yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/7

リージョナル航空会社に勤める裕坊です。こんにちは。

昨日金曜日に、4日間続いたフライトを終わって帰宅した裕坊。この週末は久しぶりに我が家でゆっくりと過ごしております。我が家へと帰ってくると、夕食の後はログブック(飛行記録)を整理しようと、机に向かうのはいいのですが、今年に入って五十路に突入し、大抵は体力の限界も早くやってくるようになって、いつの間にか絨毯の上に転がって、そのままうたた寝…………

昨日も絨毯で力尽きるように転がっていて、ふと起き上がって時計を見ると午前3時………これって、前日起きた時間と一緒やん……………

我が家に帰ってきても目が覚めるのは、フライト中と大抵同じ時間………早朝3時起きが続いた時は、うたた寝したあとも3時起き………

不思議なものです…………

 

体に染みついたリズムは、怖くなるほどにしばらく続きます。元々人間には脳内情報伝達物質として知られる「セロトニン」、睡眠を掌るホルモンの「メラトニン」が交互に人間の1日のサイクルをコントロールしていて、結果的に人間の1日のリズムが作られているのは、よく知られたお話。いろいろな研究結果を読んでいると、そのサイクルは24時間よりも若干長く、24.5時間程と考えてほぼ間違いなさそうです。

睡眠を誘う『メラトニン』。目覚めてからおよそ14時間〜16時間ほどすると、再び分泌が始まり、そのメラトニンの分泌が高まると、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に体が導かれ、眠気を感じるようになるのだとか。その「メラトニン」には、抗酸化作用もあり、体内活性酸素の増殖を抑制して、癌予防にも役立つホルモンとして、最近注目されるようになってきているそうです。他にも抗老化作用、免疫力の強化などをも司ってくれるスグレモノ…………

 

ところが裕坊のように、普段早い時は早朝5時台、遅い時は深夜便の到着が午前様になったりなど、勤務体系はほぼ24時間体制の「シフトワーカー」ともなると……メラトニンの分泌量は当然減ることになり……………せっかく抗酸化作用、抗老化作用、免疫力増加など、様々な病気の予防、老化の防止などに役立つホルモンが減ることになります。

 

 

 

実は、驚くことに、パイロットは皮膚ガンとともに、前立腺ガンの罹患率が突出して高い職業………

特にアメリカ合衆国では、国内線といえども早朝深夜便の時間のシフトが極端な上に、レッドアイと呼ばれる深夜便は日常茶飯事……裕坊も一昨年までは、チャーター便で大学のバスケットボールチームの移動のお手伝いを頻繁にしていた時期があり、その時は午前2時、3時台の出発を当たり前のようにこなしておりました。

貨物専用便の航空会社などともなると、深夜2時、3時は普通に定刻の出発時刻………勤続年数の長い機長にもなると、平均給与は裕坊などと比べると3倍以上は稼いでおりますが……………

 

 

引退後の平均余命…………………

 

 

10年にも満たないそうです………

 

 

旅客機担当でも、国際線の大型機担当のフライトクルーにもなると、貨物航空機の乗務員と同じ運命……東西を飛んで北米とアジアを結ぶ路線などを担当する場合などは、10時間以上の時差……西方面へと向かう時は、新しい時間帯に慣れるには、時差を2で割った日数、12時間の時差ですとほぼ6日間、日本から北米など東へと進む場合、時差の3分の2の日数、12時間の時差ですと8日間、1週間も時差ボケ解消に時間がかかるそうです……その間様々な悪影響から体を守ってくれる「メラトニン」の分泌量は、通常時の半分以下…………

 

フライトから帰宅した後、体のリズムをいかに早く取り戻すか、これも乗務員に課せられる健康維持の課題の1つだと言えそうです……

 

 

今日土曜日は、ちょっとしたカフェでほんのちょっとゆっくりの時間……

恐らく大きな豪邸を改造して、そのままカフェにした装いのカフェ。 大きな間取りのキッチンだったのでしょう。

 

お店の中もゆったりとして、暖炉のそばで暖かい時間をしばらく友人とともに過ごした土曜日…

なんでも誕生日の方は、コーヒーが無料なんだそうです。デトロイト空港から車でおよそ25分。ノースビルという、古くからある町のダウンタウンの中に建っています。ゆっくりと落ち着いてコーヒーを飲みたい方には、オススメ。

 

 

 

明日日曜日も、ゆっくりの休日、生活のリズムを取り戻さなくては………