yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/19

アメリカ国内線中心の小型旅客機操縦士、裕坊といいます。こんにちは。

月曜日から水曜日まで受けた年次技量維持訓練を終えて、木曜日のお昼頃に帰宅。

 

帰ってきたその足で、そのまま歯医者さんへと行っておりました…

日本食材店からすぐ近くにある、日本人の歯医者さん。

 

この状態で口を開けたままにすること、30分…

最近では麻酔をしてくれますので、痛みは感じなくて済むようになりましたが、

 

奥歯の治療で、ずっと口を大きく開けたままだと…

顎が疲れた…

 

 

♫ババン、バ、バンバンバン♫

歯ぁ、磨けよ〜〜〜(歳がバレる…)

 

 

磨きます……

 

 

 

 

日曜日からは5日間勤務のフライトが始まるので、暫しの「羽休め」…一昨年まではシミュレーターによる飛行訓練は2日間。昨年から3日間となり、さらには毎年少しずつ新しい項目が加えられて、かなり中身も濃くなっているので、終わるときにはけっこうヘトヘト…

完全に思考停止状態になります…

 

ただ裕坊の入社当時(15年前)とは、訓練の趣旨は大きく変わりました。入社したての頃に問われたものといえば、飛行技術……旋回時に速度や高度を一定に保ったり、片肺飛行の時の姿勢を保ったり…

今でもそういった技術は大切ではありますが…

 

現在の訓練は過去の事故や事象例などから学んで、それを教訓に同じ過ちを繰り返さないようにしよう、というのが大きな方向性になっています。

前回の投稿(3月18日版)では、失速が原因での墜落を防ぐために、失速状態からの回復に重点が置かれるようになったことをご紹介しましたが、今回は同じ失速からの回復でもちょっと違ったパターン。我が社では一昨年度から取り入れられるようになりました。

 

 

教訓になっているのは……

リオデジャネイロからパリへと向かっていた、2009年のエールフランス機による大西洋での墜落事故…

 

事故から数日後には垂直尾翼こそ回収されたものの、水深が4,000メートルと深く、ブラックボックスの回収に2年を要するという捜索も難航を極めた事故でした。

 

事故を起こしたのと同型の、エアバス330型機。

 

問題になっていたのは、こちら、

ピトー管…

 

飛行機が飛ぶ方向に向かって、機首の周辺で機体の胴体から少し飛び出たような形になっている管のことを指します。

 

実際に部品を取り外してみると、こんな形。

この管には飛行機の前方からやってくる空気が取り込まれ、その圧力を測定することによって、空中を移動している速さを計算することができるようになっています。

 

速度が速ければ速いほど、中に入ってくる空気の圧力も大きくなって、

 

このように速度計の針が振れる、というのが基本的な仕組み。

 

ちなみに最近製造される旅客機はほぼ例外なく、大きな画面に高度計や機首方位計などが一緒に表示される、グラスコックピットが標準になりました。

このタイプのパネルでは、速度は大抵の場合、左側に表示されます。

 

事故直前、エールフランス447便は南アメリカ大陸を離れて大西洋上に差し掛かっていたのですが、

その頃大きな積乱雲が上がって、空気の流れが安定しない状態の中での飛行だったそうです。

 

積乱雲とは不安定な大気の中で、水蒸気が大量に上昇気流で集まった状態ですので、

雲の中では空気は荒れまくり、大粒の雨や雹が襲ってくることもザラ。

 

飛行機が積乱雲の中を通過するとダメージは避けられないので、 普段は飛行機に備え付けのレーダーを作動させて積乱雲を避けるのですが、

 

事故機は積乱雲の中へと入っていたのかも知れません…

 

実はエールフランスエアバス機に備え付けのピトー管では、着氷が始まっていました。

ほとんどの飛行機ではピトー管の着氷を防ぐために熱伝導装置が付いているのですが、それが故障したか追いつかなかったかで着氷が始まっていたようです。

 

片側のピトー管が着氷により正確な速度を計測することができなくなり、機長席側と副操縦士席側とで速度表示に大きな差が生じていました。

それを感知した飛行機の操縦系統が、自動操縦を切断してしまいます。

 

姿勢を立て直すため、当時操縦役を務めていた副操縦士が操縦桿(エアバス機の場合は、サイドスティック)を握ったのですが、

機体の姿勢はなかなか安定せず、誤ってその操縦桿を引いてしまい機体は上昇を始めました。 問題だったのは速度計の副操縦士による見誤り。

 

実は速度計の中には、2つの気圧を測る部屋が膜で仕切られていて、片方では正面から入る動的空気圧、もう片方では静止気圧を測定する仕組みになっているのです。

この時は動的な圧力を測定する側は着氷によって空気が入ってこなくなっていましたが、静止気圧を測定する方は着氷による影響を受けていませんでした。 副操縦士が操縦桿を引いたことによって、飛行機は上昇を始めます。

 

高度が上がると空気は薄くなるので、静止気圧も当然下がり、速度計内の静止気圧を測定する側の空気も当然のことながら圧力が下がっていました。動的圧力測定側は、着氷時の空気がそのまま残っていますので、この状態では速度が上がっているかのように表示されます。

