yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 7/28

皆さんこんにちは、航空会社勤め人、裕坊です。

有給前のフライト4日間を無事に終わって、夕方からバタバタと荷造り。

 

 

まぁ少々細かいものは忘れても、取りあえずパスポートと永住者証(グリーンカード)さえあれば、あとはどうにでもなる…………

 

 

どうせ日本からのお土産類で、スーツケースもいっぱいになるし……………………

 

 

ということで、スーツケースも少しスペースに余裕を残した状態で、空港まで…

 

いつもの出勤の時と、景色は一緒…… シャトル乗り場に行く時の景色も一緒……

この景色を見ているだけでは、高揚感はありません……

 

しかし普段と違うのは、ここから…

普段であれば、フライトクルー専用のレーンを通って、そそくさとターミナルに入るのですが、まずはここで荷物を預け入れ。

 

そして敢えてデトロイト空港・マクナマラターミナル備え付けのホテル横にある、セキュリティーからターミナルへと入ります。

 

天井にはオブジェもあり、

 

レストランもありますから、時間に余裕がある時には、出発前にここでコーヒーなどを飲むのもあり。

 

福利厚生の一部でもあるスタンバイで、狙うは名古屋行き。

 

 

ただこのフライトは、座席の空きに余裕がある時は、よく貨物を積み込んで、重量制限がかかることで有名…

 

 

乗れることを、ひたすら祈るのみです。

 

 

 

もし座席指定を受けることができれば、そのまま名古屋へ向けて出発です。

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/27

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマンパイロット、裕坊です。

有給前の4日間のフライトの、最後の日となった土曜日。

 

今日は北アメリカ大陸全体の東半分は、お昼過ぎまでどこも好天。

ニューヨーク・ケネディ空港経由だったものの、遅延とかも全くなく、インディアナ州インディアナポリスで、今日の2便の担当便を締め、 そのあとは『デッドヘッド』でデトロイトまで帰ってきました。

実はゲートでの荷物一時預かりがないフライトだったにもかかわらず、ゲート係員が勘違いをして、ゲート一時預かりをしてしまい…………

 

出発前になって、手続きの変更に追われることになって、出発が10分ほど遅れてしまうご愛嬌…………

 

元々このゲート預かりのサービスは、プロペラ機がまだ小都市への就航機種の中心だった、その昔…

 

荷物の棚があまりに狭い上に、スペース全体としてもとても乗客全員の皆様の荷物を入れる余裕などはなく、

 

こういったタグをつけて、ゲートにて荷物をお預かりして、到着後にボーディングブリッジにてお返しをするというのが、このゲート預かりのサービスの始まりでした………

 

航空会社によって色は違いますが、大体チェックインの時とは違って、簡易な紙を使っているのが普通。

 

初期のリージョナルジェット機も、荷物の棚はお世辞にも広いとは言えませんでしたので、

このゲート預かりのサービスは、続いておりました。ちなみに、上の写真はCRJ−200型機。

 

裕坊もこのCRJ−200型機を担当している頃は、自らの荷物を無理やり押し込んでは、よくカバンの車輪の部分を壊しておりました…………

 

最近はリージョナルジェット機といえども、機内の開放感はかなり改善され、荷物棚も通常の機内持ち込みの荷物であれば、問題なく積みこめるだけの大きさが確保されるようになっています。

写真では違いが見分けにくいかも知れませんが、こちらの写真が裕坊が乗る、CRJ−900型機の機内。

 

ちなみにデルタ航空系列では、さらに内装が大きく改善されて、開放感がさらにアップした機体も登場しています。

アメリカの航空会社の系列におけるCRJ−900型機は、通常ですと76名乗り。そこから6席を取り除いて70名仕様とし、その分シート間を少し広げてみたり、化粧室を大きくしてみたり、天井のライトに青色を導入してみたりと、内装は大幅に改善。

 

西海岸を中心に、数機が導入済み。運航は全てスカイウェスト航空によるものなので、シアトル、ロサンゼルスから地方へと行く便にご搭乗の際に、お目にかかる機会があるかも知れません。

 

 

ユナイテッド航空アメリカン航空の系列ですと、リージョナルジェット機ご搭乗の際には、機種を問わず、現在でもゲート預かりのサービスがあるのですが、デルタ航空系列ですと、エンブラエル製の最新のリージョナルジェット機、E170、E175機にお乗りになる際は、

