yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/26

デルタ航空の下請け航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

今週は月曜日から合計で6日間連続するフライト。4月末の大型連休前に大学同窓会の出席を予定していて、「その前に一稼ぎ」を目論んでおりました。ただアメリカから日本へ帰国した際は、2週間の自己隔離が必要になりますし、同窓会の出席は諦めることに……………今月末は「一稼ぎのためのスケジュール」のため、この6日間のフライトの後も、1日のお休みを挟んで、さらに次の4日間のフライト…………

 

個人的には、ウィルス感染の確率を少しでも減らすために家で大人しくしているのが理想なのでしょうが、医療関係者は休むことができませんし、スーパーなどの従業員の方、或いは食料品や生活必需品の運搬をする流通業界とてそれは同じ。航空会社も、国から必需業種(Essential Business)に指定されていますので、業務は通常通り続いております。アメリカの連邦議会で、国内航空路線の完全遮断も議題には上っておりますが、そうなったとしてもしばらく先の話になるでしょう。

 

3日目となる水曜日は、午後3時ごろの出勤。

外はポカポカ陽気の小春日和………気温が13度まで上がっておりましたので、車の中はまさにポカポカだったのですが………

 

普段ならまずまず埋まっているはずの、従業員駐車場……

 

専用シャトルバスの乗り場から離れて停めているというのはあるのですが、

それにしてもガラガラ……

 

今月中旬から、徐々に増えてきていた欠航便。

水曜日は、その欠航便が運航便を上回ったような印象を受けました……

 

先週までは、まだ一部開店していた、自然食材を使った空港内のお惣菜屋さん、プラムマーケット……

水曜日には、既に閉店。しばらく続くものと思われます………

 

裕坊の水曜日の元々のスケジュールは、朝から4便だったのですが、そのうち3便は欠航になり、ケネディ空港行き1本だけ……

27名の搭乗でしたが、そのうちの半分が移動で乗ってきた航空会社クルーという有り様でした……

 

到着後の、ケネディ空港……

すれ違う人の大半は、こちらでも航空会社の職員であったり、清掃の係りの方であったり、売店の従業員だったり………

 

その売店も、ほとんどがシャッターを閉めていて、ターミナルの中は本当に閑散としておりました……

 

ホテルの送迎シャトル乗り場へと向かう途中で通った、ターミナルの搭乗手続きカウンター。

既にほとんどの航空会社が欠航を決めていることもあって、乗客の姿はなし……

 

これが本当にニューヨークなのか、と目を疑う光景が広がっておりました……

人と人との濃厚接触を防ぎ、感染の速度を抑え込む以外には、ほとんどできることもありませんし、仕方がありません……

 

日本では早くから、治療対象を重篤患者に絞り、治療にあたることができる病院の許容量に余裕を持たせておく施策を取ってきましたが、今までの結果を見る限り、功を奏しているのではないでしょうか。

 

それでも未だに検査拡大を主張する発言が後を断ちません。最近では、楽天社長の三木谷浩史さんが、同様の検査拡大主張を自らのツイッターにてされていらっしゃいましたが、感染症学の基礎知識もないまま、有名人だからといって軽々しく発言をするのは、もういい加減やめていただきたいです。同じような発言を、アメリカの内科医師が同じように発信されておりましたが、この医師とて同様。

 

 

ここは裕坊、力を込めて何度でも書きます。病院勤務の経験がある薬剤師として、もう一度書きます。

 

 

まだ治療薬もワクチンも完成されていないこの環境で、確固たる治療法も確立されていない中で、最も重要なこととは何か。 それは『医療崩壊を防ぐこと』。

医療崩壊」をさせない、とはどういうことか。この意味とは、重篤患者を増やさないこと、そして医療従事者を守る、という意味も含まれているのです。

 

病院へと来られる患者さんは、何もコロナウィルス感染だけで来られているわけではありません。高血圧の方もいれば、高脂血症や糖尿病でこられている方もいます。心臓病の方もいらっしゃいますし、胃や腸の不調で来られている方もいるでしょう。感染症の方だけを治療するためだけに病院は存在するわけではありません。この方たちには、コロナウィルスに対して弱い方もいらっしゃるでしょう。むしろ既往症をお持ちですと、コロナウィルスにはいったん感染すると重篤症状が出やすいことが、今までのデータからもハッキリしています。

 

日本は医療保険が充実して、心配だからとすぐ病院にかかれる環境にありますが、特に自覚症状もないのにコロナウィルスの感染が心配だからと気軽に検査に訪れると、そこからコロナウィルスが蔓延して、病院が感染源になる可能性があります。陽性と判断されて、症状がそれほど酷くなくても入院となれば(そもそもコロナウィルス診断に使用されるPCR検査キットは、的中率自体が70%ほどとそれほど高くなく、擬陰性と診断されることも少なくありません)、そこで病床を埋めてしまうことにも繋がります。

コロナウィルスが病院内に蔓延ることになり、それが原因で感染を早め、コロナウィルス感染者を爆発的に増やしてしまったのでは、本末転倒そのもの。入院の必要がない患者で病院を溢れ返させてしまっては、通常医療すら機能しなくなる可能性があることに留意しておかなくてはなりません。コロナウィルス以外の治療で訪れている患者さんの診療が、遅れてしまうことにも繋がってしまうのです。検査拡大は、メリットよりもデメリットの方が遥かに大きいことが、これでお分かりいただけると思います。

 