事故機でも機体の速度がどんどんと速くなっているかのような表示を始めていました。飛行機が制御不能の加速を始めてしまったものと勘違いしてしまった副操縦士……

 

実はその時、操縦室内の失速警報が作動を始めていました。実際には機首がどんどん上がって本当の速度は下がり続け、機体は失速状態へと近づいていたのです。それを感知して機首下げを行なっていれば、恐らく事故は防げたのでしょうが…

(この図でいうところの、一番下の状態に近づいていました)

 

副操縦士はスラストを入れ、目一杯に操縦桿を引いてさらなる機首上げを試みてしまったのです……

結果、機体は完全に失速して制御不能になり……

 

 

 

乗客乗員228名の命が奪われる、エールフランス社の75年の歴史における最悪の事故になってしまいました。

 

 

 

連邦航空局では数年前に、低信頼状態での速度表示(Unreliable Airspeed)という項目を加えるように各航空会社に指示。

我がエンデバー航空では一昨年度に導入されて、対処法も操縦手順に書き加えられました。エンジン火災、エンジン停止などの項目に加えて、最近における研修時の強調点として取り上げられるようになっています。

 

 

 

 

 

そして3日間に渡る訓練の3日目、こちらも最近の研修、訓練のトレンドの1つになっています。次回の投稿で掲載しますので、お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/18

アメリカ国内で、小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

今週の月曜日から、本社があるミネアポリスの研修施設での訓練を終えて、今朝木曜日の午前中に帰宅しました。

 

その前の週に担当していたのは、4日間のフライト。ミネアポリスを拠点とするフライトもいくつか入り、

 

ポカポカ陽気で、最高気温は16度ほどまで上がった日もありました。

先週はミネアポリス空港に所属する副操縦士くんとも一緒に飛んだのですが……

 

そのミネソタ州出身のチャールズくんに言わせると、

 

「3月には毎年必ず1回大雪がやってくるから、覚悟しといた方がええで……」

ホンマかぁ〜〜〜………………………

 

 

 

 

ホンマや………………………

月曜日は夜間に訓練が予定されていたので、夕方にミネアポリス入り…

 

その後も雪は降り続けていて、

蛇足ではありますが、初日の訓練は、午後8時開始…

 

初日の訓練が終わってホテルの送迎シャトルにお迎えに来てもらう頃には、

けっこうな積雪……ちなみに、時計は既に3時を指しておりました……

 

このスケジュールは、アメリカならでは。家族と少しでも長い時間を過ごしていたいアメリカ人は、訓練日の前日入り、訓練後の宿泊、というのを少しでも避けたがるのです……

裕坊もそのアメリカに住んでおりますので、文句は言えません……

 

 

 

ただ今回の3日間の訓練は、中身が濃く、実り多い内容でした。

 

 

 

一昨年までは、シミュレーターによる飛行訓練は、実質2日間。

 

その内容は我が社の場合は、ミネアポリス本社の訓練課代表者と、連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)のミネアポリス支局とで精査をした上で決められるのですが、 航空局が推し進める訓練項目が基本の土台になり、それに加えて、会社全体の訓練記録などを基にパイロット全体の傾向として浮かび上がる弱点項目を強化したり、

業界全体の傾向として、技量向上が必要となる項目などが付け加えられます。

 

ただ航空局としては、過去の事故を教訓とすることによって、同じ過ちをくり返さない、ということをかなり重視するようになってきました。

そのうちの1つが、現在のエンデバー航空の一部にもなっている元コルガン航空(当時の本社、バージニア州マナサス)の旅客機が、ニューヨーク州バッファロー空港への着陸進入中に起きた事故。

 

これは事故機と同型機の、ボンバルディエ・ダッシュ8−400型機。

 

事故が起こったのは、今から12年前の2009年2月。当時は雪が降る気象条件で、

雲の中を通過していた機体の主翼では、徐々に氷結が始まっていました。

 

飛行機が空中で浮いているために必要なのが揚力。その揚力を得るためには、流れを乱されないスムーズな空気の流れが主翼上であるのが絶対条件。

氷結とともに空気の流れが乱され始め、それとともに速度も徐々に低下し始めていました。揚力を得られなくなり、機体の重量を支えられなくなる状態のことを指して言われるのが、失速。

 

失速状態に入ると、機体は当然のことながら高度を下げてしまいます。滑走路直前で失速状態に入るのは、墜落の危険を伴うので、

各機体にはそれを警告する失速警報装置が付いているのですが、それが作動した時は失速状態から回復するために、操縦桿をやや前方へと押して機首を少し押し下げ、主翼上の空気の流れを戻さないといけません……

 

ところが操縦桿を握っていた当該便の機長、それとは反対に目一杯操縦桿を引いてしまったのです。機首は大幅に跳ね上がって、結果的に飛行機は完全失速状態へと入り、姿勢がコントロールできなくなって……

 

乗客乗員49名に加えて、地上にいた方1人をさらに巻き込み、50名の方が亡くなるという悼ましい事故となりました。

着陸直前で失速すると、高度が下がることが多く、人間の条件反射として操縦桿を引きたくなるので、それに逆らって失速状態から主翼を回復させる必要があります。これは連邦航空局の最近における最大強調項目として、現在では全米の各航空会社で訓練項目へ組み込まれるようになっています。