ゲート預かりのサービスがありませんので、ご注意……

 

ちなみにこのエンブラエル製のリージョナルジェット機のE170、E175、シートに厚みがそこまであるわけでもないのに、シートのクッションがかなり利いていて、

座り心地は、裕坊の中では間違いなく1番。ゆったりした空の旅がお楽しみいただけます。中央座席がないのも、リージョナルジェット機ならでは。このエンブラエル製のリージョナルジェット機が、小都市就航の機材の中心に、最近ではなってきています。

 

 

夕方にはデトロイトに到着。腹痛が原因で4日間のフライトを全てお休みするところから、2週間。その後は体もなんとか回復して、9日間のうち8日間をフライトで過ごす強行スケジュールながらもなんとかこなしきり、やっとのことで、有給までこぎ着けました……

 

帰宅してからというもの、大急ぎで荷造りも済ませて、明日の出発の準備も完了…

 

今回は息子が生まれてから15年目にして初めて、家族と共に帰国し、再渡米のタイミングまで一緒になることになりました。

 

 

明日裕坊一家がスタンバイで狙うのは、名古屋行き。重量制限がかかることで有名なこのフライト…………

 

なんとか乗れますように……………………

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/26

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機運転士、裕坊です。

病欠から復帰して2週間目、お陰さまで体の調子もまずまず。体重も少しばかり、ほんの少しではあるのですが………………

 

落ちて……

ほんの少しですが…………

 

有給まで残すところ、あと1日。2日目から4日目まではいずれも2便ずつ。

 

めちゃ楽勝………………………………

 

 

 

のはず……………………………………

 

 

 

今日はニューヨークのラガーディア空港を経由。1939年に旅客サービスが開始され、今年で80周年を迎えるラガーディア空港。ただターミナルビルの老朽化は見た目にも著しく、

数ある大都市の空港の中でも、評判は残念ながら最悪でしたが、そのターミナルビルは建て替え工事が現在進行中。

 

全てが完成すると、こんなイメージ。

 

ターミナル内では、完成予想図の模型などもあちこちで見られます。

 

既に一部では供用も始まっていて、

 

天井が高くて、光がたくさん入ってくる、現在流行りのモダンなターミナルビルになるようです。

 

デルタ航空とその系列の会社の供用は、まだ残念ながら始まっておりません。

こちらは、昨年の7月の骨組みが組まれたばかりの頃の写真。

 

既にビルの輪郭はかなり姿をはっきりと見せていて、

早ければ、この秋にも一部が開業予定…………

 

ラガーディア空港で、こんなことが体験できるのも、もう僅か……

 

そのラガーディア空港へとやってくる今日の飛行経路、米空軍訓練の為に一部の空域を空けなければならず、裕坊が担当する便は、大幅な回り道を余儀なくされることに……

出発地は、テネシー州ノックスビル。普段であれば、北東へ向かってとほぼ直線上に飛ぶところを、今日はオハイオ州のデイトンまで飛んで、東へと向きを変える、普段よりも20分ほど余分に時間がかかるルート。ニューヨークなどの主要都市へのフライトの時には、不測の事態に備えて、30分相当の余分の燃料を積んでおくのですが、既にこの大回りで、そのほとんどを使い切っていました……

 

 

 

ところが………………

 

 

 

ニューヨーク航空管制:「エンデバー3290便、これから上空待機が入るから、その準備をしておいてくれ」……………………

 

 

ウソやろ〜〜〜〜………………………………

 

あと残りの燃料、あと1時間分ギリギリあるかないかなのに………………

 

この時は運航課と激しく操縦席備え付けのコンピューター(ACARSと呼ばれます)でやり取り……

疑心暗鬼ながらも、上空待機を開始……

 

30分の上空待機を言い渡されたのですが、残り1時間分ほどしか燃料残ってないのに、そんなに長い時間上空待機などできるはずもなく………………

 

到着経路の直下にあった、ペンシルベニア州のアランタウン空港への給油の為の着陸許可を、運航課に交渉…………

その間にも、燃料計は刻々と下がっていきます……

 

 

はよしてくれや〜〜〜…………

 

 

もう自らの判断で、アランタウン空港へと向かおうとしたその瞬間でした……

ニューヨーク航空管制:「エンデバー航空3290便、ラガーディア空港への続行、やっと今許可が取れたで」…………

 

