yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/7

米系地域航空会社に勤める、裕坊といいます。

3月になりました。

 

日差しが目に見えて明るくなり、春一番が吹き荒れる季節。

気温も急に氷点を超えるまでに上がり、何度もミシガン州を白く包んだ雪は姿を消し、

 

いよいよ野球が始まる季節にもなりました。

ちなみに写真は、近所にある高校の野球場。息子くんの課外音楽活動の送り迎えに来たついでに1枚撮影してみました。

 

本来であれば、大リーグの春季トレーニングが始まる季節ですが…

 

大リーグ機構と選手会間の労使契約は未だに締結されず、開幕から2カード(1週間分)の試合の中止が決定…

 

コロナ禍に沈んだ2020年に続いて、開幕が延期されることになりました…

一部の項目は契約が締結になったものの、肝心な部分での双方の隔たりは未だに大きく、その解決の糸口は全く見えていないそうな……

 

業を煮やした昨季のナ・リーグMVP、ブライス・ハーパー選手(フィラデルフィア・フィリーズ)に至っては、こんなインスタ画像を上げるほど…

ハーパー選手が日本でプレーしたらどれくらいの成績を残せるのか、それはそれで一度見てみたい気もする…

 

金銭面での隔たりが大きく、お互い歩み寄れないということみたいですが…

 

 

 

 

お金の問題は大きいです……

 

 

 

 

お金といえば……

最近のアメリカの地域航空会社では人材不足が顕著で、何とか人員を確保しようとお金が飛び交いまくり……各社ともボーナスの大盤振る舞いで、札束が乱舞する状態が続いています。

 

振り返ってみると、裕坊が現在勤める地域航空会社へ入社したのは2006年。

実質大手航空会社の下請け的存在になる地域航空会社。パイロットにとっては航空会社における足がかりになるのですが、当時は完全な買い手市場。入社する要件を満たしたとしても競争倍率はとても高く、仕事にありつくのですら容易ではない時代…

 

入社後は入社後で、旧航空法(新しい改訂航空法、第117条は2014年1月に導入になりました)の下、拘束時間は長く休息時間は短く…

お給料も安く、生活保護ラインギリギリを稼ぐのがやっと……ちなみに入社1年目の裕坊の総収入は、年間換算で16,000ドル(およそ170万円)でした。

 

中には空いた時間を利用して、ハンバーガー屋さんでアルバイトをしていたパイロットまでいたほど…

裕坊一家も例外ではなく、実家からの仕送りを時には必要とするほどの生活を送っておりました…

 

ちなみに入社後、当時住んでいたフロリダ州からミシガン州へと引っ越してきた際、荷物の到着が大幅に遅れて家具類が届かず、かと言って新しい家具を購入することもできず……

しばらくはミカン箱を使って、食事を摂っていたほど…

 

 

時代は大きく変わり、ここ最近は各社とも運航網を急拡大していて、人材はどこも劇的に不足。地域航空会社といえども給料は大幅に上がり、

我が社の1年目の副操縦士のお給料も、裕坊が機長昇格した当時(2012年)のお給料を上回るほどになりました。

 

独身の副操縦士の中には、こんな車を乗り回す者まで…

 

それでも稼げるなら、もっと稼ぎたいというのが人情というもの。

給与条件などで大幅に上回る格安航空会社などが、運航網の急拡大とともに採用数もそれに伴って急拡大中。

 

数年前までは必要とされていた機長経験や総飛行時間が必要項目から外されるなど、各社こぞって必要人員の確保に必死…

経験を積んだ若手のパイロットたちが、大幅昇給を見込んで次々と移籍する状況になっています。

 

最近では、大手航空会社までもが入社条件の大幅緩和に踏み切っているため、

 

地域航空会社からの副操縦士を中心とするパイロットの流出が止まらず、 各社とも経営側とパイロット組合による、流出防止策へ向けての協議を重ねる状態になっています。

我が社の流出人員は、1月などは60名を超える結果に(ちなみに採用数は44名)。

 

その対策としてエンデバー航空では、親会社であるデルタ航空への自動転籍制度(英語でフロー(Flow))と呼ばれる特典が導入されることになりました。

一定期間在籍し、機長であることが必要条件になります。

 

入社条件が高く設置され、面接に至るまでの競争率もこれまではとても高かった大手航空会社。ただし一度入社に漕ぎ着ければ、お給料だけでなく労働条件全般でも、地域航空会社とは比較にならないものを獲得できます。

面接が免除され、在籍歴に応じて希望者が転籍できる自動転籍。

 

アメリカのパイロットの憧れとされるデルタ航空への自動転籍制度で、どこまで副操縦士を踏み留められるのか、

 

それとも、やっぱりここに行き着くのかな〜……

しばらく地域航空会社にとって、苦難の時代が続くのは間違いなさそうです。

 

 

 

 

お金の問題は、大きいです…………

 

 

 

 

先日は、裕坊が苦手とする早朝パターンの3日勤務のフライトだったのですが、

毎日午前中には勤務が終わってしまっていたのが大のご褒美。

 

しかも宿泊していたのは、ボストンでした。

副操縦士くんとともに、電車に乗ってダウンタウンへとちょっとお出掛け…

 

気温が3度とまだ寒く、風も強い日だったので、

 

ボストンの観光の目玉であるファニュエルホールだったり、

 

クインシーマーケットなどを途中、カメラに収めながらも…

 

この時は、そのすぐ北にあるボストン・パブリックマーケットへと直行。

 

中に入ってみると、各種のランチなどが買えるフードコートのような作りになっていて、

 

お目当てだったのが、こちらシーフード店…

本当はロブスターサンドイッチが買いたかったのですが、お値段31ドル……

 

 

 

日本円にして、3,300円……… 見送り…

 

 

 

その日の夕食は、鱈が1匹丸ごと入った鱈サンドイッチにクラムチャウダーでございました。

 

ちなみにマフラーを持って行くのを忘れていたので、こんなものまで購入。

15ドル也…

 

毎朝5時台の空港出勤だったものの、

 

最終日となった金曜日も、午前中にはデトロイトに帰ってきていて、勤務終了。

 

 

 

 

もうしばらくお休みをいただいて、再び怒涛のスケジュールが始まります。