yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 10/31

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

とうとう今年もハロウィンの日がやってまいりました。アメリカでは夕方になると仮装して子供を引き連れて近所じゅうを歩き、各家を訪ねては「トリック オア トリート」と言いながらお菓子をいただいて行きます。

せっかく子供たちを迎えるのなら、とお化け屋敷風に飾り付けをする家も多く……

もう本物のお化け屋敷としか思えない凝った飾り付けをする家まで…………

それを見るだけでも楽しいのですが、あいにく今年はフライトが入ってしまって、ハロウィンの練り歩きには参加できずじまい……………………

 

今朝もコーヒーの力を借りながら、早いうちから何とか起き上がって……………

朝まだ夜が明けないうちからフライトへと出発………………

ターミナルへと入り、

飛行機へと着いてみると……………………

 

 

 

霜がビッシリ……………………

今日は除氷作業のトラックに、この冬にかけて初めてお世話になりました……………

ついにやってきてしまったこの季節…………………

 

 

ただ今日はとてもラクチンな日で、お昼前には担当フライトも終了……

荷物受取所へと続く通路には、こんな展示があります。BMWSUVの展示………………

実をいうと、今日裕坊が宿泊滞在しているサウスカロライナ州のグリーンビルのお隣、グレアという町には、BMWアメリカ工場があるのです。

 

 

 

ホテルに着いて着替えをして間もなく、すぐタクシーを飛ばしてやってきてしまいました。BMW工場。

ここサウスカロライナ州のグリーンビルのお隣にあるグレアという小さな町にBMWの工場が出来たのは1994年のことだったそうで、そこからは急激な勢いで工場は拡大を続けているそうです。

2010年における7億5,000万ドル(およそ900億円)にも及ぶ追加投資で、現在の生産ラインは年間24万台の供給量………2014年には更に10億ドル(およそ1,200億円)の追加投資も決まったようで、現在いる従業員23,000万人はさらに拡大を続けることになり、最終的な生産ラインの供給可能台数は年間48万台にもなるのだそうです。

それが完成すると、BMWが抱える工場の中でも、最大規模になるのだとか……………

 

今日はあいにく工場見学ツアーが既に予約で一杯になっていて、工場の中にまで入ることはできませんでしたが、展示車両をいっぱい見学させてもらうことはできました。

 

車両館へ入ると、すぐ目に止まるのが現行モデル。シャシーと基本構造が3シリーズと同じである4シリーズ。お値段がBMWの中では1番リーズナブル。

そして中堅版ともいえる5シリーズに、

少し滑らかなボディーが特徴の6シリーズ。流線型を多く取り入れて、空力効率を高めているのが特徴……

セダンのフラッグシップモデルである7シリーズ。お値段は1,600万円なり………………………………

中古の家が充分1軒買えるやん………………………………

他にもクラシックなモデルも展示されていました。フォードのモデルTを連想させるようなデザイン。

屋根なしバージョンも………

BMWはホンダと同じく、オートバイの生産もあります。

複数の展示がされていました。

 

こちらアメリカ工場で生産されているのは、SUVと呼ばれる少し背の高いモデルが中心。ここではX5モデルや………

セダンの6シリーズを少し高くしたようなクロスオーバーモデルのX6。

 

BMWらしくないといえばらしくないですが、かつてこんなかわいい車も生産していた時期があったのだそうです。名前がイセッタ

大型バイクよりも排気量が小さなエンジンで、恐らく通勤用に都合がよかったのでしょう。16万台以上が生産されて、思った以上に売れていたようです。燃費は驚いたことに、3リットルあれば100キロも走れてしまうのだとか……………

 

変わったところでは、ペイントの吹き付けなどができる腕型ロボットなどの展示もしてありました。

 

裕坊的にはこの車両館でのハイライトといえばこちら。iモデルシリーズ。こちらの展示がi8モデル。

あまりにじっくりと裕坊が車に見入っていたので、係りの方が気を利かせてガルフウィングドアをわざわざ開けて見せてくれました。

ガソリンエンジンと電気モーター両方を積み込むハイブリッド。未来を予感させるような浮き上がるようなインパネも備えています。

但し、お値段1,600万円なり………………………

 