 

理論では理解していても、失速状態に入っているものとすぐには理解できず、本来こなさなければいけないのと逆の手順を踏んでしまいがちな、失速からの回復。いざ咄嗟の場面でも対処が可能になるように、最近では様々な局面での失速を想定して、これだけで初日の訓練の半分ほどの時間をかけるようになっています。

 

 

こちらはその訓練で使用した、シミュレーター。我が社の訓練センターはミネアポリス空港からすぐ南にあり、こちらでは5基のシミュレーターが訓練用に使用されています。

裕坊たちが終わったのは、夜中の2時前だったのですが、

 

次の訓練生たちも待っていて、ブリーフィングが終わる頃には既に研修を始めていました…

アメリカの航空業界とは、早いときには4時台の旅客便が出発し、遅い時には12時を過ぎる到着便を運航。

 

さらには大陸横断のレッドアイなどもありますので、

国内線中心の航空会社といえども、ほぼ24時間動き続けています。シミュレーターの教官さんの仕事って、ある意味過酷かも……

 

 

 

 

 

研修内容の続きを、次回投稿いたしますので、お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/15

アメリカ国内、地方路線中心担当の小型旅客機操縦士、裕坊といいます。こんにちは。

 

東日本大地震から10年が経ちました。多くの方が亡くなり、大規模の被害に遭い、未だに行方不明の方も多くいらっしゃるようで、行方が分からなくなっているご家族を探している方も、まだ大勢いらっしゃると聞いています。まだ本来の日常生活からは、程遠い生活を余儀なくされている所も多いと聞きます。

 

被災された皆様に、改めて心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早く本当の日常生活が取り戻せますように、心からお祈りしています。

 

 

裕坊は今月前半のフライトのスケジュールをこなし終え、明日日曜日からは研修へと出勤することになりました。

 

昨年の今頃のアメリカというと、日本からコロナウィルスの感染が遅れること数ヶ月で、ちょうど感染が急拡大していた頃でした。クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号内でコロナウィルスが感染拡大し、船内で感染したアメリカ人患者を貨物機で帰国させたのが、去年初め。

こちらのカリッタ航空(本社:ミシガン州イプシランティ)のボーイング747型機を使っての緊急輸送となっていました。

 

普段は貨物用のコンテナを固定するレールが並べられた貨物室に…

 

旅客航空会社が使用するエコノミークラス用の座席を、即席で配置…

 

客室乗務員代わりに任命された、米国保健福祉省の職員が同乗。職員たちはほぼ全員、完全防備のフル装備での搭乗となり、物々しい雰囲気の中での帰国だったようです。

しかしこの緊急輸送が行われる頃には、コロナウィルスはアメリカでも爆発的な感染拡大が広がっていたようで、結果的に世界で最大の感染拡大国、死者数を記録する国となってしまいました…

 

 

3月14日(日)現在で、陽性と診断された方の数は3千万人に迫る勢いで、死者も53万名を超えています…

 

 

乗客は一時期、ターミナルから完全に姿を消してしまい、

 

軒並み旅客便が欠航になりました。

 

売店などもかなりの数が閉店…

 

そんな中でも営業を頑ななまでに続けてくれていたのが、マクドナルド。

コンコースの運用が続いている以上、どこでも営業を続けてくれていましたので、昨年の感染急拡大時には、本当に助かりました。

 

あれから1年……昨年の11月末の感謝祭辺りを皮切りに、国内線利用の航空旅客の戻りには、かなりの手応えを感じるようになっています。

 

これは数日前のデトロイト空港…

 

ちなみに今日3月14日(日)から、一部の州と地域を除くアメリカのほぼ全体で夏時間が採用され、時計を1時間前へと進める日だったとあって、午前7時半ごろの空港出勤だったにもかかわらず、外はやっと日が昇りかけている頃でした。

 

日曜日の出勤は、インディアナポリス空港。

 

スタバにも、そこそこの行列ができておりました。

 

そしてやってきたミネアポリス

早いところでは春休みが始まっているところもあるのでしょう。かなりの人で賑わっていました。

 

デトロイトまでは客席に搭乗しての移動…

 

こちらもほぼ満席でした。

ただし国際線は、到着地での隔離義務や出発前の検査が必要になるとあって、何らかの諸事情により移動が必要になる方を除くと、まだ利用は限られているそうです。

 

ちなみに全米の航空旅客需要は、春休みでお出かけする家族連れなどに助けられていることもあり、ここ3日間で連続100万人超え。3月12日(金)は135万7千人を記録して、今年の年末年始の最終日となった1月3日(日)の132万7千人を超え、コロナ禍以降での最高値を更新しました。これだけ移動する人が増えると、感染する人も多いのでは、と思われるかも知れませんが…… 実際に多いです……

 

それを如実に示すように、我が社内でも普通に『俺、感染したよ』という同僚が増えてきました。

1,900名ほどいるパイロットの中で、3月14日(日)までに感染した人の数の合計、258名。割合でいうと、1割を超えてしまっています……ちなみに我が家のご近所の方にも、感染した方がおります……熱が40度近く出たそうです……10日ほど、入院されておりました……それでもちゃんと退院して、今は元気にされていらっしゃいますが……

