yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 5/31

アメリカの小型機専門旅客航空会社に勤める、裕坊と申します。

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こんにちは。 先週の金曜日から4日間の予定でフライトに出発。予定が変更になって、3日目の今日には結局帰宅しました。先月末に5月分のスケジュールが発表になった当初の担当便は4日間で10。それがコロナウィルス渦による減便の影響で、金曜日の出勤時までには1便に減り、いざ出発してみると、残った1便も効率化の中で他の乗務員へと割り当てられ……

 

結局は操縦席に座ることすらせず、ミネアポリスまで赴いてホテルに2日間滞在し、3日目にデトロイトへと戻っただけでした……

昨日はミネアポリスから、オハイオ州のコロンバスへのデッドヘッド(客室に搭乗しての移動のことを、業界でこう呼びます)が組まれていたのですが、出発の支度すらしないうちに乗務員管理課から電話が入り、担当便から外されたことを告げられ、そのまま1日ホテルに留まることに……ただ昨日は、電話をかけてきた担当者も雑談するだけの余裕がありましたので、本社での様子を聞いてみました。

 

すると課全体で、凄まじいばかりの超多忙を極めた状態だったらしいです……

 

欠航便によるスケジュール変更は絶え間なく2ヶ月半にも及び、その間の1日平均の欠航便はエンデバー航空全社で700便。多い日には1日における欠航便が900を超え、合計の欠航便は全社で60,000便超え……70,000に迫る勢いだったのだとか……各乗務員のスケジュールをその都度変更してはアプリを通じて通知、ニューヨーク所属の50名仕様機の乗務員たちは、4月と5月が全休になり、他の所属先でもスタンバイシフトだったパイロットは勤務日数を半分ほど削られるなど、担当者20名が総出で作業に当たり、ほぼ2ヶ月半休む暇などなかったと言っていました……

6月以降はコロナウィルスによる影響を考慮したスケジュールが組まれていましたので、欠航便は数えるほどで、やっと乗務員管理課も落ち着きを取り戻しているそうです。やれやれとひと息をついているのが、電話越しにもはっきりと伝わってきました……

 

デルタ航空の完全子会社のエンデバー航空の本社がある、この季節は新緑がとても綺麗なミネソタ州ミネアポリス。ポカポカ陽気の中での散歩は、とても気持ちがいいです。

写真は帰宅の便に搭乗するのに、ホテルの送迎シャトルから撮影。 ただそのミネアポリス。残念ながら現在は他のことで、名を馳せることになってしまっています……皆さんもよくご存知の通り、黒人男性が無抵抗だったにも関わらず、警官の過失行為によって命を落としたことがきっかけで、暴動の発祥地となることに……

 

これが瞬く間に、全米へと広がってしまいました……

今はインターネットで情報があっという間に拡散する時代。黒人男性が首が締まった状態で地面に押さえつけられていた画像も一気に広まり、ミネアポリスで始まった騒動は全米各地へと広がりました。最近では社内から通勤時の安全を確保するように、警戒を即すメールが回ってくる始末……表向きは平等な人権を謳うアメリカですが、実態はまだ人種間による差別の根は深く、今までの鬱憤が一気に爆発した可能性が強いです。

 

米国シンクタンク、エコノミック・ポリシー・インスティチュート(本部がワシントンにある非営利団体、Economic Policy Institute:EPI)が、5年前の2015年に行った人種間における時間給の変動を分析した調査によると、1979年の時点での米国黒人男性の時給は、同白人男性に比べて22.2%低かったのですが、2015年ではその格差はさらに8.8%増えて、30%超えとなったのだそうです。年間所得の中央値で比較してみても、白人世帯の2015年度の中央値がおよそ63,000ドルだったのに対し、黒人世帯ですと36,898ドルと70%の差。

 

さらには、これは2007年時点でのデータになりますが、アメリカでは上位1%の超富裕層の持ち資産が下位90%の持つ合計資産よりも多く、上位1%だけで全米資産の34%を占有、金融資産に至っては40%を保有

その格差は今でも拡大していて、中間層は今も没落が続き、格差を表す指標として用いられるジニ係数(0が完全平等で、1を完全不平等とされる係数のこと)を用いて米国の格差を表してみると、2017年現在で0.391だったそうです。(ちなみに日本では、0.339でした)この数値が0.4を超えると社会情勢は非常に不安定になり、歴史上市民による暴動や革命が起こりやすいとされているそうです。

 