見学の機会をどうも皆さんありがとう。

 

今晩は20時間とかなり余裕のある宿泊滞在でしたので、歩いてレストランへとちょっとお出かけ。お寿司屋さんへと立ち寄ります。

実はこちらのお寿司屋さん、6時半までであればお寿司は全て半額……………

ということで今日頼んだのがこちらお寿司のセット。

定価16ドルが半額になって、8ドル………………………かなりお買い得でした……………

 

明日は4日目。フライトを終えて、我が家へと帰る日です。

 

裕坊

 

裕坊パイロット日記 10/30

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

まず普段、裕坊がブログで取り上げることがない政治のお話から……

今日何といっても目を引いたのは、韓国徴用工に対する新日鉄住金への凡そ4,000万円にものぼる賠償命令でした。その情報を耳にした安倍総理もこんな心境だったことでしょう………

普段は外交的なことをあまり取り上げないワイドショーでさえ、話題にしているようですし、政治的なことをあまりこのブログには持ち込みたくないので、敢えて詳しくここで取り上げることはしませんが、日韓関係を冷やしてしまうのは確実になることでしょう………

そもそも1965年の日韓基本条約で「両国の国民の財産、権利及び利益並びに両締結国及びその国民の間に関する請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたこととなる旨を確認する」とはっきり明記されていて、徴用工はおろか、本来架空であるはずの『従軍慰安婦』問題とて本来なら解決済みなはず…………

河野太郎氏は外務省を代表して「1965年の国交正常化以来築いて来た日韓の友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできない」とのコメントを出しました。

もし個人による請求がこのまま認められてしまうことになると、当時から運営を続ける日本企業の多くが訴訟リスクにさらされることになります。現状でも韓国内裁判所では日本企業を相手取り、15件の同様の損害賠償請求訴訟が係争中…………

既に日本政府では、国際司法裁判所への提訴を行う可能性を示唆していますが、この問題には毅然と対処していただきたいと思います。

 

今日も昨日に続いて3本の担当便を抱えていた裕坊。ボストンを早いうちに出発…………最近アメリカのホテルでも増えてきた、小さなカップに入ったコーヒー豆を設置するタイプのコーヒーメーカー………

コーヒー豆の香りが損なわれにくいので、美味しいコーヒーができることが多く、裕坊のお気に入り。

まだ外暗いやん…………………

最初の目的地であるピッツバーグは快晴……

そして裕坊の本拠地であるデトロイトまでやってきます。成田行きの出発時刻が近づいている時間でした。日本行きたいな〜…………………

実はここから次の担当便までの空き時間、4時間半………………………………

 

 

 

さて、何をしよう…………………………

 

 

 

 

最近は裕坊の担当する便はAコンコースからの発着がすごく多く、Bコンコース、Cコンコースへと繋がるこのトンネルをくぐることは、本当に少なくなったのですが………………

今日はエスカレーターで下まで降りて、トンネルをくぐります…………

お目当ては………………………………………………

 

 


会社が提供してくれるお食事…………………………ガッツリといただきます………………

お野菜に……

メインはサンドイッチ……

デザートのクッキーまで……………果物などもありました。

実は最近になって、我がリージョナル航空会社の社長が交代。ここエンデバー航空はデルタ航空の100%子会社なので、実際には新しい社長とはいえ、デルタ航空のある部門の管理責任者を経て出向に似た形でやってくる方達がほとんど。

 

株主情報を調べれば出てきてしまいますので、顔も隠す必要などないのですが、敢えて名前だけをご紹介。

通常CEO(Chief Executive Officer)と呼ばれる最高経営責任者に就いたのが、デイビッド・ギャリソン。そしてCOO(Cheif Operating Officer)に就いたのがジョー・ミラー。

 

ときどきこうして重役クラスが、現場を回っては従業員と挨拶したりするのが、こちらアメリカによくある光景。取りあえず我々の要望などを聞いてくれますし、当たり障りのない範囲で最新の情報なども提供はしてくれます。大抵は既に耳にしている情報がほとんどで、こういった場面では目新しい情報を耳にすることは滅多にありませんが……………