 

保守系の方には、「コロナに罹ろうとも俺は動く、動くと決めたらとことん動く」という意思の強い方が多い気がします。これがアメリカの開拓の精神、ってやつなのか………

 

テキサス州ではまだ新規に陽性と診断される人の数が、1日平均でまだ6,000名近くにも上るのにもかかわらず、保守派共和党知事によって、商業施設の全面再開が許可され……

 

マスクの着用義務も全面廃止…(写真は、テキサス州知事、グレッグ・アボット氏) しかしテキサス州内でも、市によってはマスク着用義務廃止に反対する動きも出ていて、

州都であるオースティン市は、そのうちの1つ。

 

リモート会見するオースティン市長、スティーブ・アドラー氏。

あくまで独自路線を貫こうとしたリベラル派市長。マスクの着用義務継続を謳っていたのですが…

 

それに異を唱えたのが、テキサス州司法長ケン・パックストン氏。

 

マスク着用義務の州全体のおける撤廃を徹底すべく、テキサス州司法裁判所に、オースティン市を訴えるという強硬手段を取ることになりました。

 

アメリカでやっと市民権を得たような気がしていたマスクでしたが、やっぱり保守系の方にとって抵抗感が強かった、ということなのかも知れません……今後のテキサス州のおけるコロナの状況の推移は、今後の『コロナの終息』を占う、いい鍵を握ることになりそうです。

 

今日はミネアポリスからデトロイト到着時の到着ゲートがA34。国際線到着と兼用のゲート。今日は国内線での到着でしたので、そのままゲートの外へと出られましたが…

 

国際線で到着すると、矢印が右下を指して、入国管理局へと向かうように指示が出ます。 今週の任務が完了して、家路へ…

 

明日からは、シミュレーターを使った飛行訓練が入るので、3泊4日でミネアポリスに宿泊です。

 

出発前に、ちょっとお買い物…

 

 

 

 

月曜日の夕方に出勤です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/9

アメリカの地域航空会社で小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

国内線が中心のアメリカのリージョナルジェット機の乗務員。2割から3割ほどが、欠員補充要因としてスタンバイ(大抵入社してからの経歴が浅い乗務員が充てがわれることが多いです)。それ以外は1ヶ月のスケジュールが確定していて、通常は4勤3休、もしくは5勤4休のパターンになることが多いです。

 

裕坊は、月曜日から4日勤務のフライトへと出勤。出発はこちら、デトロイト空港から……けっこうな賑わいを見せるデトロイト空港・マクナマラターミナル。アメリカにおける航空旅客の国内需要の回復ぶりは、しっかりとした足取りを辿っているのを感じるようになりました。

全米で航空旅客需要が100万人を超える日も多くなり、空港内で乗客の方が忙しく行き交う光景を見ることも多くなっています。 デトロイトデルタ航空の拠点となる空港の1つで、

 

乗り継ぎのお客さんも多く利用するので、早くから賑わいを見せていましたが、

週末ともなると、コロナ禍前とほとんど変わらない盛況ぶりを見るようになりました。

 

ちなみに国際線では、渡航先となる国での規則に従って、一部でコロナ検査も実施されています。

デトロイトからですと、アムステルダム行きに搭乗する際に、検査が必要になるらしいです。

 

新たな壁が立てかけられて出来上がった、即席のコロナ検査所。

 

昨日月曜日はそのデトロイトから、メリーランド州ボルチモアへの往復便も担当しておりました。

大盛況……

 

裕坊が担当したデトロイトからの往復便でも、50名前後の乗客と、現在の上限ほぼいっぱい…

3月9日(火)現在でも、デルタ航空管轄内の旅客便は、客席数に対しておよそ75%を目処に上限を設けて運航中(4月いっぱいまで継続の予定です)。最近では上限いっぱいになって、後続の便への振り替えすら出るようになりました。

 

ボルチモア空港ターミナル内にある、マクドナルド。

コロナ感染が急拡大して、乗客の方の姿が全く見えない時ですら、継続して営業を続けてきてくれていました。裕坊も何度もお世話になっています。

 

最近では次々とファーストフード店も営業を再開。こちらのお店も、昨年末から開いております。

 

このサンドイッチ屋さんの営業日は、火曜日と土曜日を除く、週5日。

 

ちなみにこちらでは、 バハ(Baja)サンドイッチを購入。

バハというのは、どうやらメキシコの北西部にあるバハ・カリフォルニア半島(太平洋とカリフォルニア湾を隔てる、およそ1,247キロほど伸びる半島)から来ているらしいです。

 

チポトレーソースと鶏肉の相性が最高でした…

 

客足が戻ってきているとはいえ、まだコロナ感染そのものが収まっているわけでは決してないアメリカ。

各便出発前の消毒作業は、今も続けられています。

 

消毒で使われているのは、この噴霧器。

 

清掃員が運んできて、スプレーをしてくれるのですが、通常その前に清掃作業が入るので、噴霧器がこのように投げられたままになることもしばしば…

消毒用の液体が入るので、やっぱり重たいらしいです…

 

