yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 7/19

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン、裕坊です。

f:id:Yuichibow:20190720015916j:image

先週お腹の痛みから、4日間のフライトを病欠で休み、さらに安静にすること3日間。月曜日には診察の後の血液検査で、肝機能を示す値が上がっていたので、昨日また再採血。

 

今朝看護師さんから直接電話が入って、上がっていた肝機能の数値が大きく改善が見られていたと告げられました……愛妻ちゃんとともに、やれやれ……

 

一緒に併発していた腰の痛みもやっとのことで、和らいで、今日から始まる4日間のフライトには復帰。お腹の痛みが出てからというもの、まともに飛行機に乗れる状態にまで回復するのに、まるまる1週間かかってしまいました。

 

 

酒が元々体に合わず、自ら飲みたいと思って飲んだことが一度もない裕坊。ただお酒さえ飲まなければ、肝機能に異変をきたすことはない、というのは詭弁だというのを身を以って痛感した1週間でした。

f:id:Yuichibow:20190720020035j:image

大学時代の専攻は薬学部で、自分自身薬剤師だというのに……

 

 

「医者の不養生」ならぬ『薬剤師の不養生』………………

ちょっと過信しておりました……

 

 

物言わぬ沈黙の臓器の1つと言われる「肝臓」。

f:id:Yuichibow:20190720020053j:image

障害が発生していても自覚症状がなく、直接的な検査を通じても発見がしづらいところから、このあだ名がつきました。(腎臓、膵臓も沈黙の臓器の1つ。肝臓と同じく自覚症状がないまま、症状が進行することが多いそうです)

 

塩分、糖分、脂肪の摂取を控えて、良質のタンパク質やビタミンをこれから多く取ることを心がけたいと思います。

 

なかなか緑黄色野菜が摂るのが難しいアメリカでの外食。

f:id:Yuichibow:20190720020111j:image

 

空港におけるフードコートを見渡しても、あるのはこういった食事が中心……
f:id:Yuichibow:20190720020150j:image
f:id:Yuichibow:20190720020146j:image
f:id:Yuichibow:20190720020153j:image

 

ですから我が家からこういったものを持ち出して、

f:id:Yuichibow:20190720020207j:image

これらの食材にしても100%健康食だとは言い切れない部分はあるものの、

 

こんな食事に比べれば100倍マシ……

f:id:Yuichibow:20190720020223j:image

 

ということで今日は復帰戦。2便を担当してきます。

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/17

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機運転士の裕坊です。

f:id:Yuichibow:20190718144741j:image

しばらく1週間ほど、ブログを更新できない日々が続きました。まぁ、裕坊のひとり言のようなブログですから、1週間ほど空いたところで、誰一人困るような方もいらっしゃらないのでしょうが、それでも、一人でも閲覧していだだける方がいるのであれば、ボツボツでもブログは続けていきますので、皆さま、お付き合いのほどをよろしくお願いします。

 

 

実を言いますと、先週の金曜日から、4日間のフライトへと出かける予定になっておりました。

 

 

ところが………………

 

 

寄りにも寄って、息子くんのお誕生日の前日でもある先週水曜日辺りから、お腹の辺りに違和感を覚え、翌日木曜日にはそれが、はっきりと痛みへと変わるようになり……

 

1日安静にしていても、その痛みが引くことはなく……

 

結局フライトに出かけることができず……

 

 

 

敢えて病欠を申し出る形で、先週は4日間全ての担当便をキャンセルしました。

 

 

 

本来フライトの初日となるはずだった金曜日は、お腹に刺すような感じの痛み、ただその時点では、めちゃくちゃしんどいという訳ではなく、操縦席にずっと座っているのは、しんどいかも知れない、とあくまで慎重を期した的なところがあり、あわよくば翌日、もしくは翌々日には復帰できると自分では踏んでいました。

 

 

ところが、これが完全な計算違い…………

 

 

そのうち張りを伴うようになり、鈍痛へと変わって、それが激しさを増すようになりました。仰向けになることができず、そのお腹の痛みを庇うべく横向きにずっと寝ていると、今度は寝違えてしまったのか、腰を痛めて、立てなくなる始末……

 

 

 

日曜日の夜には、発熱38度3分…

 

 

 