アメリカはコロナウィルス対策の景気浮揚策をかなり早い段階で打ち出していて、多くの家庭では既に一時金を受け取り、失業手当も少なくとも裕坊が住むミシガン州では給付も出ていますので、対コロナウィルスの景気対策は一定の効果を示しています。一般家庭におけるここ最近の生活は、それほど困窮はしていないはず……ただ今まで続いてきた人種による給与格差、さらには超富裕層と先細っている中間層の格差の拡大などが鬱積や不満となって積もりに積もり、これが黒人殺人事件をきっかけに鬱憤を晴らす暴動へと繋がったのではないではないか、と個人的には感じています……

 

ミネアポリスでは暴動は5日連続して、5月31日(日)も収まる気配が一向になく、アトランタ、ロサンゼルス、フィラデルフィアデンバーシンシナティなどのアメリカを代表する大都市にまでデモや暴動は広がり、コロナウィルス対策によるものではなく、暴動対策としての夜間外出禁止令が敷かれるなどの異常事態……首都ワシントンでも2夜連続で警察とデモ隊が衝突して、夜11時以降は外出禁止令が敷かれているそうです……

そのストレスは分からんことはないけれど、少なくとも今は対峙する相手は自国の人じゃないでしょうに……今回の暴動に加担している人たちには、ウィルス然り、そしてもっと多岐に目を向けるなら、WHOのことや中国共産党の動きに注目してほしい……トランプ大統領が、なぜここに来てWHOへの拠出金差し止めを決めたのか、なぜ共和党民主党が足並みを揃えて、超党派で対中国制裁を強化する方向へと舵を切っているのか、その意味合いをもっと考えて欲しい、というのが本音です。

 

 

恐らくテドロス事務局長も、習近平中国国家主席も、このアメリカ国内の分断ぶりを高みの見物で見守りながら、高笑いしているに違いありません……

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/29

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

1週間のお休みを終えて、4日間へのフライトへと出発しました。コロナウィルス渦の影響を各航空会社とも多大に受けていて、旅客便は大幅減。元々は10便を担当する予定だったのですが、全便欠航になり、他の便が1つだけ割り当てられて、結局担当便は1便だけになりました…… 1日目も2日目も、客席の乗っての移動が入るだけ……

 

乗務員管理課もあまりの欠航便の多さに、乗務員1人1人のスケジュールの詳細などを確認する余裕などはなかったのでしょう……

こちらが、航空会社の乗務員スケジュール管理。自動化が少し加えられて、人手の数も裕坊が入社の頃に比べると、3割ほど減っています。常時スケジュールを管理しているのは、我が社の場合、合計で6名。客室乗務員のスケジュール管理に3人、パイロット用に3人。この6名体制で2,000名の客室乗務員、2,000名のパイロットのスケジュールを管理します。想像しただけでも膨大な量……ただ月間のスケジュールの各乗務員への割り当てなどは、他の課が担当するので、平常時ですとそこまで忙しくはありません。

 

ただ悪天候などが発生した場合などは、急なスケジュール変更の対応に追われます……例えばニューヨークなどで悪天候が発生した場合など……航空管制側の調整によって出発遅延が3時間や4時間にも及ぶこともあり、そんな時は会社が航空管制と相談した上で、出発便数を調整。それによって欠航便が発生したりすることがあります。

そんな時は非常時の宣言を社内で発令して、各乗務員のスケジュールを全て手作業にて変更。残念ながら、未だにスケジュールの変更作業には、自動化は採用されていません……1日で最大200便前後の欠航による調整を余儀なくされることも稀ではなく、そんな時は数時間単位の作業。ただ変更になったスケジュールの通知は、アプリを通して自動的に送信されるようになりましたので、担当者の電話連絡の手間が省けるようになり、通知までの時間は以前と比べると、大幅に短縮しました。

 

こちらがそのアプリの初期画面……

ELPは、このアプリを開発した会社ELPアビエーションという会社の名前。カンザス州のコンウェイスプリングスに本社があります。

 

ログインしてみると、 こんな画面が出てきて、

1ヶ月の概略のスケジュールの閲覧が可能。これは裕坊の実際の5月のスケジュール。前回のフライトが5月20日に終わっていて、今日29日より4日間の勤務。ちなみに来月が薄緑の線になっているのは、来月がスタンバイシフトのためで、6月2日(火)から6月17日(水)まで、連続でスタンバイが入っています。

 

今日のスケジュールを開けてみると、

今日は3つある線のうちの真ん中だけが実務でした。デトロイトからミネアポリスまでのデッドヘッド。客席に乗っての移動です。便名は859便……線の下にFとあり、デッドヘッドの場合、我が社では便宣上Fの記号を使っています。 その上下のラインには両方とも本来の便名のところに、AVLと入っていて、これはAvailableの略。早い話、勤務可能状態を保っておきなさいという、会社からの指示。元々は旅客便を担当する予定だった時間で、その便が欠航になった際に、電話待機を課せられる時間に相当します。実際には、フライトが新たに入ったケースは、今までほとんどありませんが……