さすがに胸をなでおろしました……

 

ラガーディア空港、実は滑走路が直角に2本交差している構造になっていて、

通常は1本を離陸専用に、1本を着陸専用にして、おびただしい数の離発着を捌いているのですが、その2本のうちの1本の滑走路が、何らかの事情で閉鎖されることになり…………

 

道路でいうところの、こんな現象がどうやら起きていたらしいです。

2車線使えるはずの道路が1車線になると、大渋滞するような感じ……

 

結果的に、かなり不規則な弧を描くように、なんとかラガーディア空港へと到着……

ほぼ1時間遅れの到着……

 

普段であれば、到着後の燃料は、大抵5,000ポンドほどなのですが、本日は……………

右下の緑色の4桁の数字が、燃料搭載量。それに目をやると…………

 

 

2750ポンド…………

 

 

普段のほぼ半分………………

 

 

CRJ−900型機に乗り始めて、ほぼ5年になるのですが、ここまで燃料が少ない状態で到着したのは、さすがに記憶にありません…………

 

ただでさえ、ニューヨークは出発便も到着便も、その数がハンパでないので、滑走路が1つでも使えなくなると、その影響はやっぱりかなり大きいです。お天気がよくても、ニューヨークに来る時には、いつも何かが起こります……

 

皆さんもニューヨークにお立ち寄りの際は、時間にかなり余裕を持った上で、ご計画をされることをオススメします……

 

 

明日土曜日は、有給前最後のフライトです。

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/25

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

昨日水曜日から有給前の最後の4日間のフライトへと出ました。ここ数日はお天気も安定し、昨日はニューヨークを経由しながらも遅れることもなく、平穏にカナダのモントリオールにて、任務完了……

 

 

ニューヨークを経由しながら、遅れなかったの、いつ以来やろ?…………

 

 

今日木曜日から残り3日間は、いずれも2便ずつを担当して、土曜日には3時ごろには終わる予定。

 

 

乗務員管理課の気が変わらなければ…………

 

 

今は、アトランタ空港の国際線ターミナルのFコンコースにて、超近距離フライトの飛行機待ち。

 

ここFコンコースは、オープンしてまだ数年の真っさらの新築。天井が高くて、窓も多く晴れた日には光もよく入るので、とても気持ちがいいです。

 

裕坊の出発ゲートからだと、窓からチェックインカウンターへの入り口の様子もよく見えます。

 

国際線がほとんどですので、免税店の規模も大きく、

 

コンコース中央には、いつも高級車の展示。

 

今日はポルシェの911カレラが止まっておりました。

 

 

そんな中、今日モントリオールからの出発便では、日本人客室乗務員の方と同乗することになりました。パイロットでは、リージョナル航空会社、大手を問わず、ときどき日本人を見かけますし、日本行きの国際線ともなれば、日本人の客室乗務員の方が必ずいらっしゃいますから、そういった方はよくお見かけするのですが、リージョナル航空会社の客室乗務員で日本人を見るのは、本当に稀です。

 

ミネアポリスには、裕坊より社歴が長い、我が社の日本人客室乗務員が1人いるのですが、しばらくその後の日本人客室乗務員の入社はありませんでした。聞くとその新しい客室乗務員の女性、かなり最近になっての入社で、銀行勤めからの鞍替えだそうです。一度きりの人生、一度は客室乗務員という仕事をやってみたかったそうで。

 

ただ日本では、華やかな職業の一つというイメージがあり、女性にとって憧れの職業の一つにもよく数えられる、客室乗務員というお仕事。見た目には確かに華やかですが、大手の航空会社であればともかく、リージョナル航空会社の客室乗務員のお仕事は、いろんな意味でかなり過酷…

フライトに出ている間の拘束時間は長く、『リザーブ』と呼ばれる補欠要員としての会社からの電話待ちは、基本24時間体制。

 

また拘束時間や総飛行時間を連邦航空法で規定されているパイロットと違い、それらを制限する規定がないので、遅延などで拘束時間が極端に伸びた時でも、それを管理する規定は会社との労働契約に頼る他ないのです。現在の最大拘束時間は、16時間…………

 

 

それって、人間が1日に平均で起きてる時間やん………………

 

 

