yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/11

アメリカのリージョナル航空会社に勤める、裕坊といいます。こんにちは。

今週の月曜日から始まっていた4日間勤務のフライト、木曜日の夜に終えて帰宅しました。

 

今回の4日間のフライトは、全てデトロイトから東方面で、担当したのは合計10便。ここ最近では珍しく、全てデトロイトを行ったり来たりのフライトでした。

空港への出勤時刻は夕刻ばかり…コロナウィルス感染再拡大の影響もあって、今週は空港内はスカスカ……

 

3日目の出勤はこちら、格安航空会社の老舗であるサウスウエスト航空拠点空港の1つにもなっている、メリーランド州ボルチモア

デルタ航空管轄のフライトが出発するのは、東端に位置するDコンコース。

 

保安検査場にはそれなりに人もいたものの、中に入るとターミナルはガラガラでした…

 

それでもマクドナルドは人の往来がある限り、コロナウィルスの感染拡大期においても休まず営業を続けています。

 

最終日となった木曜日は、ニューヨーク州の州都アルバニーからの出発。

 

出発前に、客室乗務員はドーナツとコーヒーを買いに立ち寄っておりました。

ちなみにここのコーヒーは、なかなかのオススメです。

 

アルバニー空港も、ターミナル内は人影はまばら……

 

ニューヨーク州では、他州から訪問、帰宅する人を問わず、コロナウィルスの感染の追跡調査をしています。

空港出口へと向かう前に、体温測定をした上で問診票に記入。日本への帰国時と同様、2週間の自己隔離が必要になっているらしいです。

 

担当便を全てこなし終わった昨日の夜。普段からよくお世話になっているこちらのお店も、既にシャッターを下ろしておりました。

 

それでもマクドナルドは営業中。

夜もいつも遅くまで開店しているので、乗務員たちは皆とても助かっています。

 

毎日遅い出勤でしたので、上空で見ていたのはこんな景色ばかりでした。

 

今回の4日間のフライトで裕坊が狙っていたのは、流れ星…

12月の中旬にかけてピークを迎えるという、ふたご座流星群が今の狙い目。12月4日から出現し、12月14日にピークを迎えるんだそうです。今年はちょうど新月の時期と重なるので月明かりの影響を受けにくく、お天気さえ良ければ、ピーク時は1時間あたりに60個ほどの流れ星が見られるそうです。

 

火曜日も水曜日も担当便はデトロイトを遅くに出発する便でしたので、目を凝らしてじっと『光るもの』に焦点を当てていたのですが……

見えたものといえば、たまにすれ違う巡航中の飛行機くらい……

 

条件が良くなるのは午後9時以降で、放射点が天頂に位置するのは深夜2時ごろ。お天気がいい時は流れ星が、真上から降ってくるように見られるんだそうです。

12月4日から既に出現しているらしく、極大と呼ばれるピークを迎えるのは12月14日。ただ極大を過ぎると急に流星群は減ってしまうそうなので、今週末が見ごろかも……今年は月明かりの影響が少なくなるので、最良の条件で観察ができるのだとか…

 

ちなみに流星群の母天体になっているのは、ファエトンと呼ばれる1.43年の公転周期を持つ近地球小惑星の1つなんだそうです。

オリオン座よりもやや北に位置するふたご座がその中心。

 

ほぼ真東の空から上がってくるようですので、夜早い時間帯であれば東の方向を見ていると、流れ星を見つけやすいかも。

 

 

その母体星となる小惑星を観察する宇宙観測プロジェクトも進行しています。日本とドイツの共同開発による「デスティニー+号」の打ち上げが2024年に予定されていて、「ファエトン3200」の近くへと打ち上げられるんだそうです。

もとい、こちらはゲーム版「デスティニー」…………

 

打ち上げが計画されている「デスティニー+」は、こちらでございました………

 

 

ちなみに夜の天体ショーのもう1つの代表といえば、オーロラ。

緯度の高い地方で見られる現象ですので、東西を結ぶ中距離、長距離路線なんかですと拝める確率は高くなるみたいです。裕坊が勤めるエンデバー航空でも、以前は本社があるミネソタ州ミネアポリスから、モンタナ州アイダホ州の都市を結ぶ路線なんかで、たまに見かけることがありました。

 

オーロラが見えるときは、航空管制との交信に使われる無線を使って、大抵パイロット同士で情報交換なんかをしています。

アメリカでは「ノーザンライト(Northern Light)」とか、ただ単に「ライト(Light)」とか呼ぶのが普通。 最近ではエンデバー航空の担当便は、西行きのフライトはミネアポリスからだとせいぜいノースダコタ州サウスダコタ州まで……

 

カナダ行きも担当便が激減しているので、ほとんど見ることがなくなってしまいました。

日本からの国際線ですと、北米行きのフライトだと条件さえ合えば、見られるチャンスがあるようです。確率が高いのはなんといってもシカゴ行き、デトロイト行き、トロント行き、ニューヨーク行き、もしくはワシントン行きなど、アラスカ上空、カナダ上空を通過して中西部、カナダ、東海岸を目指す旅客便。

 

米系の航空会社ですと食事の後は照明を落としてしまい、目も慣れてくるので、気象条件が整っている時は見られる確率も高くなります。

もしオーロラ観察を北米行きのフライトで狙うのであれば、左側の窓側座席を取るのがオススメ。アラスカ上空辺りを通過する頃から窓の外を眺めてみるといいです。

 

ただし逆に北米から日本へと向けて飛ぶ便は、大抵がお昼に北米の都市を出発して、日本には夕方に到着のスケジュール。太陽を追いかける形でのフライトがほとんどなので、オーロラをみるチャンスはあまりないかも……

平常時であれば、日本航空全日空などが、夕方から夜にかけて出発する便を運航しているはずですので、オーロラを狙うのであれば、夜の便を利用してみるといいかも知れません。その時は、右側の窓側座席を取っておくといいです。

 

 

今回の裕坊の勤務、こんな景色を見ながらの、あっという間の4日間でした。

 

 

 

 

金曜日から、3日間のお休みをいただいています。