もう一つ大切なのは、医療従事者を守ること。イタリアやスペイン、或いはお隣の韓国でもそうですが、検査を拡大したが故に、医療従事者にも感染が広がり、自己隔離が必要になって、通常の診療をできない事態にもなりました。患者を診察することができるのは、医療従事者のみ。彼らが倒れれば、一切通常の医療だって遂行出来なくなるということを、肝に銘じておく必要があるのです。実際にイタリアやスペインでは、若い医師の方が医療業務過多に陥り、コロナウィルスの犠牲になって、何人も命を落としました。

ワクチンの市場投入に見込まれる期間は、およそ1年から1年半。まだワクチンが完成していないこの段階でできるコロナウィルス対策といえば、重篤患者に対する対症療法くらいのもの。何度も書きますが、今はとにかく爆発的な感染を封じ込めて、重篤患者が出ることを防ぐこと、コロナウィルスが原因で亡くなる方を1人でも少なくすることに徹底するべき、大切な時なのです。治療法が確立するまでの間は、感染を抑える工夫を施していく以外には方法がないのですから。

 

ですから、日本ではこれまでの施策を維持し、できるだけ感染者数を少なくとどめながら、治療法確立までの間、しっかりと「時間稼ぎ」をお願いしたいです。

 

 

最近ではWHOのテドロス事務局長のお顔を拝見する日が続くことになっていますが、あまりにも中国に忖度する発言が目立ち、とうとう世界で辞任を要求する署名が、52万を超えましたね。で、よくよくこの方の経歴を調べてみると、

どうやらエチオピア出身。

 

中国によるアフリカへの投資は、ここ最近かなり顕著でしたが、エチオピアはその中でも突出した国だったようで、過去20年間を振り返ってみると、なんと1,143件もの投資件数があったのだそうです。

2019年単年だけで見ても、エチオピア全体への投資流入額は25億ドル。そのうちの60%が中国からの投資で占められていたんだそうです。中国による投資で、エチオピアの現在の経済が成り立ってきた経緯がありますから、テドロス氏的には、中国を揶揄する発言はしにくいでしょう。ただコロナウィルスによる魔の手は、アフリカにも及んでいます。今後どのように自国を指導していくのか、その手腕には、裕坊は個人的に大いに注目しています。

 

中国の武漢で発生したウィルスであるにもかかわらず、未だに一言の謝罪もしない中国共産党。ここへ来て、米軍によって持ち込まれた可能性がある、とまで外交部によって発せられました。この疫病が一段落したとき、世界の各国が中国にどのように対処するのか、こちらにも注目しておきたいですね。

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/24

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

コロナウィルスの感染拡大の勢いが、とどまるところを知らないアメリカ。

 

3月24日(火)現在で、既に確認されている感染者のおよそ半数を占めるニューヨーク州を始めとして、デラウェア州ルイジアナ州オハイオ州カリフォルニア州コネチカット州イリノイ州オレゴン州ニュージャージー州インディアナ州ミシガン州ウェストバージニア州ウィスコンシン州ハワイ州ニューメキシコ州ワシントン州の16州では外出制限令が出され、他の州でもフィラデルフィアセントルイスカンザスシティニューオーリンズアトランタなどでも同様に、外出制限が課されています。

 

そんな中、昨日月曜日は、シカゴまでやってきておりました。降り立っていたのは、シカゴ・ミッドウェイ空港。

シカゴのダウンタウンからですと、南西におよそ車で20分ほど。

 

住宅地の真ん中に位置するといった表現がピッタリとはまる空港で、立地的な条件もあって、滑走路は長いものでも2,000メートル。

周辺の道路や住宅との安全間隔を保持するために、着地点もやや滑走路の端から離れて設定されていますので、着陸に使える滑走路の長さは1,800メートル。着地点への正確な着地が必要となる、やや操縦技術が問われる空港の1つです……

 

実は格安航空の老舗、サウスウェスト航空の主要基幹空港の一つで、中西部の中心的な役割を果たしています。

実際に行き来している旅客機は、ほとんどがサウスウェストの塗装のボーイング737型機ばかり。

 

ターミナル内の壁にも、あちこちサウスウェストのポスターが掲げられているのですが……

 

今日は数えるほどしか機体が見当たらず、少なくとも裕坊の周りには、一機も止まっておりませんでした………

 

普段であれば、搭乗手続きを終えて保安検査へと長い列が続くのですが……

 

昨日からずっとこの状態で、並んでいる人の姿はなく……

 

座る場所を見つけるのすら苦労することが多いフードコートなども……

 

今はひっそり……

 

お土産屋などもたくさん並んで賑わっている出発ゲート付近などにも……

 

人影はなし……

もちろん、旅行者やビジネス需要が激減していることも、影響しているのですが……

 

実はもう一つの事情が、影響しておりました……

ミッドウェイ空港を管轄する、空港管制塔……ここの職員の中から、コロナウィルスに陽性の結果が出た人がいたらしく、管制塔がほぼ1週間に渡って閉鎖されることになり………

 

発着できる便数が、激減………

 

空港管制塔が機能していれば、到着便と出発便の間隔を調整することができるので、供用できる滑走路が1本だけでも、1時間あたりおよそ60便を捌くことができるのですが……

空港管制塔が業務停止状態になると、到着便が滑走路からおよそ10キロ先まで入ってきたあとは、離陸準備が整っている出発便に離陸許可を与えることができなくなるので、必然的に到着便と出発便の間隔を普段の倍以上開けなくてはならず、許容量が相当落ちてしまいます。

 

ですから、サウスウェスト航空を始め、ミッドウェイ空港を発着する航空会社は、便数をかなり削減していたという事情が重なっておりました。

 

