yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 2/11

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日から通常通り仕事と学校とへと出かけた愛妻ちゃんと息子くんを見送った裕坊。昨日はほんの少し、うっすらとではありますが、雪も降っておりましたので……

ほんのちょっと雪かき……

 

雪かき機では量が少なすぎて、昔ながらの手作業をする羽目に……………

ただ、まずまずいい運動になりました……

 

ここ数日は交代要員を必要とするフライトもそれなりに上がってきていて、裕坊とほぼ同じ社歴を持つ『リザーブ』の同僚たちは、シンシナティに行ったりアトランタへ赴いたり。裕坊も出勤の準備は整えていたのですが……

昨日に続いて裕坊宛には、すぐにはフライトは入らず……夜中過ぎになって通知が入り……

 

そのフライトの出発時刻……………………

 

 

 

明日の夜10時20分……

 

 

 

ただ今日遅くまで連絡がなかったのは、致し方なかったかも知れません……………………

 

というのも……………

ご覧のように、明日のニューヨークを発着する便のうちのほとんどが既に欠航………ちなみにこちらは我がエンデバー航空が担当するニューヨーク・ケネディ空港の出発便一覧の一部。左にYesとあるのは、その便が欠航したことを示しています。

 

 

明日の情報なのに、既に午前中は全便が欠航………………………

 

 

どうやら東海岸、ニューヨーク地方に雪の予報……………

過去に悪天候が近づいていると分かっていながら後手後手の対応になってしまって、悪夢のような苦い経験を多く積んできている各航空会社…………

 

早めに欠航を決断しておけば、影響を受ける乗客の皆さまへの対処も早くできるようになる、ということで、

 

悪天候が予想される場合は、最近では各航空会社とも、前日のうちから欠航を発表するようになってきました。

こういった事態は、航空会社としても避けたいはず………

 

夏場であれば、ハリケーンや大型の積乱雲、冬場だと積雪やブリザードなどのお天気が予想されるときは、

航空業界で俗に言われるIROP(Irregular Operations)、通常運航が不可能である旨を発令して、早い段階から処理をするのが通例になってきました。

 

典型的な手順としては、まずは航空会社と航空管制が電話による2者会談を行い、

悪天候の影響がある当日の、離着陸可能便数を調整。大抵、悪天候時には、航空管制が扱える便数は半分以下になりますから、座席数の少ないリージョナルジェット機による運航便から優先的に欠航。

お客様にも担当のフライトクルーにも通知がなされて、乗客の皆さま方は大抵その場で予約の振り替えが行われます。

 

早い時には数日前にも欠航が決まっていたりするので、振り替え便の予約によっては、当日敢えて空港へ出向く必要がなかったりすることもありますから、以前は積雪時の風物詩だったこういった光景を見ることは、以前と比べるとかなり減っています。

 

影響を受けるのは、当然ながら乗客の皆さまだけではなく、フライトクルーといえども同じこと………

特にリージョナルの航空会社の場合、1便あたりの飛行時間が短く、その分担当便を大手航空会社のフライトクルーに比べて多くこなしますから(平均で1日あたり3便から4便を担当)、欠航による影響は必然的に大きくなります。

 

さらには、以前は全てが手作業の時代。自ら担当する便が欠航になると、本社の乗務員管理課へと電話を入れて、延々1時間も電話の取り次ぎを待ち……

しかも担当予定だった便が欠航する旨を本社に告げるところから始めていましたので、スケジュールの変更に漕ぎ着けるまで、1時間、2時間という時間を要したのは日常茶飯事…………

 

最近では乗務員管理課の方でも一部が自動化され、欠航便が出ると管理課のコンピューター上に欠航が自動的に表示され、影響を受けるフライトクルーの名前も同時に上がるようになりました。

しかも我がエンデバー航空は、他社に先駆けてスケジュールの変更をスマホのアプリに自動送信するシステムを導入………

おかげで乗務員管理課担当者の電話による業務負担も減って、お互いがウィンウィン。

 

数日間に渡るフライトへと既に出発していて、途中で影響を受けたフライトクルーのスケジュール調整が当然最優先になりますから、自宅で待機している裕坊のスケジュール調整などは後回し……………

 

ということで、裕坊への担当フライトの通知はかなり遅くなりましたが……………

 

明日の夜遅い便で、ケンタッキー州レキシントンへと明日は行ってまいります。

 

裕坊