っている、裕坊と申します。こんにちは。

 

今週は4日間のお休みをいただいています。いつもの年であれば、この時期になると、新しい学年度に向けて学用品のお買い物に出かけます。スーパーなどでもそれ専用のコーナーが設けられて、否が応にも新学期への気分が高まってくるのですが……

 

各種文房具が取り揃えられ、

 

バックパックなどのカバン類なども豊富に取り揃えられるのですが……

今年はスーパーに行っても、今一つ盛り上がることがなく……スーパーも、来年度1年間(2020秋から2021年初夏まで)は、オンラインによる学習に絞られる可能性が高いと踏んでいるのかも知れません……

 

我が息子は、この9月から4年制高校の2年生。今年は、コロナウィルスの感染拡大とともに、3月中旬に州の条例によって学校が閉鎖され、その後学年末まで学校が再開になることはありませんでした……それでも自動昇級で、この秋には全員1学年昇級になります。

そして新学年度を迎えるに当たって、学校からのアンケートも先日送られてきました。

 

その内容は、1年間オンラインによる受講にしたいか、

 

それとも、コロナウィルスが終息するのに伴って、州条例の許す範囲内で、通常の校舎での授業に出席したいのか、を問うもの。

 

ただミシガン州でも感染拡大の速度は、決して衰えておらず、 しかも息子くんが通うのは、全米を見渡してもあまり例がない、超マンモス校……

何しろ全校生徒は、合計で6,500名を超えるという超大型校……

 

実は3つの高校を一つの敷地にまとめているので、学生数で見るとほぼ大学並みなのです。

ちなみに、3つの高校のうちのどれに所属するかというのは、住所によってではなく、なんと抽選式……我が子の場合は、昨年のこの時期に訪れた入学申し込みの際のコンピューターによる抽選で、校旗が青色基調の学校でした。

 

ただ3つの学校が提供する授業であれば、どの教科でも選択が可能なので、所属先の学校名というのはあまり意味がないらしいです。休み時間中に校舎を移動することも稀ではないらしく、

休憩時間中は、こんな感じで大混雑するのだとか……

 

私たち親が懸念しているのは、規模が半端なく大きいだけに、仮に全校生徒が通常通り登校し、一ヶ所でクラスターが発生してしまった時のこと………この時は学校だけでなく、地域全体に壊滅的な影響が出ることは間違いないです……そのため学校としても慎重には慎重を期して、9月いっぱいはオンラインのみによって授業が行われることが決まりました。10月以降は州の定めるガイドラインに添い、慎重に判断をした上で、感染なしで安全に授業ができると判断された場合にのみ、校舎を学生に開放しての授業ということになるそうなのですが……

 

現実は、1年間学生は誰1人学校に通うことなく、オンラインのまま通される可能性が大、と裕坊は思っています。トランプ大統領は、仕切りに通常通りの学校運営を求めてはいますが、100名以下の小規模の学校であればまだしも、6,000名を超える学校ともなると、学校としてもリスクは冒せないでしょう。ひとまずオンラインからというのは、賢明な判断だと思います。

 

 

各地で既に大型のイベントは中止になり、花火大会などですらほんのごく一部を除いては中止になってしまいましたが、 周囲の心配や反対をよそに、例年通りのイベントを開催してしまったところも……

ハーレーダビッドソンを乗り回すバイク仲間では知らない者はいないという、サウスダコタ州のスタージスでのバイク祭りがそれ。開催都市の名前が、そのままイベントの名前として浸透していて、スタージス・モーターサイクル・ラリー(Sturgis Motorcycle Rally)と呼ばれます。開催は毎年延べ10日間に渡り、今年の開催は、8月7日(金)から8月16日(日)までの10日間でした。

 

普段は人口が1万人にも満たない、サウスダコタ州ののどかな町、スタージス。

 

空路で駆けつける場合は、サウスダコタ州のラピッド・シティー空港が最寄りの空港になります。

観光地として名高いマウント・ラッシュモアにも近く、スタージスから車で1時間ほどで行けてしまいます。ちなみにこの岩盤に彫られたアメリカを代表する4名の大統領、左からジョージ・ワシントントーマス・ジェファーソンセオドア・ルーズベルト、1番右がアブラハム・リンカーン

 

そののどかな町が、8月の10日間だけ、全く別の町へと変貌を遂げてしまいます。

人口わずか7,000人ほどの町を例年訪れるのは、およそ50万人ほど。最多となった2015年には、なんと70万人の人たちがこの町を訪れました。

 

やってくるバイクの大半は、アメリカを代表する大型バイク、ハーレー・ダビッドソン。

 

通称ハーレーと呼ばれるこのバイクを乗り回す御仁の間では、バンダナなどを頭に巻き、がっしりと鍛え上げた腕にタトゥーを入れ、袖なしの革ジャンを着て、両腕両足を大きく広げて乗るのが、通のスタイルになっているようです。

裕坊が見る限り、圧倒的に多いのは白人。ミシガンの町を走るハーレーを見ていても、その共通のスタイルは貫かれていることが多いです。

 

新聞の記事を読んでいると、

今年は例年に比べてやや人出が鈍く、およそ25万人の人が繰り出すだろうとの予想がされておりました。

 

中には、CDC(アメリカ疫病予防管理センター:Center of Disease Control and Prevention)の指針に従って、マスクを着用している方もいたそうなのですが、

 

大半は、マスク着用による感染防止などという概念はなく……

 

中には、コロナウィルスの存在自体を『見下す』標語を掲げた、Tシャツなどを販売するところも……

 

人出こそ例年の半分ほどには落ち着いたようですが、それでも10日間における訪問客は、25万人……

ニュースを検索したり画像を見たりしている限り、ほとんどの方がマスクを着用しないままでの参加でした。

 

 

これってある意味『壮大な社会実験』……

 

 

ひょっとすると今後のアメリカの将来の鍵を握る、あるいは今後の世界全体までをも占ってしまう、後世にまで語り継がれるほどのインパクトを残すイベントとなるのではないか、と裕坊は注目しています。 単純に1日あたりに換算しても、この小さな町を2万5千人もの人が埋め尽くす計算。

「社会的距離」もどこ吹く風……

 

バーなどにも人が詰めかけ、

 

週末にはライブ音楽が開催されるなど、例年と変わらないイベントが開催されていたそうですので、

 

どう逆立ちしても、大規模感染は避けられないでしょう。そしてその後、感染者たちがどういった経過を辿るのか、そして全米における世間一般の目にはどう映るのか………

 

変遷の早いRNAウィルスであるコロナウィルス、ひょっとすると弱毒化している可能性もありますし、毒性が逆に強くなっている可能性もあります。ブラジルのボルソナロ大統領が言い続けていたように、「ただの風邪」で終わってしまうのか、それとも「やはり人類にとって脅威のウィルスだった」と認識され直すのか……

 

アメリカ国内における世間一般の人たちには、どのように映るのか……ひょっとすると、本来であれば参加したいと思いながらも、参加を思いとどまった凡そ25万人の方達に否定的に捉えられて、「マスクをしない権利」を長らく声高に言い続けてきた保守層の認識をひっくり返してしまうのか、それとも逆に保守派とリベラルの分断をさらに深めてしまうのか……

 

この10日間に渡るバイク祭り、おそらくアメリカでは後世まで語られることになるインパクトを残す気がします。その答えは、2週間後に徐々に現れ始めることになるでしょう。

 

 

要注目です。