今日も知ってる内容のお話がほとんど………………

 

 

サンドイッチご馳走さま……………………………

 

 

午後4時前になって、今日の最後の担当便で、バーモント州バーリントンへと向かいます。ここバーリントン、夏のダウンタウンが人気なのですが、冬は冬で………

スキーが楽しめるリゾートがたくさん点在……………

 

中でも代表的なのが………

ストウ(Stowe)マウンテンリゾートに……。

ジェイピーク(Jay Peak)リゾート…………

ここジェイピークには室内で楽しめるアトラクションもあるのだとか…………

 

急傾斜の多い本格的なスキーを楽しみたいのであれば、キリントン(Killington)リゾートなどの選択肢もあるようです。

 

そのバーリントン、冬の訪れを感じさせるように気温が下がり、外は3度……………飛行機を止めたあとの外の景色も秋本番……

木の色も綺麗に黄色付いていました………

今日は担当便全部終えたの、5時半過ぎ。

 

明日の担当便は2つこなしたあと、20時間の宿泊滞在になるのですが、あいにく今年もハロウィンパーティーには参加できずじまい……………

 

気を取り直して、明日3日目です。

 

裕坊

裕坊パイロット日記 10/29

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今朝は4時起きで3つの担当便をこなし、今日やってきたのはボストン。

 

ボストンといえば……裕坊的に真っ先に思い浮かんでしまうのが、メジャーリーグの球場として1番古い歴史のあるフェンウェイパーク

こちらの写真にもよく写っていますが、左翼に大きくそびえるグリーンモンスターが特徴。地形的に左翼を広く取れない場所に野球場があるので、かなりいびつで大きい壁を作ることによって、ホームランを出にくくしています。都心部に本拠地を置くボストンならでは……

そのフェンウェイパークに本拠を置くのが、今季圧倒的な強さを見せたレッドソックス

そのレッドソックスドジャースタジアムでも今年の強さの本領を発揮して、4勝1敗でワールドシリーズ制覇。本当にスキがありませんでした。裕坊的に一言言わせて頂くならば、まぁ、あれだけの戦力を集めれば勝つのは当然といえば当然………………野手はムーキー・ベッツにアンドリュー・ベニンテンディ、ザンダー・ボガーツなどが自前で育ってきているので、まぁ納得することにしよう………


でも投手に目を向けると………………

 

まず去年怒涛の300奪三振を記録し、今年も12勝を挙げたクリス・セール。彼はホワイトソックスの元エース。

打たせて取る投球が見事に開花して2016年に22勝を挙げてサイ・ヤング賞を受賞したリック・ポーセロ。彼はジム・リーランド監督の元で、ジャスティン・バーランダー(現ヒューストン・アストロズ)やマックス・シャーザー(現ワシントン・ナショナルズ)などと共に育てられたデトロイト・タイガース出身選手。

デイビッド・プライスは数球団を渡り歩きましたが、彼も元はといえばタンパベイのエース左腕やし、

クレイグ・キンブレルに至っては言わずと知れたアトランタ・・ブレーブスの抑えのエースでした。キャッチャーからのサインを見るとき、大きく両腕を広げるのが彼の特徴………

この投手陣を以ってワールドシリーズ制覇……………………………資金力があるチームが心底ウラヤマシい…………………………………
スミマセン…………また野球ネタで愚痴ってしまいました…………


ただFAで選手を集めるのはリスクをかなり伴いますし、資金力でネームバリューのある選手を集めただけでは野球に勝てないのは、日本のとある都心部にあるチームを見れば自明の理。GMであるドンブロウスキーの眼力が今年は身を結びました。そこは素直に認めたいと思います。レッドソックスファンの皆さん、おめでとうございます。

 

他にもボストンといえば、ハーバード大学もあれば、

マサチューセッツ工科大学もある学問の町…………

 

フリーダムトレイルを歩けば………

全米で最も古い公園として知られるボストンコモンに……

マサチューセッツ州会議事堂………………

サミュエル・アダムズやジェームス・オティスなど、独立派の有力者が演説を行った場所であるファニエル・ホール……。

そしてフリーダムトレイルの終点であるバンカーヒル記念塔…………

 