 

悪天候時のスケジュールの調整などは、多い時でも数日に跨ること合計300便程度。数人がかりでこなせばこなせない量ではないのですが………

 

 

コロナウィルスによる影響の場合…………………

 

 

需要減が半端ではなかっただけに、航空会社の側では緊急な対応を迫られました。その作業量も甚大ではなく、1日当たりの欠航便が平均で我が社だけでも600便前後にもなり、しかもそれが数ヶ月間もの間、途切れることなく続きましたので、その入力情報量は半端ではなかったらしいです。乗務員のスケジュール管理に少しでも経験がある者が挙って駆り出されることになり、スケジュールの調整はほぼ3ヶ月続きました……

 

裕坊の今日からの4日間のフライトは、到底効率的とは言い難いものですが、この状況で乗務員スケジュール管理担当者に、スケジュールの効率を見ろ、というのは酷というもの………こればっかりは致し方ないです……

 

 

本来であれば、今日はまずはお昼過ぎの出勤の予定だったのですが、結局空港にやってきたのは夕方……

デトロイト空港の従業員証発行の事務所は、3月以降閉鎖になっていて、しばらく従業員証も更新できていなかったのですが、その事務所もやっとのことで5月26日(火)から再開になりました。ただ従業員用駐車場を見る限り、まだ従業員の車は疎ら……

 

スケジュールの調整はほとんど終わったので、出発便案内板を見ていても、欠航便の表示を見ることはほとんどなくなりました。

ただ昨年同時期と比べると、運航便数は全体で8割減……まだ空港内は閑散としています……

 

今日はA24ゲートからの出発。乗ってきた乗客の2割ほどは、航空会社の乗務員といった印象でした。

搭乗パターンは従来とちょっと違っていて、ファーストクラスを除くと、客席後方を優先して搭乗させるようになっています。

 

デルタ航空では、3人がけ座席の場合は、真ん中の座席を空席にしておく処置を徹底しているので、お隣に他のお客さんが乗ってくるケースはほとんどありません。

また最後部列の通路側座席も、客室乗務員と乗客の方の距離を保つために、座席指定をしばらく中止するそうです。社会的距離措置を遵守するためとのこと。 搭乗率自体は、見た限りおよそ半分ほどでした。3月下旬のコロナウィルス感染拡大時に比べると、徐々にお客さんも戻ってきている印象は受けます。

 

ただ今日の目的地であるミネアポリスへと到着すると、空港はまだまだ閑散……

 

ミネアポリス空港では、Gコンコースが国際線発着の役割を担うのですが……

 

利用客が激減して、こちらは一時的に閉鎖……

 

どうやら改装工事も若干施されることになるらしいです。

Gコンコースへと続く通路が、既に塞がれて通れなくなっていました。

 

地上階の到着ロビーの荷物受け取りカウンター。

こちらもしばらく改装になるようです。

 

ミネアポリスでの定宿。モールオブアメリカのすぐ近くにあり、近くには路面電車の線路もあり、普段はほぼ5分間隔で走っているのですが、

路面電車は、運行を中止しているらしいです。調べたところでは、運行中止の予定は5月31日(日)までとのこと。それ以降運行を再開するかどうかについては、5月31日(日)、中部時間で8時に発表になるそうです。ただターミナル1とターミナル2を結ぶブルーラインだけは、現在でも運行しているのだとか…

 

今日のホテルは、階の一番端……

普段は入ったことがない広めのお部屋を提供していただき、

 

窓からは湖が見える、絶景のお部屋でした。

 

 

明日も今のところは、客席に乗っての移動だけで、オハイオ州のコロンバスへ移動の予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/28

アメリカの旅客航空会社で、小型旅客機に乗る、裕坊と申します。こんにちは。

ほぼ1週間のお休みをいただいて、明日から4日間のフライトへ出発です。今のところ4日間のうちの担当予定の便は1。今のところ、1便しかありません……3日目にオハイオ州コロンバスから、我が社の本社があるミネアポリスまでの1便だけ…

 

各業界がコロナウィルスの影響でかつてない規模の減収に見舞われる中、旅客航空会社は大幅減便にて対応中。デルタ航空管轄内の5月28日(木)の旅客便の運航数、デルタ航空本体で569便、子会社のエンデバー航空が255便、契約委託先のスカイウェスト航空(本社:ユタ州セントジョージ)で243便、リパブリック航空(本社:インディアナ州インディアナポリス)で21便でした。

 

裕坊が勤めるエンデバー航空は、デルタ航空の100%出資の完全子会社。最大76名仕様の小型機を使って、地方路線であったり、需要があまり大きくない都市同士を中心のフライトを担当。