そんな訳で、今朝のミッドウェイ発デトロイト行きを担当した裕坊も、いつもとは違う手順にて出発。 いつもなら、操縦席備え付けのコンピューターに送られてくる、航空管制からの出発承認(飛行計画に対する承認のこと、計器飛行に対する飛行計画承認になるので、英語ではIFRクリアランス(Instrument Flight Rules Clearance)と呼ばれます)を受け取るのですが、

通常、飛行承認を送信してくれる空港管制塔が、今日は業務停止状態でしたので……

 

空港周りを管轄するターミナルレーダー管制(管制区管制)に、まずは電話をして飛行承認を取得……

 

そのあとは誘導路上を運転して、離陸用滑走路まで………

普段ですと、ここで空港管制塔から離陸許可が出た段階で離陸滑走を始めますが……

 

今日はターミナルレーダー管制にここでコンタクト。往来が極端に少ない状態で、滑走路へと入ってきている到着便はありませんでしたので………

着陸機がいないことを確認して、すぐ離陸となりました。

 

そのシカゴ・ミッドウェイ空港は、3月24日(火)午後から、管制塔の業務再開。通常の運用が再開となっています。ただデルタ航空の利用客は未だにかなり減っている状態で、アトランタからの直行便はしばらく欠航が決まっています。シカゴからデルタ航空にてお出かけの際は、デトロイトミネアポリスを経由していただくか、お隣オヘア空港からのご利用となりますので、ご注意を。

 

ちなみに、ラスベガス空港でも同様に、航空管制官の方の中からコロナウィルス感染の方が出て、しばらく業務停止が続いておりましたが、こちらも3月24日(火)に業務再開になっています。

 

 

今日はそんな中、ちょっと心温まる話題を一つ見つけましたので、ご紹介。

 

 

世界じゅうの国々で渡航制限が発令される中、イングランドに住むあるカップルにも影響は及んでいました。とある総合病院に勤める男性看護師のOさん、交際している同い年の女性と、アイスランドに旅行に行く計画を立てていたそうです。しかも、ただの旅行ではなく、旅行先でプロポーズをする、大勝負に打って出るつもりだったのだとか……

ところが英国も渡航禁止令が発令され、旅行はキャンセル……しかし、既に気持ちを固めていたOさんに、気持ちを止める手立てはなく、別の手段でプロポーズを強行することに……

 

Oさん、ある日の夕方、彼女を誘って夕食へとお出かけ。そしてレストランへと向かう途中、「ちょっと買うものがある」と彼女の手を引いて、とある場所へと向かったそうなのですが、その向かった先というのがこちら……………

北欧の「アイスランド」ではなく、近所にあるスーパーの「アイスランド」………

 

誰もいない通路を見つけ、突然ひざまづき、プロポーズ……

 

彼女は恥ずかしそうな表情を浮かべながらも、婚約指輪を受け入れたそうです。

Oさん、愛する彼女の心を射止め、世界中に蔓延する閉塞感に、心温まる笑いを提供してくれました。ほっこりする、とてもいいお話だと思いませんか。

 

 

アメリカ国内の航空便の数週間に渡る全面運航停止の噂が囁かれる中、裕坊水曜日から残り4日間のフライトです。

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/23

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

世界で猛威を振るうコロナウィルス、幸い健常者であれば自覚症状がほとんどないか、あっても軽症で済んではいるようですが、それが却って感染者の判別を難しくしている要因になっていますね。アメリカもイタリアやスペイン同様、ここ最近感染者の数が急拡大傾向……

 

3月23日(月)の東部時間の午後6時現在で、感染者は分かっているだけで44,000名にまで達してしまいました。裕坊が住んでいるミシガン州でも、ここ1週間の増え方がハンパではなく、とうとう日本で確認されている感染者の数を追い越てしまう事態………

もちろん、これには軽症の患者も積極的に検査をしているという、日本の診療体制との違いが影響していることはあるでしょうが、

 

各州の状況を見ていても、ここ最近の感染者数拡大は、尋常ではないことを如実に表しています。

ミシガン州だけで、1,300名の感染が確認済み。

 

ここ1週間の爆発的な拡大には、各州ともかなりの危機感を抱かざるを得ない事態となり……

3月23日(月)には、グレッチェン・ウィトマー、ミシガン州知事から正式に外出禁止令が発令されることになりました。3月24日(火)深夜12時1分に、正式に施行になります。

 

ただ、外出を完全に100%制限してしまうものではなく、例えば食材の買い出しには出かけても構わないですし、

ガソリンスタンドで給油をするのも、大丈夫。

 

お散歩をしたり、軽い運動などに外へ出るのにも、お咎めなどはないようです。

あと、医療関係者は出勤に制限などはもちろんありませんし、スーパーの従業員、運輸業なども日常生活に欠かせない職業ということで、IDさえ持参していれば、外出には制限がかからないそうです。裕坊が勤める会社からは、丁寧に社長の直筆が載った念書までが送られてくる念の入りよう……

 

ということで、欠航が少しずつ出始めながらも、裕坊はほぼ当初の予定通りのフライトを、今も変わらずこなしております。

週末2日間のお休みをいただいて、次の6日連続のフライトへと出発しました。

 

ここ1週間のお馴染みの光景になってしまった、閑散とした空港ターミナル内……

すっかり人が少なくなって、お店も軒並みシャッターを下ろしています。

 

欠航便が相次いでいることを示す、出発便の案内板……

今日は、シカゴ・ミッドウェイ空港までの1便だけ。

 

ここは格安航空大手である、サウスウエスト航空の主要基幹空港の1つ。

しかしターミナルに入ると、この有り様…………

 

夕方ということはありましたが……

お店はおろか、ターミナルを見渡しても人影が見えない状態………

 

ミシガン州と同じく、レストランには休業の指示が出ておりますので、

フードコートもこの状態……

 