階段も手摺なしでは、上り下りができなくなるというピーク状態を迎え…………

 

 

さすがにヤバかったです……………

 

 

 

月曜日には、病院にて診察……

 

 

 

ただ日曜日の夜から飲み始めた痛み止めが効いてきたのか、月曜日以降は症状も治まり始め、月曜日のお昼にはほぼ平熱に戻り、お腹の張りもなくなり、腰の痛みもだいぶ和らいできました。

 

 

ただ病院での採血では、以前大学の時に経験したことがある、黄疸が出た時と同じような数値が並び、再採血のために、また明日病院を訪問予定。今の時点では日常生活に支障をきたすものはほとんど治まりましたので、

 

 

やや無謀かも知れませんが……

 

今週金曜日から始まる、次の4日間のフライトからは復帰の予定…

 

 

たださすがに今回、加齢の恐ろしさ、というものを、はっきりと身を以て実感しました。今までのように休日返上でガンガンとフライトを、という訳には行かなくなるかも知れません…

 

 

まだまだ心の中では、自分自身は30台後半くらいのつもりだったのですが、やはり体は正直です…運動していなかったツケが来たともいいますが……

 

 

パイロットというお仕事、飛行機の安全運航に関わる事柄を覚えたり実践したりすることもさることがながら、実は健康管理が難しいという側面も持っています。特にアメリカの航空会社の場合、まずスケジュールに目を向けると、早朝は早い時間帯ですと4時台から、夜は深夜を過ぎる到着になることは日常茶飯事……大陸横断ができる航続距離を持つ機体を担当するとなると、西海岸から東海岸への都市を深夜に飛ぶ『レッドアイ』は毎夜運航。貨物専用航空会社に勤務すると、勤務体系は基本深夜中心になります。

 

食事管理も、アメリカだとなかなか難しいのが実状。ファーストフードでなくとも、油濃いものが多く、野菜も手に入りにくいアメリカでの外での食事。先日の血液検査の結果も、見事なまでにそれを反映していました。

 

 

ここ数日は、妻が惜しみない協力をしてくれて、油濃いものを避け、糖質、炭水化物の摂取を抑え、良質のタンパク質をたくさん摂取できる食事を管理。おかげで、ここ数日の間にも、体重を2キロほど減らすことにも成功。お腹の痛みもなくなり、今度の金曜日からの復帰には、支障はなさそうです。

 

 

血液検査の、特に肝機能を示す数値は、睡眠不足も大きく影響するそうですから、良質の睡眠を取ることも重要……50台に入った以上、50台にそぐった生活を今後は心がけるように努めたいと思います。

 

 

取り敢えずは、まずは血液の再検査。息子くんが通っているサマースクールに息子を送り出した後、病院へと行ってまいります。

 

 

 

裕坊

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/10

皆さんこんにちは、「今3日間の羽休めをしている」リージョナルジェット機運転手、裕坊です。

4日間のフライトが先週の土曜日に終わって、翌日から本当なら5連休が入っていたところ、またも月曜日に休日返上で、日帰りのフライト。デトロイトから出発して、3便を担当し、ニューヨークで担当便を終えて、デトロイトまで乗客の皆さん方とともに搭乗して、3時ごろには終わるはずでした……

 

1便目、2便目は順調。両便ともほぼ定刻の到着。

 

ところが、3本目のニューヨーク・ラガーディア空港行きが、こんなお天気に悩まされることになり……

滑走路へと向かって、タキシングを始めた時に、管制塔からニューヨーク行きの全便が離陸停止になったと通告…………

 

途中の誘導路で、待つことほぼ2時間…

 

その間に、裕坊達の目の前を、他の目的地へと向かう出発便が、次々に通り過ぎていきます……

 

結局は、ゲートへと一度引き返して、再給油することに…………

燃料的には、あと2時間ほど待機した上で出発しても、全く問題ないくらいの余裕があったのですが、実はアメリカの航空会社が国内線を運航する際は、アメリ運輸省が管轄する、ある規則を遵守しないといけないので、一旦ゲートへと引き返すことに。

遵守しなければならないのは、アメリカ国内在住の方ならよくご存知の、アメリ運輸省(US Dapartment of Transportation)が定める、3時間規定(DOT 3 hour rule)。2010年に施行になり、現在アメリカ国内線では、ゲート出発から3時間以内の離陸、もしくは着陸後から3時間以内のゲート到着が義務付けられています。

