yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 4/24

米国小型機専門の旅客航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

昨日木曜日から、3日間のフライトへと出発。3日間で担当するのは2便だけ……木曜日の夜になって1便を担当して、メイン州ポートランドまでやってきて、今日はホテルにて1日丸々滞在……コーヒーをいただきながら、ゆっくりと過ごしています。上の写真は、そのホテルのお部屋からの写真。右に見える煉瓦建ての建物は、スターバックス。けっこうな人が出入りしとる……

 

昨日夕方に空港へと出勤した時は、ここ最近お馴染みになってしまった景色を目にしておりました……

 

搭乗手続きカウンターにいるのは、従業員だけ… 出発案内板は、2面と埋まらず……

 

保安検査場を過ぎても、お店は軒並み閉店していて、人影もまばらなのはここ最近のパターン……

 

ところが、AコンコースからBコンコースへと向かうトンネルを抜けてみると……

 

予想以上の人手………Cコンコースを一時閉鎖にして、Aコンコースも南側半分を閉鎖しておりますので、人が1箇所に集中したというのもあるでしょうが…

メイン州ポートランド行きにも、予想以上の16名のお客様が乗ってこられました……路線当たりの便数を大幅に減らして対応していますので、その影響はもちろんあるでしょう……

 

アメリカでは先週辺りから外出規制への抗議デモが相次ぎ、それに後押しされるようにジョージア州が州全体の外出規制を解除……ラスベガスのように、市独自で外出規制を解除しているようなところもあり、気の早いアメリカ人の中には通常の生活の再開を決断された方もいたのかも知れません。

 

そんな中、ここ最近実施された抗体検査では、私たちが想像していた以上にコロナウィルスが感染していたことが分かってきているようです。カリフォルニア州サンタクララで行った抗体検査では、人口のおよそ2.5〜4.2%の成人が既に抗体を持っていたとのこと。これは割合でいくと、従来の発表されている感染者数の50〜85倍に相当するんだそうです。

南カリフォルニア大学の研究では、ロサンゼルスでも既に22万1,000人から44万2,000人が感染していると試算されているのだとか。

 

ニューヨーク州でも同様の調査が行われたそうです。買い物目的で外出していた3,000人を対象にランダムに抗体検査を実施。すると、約14%で陽性反応が見られたのだとか……ニューヨーク市に限ってみると、なんと推計感染率21%。

データは暫定的で限定的ではあるものの、ニューヨーク州全体のうちの270万人が既に感染している可能性が示唆されたそうです。そのうちニューヨーク市内における推計感染者数は約170万人。もしこの仮定が本当だったとすると、公式発表の感染者数はおよそニューヨーク州全体で27万人ですので、ざっと10倍以上の感染者数… ただ抗体検査の精度がまだ不確かで、検査人数も少ないために暫定的な仮定しか現段階ではできないそうですが……

 

また集団免疫ができるためには、およそ人口の70%が抗体を保有する必要がありますから、この仮説が正しかったとしても集団免疫を獲得するには、遠い道のり……やはり治療薬、ワクチンの一刻も早い開発、承認が待たれるところです。

 

裕坊はブログの中で、ほとんど毎日のように書き続けていますが、抗インフルエンザ薬「アビガン(一般名:ファビピラビル、富士フィルム富山化学工業)」に対する希望を、日に日に高くしています。治験のみならず、実際の投与例を見ても希望が持てるものばかり。最近では石田純一さんが、集中治療室から一般病棟へと移りましたし、宮藤官九郎さんは4月9日に退院されました。石田純一さん同様、「アビガン」の投与があったそうです。

元々最近の研究でエタノール有機溶媒で、容易に感染性がなくなることが分かっていた新型コロナウィルス。RNAウィルスの代表格ともいえるコロナウィルスは、アビガンを「飯のタネ」と間違えて自らの細胞内に取り込み、取り込まれたアビガンがRNAウィルスを攻撃して、RNAの活動を停止させてしまうそうです。 致死性の高いインフルエンザにも「アビガン」は有効性が高いことが、最近の研究でも証明されてきています。

 

ジョンズ・ホプキンス大学科学工学センターによれば、マウスを使った実験によると、タミフル治療で3日ほどの延命効果しかなかった高致死性のインフルエンザでも、全てのマウスを生存させるという強い治療効果を示すことができたのだとか…… ただアビガンの本格投与を開始するには、いくつかの壁を乗り越えなければなりません。

 

まず一つ目は「アビガン」が錠剤であるということ。人工呼吸器をつけた状態ですと、投与はほぼ不可能。コロナウィルスによる肺炎発症から数日以内、少なくとも人工呼吸器装着以前の時点での投与が絶対条件になってきます。

もう一つの障壁は、現時点ではまだ未承認薬であるということ。抗インフルエンザ薬として200万人分を、日本政府が備蓄してはいるものの、現段階ではタミフルなどの薬物療法での改善が見られなかった場合にのみ投与される未承認薬。医師が緊急事態を想定して病院内で入手を申し出ても、薬剤部にルートがなければ断られるのが現状なのだそうです。

 

「アビガン」で検索すると、動物実験における胎児の催奇形性が代表的な副作用として上がってきますが、それ以外には目立った副作用は報告されていません。病院での受け入れ体制にも限界が出始めておりますので、各感染症患者受け入れ病院に「臨床研究」目的で、本格的投与開始を探ってみるのはどうでしょうか。裕坊からの提案です。

 

昨夜は遅くになって、メイン州ポートランドに到着…

 

地方都市では、深夜の到着となると平常時でもターミナル内は静か……

 

閑散としたターミナル内を、デトロイトからの便を担当した4人が、送迎シャトル乗り場へと向かいます。

 

到着口へと降りてみると、メイン州にどこでも生息しているヘラジカ(Moose)がお出迎え。

本物で作られた剥製です……

 

裕坊たちが外でホテルの送迎シャトル乗り場へと向かう間に、16名の乗客の皆さん、既にどこかへといなくなっておりました……

 

3分ほどしてお迎え到着……

今日は1日ホテルで過ごして、明日はデルタ航空管轄で唯一の便となる、午前9時発のデトロイト行きを担当。

 

その後はまたしばらく自宅待機です……