閑散期の運航数は平日でおよそ700ほどで、クリスマスや独立記念日のような大型の祝日の前後で900ほど。平常時と比べて、運航数はおよそ7割減。会社からのオファーで無給休暇に入っている乗務員もいて、アトランタに所属するパイロットの中には、失業手当を受け取っている者もいます。

 

そんな中、デルタ航空では事業規模の縮小に踏み切る方向での生き残りを、選択し始めました。コロナウィルスの影響下、各企業ではこれまで出張に頼っていた仕事をオンラインによるミーティングに切り替えたり、企業同士の契約交渉などでも、オンラインツールを積極的に利用するなど、ビジネス体系もかなり変わってきていますので、ひとたびコロナウィルスの蔓延が終息した後でも、かつてほどにはビジネス客は戻ってこない、という試算もあるようです。

そもそも航空会社の利益は、その大半がファーストクラスであったりビジネスクラスからの収益、あるいはプレミアムメンバーなどの上級会員などの収益に頼っている部分がありますので、需要がコロナ渦前並みに回復したとしても、客単価が低く抑えられたままですと、利益が上げられないという事情もあるので、仕方ない選択ともいえます。

 

そんな中、長年デルタ航空の中西部の基幹空港として位置付けられていたシンシナティ空港(ケンタッキー州シンシナティの都市自体はオハイオ州に属しますが、空港はオハイオ川の南にありますので、ケンタッキー州になります)の乗務員所属先の閉鎖が決定。

これまでは、規模が小さいながらもボーイング737型機の所属先の1つとして残っていたのですが、閉鎖が決まりました。エンデバー航空では、5月28日現在のところは残ることにはなっていますが、私たちの場合も時間の問題………ただ重整備を行える規模の大きな整備庫がありますので、整備点検の基点としての機能は残すようです。

 

コロナウィルス蔓延が急速に広がり出した3月時点では、デルタ航空全体で1日当たりおよそ1億ドル(日本円にして、およそ110億円で、エンデバー航空による運航費も含んでいるそうです)の赤字を出していたのが、5月末時点では赤字額は3月のおよそ半分ほどになりました。6月末には1日あたりの赤字額が4,000万ドルと試算しています。目標は、赤字発生を年末までにゼロにまで解消すること。ただし余剰となる従業員の削減なしでは、実現不可能というのが現実なようです……

 

デルタ航空本体では、現在所属するパイロットはおよそ14,500名(エンデバー航空のパイロット2,000名は含まず)。9月末までは連邦政府からの緊急援助金の給付があり、給付の条件の1つに会社の都合によって従業員を解雇しないこと、というのがあり、会社の意向による解雇というのは9月末まではありませんが、10月の時点で7,000名の余剰が出るという試算をしているようです。本体でこれだけの余剰が出るとなると、我が社エンデバー航空でも同様に余剰が出るのは必至。既に早期退職による人員削減も見据えているようで、早期退職の応募もいずれは実施することになりそうです。

 

 

そんな中で同様に規模縮小が決まったのが、三菱リージョナルジェット改めスペースジェットを開発していた三菱航空機(本社:愛知県西春日井郡豊山町、名古屋小牧空港内)。

人員削減、量産機の製造中断、米国の開発拠点の閉鎖なども含めて、大幅な開発事業の見直しを迫られているようです。そもそも親会社である三菱重工(本社:東京都千代田区丸の内)ですら、2020年3月期通期の連結決算は赤字……事業損益がほぼ300億円の赤字に終わりました(ちなみに2019年3月期の通期決算は、2,000億円の黒字)。

 

航空機が認可を受けて旅客機として飛行するには、機体の安全性を証明するために、航空局から型式証明を発行してもらうことが必要になるのですが、その型式証明の取得に向けて作成された試験機10号機(登録記号:JA26MJ)は3月14日に初飛行。ところが開発初期から続いている不具合を900箇所も改良して臨んでいる10号機といえども、不具合を全て解消するには至らず……

仮に試験飛行を順調に続けていたとしても、2021年の納入すら間に合わない可能性があったのだそうです………

 

アメリカの西海岸には、ワシントン州のモーゼスレイク空港に、スペースジェット機の試験飛行の基点となる「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」があるのですが、そちらには試験飛行用の10号機がまだ届けられない状況……最近まではモーゼスレイクでは、初期型の試作機である4号機を改修しての試験飛行が続いていましたが、それもコロナウィルスの感染拡大とともにしばらく中断。5月5日から飛行再開にはなったものの、量産機型の10号機の到着には今も至っていません……

 

仮に型式証明が取得できたとしても、今までに旅客機量産のノウハウがない三菱では、月間10機の量産は見込めず、3機がやっとということらしいです。ただ受注が継続できるかは、スペースジェット機の仕上がり次第……コロナウィルス以前に、開発の不透明な状況から脱し切れていないのが、スペースジェット機の現状なようです……