まだまだ州によっては、数千単位での感染が続いているのですが、以前に比べればその数も収まってきている、さらにはワクチンの接種も進んでいる、ということで、コロナ禍前に戻ろうとする方向へとアメリカは完全に舵を切っています。

客足の戻りを考慮し、フル稼働へと体制を整えつつあるアメリカの航空業界。既に格安航空会社のスピリット航空やフロンティア航空では、新規のパイロット採用も始まりましたが、我がエンデバー航空でも採用が今月から始まることになりました。格安航空会社や貨物航空会社への流出も見込んでいますので、相当数の採用になる見込みだそうです。

 

 

ただお隣の国といえども、一旦アメリカの国外へと出ると、コロナへの対処には大きな温度差を感じます。

昨日月曜日は、デトロイトからすぐのカナダ・トロントまでやってきたのですが、 ボルチモア行きが、往復とも上限ほぼいっぱいとなる50名のお客様の搭乗だったのに対して、

 

こちらは13名。

しかも国内線を含めても同じ時間帯で到着していたのは、裕坊が担当していた便のみ……

 

空港の動きそのものが、完全に止まっていたような印象でした… 今までであれば国際線で到着後は、入国検査を受け、特に問題なければそのまま出口へと向かっていたのですが、

現在は国際線を利用してカナダへ入国する際には、コロナ検査が義務付けられるんだそうです。

 

通常はお迎えの人たちの待合用に使われているスペースが、コロナ検査場へと早変わりしておりました。

 

ここで検査を受けて、まずはホテルで3日間の自主隔離。

その後、陰性と診断された場合は、制限付きで外出が許可されるようになるらしいです。但し10日後に自主的に検査をもう一度行い、陰性であることを証明する必要があるのだとか……

 

ガランとした国際線到着口。

カナダ最大の都市であるトロント

 

普段であれば、かなりの賑わいなのですが、 昨日はひっそり…

やっとホテルの送迎シャトルがお迎えに来た、と思いきや…

 

どうやら自主隔離が必要になる、国際線到着の乗客専用のシャトルだったらしく、

 

もう1台待つことに……

 

そこから待つこと約15分…

やっともう1台のシャトルバスが姿を見せて、ホテルへと向かいます…

 

聞いたところ、このシャトルバスは航空会社乗務員専用なのだとか…

この辺りの徹底ぶりは、カナダならでは、と感じました。

 

乗っていたのは、我々4人だけ…

去年の3月の感染拡大初期を思い出させるひっそりぶり…

 

ホテルもまだまだ稼働率は低いままだそうです。

 

翌日火曜日は夕方の出発。

ちなみに、デトロイト行きとなったその便も、乗客は13名でした。

 

ただウィンターバードと呼ばれる、避暑地を求めてのお客さんの客足は徐々に戻りつつあるんだそうです。

今はガランとした駐機場にも、賑わいが戻るのもそう遠くはない、と思いたいです。

 

 

今晩は、トロントからデトロイトを経由し、

裕坊にとって思い入れのある土地、メンフィスへと宿泊しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月9日(火) 担当を終えた便

デルタ4667便(EDV 4667)トロント(YYZ)−  デトロイト(DTW)

デルタ5445便(EDV 5445)デトロイト(DTW)−    メンフィス(MEM)

3月10日(水) 担当予定便

デルタ4775便(EDV 4775)メンフィス(MEM)−  ミネアポリス(MSP)

デルタ4944便(EDV 4944)ミネアポリス(MSP)−  ファーゴ(FAR)

デルタ4944便(EDV 4944)ファーゴ(FAR)−  ミネアポリス(MSP)

デルタ5083便(EDV 5083)ミネアポリス(MSP)−  グリーンベイGRB

  

裕坊パイロット日記 3/5

アメリカ国内線を中心として、小型旅客機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

4日勤務のフライトが水曜日に終わって、木曜日から4連休をいただいています。

 

ここ数週間、客足の戻りをはっきりと体感するようになったアメリカの各航空会社。平日であるはずの木曜日の利用者数も、とうとう2週連続で全米で100万人を超えました。

日差しがすっかり春の陽気になり、雰囲気は『コロナっていつの話や』的なムードが漂い始めているアメリカ。そんな中、とうとう『全てを完全にコロナ禍前に回帰する』と、はっきり意思表示した州も現れました。

 

写真はテキサス州知事、グレッグ・アボット氏(共和党)。

3月10日(水)からテキサス州では、公共の建物内におけるマスク着用義務が撤廃され、レストランやその他の屋内施設を利用する商業活動も、制限なしに許可されるそうです。

 

テキサス州といえば、昨年の大統領選では接戦になりこそしたものの、元々はカウボーイのイメージが付き纏うほどの、保守地盤が圧倒的に強い地域。(最近では中南米からの移民、あるいはニューヨーク州カリフォルニア州などのリベラル色が強い地域からの流入も多く、現在ではほぼ半々になっているらしいですが)

その保守・共和党といえば、いつも掲げられるのが『小さな政府』。政府は経済や社会政策にはなるべく関与せず、民間での自由競争や自由市場主義を即して、経済を発展させるというのが基本的なスタンス。

 

ちょっと話が脱線しますが、テキサス州では2002年には電力も自由化されていて、各家庭では自由に電力会社を選ぶことも可能になっています。

そのテキサスでは先月の寒波の来襲の際には、電力が圧倒的に不足。

 