 

もし、この規定を遵守できなかった場合は、航空会社にはかなり高額の罰金が科されることになっていて、その罰金額……

 

乗客一人当たり……

 

 

なんと……………………27,500ドル………………………………

 

 

およそ300万円…………………………

 

しかもこれは乗客一人当たりですので、もし乗客200名を抱えたまま、この規定に違反すると、その罰金額…………

 

 

 

 

550万ドル……………………

 

 

円に換算すると、およそ… 6億円………………………………………………

きっかけは、2009年に特に頻発した、着陸後のゲート到着までの遅延。

 

そのうちの例の1つとして、ニュースにまでなったのは、コンチネンタル・エクスプレスのヒューストン発ミネアポリス行き。

 

猛吹雪の天候状態にあった本来の目的地であるミネアポリスに着陸できず、

この時は、そのすぐ南にあるローチェスター空港へとダイバート

 

ところが、ローチェスター空港着陸は深夜。到着便を捌くことができる地上係員が、その時間帯には1人しかおらず………

その係員は、ゲートへの機体の誘導を1人ではできないと拒否……

 

結局駐機場の外で、ボーディングブリッジが据え付けられないまま…

乗客乗員50名(乗客47名、乗員3名)は、翌朝までほぼ7時間閉じ込められることに……

 

アメリカの格安空港の代表格、ジェットブルーjetBlue)でも似たようなケースがありました。フォートローダーデールを出発し、ニュージャージー州にあるニューアーク空港へと向かっていたエアバス320型機。コンチネンタル・エクスプレスと同様、本来の目的地に着陸できず、代替空港へとダイバートして、このときも7時間待ちになったそうです。

旅客ターミナルの駐機場が比較的広く、使い勝手自体はとてもいい、コネチカット州ハートフォード空港へとダイバートしていたジェットブルー機。ただダイバートしてきていた機体の数があまりに多かったそうです。

ダイバートしてきた機体の数、なんと23便にもなったのだとか……

 

この時は、その23便もの便数を、空港側が捌ききれず、フォートローダーデールを出発していた便は、結局再給油のためのゲート入りまで、7時間待ち。

米国運輸省が捜索する事態にまでなりました。

 

米国連邦政府としても、この事態をさすがに看過するわけにはいかず、

2010年に、運輸省管轄の新しい法律が施行。この3時間規定により、各航空会社ともゲート出発後2時間以上離陸できなかった場合には、離陸の順番が既に決まっている場合などを除いて、例外なくゲートへと戻るように、マニュアルにもはっきりと記載がされるようになっています。

 

そんなわけで、裕坊たちも、一旦ゲートへと引き返して、再給油。

ここで旅程を変更したい場合は、大抵無料で航空会社も予約の変更などに応じてくれます。

 

結果的に4時間近く遅れての出発。下の地図でDCAとあるのが、アメリカの首都のワシントンから近い、ワシントン・ロナルド・レーガン空港(DCA)。その近辺にずっと積乱雲が居座る形になり、ワシントン周辺の空港へと向かう航空機で混雑したのが影響して、天気自体は全く問題がなかったニューヨークへの空港へと向かう便にまで影響しておりました。

 

結局、ニューヨークからデトロイトへと帰る「デッドヘッド」のフライトも、1本遅らせて本来の搭乗予定の4時間後の出発……

しかも、その「デッドヘッド」の便まで1時間遅れ…

 

デトロイトに到着する頃には、ほぼ9時になっておりました。

一昨日月曜日は3時起きで、我が家に帰ったのが10時ごろだったこともあり、昨日火曜日は1日何もできず……

 

その間、日本ではいろいろな出来事が起こりましたね…

 

その中でも気になったのは、人口減少のニュース。43万人減というのは、昭和43年の人口動態調査開始以降、最大なんだそうです。

 

そしてもう一つ気になるニュースが…

 

ブルームバーグニュースによると、トランプ大統領が、どうやら「日米安保」への不満を言及したそうで…

トランプ大統領によれば、「日本が攻撃されたら、我々米軍は日本を守らなくてはならないのに、我々アメリカが攻撃されても、日本は我々を守らなくてもいいというのは、あまりにも不平等だ」そうで…………