さらにこの時期はロブスターや………

カニなどのシーフードが豊富……………

ビール好きにはたまらないサミュエル・アダムズ醸造所など………………

 

 

 

見所はいっぱい……………

 

 

 

ところが、今朝の裕坊、6時半のショーアップに備えて、朝は4時起き…………

 

 

気温は4度で、冬の訪れを身に染みて感じるミシガン州在住の従業員からは、従業員送迎のシャトルバスの中では会話の声は聞こえてきません……………

静まり返ったシャトルバスの中…………………

朝まだ暗いうちに出発して向かうはトロント……

ボーディングブリッジのない駐機場へと止まり…………

お客さんたちは、リージョナルジェット機に備え付けの階段で乗り降り……

次にやってきたのがニューヨーク・ケネディ空港………第2ターミナルと第4ターミナルを結ぶ連絡バスが行き交う乗り場の横に到着して、

ボストンへ到着するなり、ホテルのシャトル乗り場へ一目散……………

交通の往来の激しいボストン・ローガン国際空港を出発…………

これがフライトクルーの至福の瞬間………

明日も早いので、そろそろ寝る準備です…………

 

見所満載のボストンにいながらにして、すでにカーテンを閉めて寝る体制完了です…………………

おやすみなさい………

 

裕坊

 

裕坊パイロット日記 10/28

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

いよいよ秋本番。今日は我が息子くんの今シーズンのサッカーの最終戦でした。ただ外はあいにくの秋雨が降り……………

雨傘があちこちで開く中でのサッカー。しかも相手はなかなかの実力チーム………………

結果は…………………………

 

 

 

2桁失点の大惨敗…………

 

 

 

まぁ、結果は忘れよう……………

 

 

打ち上げがあってもいいところ、今日は皆さん帰りたそうにしていて、特に何をすることもなく解散…………まあ、怪我がなかっただけ幸いではありました……

帰りにはスーパーにちょっとお買い物……ハロウィンが迫って、お店の中はハロウィンだらけになります。

仮装のかぶり物に家の飾り付けに………

トリックオアトリートのお菓子まで……………

元々はケルト人の1年の終わりのお祭りであったというハロウィン。この日は秋の収穫を祝う収穫祭があったそうですが、同時のこの日の夜には死者の霊が悪霊や魔女などともに現世に戻ってくる日でもあったのだそうですね。そのため人々は仮装をして悪霊たちの目をくらまし、自分に悪霊が乗り移らないように工夫をしたのが仮装の始まりだったようです。

ただ元々ケルト人が始めたお祭りだったためか、クリスマスがお休みになり、ほとんどのお店までが閉まってしまうここアメリカでもハロウィンは休日にはならず、週末でない限りは次の日も普通に学校へと戻ります。

 

裕坊は明日から4日間のフライト………………

 

 

 

10月31日はお仕事…………………………………

 

 

 

実はサウスカロライナ州のとある都市で20時間を超える宿泊滞在が入っていたので、ひょっとするとハロウィンパーティーに参加出来るかも……………と期待してフライトを検索………………

 

 

結果は…………………………

 

フライト飛んでねーし………………………………

 

 

 

やっぱりダメなのか〜〜………………………

何をしようかな〜〜……………………

 

明日から始まる4日間が終わる時にはいよいよ11月。来月はパイロットに課される定期検診を受けなければいけません。

前回受けたのは今年の5月。アメリカですと、40を過ぎると6ヶ月に一度の検診を課され、1年に一度は心電図の検査も課せられます。

日本では内科、眼科、耳鼻咽喉科、精神神経科の4つの診療科でそれぞれの検査を行い、指定航空身体検査医によって適否を見られますが、アメリカの場合は航空身体検査医師が1人で診ることがほとんど。健常であれば、1時間もかからず終わります。

 

実を言うと、11月には一週間ほどの予定で日本への帰国を予定していて、その一週間の休日を取るためにかなりフライトが詰まってしまったので………………いつ身体検査、受けに行こう………………………

 