三菱航空機の総社員数は、およそ1,500名。半数の社員を三菱重工の他部門への移動を前提に、組織の再編にも着手するようです。三菱重工本体の赤字決算を受けての、苦渋の決断でしょう。それでもなんとか事業は残してほしい。日本の将来がかかる一大事業。完成になんとか漕ぎ着けて欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/26

アメリカの航空会社で、小型旅客機を操る裕坊といいます。こんにちは。

コロナウィルスの影響を非常に大きく受けている業界の1つ、旅客航空業界に勤めること14年目、かつてない需要減に見舞われて自宅で過ごす時間が大幅に増えています。

 

先日は51歳になり、お天気にも恵まれて我が家でバーベキューをしてみたり、

バーベキューソースでしっかりと味を染み込ませたロース肉の炭火焼、もう堪りません……

 

息子作のケーキに舌鼓を打ってみたり、

特に親バカではありませんが、小さい頃から作り慣れているだけあって、息子くんは市販のケーキにも負けない味のケーキを作ってくれます。ただしケーキを切った後は、いの一番にケーキを口に含んでおりました……

 

誰の誕生日なのかなぁ〜〜……

 

ここ数日は、急に気温が上がって夏のような陽気のデトロイト地方。

朝から快晴のお天気の中、今日はちょっとお買い物。ここではこだわりの食材が、たくさん手に入ります。

 

従業員さんやお客さんの扱いも、とても丁寧なこちらのお店。

入場制限をしていて、皆さん2メートルずつの間隔を保って、順番待ち…

 

マスクの着用をお願いする看板も…

 

2メートルの間隔を示すテープも、しっかりと地面に貼られておりました。

徐々に外出規制の緩和も始まっていて、デトロイト地方でも外出する方の数は多くなっています。高温多湿下ではウィルスは活性が弱くなるという医学界の常識が、コロナウィルスにも当てはまるのであれば、しばらくはひと息つけるはず…… ただ高温多湿による影響が科学的に証明されたわけではありませんので、これからも引き続き対策はしっかりしておこうと思います。

 

マスク着用に手洗い、うがい……手洗いの際、指先が意外なほど汚れたままになっているそうですので、指先をしっかりと洗いましょう。

 

 

そして昨日5月25日。5月の最終月曜日。アメリカではメモリアルデー(Memorial Day)と呼ばれる「戦没将兵追悼記念日」。元々はアメリカを二分した南北戦争戦没者を追悼する行事「デコレーションデー(Decoration Day)」として始まったアメリカの祝日で、現在では第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争など、アメリカがかつて闘ってきた戦争の戦没者を広く追悼する祝日として制定され、1971年から現在のように5月最終月曜日が祝日として、制定されました。

 

例年ですと、メモリアルデーには盛大なパレードがあちこちで行われますが、今年は多くの都市でパレードは中止になっていて、アーリントン墓地(バージニア州アーリントンにある、国立の戦没者慰霊施設)において、トランプ大統領も参加してのセレモニーが行われたくらいでした。

メモリアルデーは、1968年に可決された月曜休日統一法(Uniform Holiday Bill)により、月曜日が休みになるように調整された祝日のうちの1つで、毎年週末が3連休になるのでピクニックや小旅行に行く人も多いですが、そもそもはアメリカという国を守るために闘った戦士たちを供養する日。

 

アメリカにおける兵士の役割とは、長い闘いの中で、自由というアメリカ国民の恒久の権利を勝ち取ってきた主役、という概念が深く根付いていますので、今も兵士に対する尊敬の念が非常に高く、空港内でも現役、退役兵士をお迎えする特別のラウンジなどが用意されていますし、

一般航空会社の旅客便に搭乗の際には、優先搭乗なども実施されています。

 

現役兵士に対する感謝や労いの言葉をかけるのは、普通に生活していてもよく見かける光景。

これらの光景を見るにつれて、現役兵士、かつての兵士問わず、国を全力で守る人たちへの感謝の気持ちが伝わってきます。

 

 

日本は第二次世界大戦後に、7年間日本を占領した連合国軍総司令部によってかなりの情報統制が敷かれた上に、連合国軍にとって都合のいい内容が歴史教科書に載ってきましたので、教科書からだけでは真実が全てが知らされていないのが現実。学生時代はあまり歴史に真剣に向き合ってこなかった裕坊ですが、最近は教科書からだけでは知ることができない事実にも、目を通すことを心がけるようにしています。

 