ここミッドウェイ空港には、シカゴのお土産を売るお店も、ターミナル中央にたくさん軒を連ねているのですが……

そこもほとんどが閉店……開いていても、完全に開店休業状態………

 

セキュリティーも、普段ですと何列にも人が並んでいるのに、

今日はセキュリティー待ちの乗客は、ゼロ…………

 

笑顔のおもてなしが自慢の、サウスウエスト航空の客室乗務員のポスターの笑顔も、

心なしか、虚しく見えてしまいました………

 

普段は、搭乗手続きの乗客で賑わう、チェックインカウンター……

夕方で出発便がほとんど出払っていることもありましたが、全く人影が見えませんでした……

 

本来ですと、シカゴ到着後に賑わう、ホテル行きの送迎シャトル乗り場にも、人影はなし………

アメリカの航空業界は、全体で旅客数が80%減。

 

ここ最近はほぼ5年以上、過去最高益を更新し、株主総会の時期には、ボーナスの大盤振る舞いが続いていた航空業界(裕坊自身は、それにほとんどありつけませんでしたが)………それがここへ来て、一気に各社とも軒並み赤字漬け状態に陥っています……

 

果たして、ここからの再起は可能なのか…………

 

 

裕坊自身も、ここは覚悟を固めないといけないかも知れません……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/21

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

月曜日から続いていた連続で合計6日間に渡るフライトを終え、土曜日早くにデトロイトまで帰ってきました。ミシガン州単体だけでも、日本で確認されているコロナウィルス感染者総数を超えそうな勢いのアメリカ。3月22日現在で確認されているアメリカ国内感染者、26,668名で、死者が340名。そして今も加速度的な勢いで増え続けており、到底終息は見えない状況……

特にニューヨーク州における感染のスピードがとりわけ早く、クオモ州知事よりとうとう外出禁止令が出されることとなりました……ここ数週間はニューヨークの街は訪れていませんが、飲食店は軒並み閉鎖、メジャーリーグ、ブロードウェイなども軒並み閉鎖。普段は人で溢れるタイムズスクエアなども、今は閑散としているのだとか……

 

今までごく一部のアジア人を除くと、マスクをつけた人などまず見かけることがなかったアメリカでしたが、影響はさすがに大きかったようで、最近では空港でもマスクをした人を見かけるのが当たり前になってきています。

このコロナウィルスの大流行は、世界の人たちの衛生概念まで覆してしまうことに。それ自体は決して悪いことではないのでしょうが… 行く先行く先、どこも閑散……

 

南北戦争の歴史があり、美味しいシーフードでも知られるジョージア州の町サバンナなどは、普段はこの時期は観光の人たちで週末の夕方などは空港もとても賑わうのですが……

週末を控えた金曜日といえども、この有り様……

 

既に飲食店なども閉店していて………

ここ最近の、お馴染みの光景にまでなってしまいました…

 

お昼を食べていなかった客室乗務員たちは、セキュリティーの外にある売店を訪れる以外に、選択肢がない状態……

 

裕坊は土曜日の早朝に、自宅のあるデトロイトまでニューヨークから帰ってきたのですが……

一目見ただけで、欠航便が並んでいるのが分かります……

 

デトロイトもその様子に変わりはなく、今朝デトロイト空港へと帰ってきたときは、この状態……

既にデルタ航空では、全体で7割のフライトが削減対象になり、全容はまだ決まっておりませんが、全体のおよそ半分に相当する600機にも及ぶ旅客機を、使用停止状態にするのだとか……アメリカの航空各社は、ここ数年続いた好景気の恩恵を受けて、過去最高益を数年に渡って更新し続けてきましたが、ここへきてそれが一変。これまで蓄えてきた体力がどこまで持つのか、厳しい試練が待ち構えることになりました……

 

若い人たちで週末などはとても賑やかな、ミシガン大学の町アナーバーも、今はひっそり……

 

どこを見渡しても、人影はまばら…

 

そんな中、昨日もやってきてしまった、裕坊オススメのこちらのラーメン屋さん。アナーバーのリバティー通り沿いにある、スラーピングタートル。

お店の中でゆっくりとお食事をすることは、今はできませんが(ミシガン州の一時的な州条例により。3月21日現在)、お持ち帰りができるところはたくさんありますので、ウェブサイト等で調べた上で、足を運んでみるといいです。場所によっては、宅配などをしてくれるところもあるようです。大抵電話注文等で、すぐに受け付けてくれます。

 

そんな訳で、土曜日はこれと同じ夕食をいただきました…

こちらは、豚肉の角煮を薄めの肉まん生地で包んだ、ポークバオ。同じバオでもここのは絶品です。

 

サーモン炙りのお寿司。

 

甘エビ。ここはエビの頭を天ぷらにして添えてくれますので、エビの風味を丸ごと味わうことができます。

容器はもちろん、お持ち帰り用にはなりますが、お店の味を十分味わうことができました。

 

 

そんな中、ちょっと今日は明るい話題をいくつか拾ってみました。

 

 

三菱が全身全霊をかけて製作を続ける、こちらスペースジェット(三菱リージョナルジェット機)。先週火曜日(3月18日)、三菱航空機の本社がある小牧空港にて、商業用仕様である飛行機の初飛行に成功したそうです。

最初に制作した商業用仕様の機体は、バッテリーの位置の関係から重量バランスが悪く、2つあるバッテリーを機体前方と機体後方へと分けることによって、そのバランスの問題を解決したのだそうです。世界はコロナウィルスの影響で、各地とも一気に不況に突入してしまいましたが、試験飛行をまだまだ重ねていかないといけない三菱航空機にとっては、ひょっとして渡りに船になるかも知れない………