普段は平日にたくさん休日が入ってヒマを持て余してしまう裕坊なのですが、さすがに来月はちょっとスケジュールが詰まってしまっています………たまには俳優にでもなった気分になって、忙しい時間を過ごしてみようか……………………

 

明日から4日間のフライト。またしても早朝のパターンです。

 

裕坊

裕坊パイロット日記 10/27

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

これ、昨日の裕坊のほんのちょっとしたご馳走でした。ニューヨーク・ラガーディア空港Cターミナルにあるフードコートには、アジア物のコーナーもあります。このレインボーロールはお値段も比較的リーズナブルで、裕坊のお気に入りの一つ………

 

昨日、休日を返上して入れていた4日間のフライトを終えて、今朝早くに我が家へと帰ってきました。こんなお天気が来ていたので、本当はゆっくり今朝9時ごろのフライトに乗りたかったところ、結局始発の6時の飛行機に乗ることに……………………

フロリダ半島沖で発生する大型の低気圧が発達しながら北東をアメリ東海岸をなぞるように北東へと進み、低気圧に大西洋からの強烈な東風や北東風が吹き付け、ワシントンやニューヨーク、ボストンからメイン州の海岸沿いにかけて荒天をもたらします。

以前は北東をめがける悪天候だったことから、ノースイースターと呼ばれていたのが、最近では少し省略形で呼ばれるようになり、いつの間にかノーイースターと呼ばれるように…………

まだ10月ですので雪は降っていませんが、12月以降の本格的な冬場にもなると、こんなことになることも…………………

今日も実は似たようなパターンのお天気で、猛烈な突風と大雨をもたらす天気予報が出ていました。そんなわけで、今朝は始発便の6時発のデトロイト行きに乗らざるを得なくなることに………………

眠い………………2時間ほどしか寝てないし…………………

既に出発の頃にはかなり雨脚も強くなっていて、風もかなり強くなっていたので、デトロイト行きの機長さん、

「今日はいい乗り心地にはまずならないよ。ドリンクサービスもないかも知れないから、そのときはごめんな」

と機内アナウンスをされていらっしゃいました……………………

搭乗が終わると……………

1時間20分ほどの飛行時間のうち、30分ほどはずっとこの状態………………

でもデトロイトには無事到着……

やれやれ………………

 

 

でもデトロイトも雨降っとるし……………………………

 


 

今回の4日間のフライト、休日を返上して入れていたのですが、久々に「コミューター」に戻った気分でした。「コミュート」とはアメリカの航空業界における、「飛行機通勤」のことを指します。ほとんどが州外から所属している空港へと通うことを指すのですが、アメリカの場合は州自体が広いところが多いですから、例え州内といえども飛行機による通勤を強いられることも…………………

例えばナイアガラの滝に程近い、ニューヨーク州バッファローに仮に住んでいて、所属先がニューヨークのケネディ空港だった場合、

ケネディ空港のあるクイーンズはニューヨーク州のほぼ南東の端、片やバッファローは北西の端、直線距離で結んでもおよそ650キロ。最短のルートを選択してもほぼ6時間半。ニューヨークのブロンクスからマンハッタン辺りに差し掛かってくると、渋滞は避けられないので、恐らく最低でも7時間……………………

 

とてもクルマで通える距離ではありません……………

 

 

裕坊の場合、2013年9月からおよそ2年半に渡って、「コミュート」生活を強いられました。裕坊の勤めるエンデバー航空の前身であるピナクル航空、2010年にピナクル航空を含めた3社のリージョナル航空会社の合併を敢行。大抵航空会社同士が合併すると、しばらくは社内が落ち着くまでに時間がかかるのですが、当時のピナクル航空の場合、社内移動におけるフライトクルーの訓練費用がかなり嵩んで、2012年4月にニューヨーク地方裁判所の破産法下に入ることに。

当時所有していたプロペラ機のサーブ340型機やボンバルディアQ400型機などを次々と手放すことになり、余剰人員を削減することになります。


裕坊も所属していたデトロイトを強制的に離れることになり、しばらくはニューヨーク・ケネディ空港への「コミュート」を強いられることに。しかも通称「リザーブ」と呼ばれるスタンバイ式のシフトで、自由はありませんでしたから、ほとんど「クラッシュパッド」と呼ばれる仮住まいでかなりの時間を過ごしていました。

