yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/3

アメリカ地域航空会社で、地方路線を中心に飛んでいる、裕坊といいます。こんにちは。

昨日水曜日に2日間のフライトを終えて、4連休をいただいています。

 

2日間のフライトをこなして4日間のお休み……もう本当にこんなパターンは久しぶり……

裕坊が現在の会社に入社したのは、2006年6月。今から14年前。その当時は、日帰りのフライト、2日間のフライトのパターンも多く、長くても4日間頑張れば帰宅できておりました。最近では会社との労働契約内容も変わり、乗客が多い月ともなると、5日連続勤務のパターンも多く入っています。ちなみに今月末にかけて入っているのも、5日間勤務。スケジュールのパターンは、裕坊が入社した時とは大きく変わりました。

 

 

2006年当時は、地域航空会社ならではの、ちょっと変わったスケジュールも……我が社ではハイスピードと呼ばれていた独特のパターン。会社によって呼び名は色々とあり、スタンドアップと呼ばれている会社もあるみたいです。法律では正式には、CDO(Continous Duty Overnight)と呼ばれます。日本でいう深夜シフト勤務。そのシフトとは……

 

 

主要基幹空港から最終便で出発し、折り返しは翌朝の始発便で帰ってくる、というもの……

これがもういつもバタバタ………主要空港からの最終便になると、ほとんどは夜9時台から10時台の出発ですので、到着先での時刻はいつも深夜になるので、

 

到着後は駆けるように、ホテルの送迎シャトルに乗り込み、

 

ホテルに着くなり、数時間の『仮眠』を取って(大抵3時間前後)、

 

翌朝には、夜が明け切らないうちに、ホテルを出発…

 

ホテルを出発するのは、大抵5時で、早い時は4時半の時も…

 

早朝は素通りできない、裕坊の朝の停留所、ドーナツ屋さん…

ちなみに、ここダンキンドーナツのコーヒーは、なかなかイケます。

 

照明がまだ薄暗いターミナルを、出発ゲートへと向かい、

それでも主要空港へと向かう始発便は、意外にお客様が多かったりするのです。

 

前夜乗ってきたばかりの飛行機に乗り込んで…

日が昇りかける頃に離陸……

 

定時出発時刻は大抵6時台で、5時台のフライトを担当したことも、当時では当たり前…

 

月によっては、この勤務シフトだけが入ることもあり、4夜連続などは当たり前のようにこなしておりました……

ホテルでの休憩時間が正味4時間程度なんていうのも、当時は日常茶飯事……これでも法律的には、合法だったりします。

 

夜の最終便に始まり、翌朝の始発便を担当し終えるまでを一括りの拘束時間と捉えると、合法になってしまうというカラクリ……

地域航空会社同士が、競って大手航空会社との契約を勝ち取るために編み出した知恵の1つ。ホテル宿泊料を少しでも節約したい、という思惑があったようです。

 

航空会社によっては、このシフトパターンの時にはホテルの部屋を予約しないというところもあり、

ターミナル内のベンチだったり、

 

中には操縦席に残って、仮眠をとっている人もいたそうです。

裕坊自身もカナダのモントリオール往復を担当した際、到着が3時間遅れたため、入国管理局を通過する頃には深夜2時を過ぎてしまって、そのまま空港で一夜を明かして折り返したことがありました。その時の折り返し便の定刻出発時刻は、午前5時40分……

 

朝になると、空港ターミナル内の化粧室で歯磨きや洗面をしているパイロットを見かけることがあったというお話……

しかも聞いてみると、それが自分が乗る便のパイロットだったりなど……

 

 

ウソ偽りではなく、実話として我が社にもたくさん残っています。

 

 

現在、大手航空会社が地域航空会社に対して求める役割は、低コストから定時運行へと変わってきていて、ホテル代節約のメリットがかなり少なくなっているので、このパターンのシフトを採用している航空会社は、裕坊が知る限りかなり少数になりました。

深夜シフトはエンデバー航空では、昨年度に完全廃止になっています。

 

実は早朝のお天気が悪かったり整備上の問題が発生して定時出発でができないと、パイロットの法定拘束時間を超えてしまうため、始発便が運航できなくなり、欠航が多く発生するという決定的なデメリットがありました。始発便の欠航は、大手航空会社にとってかなり致命的になるので、多くの航空会社では昼間スケジュールにシフトしているようです。

 

ただそれまで夜間シフトで運航されていた便は、通常の昼間パターンでカバーしないといけないため、1回あたりの勤務日数は増えるようになりました。日帰り勤務や2日間のフライトなどは激減……裕坊のスケジュールも、大半は4日間、もしくは5日間勤務体系になっています。

 

 

前回の2日間勤務では、担当便が入ったのは初日だけで、まずはアメリカ海軍の総司令基地があるバージニア州ノーフォークをまずは往復したのですが、

お天気は良好……

 

入念な消毒作業が入るために、

ターミナルに入って、折り返しを待ったのですが、

 

立ち寄ったコンビニで、

 

こんなものを見つけてしまった…

ボンタン飴……ではなく、ボタン飴???

 

ただし日本産であることは間違いなく、

嬉しげに3つも買ってしまいました……

 

 

 

 

日曜日まで休暇をいただいて、次の出勤は来週月曜日の予定です。