 

コロナウィルスの問題が一通り終息する頃には、第1世代のリージョナルジェット機は軒並み退役の時期を迎えます。

ランニングコストを少しでも抑えたい航空各社からの需要は、絶対にあるはず。腰を据えて、完成度の高い航空機に是非仕上げていただきたいです。

 

 

もう一つは、クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に寄港した際に対応に当たった自衛隊

延べ2,700人が動員され、約1ヶ月にわたる活動を終えたそうですが、なんとなんと………………

 

 

投入された自衛隊からの感染者、ゼロ!!…………

 

 

『化学防衛隊』と呼ばれる生物兵器化学兵器に対処が可能な専門の部隊が投入され、2月6日からクルーズ船内で医療支援や船内消毒、患者輸送などの支援を行なっていたそうです。その1ヶ月に渡る活動を、見事感染者なしで成し遂げました。本当に頭が下がります。部隊全員のプロ意識の高さに、心から感嘆させられました。

 

現在、各医療機関、製薬会社、大学などでは既に市場に投入されている既存の治療薬による、コロナウィルス用治療薬の開発が始まっています。既に新型インフルエンザ薬「アビガン」(成分名:ファビピラビル、富士フィルム富山化学)は大学病院にて、患者への投与が始まっていますし、先日は東京大学医科学研究所から、急性膵炎治療薬である「ナファモスタット」(商品名:フサン、日医工)による臨床試験を開始するとの発表がありました。他にも、国立国際医療研究センターでは、重症患者に対しエボラ出血熱治療薬「レムデシビル」(新規ヌクレオチドアナログ系、新規開発中のプロドラッグ)の投与も始まっています。治療薬の開発にも、大いに期待したいです。

 

 

我が家にも、ちょっといいニュースが入ってきました………

 

壊れていた冷蔵庫を買い換えていたのですが、昨日とうとう到着。

 

やっとこれで、食材をいっぱい買いに行ける………

土曜日に続いて、日曜日も食料の買い出し……

 

 

そして裕坊は、月曜日から次の6日間のフライトへ出かけてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/18

米国リージョナル航空会社の操縦役を務める、裕坊と申します。こんにちは。

今週日曜日から始まっていた4日間のフライト、滞りなく終わりました。担当した便、1便たりとも遅延もなく、飛行機の故障等による遅れもなし……… それはそれでよかったのですが…………

 

変わってしまったといえば、乗ってこられる乗客の方の数……… (乗客数の合計を、赤で囲んでいます。2つ並ぶ数字のうち、/の左側が、総乗客数で、/の右側の数字は、自分1人では座ることができない乳幼児の数を示しています)

合計で11便を担当したのですが、1便あたりの乗客数、平均で20人にもなりませんでした。

 

こちらはシンシナティからテキサス州のヒューストン行き……

14名。これがほぼ中間値………

 

比較的ビジネス需要が高い、ボストン発シンシナティ行き。普段ですと、ほぼ満席になる便なのですが……

それでも搭乗23名……

 

デトロイトからテネシー州ノックスビル行きの便に至っては………

9名………………

 

 

コロナウィルスの感染がすごい勢いで拡大している現在のアメリカにあっては、各地で非常事態宣言が発令され、学校は休校になり、会社でも在宅勤務が言い渡されるなど、外出を控える対策が施行されていて、すっかりと人の動きが少なくなっています。中国ではかなり感染拡大が収まってきているとニュースで報道しておりましたが、アメリカはまさに今が正念場……

 

先日、保有機のうち300機を使用停止状態にするという大胆な対策を発表したばかりの、デルタ航空エド・バスチャンCEO。

ここ10日ほどでアメリカの状況はまさに一変してしまい、株は乱高下で各航空会社でも予約のキャンセルに次ぐ予約のキャンセルという、創業以来の大波に揉まれているようです。ここまでの試算では、昨年同月比(対2019年3月)でデルタ航空単体で20億ドルの減収(日本円でおよそ2,200億円)になるそうで、おそらく危機感も半端ではないのでしょう。バスチャンCEOは自らを無給にした上で、役員もさらに最大50%の減給、役員報酬を減らすことで、4億ドルの節約を見込んでいるようです。

 

さらには今日(3/18(水))になって、使用停止状態にする機体を600機に拡大することが発表される事態に……具体的な各機材の配分等はまだ発表にはなっていませんが、これには裕坊が乗務するリージョナルジェット機も含まれることになりそうです。リージョナルジェット機部門でも、最大15%の座席供給数の削減が決まっているらしく、会社全体のフライトスケジュールを組み直した上で、来月のスケジュールの入札は全て1からやり直し……4月のスケジュールが決まるのは、普段より10日遅れて、3月27日までずれ込むことになりました……

 

この急激な需要の減速に危機感を募らせた各航空会社の役員たち、自らの会社の座席供給数の削減を決めると同時に、トランプ大統領の元に、どうやらオバマ政権時と同様、連邦政府による助成金による救済措置を懇願しにワシントンを訪れているらしい………

 

よくよく振り返ってみるとデルタに限らずアメリカの航空会社は、ここ10年ほど続いてきた航空業界の好景気に乗じて、かなりの自社株買いに走り、株価の高揚とともに莫大な利益を上げておりました。本体のパイロットたちもその恩恵に預かり、利益共有(Profit Sharing)の名の下、最大で25,000ドルもの一時金まで手にしていたという話…………