 

不動産王であるトランプ大統領……ビジネスマンらしい発言ですね。

 

そもそも「日米安保」は、戦前日本軍を見下していた米軍の予想以上の日本の善戦に、日本という国の脅威を思い知ったアメリカが、日本を非武装化させるために結んだ条約。もちろん時代は変わり、日本にとってもアメリカにとっても、「日米安保」が意味するものは、条約締結時とは大きく変わりました。

ただ今の日本にとっては「日米安保」は中国からの脅威を食い止める、とても強力な防波堤。尖閣諸島のみならず、沖縄の領有権もないと主張する中国は、「日米安保」がいざ解消されるとなると、尖閣諸島をほぼ間違いなく強奪へと動くでしょう。

 

日本の国防を、真剣に考える時期に来ていると思うのは、裕坊だけでしょうか。

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/7

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機を運転している、裕坊です。

昨日土曜日は4日間のフライトの総仕上げの4日目。

 

朝は…………2時台の起床。

最初の担当便はモントリオール発午前6時発、ミネアポリス行き……

 

モントリオールに限らず、バンクーバーカルガリートロント、或いはカナダの首都であるオタワなど、カナダの主要空港から米国に向けて航空便で出発する場合は、米国への入国管理の手続きは、カナダ側で出発前に済ませてしまうので、ホテルの出発時刻にはそれを考慮しなくてはいけません…………

ということで、早朝6時発の出発便を担当する時は、通常5時にホテルを出発するシャトルに乗るのですが、昨日は4時半の出発……

 

早朝起きるのに2時間を要する裕坊の昨夜の起床は…………

 

 

 

2時30分……………………

でもこの時間帯に、活発にフライトをしている方たちもいらっしゃいます。

 

米国の大手航空会社では、レッドアイと呼ばれる深夜便(西海岸から東海岸の主要都市への便が中心)は、ほぼ毎夜運航されていますし…

 

深夜2時から3時台にかけては、貨物機専用機も頻繁に出発……

 

裕坊が勤めるリージョナル航空会社の、かつての本社はテネシー州のメンフィス(現在は、ミネソタ州ミネアポリスに移転しています)。

 

同じテネシー州メンフィスに今現在も本社があるフェデックス貨物専用機に一度搭乗させていただいて、デトロイトまで帰ってきたこともありました。 その時の出発時刻は……

 

 

 

深夜2時45分……………………

 

 

 

 

貨物航空会社の世界は、旅客航空会社のそれとは全く違う、全くの別世界……

 

昼間は貨物機が停まっている駐機場もとても静かなのに……

 

夜になると、どこからともなく次々に従業員がやってきて、配送センターも活気づき始めて…

 

深夜2時から3時台にかけての出発に合わせるように、荷物も次々に飛行機へと搭載されて…

 

3時ごろに、貨物を満載した航空機が、次々と出発……

 

旅客機と違って、人の飛行機の出入り自体は多くありませんから、ボーディングブリッジを使うことなく、螺旋状の階段を使っての搭乗…

何から何まで、とてもユニークな体験でした…

 

実は裕坊の会社の本社がまだメンフィスにあった当時、シミュレーターによる飛行訓練は本社のメンフィスにて。当然宿泊も、本社に近いメンフィスのホテル。

 

 

ところが…………

 

 

よく泊まっていたのが、滑走路のすぐ脇にあるホテル……

 

この地図でいうと、赤いところが裕坊が泊まっていたホテルで……

西の方向へと出発する便は、ほぼ例外なく紫で示した誘導路を通り、黄色で示した滑走路で南へ向かって離陸………窓を開けると、その離陸の様子を見学することすら可能な距離………

 

ですので、その騒音の凄さときたら…………

 

夜中2時ごろから、ほぼ2分おきの離陸でしたので、

研修前だというのに、この状態…………

 

それ以来、裕坊はフライト中の宿泊先では、耳栓をして寝るようになりました。

その習慣は今でも続けていて、特に早朝のショーアップの時には、裕坊にとって欠かせないアイテムに…

 