戦後のリーダーで、裕坊が尊敬する首相の1人といえば…… 第58代首相、池田勇人

戦後の経済復興の立役者。「国民の皆様が真面目に働けば、10年で月給を2倍にします」という公約を掲げ、高度経済成長を成し遂げた、日本の復興の主役を担った方です。もちろんそれには、緻密な理論に基づいた大前提もありました。

 

1つ目は、対アメリカ通貨1ドル当たり360円という固定相場制を堅持したこと。日本製品を対アメリカ向けに安く販売することができ、輸出額が大幅に増え、アメリカ市場は日本製品で席巻されるようになったそうです。

2つ目には、日銀による公定歩合変動をさせず、政府による公定歩合の主導権を握り、金利を低く抑えることによって企業による設備投資を促進させることにも繋がりました。

 

企業がお金を借りて設備に投資 → 投資によって恩恵を受ける関連会社が出てくる → 商品の質が上がり、商品の売れ行きが上がり、企業が儲かる → 企業、関連会社に勤める社員の給料が上がる → 社員の家計に余裕が生まれ、安心してモノを買うようになり、消費が増える → 企業が儲かり、次の設備への投資を始める

 

この流れで好景気の波に乗った日本。公約の中では池田首相は7%の経済成長率を目指していましたが、結果は首相在任中の経済成長率、最高で13%を達成。10年で達成すると公約していた所得倍増計画、なんと7年での達成になったそうです。

 

ただ、所得倍増計画が達成された時、すでに池田首相はこの世にはいませんでした。昭和39年(1964年)、東京オリンピックを花道に主将を引退。実は癌を患っていてのことだったそうです。その池田勇人が本当にやりたかったこととは、何だったのか……

 

秘書の伊藤昌哉氏に言わせると、池田勇人は引退後、全国行脚をしながら青年教育をしたかったと言います。自らは自衛隊政策の中で、戦車や軍艦、飛行機の導入などを果たしてきました。その池田勇人自身がどうしても達成したかったのは、憲法改正、その根底にあるのは自衛隊ではなく、自らの国を自らの意思で守ることができる軍隊の設立にあったといいます。

 

国防できる軍隊の設立を目指していた池田勇人は、第二次世界大戦で戦死していった兵士たちに対する尊敬の念を忘れることはありませんでした。ほとんど語られることがありませんが、実はアメリカのメモリアルデーに相当する「全国戦没者追悼式実施要項」が閣議決定したのは、池田勇人が首相在任中の1963年5月14日。同年から8月15日に政府主催で全国戦没者追悼式も行われるようになり、8月15日が終戦記念日と定められました。(現在では1982年の鈴木善幸内閣の閣議決定で、戦没者を追悼し平和を祈念する日として、平和祈念の文字が加えられるようになっています)

 

この年初めて靖国神社で行われた、全国戦没者追悼式の日。池田勇人は式辞の中で、こう述べています。 「戦後我が国の文化と経済の著しい発展は、その底に祖国の栄光を確信して散った多くの人々の願いがあったことを忘れてはならない。我が国の平和と繁栄は、戦没者尊い犠牲の上に成り立って、築かれているのです」

 

 

この名言を、日本人としてしっかりと胸に刻んでおきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/24

アメリカの航空会社で、小型機の操縦士を務める、裕坊と申します。こんにちは。

旅客航空需要が激減して、ここのところお休みをいただく日の方が増えています。今日日曜日もお休み……

 

そして今日日曜日、裕坊は51歳になりました。もうそんなに生きとったんやなぁ〜、というのが正直な印象。まだ気分は30代くらいなのに……ただ体は正直です。徹夜なんてできなくなりましたし、夜は5時間もすると目が覚めてしまい、10時にベッドに横になった日などは朝3時に勝手に目が覚めてしまっていたりします……

でも早く目が覚め過ぎると、これまた1日体が持たない……

 

ほとんどの航空会社では、主要空港ですとクルーがお忍びで仮眠を取ったりできる専用のラウンジがあるのですが、

 

地方の空港で長時間の折り返しが入ったりすると、乗客の皆さんの目を盗む場所も限られてしまいますので、

たまにこんな光景に出くわしてしまったりします。こんな時は、朝5時の空港ショーアップに備えて、かなり朝早く起きていたりするので、そっとしておいていただけると助かります。

 

操縦中こんなことになるのは、避けなくてはいけません……

まだテネシー州のメンフィスに本社があった頃(現在は、ミネソタ州ミネアポリスへと本社は移転しました)に今の会社に入社して以来ほぼ14年。あっという間に時間が経ってしまいました。

 

エアラインのパイロットになる方法は、本当に様々。

日本航空全日空は、ほとんどが自社養成の採用。大学卒業時、もしくは航空大学の新卒時のタイミングで採用面接を受けて、採用されればパイロットのトレーニング費用などは全て会社負担で、訓練を重ねていきます。ドイツのルフトハンザ航空などでも同じ方法を採用。