ほんま久々やわ、この感覚………………………

 

昨日は「ゲートウェイアーチ」としてよく知られるミズーリ州セントルイスをニューヨークのラガーディア空港から行ったり来たり……

 

観光客にアピールする目的もきっとあるのでしょう。

セントルイスは空港の建物まで内外アーチだらけ……………………

 

ニューヨークからセントルイスはおよそ2時間ほどのフライト。夜遅くにフライトを終わります。終わったのは夜10時半……………

エンデバー航空が提携しているシャトルサービスに乗り込んで、クイーンズまで…………クイーンズ到着、午後11時…………

徒歩でそこから15分ほどテクテク…………………

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ贅沢して、フードコートで買っていたお寿司で寝る前に小腹を満たして………………………

裕坊が借りている「クラッシュパッド」のオーナーから写真掲載の快諾を得て、ちょっと裕坊のお部屋を公開。この下の段のベッドで、3時間ほどの「仮眠」を取ります……………

「ノーイースター」が近づいて雨風が強くなっている道をまたも歩いて、再びシャトルへと乗り込み、

空港へは5時過ぎに到着…………

ラガーディア空港始発のデトロイト行きに搭乗………………

 

 

着いた…………………………………


 

久々の「コミューター」生活満喫の4日間のフライトでした。

 

今日と明日、取りあえずお休みです。

 

裕坊

 

裕坊パイロット日記 10/25

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

昨日やってきていたのは、サウスカロライナ州チャールストン。夜遅くに入っていて、ちょっと朝寝坊………朝9時ごろにゆっくりと起き上がってゆっくりの朝食………で、カバンを開けてみると………………………

 

チョコクロワッサンがない……………………………

またやっちまった…………………………………

 

うん、待てよ……………

 

そういやここ、朝食ついとるんやった…………

 

気を取り直して。まずまずお天気がよく気持ちのいい日差しが入るロビーへ降りて……

 

何があるんかいな、と目を凝らしてもあるのはベーグルくらい……………他には…………………

実は朝食用のメニューがいくつか掲示されていて、それを注文をする仕組み。フロントに頼むと、キッチンでそれを作ってくれます。

待っている間にコーヒーを調達して………

コーヒーカップと同じようなカップに入れられた朝食が出されます………ちょっと変わってますが、中身を開けてみると………

中はこんな感じ………

フライドポテトがトロリと溶けたチーズに包まれていて(こちらではローディッドフライズ(loaded flies)と呼びます)、その上にちょっとエッグベネディクトを連想させるような卵が乗っていました。で、これが………………………

 

けっこうイケる…………………

 

思った以上のボリュームで、お腹の方も充分満足……

 

ホテルの送迎シャトルの出発は11時半………

 

ここサウスカロライナ州チャールストンは、南北戦争発端の町として知られます。当時、チャールストン沖のサムター要塞にいた北東部を中心とする「北軍」の連邦政府軍に対して、「南軍」が1861年4月12日午前4時30分に砲撃を加えたのがきっかけになって、それから4年にも及ぶ内戦となる南北戦争の始まりとなりました。

最初のこのフォート・サムターの闘いは南軍の勝利に終わり、サムター要塞は南軍のものとなります。

その後の歴史は、皆さんもよくご存知の通り。リンカーン大統領が7万5千人もの志願兵を募り、大反撃を開始して北軍の勝利で終わりました。

このサムター要塞、チャールストン湾にある小さな人工島。チャールストンの市内のマリーナから、観光船に乗ることによって行くことができます。

大砲を撃つための小さな窓と、いくつかの大砲、その当時の面影を今も強く残しているようです。

 

他にもここチャールストンは美味しい食事、文化的アトラクションに美しい歴史的建造物が豊富で、理想的な休暇のための旅行先として、多くの観光客が訪れる町だそうです。

20世紀初頭の建築物が数多く存在。その中でも有名なのがキングストリート。そのキングストリートは、3つのエリアで構成されるそうです。食事が楽しめるアッパー・キングストリート。ファッションの街、ミドル・キングストリート。そして歴史を残したローワー・キングストリート。