ちなみに滑走路脇にあったそのホテル、さすがに滑走路からの距離が近すぎて騒音があまりにも大きいという宿泊客からのクレームが絶えなかったらしく、閉鎖されて建物も解体され、今では跡形もなくなっています……

 

 

一昨日金曜日からの夜は、高級ホテルに宿泊していましたので、騒音には悩まされませんでしたが、それでも耳栓をしての睡眠…

 

そして昨日は、3便を担当。全てがスムーズに終われば、また疲れも違うのですが、そんなときに限って、こんなお天気があちこちに影響します…

 

こんなフライトプランを組まざるを得なくなったり…………

ちなみに、右側の計器画面をMFD(Multi Function Display)と呼び、ナビゲーションや他の航空機の現在位置の検索、気象状況を表示するのに使用するのですが、出発前の飛行経路の確認などにも使用します。ご覧いただいているのは、昨日は4日間の締めとなるフライト。シンシナティからデトロイト行きを、大きく東へと迂回するルートを組むことになりました……

 

しかし昨日はお天気の動きも早く、離陸直後にまたもや航空管制から飛行経路の変更を言い渡されて………

 

実は2日間ほどシカゴへと遊びに行っていた愛妻ちゃんと息子くんが、昨日デトロイトへと帰ってきて、家族で外食をしてもよかったのですが、夕方には既に裕坊はこの状態…………

 

なのに、また明日月曜日には、休日返上でフライトを入れてしまいました……

 

でも……

 

あくまで日帰り………

 

 

日帰りのフライトを、明日月曜日に3便担当です……

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/5

皆さんこんにちは、「連休までの残り日数を、指折り数える」裕坊です。

アメリカの航空業界では、フライトクルーのスケジュールは、既に担当便が決まっている『ラインホルダー』と、欠員が出た時の補完役を務める『リザーブ』と呼ばれるスタンバイシフトに分かれていて、パイロットの場合、『ラインホルダー』は1ヶ月のスケジュールは全て前月には確定、『リザーブ』は1ヶ月全て補完要員と、はっきりと役割が分かれています。 裕坊は昨年12月から『リザーブ』を務めること、連続5ヶ月。

 

その間のフライトは『ときどき、たまに』……

大抵どこの会社でも、「リザーブ」は契約上の休日最低保障日数しか休暇をもらえないので、ほとんどのクルーは「リザーブ」を避けるのですが、その分自分が選択したい特定の休暇を取得しやすいというメリットがあり、5ヶ月間ほど「リザーブ」のスケジュールを選択しておりました。

 

ただ航空会社の給与体系は、飛行時間に応じて支給額が変わる仕組み。大抵「リザーブ」だと、お給料はかなり下がってしまいます。実際その5ヶ月間のお給料は、というと………………

 

 

雀の涙……………………

 

このままじゃ、いかん……………………

ということで、5月からは「ラインホルダー」へと復帰。

 

ただ社歴によって、スケジュールの選択権が決まる航空会社の中にあって、まだまだ選択権が低い裕坊。一旦「ラインホルダー」へと復帰してからというもの……………

自分でも、自分がどこにいるのか、よく分からない状態……

 

でもお仕事をいただけるのは、ありがたいことです。

 

 

2時起きとかを、しなくていいのであれば、もっと言うことなし………………

 

 

裕坊が勤めている航空会社は、基本短距離路線を担当。ですから『レッドアイ』と呼ばれる西海岸の都市から東海岸へと向けて、深夜出発して早朝到着するような便を担当することはないのですが、ハブ空港と呼ばれる主要基幹空港へ、地方都市からお客様をお届けするという役割はこなしますので、5時台6時台の朝一便を担当するのは、日常茶飯事…………

 

かつて、ノースウエスト航空向けの下請けだった頃、コロラド州デンバーを朝4時に出発する便を担当したこともありました………

パイロットというお仕事は、飛行機の仕組みを覚えたり整備点検状態を確認したり、航空法に詳しくなったり、お天気の様子を追ったり、航空管制の状態を把握したりと、することもそれなりに多いですが、それに負けず大切なのは、やっぱり体調管理…………

 

睡眠サイクルを調整できるようになるのも、パイロットの必要条件かも知れません…

 

今週の4日間は、初日がお昼以降のショーアップで、2日目以降段々とショーアップ時刻が早くなり……

 