 

英語では一般にアブ・イニシオ(Ab Initio)と呼ばれ、パイロット本人は訓練費用をほとんどの場合負担しなくていいタイプの訓練方法……アブ・イニシオとは元々ラテン語で、最初からという意味があり、物理学などで演算などを始めからする行う場面などでよく使われる単語だそうです。

 

ただこの方式の場合、競走倍率が極端に高い採用面接を勝ち抜いていかなくはなりません……

アメリカでもコロナ渦以前はパイロット不足が叫ばれ、ここ数年は同じような採用方法を探る動きがありました。

 

ただアブ・イニシオ方式が今後アメリカで本格的に導入されるかどうかは、今後の航空需要次第……アメリカの航空会社の場合、今年10月以降にかなり余剰人員が出る見込みで、むしろ人材を削減しなければいけない状況にありますから、将来的に導入されるとしても、しばらく先送りになるものと思われます……

 

一般的なのは、自ら訓練費用を支払って操縦士免許を取得し、各航空会社が定める要件を満たして応募するというやり方…

自家用操縦士免許(アメリカではPrivate Pilot Certificateと呼ばれます)、事業用操縦士免許(Commercial Pilot Certificate)、計器飛行証明(Instrument Ratingと呼ばれ、視程が低い時、雲の中を合法的に飛行することが可能になります)などを取得し、一定の飛行時間(1,500時間が最近の標準になっています)に達すると、履歴書を各航空会社に提出。 事業用操縦士の免許までは平均的に300時間前後で取得できてしまいます。

 

問題になるのは、その後……

 

旅客航空会社での採用基準の1つとなる飛行時間は、最低でも1,500時間。そこまでの経験値をいかにして積んでいくかに、各パイロットとも腐心することになります。最も一般的なのが、飛行教官の免許(CFI:Certified Flight Instructorと呼ばれます)を取得し、自らが学んだフライトスクールで、学生たちを教えながら自らも飛行時間を稼いでいくというやり方……

裕坊も自ら学んだフライトスクールに残って、2年ほど学生と同乗しながら飛行時間を貯めていく日々を送りました。

 

当時のフライトスクールの事務所。かつて存在したコムエアーというリージョナル航空会社の子会社でした。

名前もそのままコムエアー・アビエーション・アカデミー。ディズニーワールドがあるフロリダ州オーランドから、フリーウェイ4号線を北東へ行くこと、およそ30分ほどのところにあるサンフォードという町の空港に、訓練施設があります。

 

何度か所有者が変わったりするなどで名称も変わり、現在ではエアロ・シム・アカデミーになりました。

こちらは4年前に訪れた時に撮影した写真。

 

今から15年前の2005年5月24日(火)といえば、こちらの学校でひたすら学生を教えながら、飛行時間を稼ぐ日々。裕坊が36回目の誕生日を迎えていた日、ちょっとしたハプニングがありました。

フロリダ州は5月になると真夏と同様のお天気になることも珍しくなく、今日日曜日の気温を調べてみても29度。15年前の今日も同じように気温が30度越えで、しかも入道雲がお昼過ぎから上がる、とても不安定なお天気……校舎の周りを積乱雲が囲んで、小型のプロペラ機を使った飛行訓練にはあまり適さない状況。その日は飛行訓練を中止して、学生たちの学科試験、口頭試験に向けての対策に臨んでいたのですが……

 

そのうちに聞いたことがない風が建物を叩きつけるような音がして、外を見ると………

初めて体験する大嵐。マイクロバーストと呼ばれる怒涛の勢いの下降気流が起こり、その時裕坊がいた校舎を横殴りに叩きつけていていました……校舎は元々海軍パイロット訓練用に建設されていた建物で、煉瓦建てで外壁には窓が全くない構造。そのため、校舎の中にいた私たちは安全でケガ人等も全く出なかったのは幸いだったのですが、風の勢いは半端ではなかったようで、

 

訓練用の軽飛行機は何機かひっくり返される事態に……

その中には慌てて飛行訓練からフライトスクールへと戻ってきていた飛行機もあり、生徒1人と飛行教官1人が乗っていたのですが、2人とも無事だったのは、不幸中の幸いでした。

 

実はその当時、2ヶ月早産で息子を産んでいた愛妻ちゃんは、日本で子育て真っ最中。夕方なのにすっかりと外は暗くなっていて、心細い思いをしていたのですが、その思いを話せる相手もおらず、気分はどんより………

 

その日は火曜日。裕坊が務めていたフライトスクールでは、毎週火曜日に飛行教官全員を集めてのミーティングがあり、雨がまだ降っていて気分も晴れない中でのミーティングに臨んだのですが……