まさに日本が1980年代から1990年代前半にかけて経験した、超がつくほどのバブル状態………… 株主総会では、各株主への配当利回りを最大化することを、恥じらいもなく宣っていたようです………過去10年間の絶好調の間、経営的財力的体力を蓄えていなかった、ということなのか………航空会社の財務面には、あまり裕坊は詳しくなかったのですが、株価の乱高下で、一気に借金漬けの状態に陥っているのかも知れません。

 

既にサウスウエスト航空では、28億ドル分の債務超過状態に陥り、JPモルガンチェイスに無利子のローンを、10億ドル分組んだのだそうです……サウスウエスト航空は、財務的にもっと堅実な経営をしているものだとばかり思っていただけに、ちょっとショックでした………

今後のアメリカの航空業界、特に財務状況はかなり注視していく必要がありそうです……

 

 

ここ最近は飛行機の機内は、折り返し時点で、地上係員総出で入念なまでの除菌作業………

 

今までですとアメリカ国内では、ほんのごく一部の日本人を除いて、マスクをしている方を見かけることなどはありませんでしたが………

アメリカ国内の衛生概念も多少変わってきたのでしょう。まだ少数ではありますが、一般のアメリカ人でもマスクをして空港を歩く方を、見かけるようになってきました。

 

ニューヨーク州マサチューセッツ州などでは、レストランの休業指示も発令され、

 

今まで人で賑わっていたレストランが、各店ともシャッターを下ろしてしまい……

楽しみにしていたクラムチャウダーが、しばらく買えなくなってしまった………

 

こちらは、シンシナティ空港……

 

ステーキハウスもこの通り……

当面2週間ほどの休業になるそうです……

 

こちらのレストランなどでは、バルコニーから椅子もテーブルも撤去………

 

デトロイトのBコンコースにある、サンドイッチ屋さん……

基本的にこういったレストラン系は閉鎖になり、お持ち帰りのできるお店だけの営業に限られることになるのだそうです… …

 

今日4日目の水曜日は、担当したのは1便だけ。ニューヨークはまずまずのお天気で、とても凌ぎやすい1日。

 

しかしターミナルに入ると、人影は疎ら………

 

建て替えが進むターミナルとあって、売店もいくつかに集約されることになり、

既にシャッターを閉めてしまったところもありました……

 

ニューヨーク州は、今週の月曜日にクオモ州知事から、レストラン閉鎖の指示が出ておりましたので、

こういった着席型のレストランは、ほぼ例外なく閉鎖になっています……

 

フードコートにも、いつもの活気はなく……

 

今までですと野菜やお惣菜が並んだサラダバーにも、食材はなし……

その代わりに飲料水が、並べられておりました……

 

今日は客席に座って、ニューヨークからデトロイトまで。座席数180に対して、乗客はクルーの移動を含めてたったの23名……

今までですと夕方5時の便で、ファーストクラスにアップグレードされたなんて、記憶にない…………

 

飛行機を降りた後の、この閑散としたターミナルが、今のアメリカの状態を如実に物語っています……

 

雨の中を帰宅……

まさに急に入り込んでしまった、長い長いトンネル………

 

アメリカは、今こそ踏ん張り時です……

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/16

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

昨日日曜日から、当初の予定通り4日間のフライトへと出発しています。この時期はまだ曇りの日が多く、雪が降ったり氷点下になることも珍しくないデトロイト地方。暖冬のおかげで、この時期でも晴れの日が多いミシガン州

 

出勤の時も、ほとんど雲一つない快晴のお天気でした。

デルタ航空の系列内で、国内線最大15%の供給座席数の削減が、先日発表になりましたが、少なくとも今月の我がエンデバー航空のフライトのスケジュールには大幅な変更はないようで、裕坊自身も、昨日日曜日からは当初の予定通りのフライトスケジュールのままになっています。昨日は4本を担当して、さらにはデッドヘッドが1便。

 

日曜日は、普段であれば月曜日からのお仕事を控えて、帰省先からUターンする方も多く、デトロイト空港内ではそんなに閑散とした印象は受けませんでした。

ただ本格的に移動を控える方が多くなったのを目にしたのは、やっぱり乗客の数をハッキリとその目で確認した時………

 

航空会社の旅客便は、各会社の本社内にある運航管理課と繋がっていて、重量データのバランスの計算なども、最近では運航管理がコンピューターで計算をしてくれます。

最大離陸重量を超過していないかを監視するとともに、荷重が機首側にかかりすぎていないか、或いは機体後方に偏りすぎていないかなどをモニターしてくれて、離陸時の補助翼角度まで計算してくれるスグレモノ…

 

乗客の皆さんの総数、着席の配置などによっても、総重量もバランスも変わりますから、そのデータは本社へと各空港から吸い上げられます。

緊急時には、航空管制に乗客乗員の数の通知をする必要が出てくるので、離陸前には乗客数も必ず確認………

 

ということで、各便出発の際のルーティンとして、乗客数が離陸前に運航課から操縦席のコンピューターを通じて送られてくるのですが……

昨日担当した4便の平均の乗客数………

 

76名分の座席数に対して、27でした。

土曜日は、とりわけ土曜日の午後ともなると、アメリカにおける人の移動は極端に減り、搭乗率が50%を割ることは珍しくないのですが………

 

日曜日に、しかも1日を通して搭乗率がどの便も50%を超えなかったというのは、さすがに記憶にありません……

全米だけでなく、各州においても非常事態宣言が発令されて、極端に移動を控えているのが分かるアメリカ……

 

実は昨日日曜日は、全部で5本あるフライトのうち、真ん中の3便目がデッドヘッド(乗客の皆さんとともに、客席に乗っての移動)という、ちょっと珍しいパターンだったのですが……

その便も、見た目は30人といないような印象でした。

 