一部では1週間以上の停電が起こった地域などもありました。

元々電力の容量に余裕を持たないテキサス州では、自由市場の元、電力需要の逼迫とともに、電力の卸価格が劇的に高騰…

 

なんでも日本円にして100万円を超える電気代の請求が来た家庭などもあり、一部では裁判沙汰にまでなっているのだとか……

自由の国、アメリカらしいわ……ノーベル経済学賞を受賞したポール・グーグルマン氏(現・ニューヨーク市立大学教授)は、こう呟いたそうです。

 

 

「自由化してはいけないものは3つ。教育と医療と電気」……裕坊もこの意見には、激しく同意します。

 

 

ちょっと横道に逸れましたが、コロナウィルス感染拡大時にあっても、テキサス州を始めとする共和党知事の州では、一貫して経済優先の立場をとってきていました。

ワクチン接種の実施件数が増え、コロナ感染時の治療法も確立される中で、アボット知事によれば「今、現状ははるかにいい状況にある」(それでもまだ1日平均での新規陽性診断の報告は、8,000ほどあるのですが…)らしいです…

 

一部で抵抗が強かったアメリカにおけるマスクの着用も、ようやく定着してきたように思っていたのですが…

やっぱり本音は着けたくなかったんかな〜〜……せっかく新規陽性者報告数が落ち着き始めているこの傾向が、逆戻りしないことを祈るばかりです。

 

ちなみに航空会社では、現在施行しているマスク着用義務を緩和する予定は、今のところはなく、

 

当面の間、テキサス州各都市からの出発便といえども、航空機搭乗時のマスク着用義務は継続されるそうです。

アメリカの航空会社ご利用の際には、マスクはお忘れなく…

 

 

裕坊はといえば、昨日木曜日は我が家で1日遅れのひな祭り…

ちなみにこのミニチュアひな祭りセットは、裕坊が日本で乗っていた乗用車に乗せておりました。

 

お寿司などをこしらえて、

 

ちょっとゼイタクな晩ご飯。

チラシ寿司が最高でした。

 

今日金曜日は、

我が相棒、ビュイックくんと共にお出かけ……ちなみに2003年式のリーガルでございます。既に走行距離25万キロを突破しているのですが、エンジンが頑丈なお陰で、トラブルに遭ったことがありません。

 

 

ただし既にマフラーには、穴がしっかりと開いておりますが……

 

 

ビュイックくんにも、ご飯をあげんとな…

ミシガン州在住の皆様に予めお断りしておきますが、この値段でガソリンを入れられるところは、3月5日現在おそらく1箇所たりともございませんので悪しからず……

 

そして洗車、ここ最近はドライブスルー式が主流になりました。

かつてサラリーマンをしていた頃は、自らスポンジを握って丁寧に洗っておりましたが、

 

とりあえず、きれいになるからええやろ……

この時期は雪が降るたびにデトロイト地域の除雪隊が、塩がたっぷりと含まれた融雪剤を派手に撒いてくれるので、こまめな洗車は不可欠なのです…

 

そして、こんなお店まで…

 

実はドライブスルー式の、オイル交換屋さん…

タイヤやベルトの類なども点検し、必要とあれば交換もしてくれます。点検はタダでしてくれますが、交換になるとそちらは有料です…

 

ドライブスルーなので、車に乗ったまま待つこと15分ほどで終わって…

 

今度は近くの美容院にて、

 

散髪……

 

用事を4つともこなして、1時間後には我が家へと帰ってきておりました。

ええ1日やった………

 

ただ再来週には、シミュレーターによるフライト訓練も控えておりますので、

少しずつ勉強も始めんといかん……

 

 

 

 

もう2日お休みです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 3/3

アメリカのリージョナル航空会社で、小型機に乗っている、裕坊といいます。こんにちは。

日曜日から4日間の勤務に出て、担当した便数が合計で10便。水曜日のお昼下がりに帰宅しました。

 

当初の予定12便から最終日の2便が減らされることになり、4日目となった水曜日は宿泊していた先からの帰宅だけ…

3日目の晩に泊まっていたのは、ペンシルベニア州の州都、ハリスバーグ。ダウンダウンは見所も多いらしいのですが、散策はまた次回以降にお預けになりました……

 

昨夜は夜10時過ぎの到着とあって、お昼頃の空港出勤ながらも、とても外を歩くような体力はなく…

気づいたら、空港に着いとった……

 

ペンシルベニア州の鉄道と運河の主要な中継地点として重要な位置を占めてきただけでなく、

 

南北戦争における幾つかの注目すべき戦いの舞台ともなったハリスバーグ

見所は多いらしいです。次の宿泊滞在は今のところ、予定に入っていないのですが、時々運がいいと30時間の宿泊滞在と街を歩くだけの時間がゆっくりと取れることもあるので、来月以降の運試し(俗に言う、スケジュールの割り当て、というやつです…)に乞うご期待…

 

空港到着…

お昼過ぎの空港出勤とあって、この時間帯の空港内は閑散としておりました。

 