しかもリージョナル航空会社での客室乗務員ともなると、お給料は激安……ニューヨークに住むとなると、家賃もバカになりませんから、相当な工夫が必要………

 

実を言うと、会社と客室乗務員の間で労働契約更新の仮契約がまとまっていたのですが、つい先日、客室乗務員全体投票で否決されることになり…………

 

昇給も見送られることに……

スケジュールに目を向けても、しばらく不自由は続きます。アメリカの航空会社のスケジュールなどは、全て社歴順。入社後数年はほとんど自由が効かず、年末年始などの休暇はおろか、普通の週末の休暇の取得すらままならず……

 

 

でも夢をまず叶えることが最優先。生活の大変さを口にしながらも、本人とてもいい笑顔で、楽しそうにお仕事に励んでおりました。

 

ということで、日本人仲間が、また我が社に1人増えることになりました。

 

 

今日はテネシー州の小都市に宿泊してきます。

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/23

皆さんこんにちは、「束の間の休日」を取っている、裕坊です。

昨日月曜日、先週の金曜日から始まっていた4日間のフライト、『無事に』終わりました……

 

実を言うと、終わったのが奇跡だったくらい…………

 

前日日曜日はミネアポリスから、米海軍の本基地があるバージニア州ノーフォークまで。深夜の到着になって、ボーディングブリッジが据え付けられることなく、飛行機の階段を使って乗客の皆様をお見送り…

 

我々フライトクルーも同じように階段を使って、日曜日の任務完了…

 

荷物受け取りの横が、ホテルの送迎シャトルの乗り場になっているので、

そこまでを延々と歩いて……

 

本当ならすぐホテルへと向かいたいところだったのですが…… 客室乗務員の1人が、どうしてもお腹が空いていけなかったらしく……

 

ファーストフードのドライブスルーへと一旦立ち寄って、ホテルまで……

客室乗務員というお仕事は、乗客が乗った状態で遅延が発生した場合などは、自由に飛行機を乗り降りすることすら許されず、待っている間は乗客の方にお水やスナックなどを提供するなど、普段からプロ意識を持ってお仕事を頑張ってくれているので、ここはお付き合い……

 

フライドポテトのいい香りが、送迎シャトルのワゴン車の中に漂ってきますが、

病み上がりで、食事には気をつけないといけない裕坊、夜も遅いですし、ここはガマン……

 

ホテルに着いたのは、深夜1時過ぎで、翌日は10時半過ぎにはホテルを出発…

 

翌朝の月曜日、午前中は快晴の気持ちのいいお天気の東海岸

本来のスケジュールでは、3便を担当。最初の担当便はニューヨーク・ラガーディア空港まで。

 

ちょうどお昼頃に到着したニューヨーク。午前中は雲もほとんどない、フライト日和だったはずが……

 

午後から一転………

 

ニューヨーク・ラガーディア空港のあるクイーンズからすぐ西に、大きく積乱雲が発生するようになり、

次の目的地はナイアガラの滝から近い、ニューヨーク州のほぼ西の端にあるバッファローだったのですが、西へと直進で向かういつものルートは、とても選択肢とはならず。北回りで大幅に迂回するルートで向かいます。

 

離陸する頃には雲行きが怪しくなって、かなりの雨足にもなり始めていたものの、なんとかギリギリ離陸にこぎつけて…

バッファロー空港には、15分ほど遅れながらも、到着…………

 

ちなみに我が社の担当便は、裕坊が担当した便が、その日のラガーディア空港からの最後の離陸便となり、後続のフライトは全便欠航となっていました……

 

ただしバッファロー到着時点で、既に積乱雲がニューヨークの各空港周辺にかかっていて、ラガーディア空港を含めたニューヨーク各空港へと出発する便は、ほぼ全便が離陸停止状態……

 

とても復路便は運航できず、

折り返しの便は、既に午前中に欠航が確定しておりました…

 

ニューヨークへと向かう乗客の皆さんには、ご不便をかけながらも、裕坊の4日間の任務は、ここで終了…

 

本来のスケジュールは、ニューヨーク・ラガーディア空港へと折り返して、ニューヨークからデッドヘッドでデトロイトへと戻るはずだったのですが、当然のことながらスケジュール変更。 結果的にバッファロー空港から客席に座って、デトロイトまで帰ってまいりました。

 