他にも、紅茶のプランテーションがあることでも有名だそうです。トロリーツアーに参加して緑豊かなお茶の木の間を巡り、工場ツアーで香り豊かなお茶の葉が収穫される様子を見学することもできるそうです。

 

最近ではビジネスでもこのチャールストンはかなり活気付いていますが、その代表格は何といっても、ボーイング787を製造するボーイング社の工場。

旅客用ターミナルからすぐ南に位置するボーイングチャールストン工場。ドリームライナーと呼ばれるボーイング787型機の製造ラインが、現在ではフル稼働。

ユナイテッド航空アメリカン航空、そして日本航空の塗装を纏った飛行機も駐機場に停泊しているのが見えました。

上空から撮った写真を見ていると、この工場がかなり拡張されているのを観察することもできますね。

納入待ちの飛行機がたくさん並ぶ駐機場。

真新しい工場が3つほど立ち並び、ボーイング社の意気込みを間近に感じることもできます。

このボーイング787型機の主要部品を運ぶことで知られるのが、かつて世界の空を席巻したボーイング747型機の改造型の貨物専用機、通称ドリームリフター。背中が大きくせり上がっているのが特徴。ここに胴体やエンジン、主翼に尾翼と様々な主要部品が乗せられて、世界の各地からボーイングの組み立て工場へと送られてきます。

名古屋のセントレア空港からも、胴体の一部が輸送されますので、運がよければドリームリフターを拝むことができることも………

 

それを反映してか、ここチャールストン空港は昔の面影を全く残すことがないくらい、全てが新しく建て替えられました。吹き抜けになっている入り口から入り、

セキュリティーへの入り口も吹き抜け式の天井で、日が差し込むようになっていて、

各コンコースも新しくなっていて、何から何までがピカピカ……………

そんな中裕坊が乗る飛行機がやってきて………

 

今日は快晴の中、ニューヨークを経由。

 

 

ここでは4時間の待機…………………

 

 

ということで、今日はここで夕ご飯…………

いつものフードコートへと赴き、豚肉が美味しそうに見える…………

緑黄色野菜もしっかり取らんといかん………

 

 

今日の裕坊の晩ご飯………………

 

夜遅くになって、ミズーリ州セントルイスへとやってきました。

 

明日はニューヨークに一度戻った後、セントルイスを往復して、ニューヨークでフライトを終える予定。

で、明日デトロイトに帰れるのか、というと……………………………………

 

 

セントルイスから帰ってくる予定の時刻10時25分………………

明日のデトロイト行き最終便出発時刻、8時29分…………………………………………………

 

 

恐らく明日はそのままニューヨーク滞在です…………………

 

 

裕坊

 

裕坊パイロット日記 10/25

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日まずは何と言っても目を引いたニュースといえば、アメリカでの宝クジ当選のお話でした。なんとなんと……………………………………

 

約15億3,700万ドル(約1,700億円)の単独当選……………………………………

それでもビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏の資産には遠く及ばないそうなのですが…………………どういう財産なんやろ……………………………

ちょっと、ほんのちょっとでいいから、分けてくれないかな〜………………………………(小声)………………………

 

それでも史上2番目に高額な当選金額で、単独当選としては史上最高額……………

6つの数字を選ぶ宝クジ「メガミリオンズ」。数字が一致しなければ賞金はプールされる形になり、抽選前は当選金額が16億ドルになるものと予想されていたそうです。今回の抽選までの4日間に全米で販売された宝クジの枚数、何と3億7,000万枚………売り上げ金額、4日間で7億4,000万ドル……………

みんな、欲深すぎ〜…………………………………

 

この当選金額、2016年1月に発売された米宝クジ「パワーボール」の15億8,600万ドルをわずかに当選金額では下回ったそうなのですが、この時は当選者が3人いたため、単独当選金額では史上最高額になったのだそうです。

当選くじは、サウスカロライナ州シンプソンビルのコンビニ「KCマート」で発売されたのだとか…………

もし当選者が即金の受け取りを選択すると、金額は8億7,780万ドル、29年に分割して受け取ると合計の受取額が15億3,700万ドルにもなるのだとか……………

 