明日4日目のショーアップ時刻…………………………

 

 

 

 

午前5時15分………………………………

 

 

 

 

志村けんの大丈夫だぁ」で、夫婦コントを演じていらっしゃったいしのようこさんもビックリの時間…………

 

しかも今晩の宿泊先は、カナダのモントリオール。カナダの主要空港から米国に向けて航空便で出発する場合、カナダ側でアメリカの入国管理局を通る必要がありますから、その時間を逆算して出発する必要があります。

カナダではフライトクルーといえども、保安検査の列では優先をしてもらえず、一般の乗客の皆さんとともに列に並び、そして入国管理局を通りますから、それに30分は最低費やすものと仮定して、シャトルの時間なども含めると、朝はホテルを4時半出発。

裕坊は早朝のショーアップでは、シャトルの2時間前に起きると決めているので、4時半から2時間を引くと、

 

起きるのは……………

 

 

 

 

2時30分……………………………………

 

 

 

 

明日はこうならないように…………

 

『ユンケル』どっかで売ってないかな〜〜〜……

 

 

明日は3便を担当して、3時ごろには終了。そのあと、ほんのしばらく休暇を頂く予定です。

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/4

皆さんこんにちは、リージョナル航空機運転手、裕坊です。

日曜日から始まる次の連休まで、残すところあと3日間。

 

今日7月4日は、アメリカ合衆国独立記念日。1776年7月4日に、ペンシルベニア州フィラデルフィアの現在「独立記念館」となっている、当時の州会議事堂にて、アメリカの父とも呼ばれた、トーマス・ジェファーソンやジョン・アダムスなどが代表となって、大陸会議によって独立宣言の採択がされた、アメリカ合衆国にとっては記念すべき日。

アメリカが実際にイギリスから完全に独立を果たしたのは、イギリスとの独立戦争後。それでもアメリカにとっての独立宣言の意義は大きく、7月4日はクリスマスや感謝祭に並ぶ、アメリカにおける大きな祝日で、ほとんどの企業はお休みになり、お昼の間は各地で独立を祝うパレードなどが行われ、

夜になると、あちこちで花火が上がります。

裕坊は、今晩はフロリダ州にあるジャクソンビルに宿泊しているのですが、花火の音は部屋にいてもハッキリと聞こえてきます。けれども方角が悪いせいか、花火は見えんし……………………

 

 

しかしこの時期は、人間が上げる花火だけでなく、お天道様が上げる花火も、一斉に上がる時期………

 

 

外は雨…

 

実はホテルまでやってくる送迎シャトルからは、稲妻が見えておりました………

実は昨日も積乱雲の間をすり抜けるフライトだったのですが、今日は今日で、東海岸沿いにあちこちで、積乱雲が上がっていて、運航管理課が作成していたフライトプランとは似ても似つかぬ、まさしく『我が道を行く』フライトでした……

 

担当したのは、ニューヨーク・ラガーディア空港を出発して、フロリダ州ジャクソンビルまで。普段お天気に影響されない時は、ほぼ南西に向かって直線上に飛ぶのですが……

これは実際の今朝の便の軌跡。運航管理課が計画したフライトプランほとんどそのままのルート。とてもきれいに、ほぼまっすぐジャクソンビルに向かって飛んでいて、定刻より35分も早い到着。

 

片や、今日の裕坊の担当便……

フライトプランなんか、関係ねぇ〜〜……………………………

 

東海岸沿いを飛ぶフライトは、ほぼ裕坊たちと同じように、大きく海岸沿いへと逸れて、思うがままに皆さん飛んでおられました………

 

ジャクソンビルには、それでもほぼ定刻通りには到着……

ホテルにも、外がまだ明るいうちには到着しました……

 

明日明後日と、早朝のパターンで、やっと連休です。

 

 

ところで、日本でも最近は大雨が続いているようですね。沖縄本島では、今日5日は「警戒級の大雨」の予測が出ているとも聞きました。とにかく被害が広がらないことを、心から願うばかりです。