腹痛、腰痛の不安を抱えながら始めた今回の4日間のフライト。

遅延やお天気に悩まされながらも、無事完了……

 

もしバッファローへと向かうラガーディア空港からの離陸が、もう15分遅かったとすると…………

ほぼ間違いなく、このようなお天気に行く手を阻まれることになり、ゲートへと引き返すことになっていたでしょう…

 

常に優先権を持って離陸着陸をしているデルタ航空本体の機体ですら、夕方以降は平均で6時間以上の遅延になっておりましたので、最悪そのままニューヨークに足止めの可能性もありました…

 

というより、ニューヨークに足止めになっていた可能性、非常に大……

 

やれやれでした……

 

 

お腹も腰も痛みはほとんどなくなり、不安も和らいではきたものの、もう一度念のために病院で診察。これから出かけてまいります。

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/21

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

先週は腹痛に始まり、腹痛と腰痛に終わった1週間。やっと体も飛べる状態にまで回復して、病み上がりからの復帰1日目は、担当便はたった2つだというのに、フライトが遅れに遅れて、フライトが終わったのが午前3時を過ぎるという、超過酷な内容…………

 

昨日土曜日はそこから一転、とても穏やかな1日でした。担当したのは、ミネアポリスからウィスコンシン州の小さな町、アップルトンまで。普段はとてものどかで小さな町なのですが、この時期、特に7月の中旬から下旬にかけては、空席が全くない満席になることがほとんど。ウィスコンシン州はどの町も規模が小さくて、のどかな町ばかりなのですが、

 

実は昨日の目的地、ウィスコンシン州アップルトンから車で南へ約20分行くと、

 

ミシガン湖と繋がるウィニベーゴ湖があり、 その湖のほとりに、もう一つののどかな町。オシュコシュ。

 

実はここは航空関係者にはとても縁が深く、毎年7月下旬、1週間にかけて、航空ショーが開催されます。

ということで、この時期はアップルトン行きのフライトは、どれも満席……

 

オシュコシュの航空ショー、最初の開催は1953年で、今年で66年目。世界でも最大規模の航空ショーらしく、昨年の訪問者は、60万人超えを記録したそうです。

 

自ら飛行機を操縦して、全米から訪れる人も多く、駐機場もいっぱい。

 

普段はなかなかお目にかかれない、軍用機や…

 

第2次大戦時の軍用機なども、間近に見ることができます。

こちらはゼロ戦のライバル機だったコルセア。よくこのプラモデルを作っては、ゼロ戦に“撃墜されて”おりました。

 

イギリス軍が、当時の技術を結集したスピットファイヤ。

細長い胴体が特徴で、裕坊は小学校の頃、よくこのプラモデルも作っておりました。

 

そしてゼロ戦の長年のライバルだったグラマン

日本軍が誇るゼロ戦も、何度か動態保存されている機体が、オシュコシュに展示されたことがあったそうです。

 

こちらは旅客機の先駆け的存在となったDC−3。現在では旅客機では見ることがなくなった後輪型の機体。

巡航時にはほとんど水平になる機体は、後輪型ですと地上にいるときに、かなり機首が上を向くのが特徴。

 

クロバット用の航空機を、間近で見ることできるのも航空ショーならでは。

 

そのアクロバット機による曲芸飛行に、

 

総仕上げは、やはりこちら。

ブルーエンジェルスによる、圧巻の航空ショー。迫力あるアクロバティックフライトを披露してくれます。

 

本当なら車で裕坊が滞在していたアップルトンからですと20分ほどですので、設営の様子などを観察することも可能だったのですが、

一昨日があまりにも過酷だったので、今日はホテルでゆっくりを決め込みました…

 

2019年は、明日月曜日(7月22日)から1週間、7月28日までの開催だそうです。

 

 

裕坊は夕方遅くにショーアップ。2便を担当して、東海岸を目指します。

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/20

皆さんこんにちは、リージョナル航空会社勤め人、裕坊です。

先週1週間体調を崩して何もできない日々を過ごして、ようやく昨日金曜日から復帰しました。血液検査の数値も、かなり回復傾向。腰の痛みも和らいでいて、操縦席に座った感覚も違和感なし。やれやれ…………

 

夕方から2便だけ担当の日。復帰戦としては、うってつけ。

 

 

のはず……

 

 