ロブスタービスクが美味しい、こちらのシーフードレストランもまだ閉業したまま…

ただアメリカの各旅客航空会社は、かなりの強気モードになっています。全米での旅客航空利用者の数も、この日曜日、先週の日曜日と2週連続で100万人超え(2月21日が111万人で、2月28日は119万人でした)となり、コロナ禍前と比較しても、およそ半数まで回復。

 

各航空会社では、しばらく一時帰休状態になっていたパイロットたちの呼び戻しも本格化し始め、

デルタ航空では、実質待機状態に置かれていたパイロットが呼び戻されることになり、

 

子会社である裕坊の勤務先、エンデバー航空でも、既に長期休暇取得を確定させている乗務員を除いては、全員の呼び戻しが決定。

ただ3ヶ月以上連続して休暇を取得すると、操縦技量維持のために必要な要件(90日以内に3回の離陸、着陸)を満たせなくなるので、その要件が切れたあとに職場復帰するには、復帰訓練が必要になります。

 

数日だけの簡単な座学を受け(これは現在全てオンラインになりました)、

 

実機に乗る前に、シミュレーターで3日間の訓練。

そしてシミュレーターでの訓練にお墨付きが出ると、いよいよ実機訓練。

 

大抵は3日ほどをかけているようです。

裕坊は、本来であれば今日はデトロイトからトロントを往復する2便の予定が入っていたのですが、その2便が実機を使った訓練に充てがわれることになり、

 

担当を外れた裕坊は、今日は客席に乗って、ハリスバーグからデトロイトまで帰るだけでした。

 

実は昨日までの3日間は、かなり濃い内容のフライトスケジュールをこなしていて、もうクタクタ…

デルタ航空管轄内の便では、客席のうちの3割ほどを空席にしたまま4月末まで運航することが既に決まっているのですが、10便担当したうち、半数の5便が上限ほぼいっぱいで、客席はかなり埋まっておりました。

 

今回の4日間勤務では(実質は3日間のフライトになりましたが)、アトランタを拠点とするフライトがほとんど。

ノースカロライナ州テネシー州などの、南部の都市の往復が多く入るビッシリのスケジュール。

 

1日目はウェストバージニア州チャールストンに宿泊して、

 

カナワ川とエルク川の合流地点になっている、チャールストンですが、前日まで激しく雨が降っていたせいで、川は水嵩が増し、

チャールストンを代表する遊歩道の一部が水で浸かっておりました…

 

2日目に宿泊したのは、テネシー州の北東の端に位置するのどかな町、トライシティー

ちょっとリゾートホテル風の佇まいのホテルでした。

 

実はアメリカの人口5万人規模の地方都市へと行くと、空港周辺にホテルがなかったりするので、

宿泊するホテルも、必然的に車で所要時間が20分ほどかかったりすることもザラ…

 

ちなみにアトランタ空港のEコンコースにあるフードコートは、3月2日現在でも半分以上のお店が閉店したままでしたが、

一軒が営業を再開しておりました。

 

オーガニックの食材が手に入る、ネイチャーズ・テーブル・ビストロ。

安価で体にもいい食材が盛りだくさんで、サラダ類も豊富に手に入りますので、アトランタで時間がある時にはオススメです。

 

最後は裕坊が乗務するリージョナルジェット機がほとんど行き来することがないFコンコースから、この4日勤務の最後の便となるハリスバーグ行きの乗務。

 

アトランタ空港のFコンコースには、いつもポルシェなどの高級車も展示されています。

Cコンコースの一部を除いて、ほぼターミナル全館で運用は既に再開。

 

ワクチンが普及し始め、さらには日差しもここ最近はすっかり春の陽気で、コロナも過去のものになりつつあるような雰囲気になっているアメリカ。ただまだしばらくは、十分に用心するに越したことはないやろな、に裕坊は一票です。

 

デトロイト到着…

 

本来ならトロントに行っている時間に、

お買い物に来ておりました……

 

オーガニック食材も多い、こだわりのスーパー。

 

今日のお題目はこちら…… アップルパイ…

 

裕坊の最近のマイブーム…

実は今回の勤務に、アップルパイのスライスを一部持って出かけていたのですが……

 

食べようとした時には、カビが生えていて……

 

リベンジやぁ〜〜…………

真っ先にカゴに入れたので、精算前にはすっかりカートの下に埋もれておりました。

 

 

 

 

4日ほどお休みをいただく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 2/27

アメリカ地域航空会社員、操縦担当係の、裕坊といいます。こんにちは。

今週の水曜日に4日勤務を終えて、日曜日から次の4日勤務。3日間のお休みをいただいています。

 

このお休みは歯医者さんにも行っておりました。

久しぶりにクリーニングをして、歯の検診もお願いしてみると……

 

虫歯が3本…

ただ最近の歯の磨き方自体は良くなっているのか、見えているところは綺麗に磨けている、とのお褒めの言葉をいただきました…

 

口の中にも、春よ来い……

まだ2月だというのに、日差しがすっかり春の様相のミシガン州です。

 

最近裕坊の中で一番お気に入りのスーパーにお買い物にも来たりして、

 

真っ先に手に取ったのはこちら、みかんジュース。日本のポンジュースとほとんど味も同じ。

3本ともまとめ買いしました…

 

 