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 7/3

皆さんこんにちは、「夏休みまでの3週間を、指折り数える」裕坊です。

昨日火曜日に2日間のフライトを終えて、間髪入れず水曜日から再び4日間のフライトへと出かけた裕坊。あと3週間頑張れば、2週間連続での有給休暇……

今はそのお休みまで、残り日数を指折り数える毎日…………

今秋から高校が始まる息子くん。学校がいざ始まる前に少しでも単位を取ってと、サマースクールと呼ばれる夏季特別講習を受講中。今後は高校に大学にと、学費も高くなるので、それに備えて資金も貯めておかないといけないので、飛べる時は仕事を頑張る日が続きます。

 

今日からは再びデトロイトから。セキュリティーを通って真正面にある、デトロイト空港、マクナマラターミナルの噴水は、今改装工事中。

 

健康のために、ターミナル内を走る電車には乗らずに出発ゲートまでやってくると、

 

まだ出発前、2時間近くもあるのに、既に飛行機は止まっていたのですが、

 

いざ操縦席まで来てみると………………

赤い札…………………………

 

おそるおそる、ギャレーにあるドアを開けて後ろを見てみると…………

やっぱり………………

 

ジェットエンジンは、回転部品の塊…………

 

空気をコンプレッサーで圧縮して空気の温度を上げ、圧力が高くなった空気を燃焼室に送り込んで燃焼し……

燃焼したときの空気の膨張の力を利用するメカニズム自体は、車で使用されるピストンエンジンと同じ。

 

ただピストンエンジンよりも圧縮率がかなり高く、エンジンの軸の回転数も、ピストンエンジンよりもかなり高くなります。

ピストンエンジンの圧縮率はガソリンエンジンで平均的に、8.0から高くても11くらい。ディーゼルエンジンだと20前後。これがジェットエンジンですとおよそ30。

 

回転数もピストンエンジンだと、高回転型エンジンでも6,000回転がやっと。ディーゼルエンジンだとこれが3,000回転まで下がりますが、ジェット機のエンジンは、平均で10,000超え。最高回転数は大抵1分12,000回転で、上空ではその最高回転数の90%で飛行していますので、巡航時の平均回転数は1分当たり11,000回転前後となるでしょうか。

 

実はジェット機の計器パネルは、回転数ではなく、回転率で表示されているのですが、

これは12,000回転にように、実際の回転数で表示してしまうと、数字が多くなってややこしくなってしまうため。ですからジェット機では、最高回転数に対して、どれだけの比率でエンジンが回転しているかを表示。

 

それほどまでに回転数が高いので、それを利用しない手はない……そこで、ジェットエンジン周りにはいろいろなポンプ類や発電機なども取り付けられています。オイルポンプや燃料ポンプ、また補助翼などを操作するために必要となる油圧系の油圧液を稼働させる油圧ポンプ。

 

また最近の旅客機は、ほとんどがコンピューターにより制御されていますが、それには発電によって電気を供給する必要もあります。

発電機なども同様に、エンジン周りに装備され、ジェット機のエンジンの回転を利用して、発電を行い、電気系統への電気の供給を行います。

 

ちなみに、これが裕坊が乗るCRJに使用されている、ジェネラルエレクトリック社製、CF34型エンジン。

初期の50人乗りの機体で使用されていたエンジンは、明らかにパワー不足で30,000フィートを超えるのは稀でしたが、700型機以降はエンジンも大幅に改良されて、37,000フィートまでほぼ問題なく上昇できるようになりました。

 

ただリージョナルジェット機は、同じ旅客機でも短距離路線を担当することが多く、特にエンジンにストレスが1番かかるとされる離陸も、回数をこなすことになってしまいますから、どうしてもエンジンやエンジン付属のパーツなども故障がち…………

MEL(Minimum Equipment List)と呼ばれる、故障品登録をすることによって、故障している部品を使わないことを条件に、出発が許される場合もありますが、油圧系など操作系に関わる部分、またエンジンに直接関わる部分なども、一度故障すると、連邦航空局の規定により飛べなくなることがほとんど……

 

今日も結局飛行機を乗り換えての出発となりました……

 

今日水曜日に担当した3便は、いずれも76席が全て埋まる超満員。

 

いよいよアメリカ独立記念日である7月4日が近づいて、

 

空港はどこも人で大混雑………

 

既に独立記念日の風物詩ともなっている花火も、あちこちで既に上がり始めています。

 

明日2日目は、2便を担当予定です。