もし、そんな金額当たったら、う〜ん、何に使おう……………………

 

4輪駆動のジープ一台に、iPhone新しいの1個買って、家のローンを払い終えて、その我が家の修理………………………修理…………………………………

つーか、家一軒キャッシュで買えるやん…………………

 

すぐに修理に頭が行ってしまう辺り、やっぱ自分でも貧乏性……………………

お仕事に励みます………………………………

 

 

裕坊は今日は休日返上のフライトの2日目。昨日はニューヨークを午前中に出発する便を担当していたので、当日の朝に出発していたのでは間に合わないので、前日にニューヨークに宿泊。デトロイトからニューヨークまでは、福利厚生のスタンバイフライトを使っての「飛行機通勤」。これを業界用語で「コミュート」と呼びます。

正確な数字を把握したことはないのですが、アメリカの航空会社に勤めるクルーはパイロット、客室乗務員とも恐らく半数ほど、もしくはそれ以上が「コミュート」。実はさっきまで我がエンデバー航空に勤める日本人パイロットHくんとお話をしたばかりなのですが、そのHくんもミネアポリスからニューヨークへと「飛行機通勤」をする「コミュート」クルーの1人。

そのHくん、エンデバー航空入社前に既にデルタ航空本体から内定をもらって、リージョナルジェット機を飛んでいたパイロットの1人。要はエリートなのです。裕坊のようなボンクラとは大違い……………

既にデルタ航空での新人入社研修の日程も決まったようで、いよいよ彼を送り出すときがやって来てしまいました。3人だった日本人パイロットがまた2人体制になってしまうな〜…………ただ彼にとっては栄転なので、快く送り出したいと思います。

 

「コミュート」をする理由は様々。自ら「コミュート」を選択するクルーもいれば、強制的に「コミュート」をせざるを得ない立場で「コミュート」をすることも。

各航空会社には、一般の会社と同じように「支店」があるのですが、その中でフライトクルーが所属する「支店」或いは「出張所」もあります。各航空会社の運航パターンに合わせて、発着の多い空港がたいていの場合クルーの「支店」になり、それを業界用語で「クルーベース」と呼びます。

 

アメリカでは田舎育ちの人が多く、普段は夢のような豪邸に住みながら…………

都会の喧騒を忘れることができるゆったりとした生活を楽しんで…………………

お仕事の時になって、大きなハブ空港であるニューヨークやロサンゼルス、或いはアトランタといったような「クルーベース」がある大都市へと田舎の都市から「コミュート」するのが、アメリカ流………入社経歴が長いと、スケジュールの選択権も高くなるので、自分の思う時間にショーアップできるスケジュールを選択できるのです。

入社経歴が浅いと、自分の「クルーベース」も選べず、スケジュールも残り物、たいていの場合「リザーブ」と呼ばれるスタンバイ、そしてニューヨークのような大都市への「コミュート」も避けて通れなくなることに………………そして「クラッシュパッド」と呼ばれる仮住まいで、他のクルーと2段ベッドで部屋を共有する共同生活を強いられます……………

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これもフライトクルーの生活の実態の一部です…………………

 

今日は裕坊はニューヨークのケネディ空港からボストンを経て、またもケネディ空港へと折り返しをまず担当しました。

そのケネディ行き、完全に満席になって、客席に座れなかったパイロットが1人、操縦席内にある補助席「ジャンプシート」に座って、ケネディ空港へと向かいました。

この「ジャンプシート」と呼ばれる補助席、リクライニングなどといった贅沢品は装備されておらず、リージョナルジェット機のような狭いコックピットだと、身長180センチを超えるようなアメリカ人ともなると、体の大きさを持て余してしまいます………かつて裕坊も6時間のフライトで「ジャンプシート」に搭乗したことがありました。

これもアメリカの航空会社に勤めるフライトクルーに付き纏う生活の一部です……………

 

今日はドリームライナーとして知られるボーイング787型機の工場があることで知られる、サウスカロライナ州チャールストンへとやってきて、宿泊滞在です。

 

裕坊