そんな中入ってきたニュースといえば、ホンダジェットの納入機数。2020年は31機が納入されて、4年連続で小型ビジネスジェット機部門で世界首位だったそうです。

第二次大戦後、連合国軍の総司令部GHQ(General Headquarters)によって航空機製造を7年間制限され、航空機の製造に関するノウハウが何もなかった日本。

 

ホンダ社のウェブサイトを検索していると、開発の苦労がすごく伝わってきます。プロジェクトが立ち上がっていたのって、1986年やったんや……まだその当時、裕坊は高校2年生…

バブルの崩壊で社内での予算が大幅に削減されて、プロジェクトの打ち切りが言い渡されていた時期まであったんだそうです。

 

それでも開発は続けられ、遂には2003年初飛行にも成功。奇しくもライト兄弟の有人動力飛行の成功から100年。しかもライトフライヤー号が飛んだのと同じ、ノースカロライナ州

ただその当時は、ホンダジェットの事業化をにおわせることは一切口にするな、と開発陣は釘を刺されていたそうです。

 

そこで開発陣は勝負に出ました。

世界に名だたる航空ショーのうちの1つ、ウィスコンシン州のオシュコシュで開催される航空ショーへの出典を決意。

 

オシュコシュの航空ショーは、夏季7月下旬から8月上旬に開催され、全世界から多くの航空ファンで賑わいます。

2005年の航空ショーに出展されたホンダジェットは拍手喝采の大きな注目を集め、発売、販売、予約に関する問い合わせが殺到したのだとか…

 

ただこれだけの注目を集めながらも、ホンダジェットの紆余曲折は続きました。

そこから合計で3,000時間以上もの試験飛行を繰り返し、70箇所以上にも及ぶ空港やら試験施設でのテストを経て、正式に航空機としての一歩を歩み出す型式照明を連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)から取得したのは、10年後の2015年。

 

血の滲むような努力の結晶が、やっと身を結びました。

従来の小型ジェット機と見た目があまり変わらないホンダジェットですが、他機種とは大きな違いがあります。

 

通常ビジネスジェット機といえば、エンジンは胴体後方から伸びているのですが…

写真はセスナ社製、サイテーション。オーソドックスなビジネスジェット機で、アメリカでよく見かけるジェット機の1つ。

 

こちらはボンバルディエ社製のチャレンジャー。

 

ちなみにこちらは、裕坊が乗務しているCRJシリーズのリージョナルジェット機。

ボンバルディエ・チャレンジャーが原型になった派生型の飛行機なので、

 

こちらもエンジンは胴体後方の取り付け。

 

それに対して、ホンダジェット主翼の上面に取り付けらているのが、大きな特徴。

翼の上にエンジンを置くことによって、従来のような胴体後方取り付け型のようにエンジンを支える構造が胴体内には要らなくなるため、機内を大きくすることができるという、小型ジェット機が抱える悩みを解決することに寄与しているそうです。

 

従来の固定概念を覆したデザインを採用して、小型機の主流への階段を駆け上がったホンダジェット

プロジェクト立ち上げの頃から開発に携わっていた開発責任者の藤野さんは、ホンダジェットに乗って初めて日本の空を飛んだ時、こう感じたんだそうです。

 

 

『日本に生まれてよかった』

 

 

アメリカ、日本だけでなく、既に欧米や東南アジアなどでも販売されていて、昨年にはロシアとパキスタンの航空局の型式照明も取得済み。

現在までに170機ほどが納入されているそうです。

 

 

これだけの紆余曲折を経ながらも、夢を実現したホンダジェットを見て、日本人の定期航空会社のパイロットとして頭に真っ先に思い浮かんできてしまうのは、やっぱりこちら。

三菱航空機社が手がける三菱リージョナルジェット改めスペースジェット。

 

ちなみに三菱航空機社は、リージョナルジェット機の代表格であるCRJシリーズの販売権を、開発元のボンバルディエ社(本社:カナダ、モントリオール)から購入していて、

現在の正式な型式名称は、三菱航空機・カナダエア・リージョナルジェット。 そのCRJシリーズ…

 

既に生産終了が間近で、生産は合計で1985機。

その最終機が完成すると、CRJシリーズは全ての生産が終了します。

 

販売権の引き継ぎにより、整備点検も三菱が請け負っていますので、

 

その間に培った航空機のノウハウを活かして、 現在立ち止まっているスペースジェット機の完成に、是非漕ぎ着けていただきたいです。

 

 

 

 

 

日曜日から、4日勤務のフライトへ出勤します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月28日(日) 担当予定便

デルタ5145便(EDV 5145)デトロイト(DTW)−  ノックスビル(TYS

デルタ4837便(EDV 4837)ノックスビル(TYS)−  アトランタ(ATL)

デルタ4891便(EDV 4891)アトランタ(ATL)−  チャールストン(CRW)

 

3月1日(月) 担当予定便

チャールストンからアトランタへ、客席にて移動)

デルタ4880便(EDV 4880)アトランタ(ATL)−  タルサ(TUL)

デルタ4816便(EDV 4816)タルサ(TUL)−  アトランタ(ATL)

デルタ5079便(EDV 5079)アトランタ(ATL)−  トライシティ(TRI)