まずは夕方デトロイトを出発して、ニューヨークはケネディ空港まで。そのあとノースカロライナ州の金融都市シャーロットまで。もう何度も訪れたことがある両空港。空港の滑走路や誘導路の配置なども、ほとんど完璧に記憶しているくらい何度も訪れていますので、病み上がりにはもってこいだったはずなのに…………

 

 

昨日のフライトが終わったの………………

 

 

午前様………………

 

 

空港へとショーアップした時点で、かなり雲行きが怪しかったのですが、いきなりお天気に出発の行く手を阻まれることに……

 

寄りにも寄って、定刻出発の時間になって、こんなお天気がデトロイト空港周辺を覆い……

 

束が重なるように次々に空港の上空を通過していきます。

稲妻を伴う大雨。束が1つ過ぎ去っては、次の積乱雲がまた空港すぐ西で発生して、空港上空を通過するという状態が続く事、数時間……

 

稲妻が見える状態の時は、駐機場においては、給油から荷物の上げ下ろし、プッシュバックなど、全ての作業が中止になります。これは地上で作業する従業員の安全を考慮してのこと。飛行機の往来も全てがストップしてしまいます。この状態が続くこと、1時間…………

 

出発時刻はどんどんと遅くなり…………

 

この状態では、お客さんも客席に座ったまま出発を待つことに……

 

 

客室乗務員は客室乗務員で、朝からほとんど何も食べていなかったらしく、乗客の皆さんが客席にいる状態ですと、飛行機を自由に乗り降りすることができないので、裕坊、ストレッチがわりに一旦ターミナルにまで入って……

新人研修中の客室乗務員を含めた3人の夕食を買いに走りました……

 

 

この仕事を始めて既に13年が経過しているのですが、さすがにこんな経験は初めてかも。定刻出発時刻から1時間半を経過しても、まだこの状態……

ほんのちょっとの間だけ、雨が小康状態になった時に、急いでプッシュバック。 まだ積乱雲が空港の南に居座る中、北へと旋回して、なんとか悪天候を回避しながらニューヨーク・ケネディ空港へと到着。

愛妻ちゃんによると、デトロイトでは午後の間、夕方の悪天候がそのあともずっと続いていたそうです。出発できただけでも儲けものだったのかも……

 

到着は古き良きアメリカの香りが残る第2ターミナル。そこからシャトルバスに乗り込んで、次の目的地ノースカロライナ州のシャーロット行きの出発ゲートとなるA51へと急いで向かいます。

そしてお客さんにお詫びを入れ、シャーロットへと向けて出発。1時間ちょっとの遅れで出発したものの、あとは順調に終われる…………………………………………

 

 

はず………………………………

 

 

 

 

左下に、怪しい影が見える…………

 

 

もうお気づきの方はお気づきでしょうが…………

実はまたしてもシャーロット空港へと入る進入経路が、積乱雲によって阻まれてしまい…………

 

この状態で、上空でできることといえば、近くをずっと旋回し続ける上空待機。速度を落として燃料の消費を抑え、お天気が回復するのを待ちます。目的地のシャーロットの空港記号はCLT。積乱雲に覆われているのが、ご覧頂けることと思います。

 

普段であれば、30分も上空待機をしれいれば、そのうちにお天気も回復するものなのですが… 一向に回復する様子がない…………

 

 

これってさっきデトロイトで見てたのとおんなじやん……

 

 

この時は積乱雲の動きが極端に遅く、とても滑走路へと入れる状態にはお天気はならず、結局近くの代替空港へとダイバート

一旦給油のために、近くのグリーンズボロ空港へと着陸しました。 そのあともなかなかシャーロット空港付近のお天気が回復せず、しかも夜が遅かったこともあって、なかなか給油トラックにも来てもらえず……

 

着陸後、出発するまでに要した時間2時間以上……

シャーロット空港への到着時刻は、定刻から4時間46分遅れの、午前3時24分でございました……

 

既にホテルの送迎シャトルサービスが終わっていて、タクシー乗り場へと向かったのですが、早朝のフライトに乗るお客さんが、スターバックスに並んでいるのを横目で見ながらタクシー乗り場へ…………

病み上がりの復帰戦には、あまりに過酷な1日でした………………

 

 

今日は本来3便担当するところを、2便を削られ、これからウィスコンシン州の小都市へのフライトです。