yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 10/15

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン、裕坊です。

フライトの遅れが影響して、先週予定していた5日間のフライトでは、4日目に一旦帰宅。

 

日曜日は夕方遅くの出発だったのですが、

夏になると、さくらんぼの収穫が盛んになり、

 

ミシガン湖に伸びる半島を北へ上がると、様々なワイナリーがあることでも知られる、ミシガン州きっての観光地トラバースシティーを、定刻から1時間以上遅れて出発して、

1便だけを担当して、お役ごめん……

 

次の日は、すっかりと冷え込んだデトロイト近郊にある我が家を、お昼頃出発。

玄関前の植木も、すっかりと色づいております。

 

担当は、デトロイト からインディアナポリスの往復便だけでした。

 

インディアナポリス空港では、本屋さんがターミナル内にオープン。

最近アマゾンなどのインターネット販売大手などに押されて、消えつつある本屋さん。

 

インディアナポリスでの乗り継ぎをされる方は少ないかも知れませんが、

出発まで時間がある時には、気軽に立ち寄ることができます。活字好きの方にはいいかも……

 

夕方5時過ぎにはデトロイト へ戻ってきて、家路へと着いておりました……

1日のお休みを挟んで、明日からまた次の5日間のフライトへと出発です。

 

 

日本でのニュースを見ていますと、台風一過の日本、特に関東の各地域の被害が深刻ですね。被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。各地域で、1日も早く、日常が戻ってくることを、心からお祈りしております。

 

新幹線が10編成も浸水している映像は、さすがに目を覆いました。最新型の新幹線は、重心を低くするために、重要な機器類のほとんどを床下に持ってきているようですし、浸水してしまった10編成、120両を通常の運行へと復帰させるには、相当な時間も必要になるのでは、と想像してしまいます。

 

最近巷では、景観を優先したが故に、多摩川に堤防を作ることができず、多摩川氾濫の原因になったと、あちこちで多摩川ダム建設に反対、妨害活動までした団体に避難の声が集まっているようですが、今回の台風では各地で想定外の雨量の雨が降っていたようですし、仮に上流から下流にかけて堤防を完成させていたとしても、堤防決壊の可能性は十分にあったでしょう。

 

気象の変化に伴い、今後もこのような豪雨、台風などは避けては通れないでしょうから、今後の治水対策には、我々一般市民も全てを行政任せにするのではなく、自らも知恵を出し合い、或いは先祖の知恵を借りる時期に来ていると思います。

 

 

そんな中で裕坊が思いつく知恵の一つといえば、武将「武田信玄」による治水政策。 そのアイデアとは、増水した河川のエネルギーを内側に押し込めておくのではなく、分散させること。

堤防に切り込みを入れ、増水した川の水を湿地や田んぼ、遊水池などに流れ出す仕組みを作り、増水によるエネルギーを分散させて被害を最小限に食い止めていたとして知られる「霞堤」。

 

切り込みが斜めになっているので、雨が止んで、川の水量が減ってくると、あとは重力の法則で川の外に分散した水は、再び川へと戻っていきます。

 

最近では調整池なるものも建設されるようになり、東京都では皆さんもよくご存じのように、1000億円という巨額を投じて、東京都中野区・杉並区の環状7号線の地下に、巨大な調整池が建設されました。

他にも埼玉県春日部市にある「地下神殿」こと「首都圏外郭放水路」も同様に、全長6.3キロ、最大67トンの貯水能力を持って、首都圏、特に江戸川付近の氾濫の回避に役立ちました。

 

この「地下神殿」台風上陸前日までは空だったのが、台風19号が関東を直撃した12日には最大10メートルの高さにまでなったそうです。 ただ今回の台風では、この地下神殿ですら貯水能力ほぼ限界にまで水位が達し、12日午後7時過ぎには江戸川への放流を開始、そしてその江戸川の水位も上がり始めたため、担当者の方たちはヒヤヒヤする思いだったそうです。

 

それだけ、想定外の雨量だったのですね。 今回の台風19号では、各地で24時間の雨量が観測史上1位を更新するという記録的な大雨になり、各地で河川の堤防が決壊して、大きな浸水被害をもたらしました。治水対策は急務。

 

 

そして先月9月の台風15号では、千葉県で大規模停電するなど、こちらでは老朽化するインフラの問題が浮き彫りになりました。

 

前回の東京オリンピックに合わせて突貫工事で整備が進められた首都高速道路東海道新幹線などは、既に開通から半世紀以上。全国にある73万の「道路橋」のうち、2018年度末には既に25%が建設後50年を経過。2063年にはその割合が63%にまで上昇するのだそうです。 治水対策、インフラの更新、どれも生活に直結する問題。

 

ただ今後少子化が進んでいく中で、限られた資金の中でのやりくりを迫られる以上、全てのインフラを維持することは、ほぼ不可能といっていいでしょう。既存の社会資本を、維持すべきもの、維持を断念するものとにはっきりと区別する苦渋の選択を迫られる時期にも来ていますね。残念ではありますが……

 

 

明日から始まる裕坊は、まずはニューヨーク・ケネディ空港を往復。予報を見ると、お昼以降、雨………

 

しかも普通の雨ではなく、大雨……

しかも夕方5時から夜中12時にかけて、7時間に渡る大雨の予報……

 

実はお昼過ぎに出発して、2時ごろケネディ空港へと到着して、飛行機を乗り換え。その後3時間の待機を経て、飛行機も乗り換えになった上で、夕方5時ごろにケネディ空港を出発し、デトロイトまでの便を担当する予定になっているのですが、果たして……

 

こればかりは、天命に運を任せるのみです……

 

 

安全運航で、行ってまいります。