途中立ち寄ったシンシナティ空港、どことなく閑散……

元々シンシナティは、週末は人が減る傾向にありますので、見慣れた光景のようにも映りますが、それでもちょっと寂しいかも……

 

今朝はホテル内の食堂にて、朝食をいただいたのですが、

前回訪れたときには、週末だったこともあって、空いているテーブルを見つけるのも一苦労だったというのに……

 

今朝は人が全くいない状態………

テレビでも、休校で家で大人しくしている子供たちが、祖父や祖母とスカイプやフェイスタイムをやってはどうか、としきりにやっておりました。

 

ちなみにこちらが、裕坊の今朝の朝食。

相変わらず、野菜類には全くありつけません………

 

昨日から4日間一緒になる副操縦士との会話は、来月以降がどうなるのか、で持ちきり……我がリージョナル航空会社の親会社であるデルタ航空でも、太平洋路線の座席供給数を、最大65%削減することを決断したようです。本来であれば、裕坊たちの翌月のスケジュールは、各自の希望を14日までに入札して、18日に発表するというパターンなのですが、それが今日16日になってやっと締め切り……かなりまだフライトスケジュール自体が確定できていないのか、締め切りこそしたものの、普段通り18日の発表になるかどうかは、まだ流動的……

 

今後のことは、まだ本社も模索中のようです。 未知のウィルスに左右されてますから、こればかりは仕方ないですね………

 

 

日本では自治体によっては、感染者の少ないところ、或いは全くゼロの地域を皮切りに、学校も通常通りの登校を決断したところもあるようです。何もかもを全て封鎖してしまうと、経済が成り立たなくなりますし、どこかで決断は必要になりますから、経過を慎重に観察しながら、再開校の決断をするところもあってもいいと思います。

 

 

裕坊はこのウィルスに対する最善の処置は、重篤症の患者を出さない、死者を出さない、ことだと考えています。その点で、日本は現在のところ、被害を最小限に食い止めることができているのではないでしょうか。問題なのは、日本では未だに希望者全員にPCR検査を、と煽る専門家や評論家が多いこと。

 

 

ここで皆さんに1つ覚えておいていただきたいことがあるのです。

 

 

テレビでよく肩書きに加えられる「感染症に詳しい」医師や、「感染症に詳しい」専門家、と「感染症専門医」とは全く別物であるということ。「感染症に詳しい」というのは、あくまでも「自称」に過ぎないのです。

 

方や「感染症専門医」とは、日本感染症学会が指定する研修施設にて最低3年の研修を受け、合計で感染症学を6年履修した上で、学会が指定する試験に合格して初めて感染症専門医に認定される専門の医師。ここでは第一に耳を傾けるべきは、「感染症専門医」になるのではないでしょうか。

その感染症専門医の方に言わせると、1番の不安は病院そのものが、大きな感染源になってしまうこと、だそうです。ニュースなどのマスメディアによって社会不安を煽り、人々が一度に病院に押し寄せると、PCR検査を待っている間に感染者が非感染者にウィルスを移してしまうことが考えられます。さらにはPCR検査そのものも、100%確実なものではなく、偽陽性偽陰性と間違った判定につながることも少なくないそうですので、今希望者全員にPCR検査をするメリットは、少なくとも裕坊の目には見えてきません。

 

そもそも治療薬も治療方法も確立はしていないのですから、今感染者数を把握したところで、それはただの絵に描いた餅にしか過ぎません。治療方法が確立された時こそ、感染者数の実態の把握が、意味があるものになるのです。感染症専門医の間では、感染症の臨床経験や検査の有用性に関する科学的知見に基づいて、PCR検査については「デメリットの方が大きい」と判断しています。その意見に、我々も素直に耳を傾けるべきなのではないでしょうか。

 

 

これからも重篤患者を押さえ、ひいては死者をなるべく出さない、そして重篤症の患者を優先的に治療するという今の医療体制を、今後もしばらく続けていただきたいです。現段階では、やはりこれがベストではないか、と裕坊は思います。

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/15

米国リージョナル航空会社、操縦担当の裕坊と申します。こんにちは。

WHOからパンデミック宣言がなされ、アメリカにおいても国家非常事態宣言が出され、ニューヨーク州カリフォルニア州ワシントン州など、各自治体でも非常事態宣言が出される中、裕坊の自宅があるミシガン州でもとうとう非常事態宣言が発令されました。

それに伴い、ミシガン州内の小中高の各学校は、4月5日までの3週間、全校閉鎖。私立幼稚園に勤める愛妻ちゃんも、休校の事例に合わせることになり、同じく3週間のお休み……

 

そんな中、先週木曜日までのフライトをこなして、2日間のお休みをいただき、明日から再び出勤の予定の裕坊。しかも4日間のフライトに続いて、2日間のフライトと、6日連続。旅客需要はかなり減っているようですが、今のところ、少なくとも今月の裕坊が担当する旅客便の欠航や予定変更などは発表されておらず、当面は予定通りの運航となるようです。ただ本来今日14日に入札が締め切りとなり、4日後の18日(水)に発表になる予定だった、来月のスケジュールの発表はしばらく延期。最大1週間近くの延期になるようです。

 

航空業界全体で見ると、最近まで急拡大傾向でいたのが、それまでの蓄えに対する反動を見せるかのような反転ぶり。裕坊が勤める航空会社の親会社のデルタ航空でも、太平洋線において65%の旅客人員の削減をすることを決断したようです。国内線も最大15%の削減。採用凍結も決まったようで、急拡大傾向にあった設備投資もストップ。今までの動向を見ても航空業界は景気の影響を真っ先に受けますので、こればっかりは仕方ありません。

 

幸い各研究所や製薬会社では、コロナウィルスの分離に成功して、ワクチン開発への取り組みは始まっていますし、早ければこの夏にも臨床試験なども始められるようですので、そちらに大いに期待しましょう。資金調達がままならず、ワクチンが完成する頃には、流行が既に終わっていたりで資金回収ができないなど、決して安泰とは言えないワクチン開発。もし流行が収まった場合でも、今後の再発への対策として、なんとかワクチンの完成にこぎつけていただきたいです。

 

 

コロナウィルスでは、普段はあまり気づかなかったところが、かなり脚光を浴びていますね。大相撲なんかもその例の1つになったのではないでしょうか。無観客のまま開催されている大阪場所を通じて、多勢の観客が入る中では、なかなか感じることができない伝統的な一面を教えてくれました。

神や仏が信じられていた日本では、水害などの災害は、悪霊によるものだと信じられていて、その悪霊を鎮めるための方法の1つとして、土俵の中で頑丈な人が四股を踏み、地面を固めて悪霊が再び現れないようにしていたのだそうですね。また俵で囲んだ土俵も神聖な場所とされ、豊作を祈って力の強い男が、力強い四股を踏んでいたのそうです。そういった相撲本来の、神事的な一面をたくさん教わる機会になりました。

 

観客が全くいない中での八角理事長の挨拶でも、その部分がかなり強調されていたのが、とても印象に残っています。

感染者が1人でも出ると、場所は即時中止なのだそうですね。なんとかこのまま感染者なしで、千秋楽まで無事に終えていただきたいです。

 

 

アメリカでは、健康保険をめぐる医療システムの負の一面が明るみに曝される結果になっていますね。あまり日本では報じられることがないのですが、未だに国民の8%が、無保険であるアメリカ。保険は民間の保険会社による加入がほとんどで、医療代も極端に高く、実をいうと個人破産の半分以上を、医療費の請求が占めるというのは、医療業界ではよく知られた話。裕坊は昨年、腹痛からCTスキャンを受けることになったのですが、その検査費用、もし保険が適用されない場合、なんと日本円で60万円越え。保険が適用になっても20万円を超える請求がやってきます。(ちなみに日本ですと、3万5千円)。

日本の政府が示したようなコロナウィルスへの対処の指針に従うまでもなく、少々の病気になっても病院へは決して行かないのがアメリカ流。症状が深刻になっても医療代の請求を恐れて、病院へは行かないまま過ごしてしまう人も多いので、コロナウィルスに限らず、インフルエンザなどのような流行病でも、病院へと行かずそのまま放置してしまう例は、後を断ちません…… 実際、2017年から2018年にかけては、過去最悪級のインフルエンザが猛威を振るい、6万人を超える方が命を落としてしまいました。

 

幸いコロナウィルスの場合病毒性が弱く、健常者の場合ですと自覚症状もなく治癒してしまう方がほとんどだそうですので、感染しても命を落とすようなケースは少ないのかも知れませんが、感染していても本人が気付きにくいですから、さらなる感染が続くことは避けられないでしょう。

 

日本では「国民皆保険」であると同時に、「診療報酬制度」が採用されていますから、同じ診察内容ですと同じ請求金額。それがアメリカでは診療代も、「各医療機関の裁量での自由価格設定」………到底気軽に医療機関を訪れられるシステムとは言い難い、アメリカの医療システム。今回のコロナウィルスをきっかけに、問題を抱えたこの医療制度が取り上げられて、少しでも診療を受けやすくなる環境が整えられることを、心から願うばかりです。

 

 

事態の急展開を受け、巷でも買い付けがハッキリと認識できるようになってきました。スーパーに行くと紙類は品切れ状態……

 

水もスーパーのあちこちに積み上げられるようになっています……

 

先日コストコにて、1パックを何とか確保できたトイレットペーパー。普段山積みされているコーナーには、何もなし………

 

ついでにコストコでは、パンも完全に品切れ状態になっておりました……

 

レジへの列も、今まで見たことがないくらいの行列。従業員の方が、汗を流しながら「交通整理」をやっていらっしゃいました……

 

こちらは一部の商品の需要が、かなり逼迫していることを示すお詫びの張り紙。

こんな状態の中、裕坊一家はといいますと、こんなところを走り回っておりました……

 

こちらはアメリカではお馴染みのホームセンター……

 

別のブランドの、ホームセンター……

 

さらには、先月息子くんのノートパソコンを購入した電器屋さんまで…………

ひょっとして裏をかいて、トイレットペーパー類があるところを見つけたのか………………

 

 

 

というと、実はそういったことではなく………………

 

 

 

冷蔵庫が故障していたのです………

 

以前にも冷蔵庫が作動しなくなった時があり、その時は霜を除去することによってなんとか再稼働したのですが…。

今回は、冷蔵庫の中の温度が上がっても、再稼働することなく………

 

あちこち何軒もお店を回った挙句、こちらを何とかゲット……

急場凌ぎの、ミニ冷蔵庫……コストコの長蛇の列に並んで、精算を済ませて購入……

 

2万円ほどと、かなりのお買い得……

一部だけではありましたが、早速冷凍庫のものをこちらに移し替えることができて、やれやれ……

 

お休み2日目は、冷蔵庫探しをしておりました……

我が家の冷蔵庫は、購入してまだ10年経っておりませんでしたので、修理も可能だったのですが、修理の依頼が多いメーカーだったと聞いて、結局買い換えることに……

 

予期せず3週間のお休みも入りましたので……

息子くんには、我が家のプロジェクトもちょっと頑張ってもらおうかな、と考えております……

 

 

明日からの6日間、取りあえず今のところは予定通り。お昼前の出勤の予定です。