実はミーティングの最後になって、思いもよらぬサプライズ。

 

ずっと裕坊の働きぶりを高く評価してくれていた上司の強い推薦で、その月の月間最優秀教官賞を受け取ることに……

独り身だったとあって、ほぼ1週間7日体制で生徒を教えていたのですが、心から報われた気持ちになった1日でした。今も忘れることができない、15年前の思い出です。

 

 

次の4日間のフライトへの出発まで、まだ数日。羽休めを続ける日が続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/23

アメリカの航空会社で、小型機に乗る裕坊と申します。こんにちは。

世界の航空業界はコロナウィルスで需要激減。各航空会社で大幅減便、さらには保有する機体の半分以上を駐機状態に置いて、保有現金が底をつくのを防ぐのに必死。

 

アメリカ国内の最大手、アメリカン航空デルタ航空ユナイテッド航空3社とも、コロナウィルス渦下の1日あたりの赤字額は、平均で5,000万ドル。日本円に換算して、1日でおよそ55億円を食いつぶしている計算になります……

ここ数週間の全米の空港における保安検査場を通過している航空機利用客数は上昇傾向にはあるらしいのですが、去年の同時期と比較すると、まだ焼け石に水程度のレベル。プロ野球で例えるなら、同一チーム相手の3連戦で3試合連続20点以上の大量得点差、それでいて2試合連続で1得点を取るのがやっとだったのが、攻撃陣の奮起で3試合目になってやっと3点取った、くらいのレベル。乗客総数の予測を見ていても、昨年と比較して1年間を通した通算で8割減の予測が出ています……

 

その中でも、現在はアメリカン航空の財務状況の悪化が際立つ報告が上がるようになりました……

 

現在、アメリカン航空保有する土地、航空機、保有現金などを含めた全財産は2020年第1四半期の締めの時点で、およそ110億ドル(日本円換算:1兆2,100億円)。それに対して、負債総額は250億ドル(2兆7,000億円)…

アメリカでのコロナウィルス緊急助成金の第1弾、Cares Act(Coronavirus Aid, Rescue, and Economy Security Act)のおいては、アメリカン航空は58億ドル(6,400億円)の給付を受けることになりましたが、今後の航空旅客需要の回復が見込めない状況からすると58億ドルの給付といえども十分な金額には程遠く、第2弾の助成金は不可欠な状況と言えそうです。元々各航空会社が軒並み過去最高益の恩恵を享受している時でも、キャッシュフローが安定せず、不安定な経営が続いていたアメリカン航空。尋常ではない量の自社株買い戻しであぶく銭を稼いでいた体質が、ここにきての1番の経営危機を招く結果となってしまっています。

 

ただ裕坊が勤める会社の親会社であるデルタ航空も、財務状況は予断を許しません……裕坊自身、10月以降仕事があるんやろうか………

第2弾の助成金がどんな形で決着がつくのか、あるいは一部の国で検討されているとされる航空会社の国有化の波に、アメリカの航空業界もシフトして行くのか、これからの推移に注目しておきたいと思います。

 

 

今日はそんな不安な気持ちを解消するにはもってこいの、自然をたっぷり感じた1日でした。今年は開園が例年に比べて遅かった、アスパラガス栽培の農園にまずは赴いて、

我が家からですと、車で30分ほどの距離。周りにはリンゴ畑なども広がるのどかな田園地帯。 そこでまずはアスパラガス刈り……

 

開園が例年より遅かったとあって、かなり背が高くなっているアスパラガスなどもありましたが、

それなりに新鮮なものもいっぱい。農園到着の時には、既にかなりの日本人家族で賑わっておりました。

 

ただ面白いことに、アメリカ人の地元でありながら、アメリカ人家族は本当に数えるほど……アメリカのホテルでの朝食では野菜類はほとんど出てこないというアメリカでの食事事情が、こんな農園でも反映されています。

 

なんとか頭が開いていない、新鮮なアスパラガスをバケツ2杯分採取。

お値段は、25ドルなり… なんとか繊維質の食材を確保して、

 

今度はそこから車で10分ほどの、レクリエーション公園へと移動…

向かったのはケンジントンパークという自然公園。日本人家族が多く住んでいるノバイという町からですと、西へ向かって車でおよそ20分もあれば行けてしまいます。

 

中にはゴルフ場もある自然溢れる公園で、ゆっくりと散歩が楽しめる遊歩道も完備されています。

動物たちも、ここの公園では人間にかなり慣れているのでしょうか、

 

手に餌を乗せて、手を広げていると……

 

鳥などが餌を啄みに来てくれたりします。

 

かなり小さな大きさのシマリスなども、人間の周りをウロウロ…

 

動物たちも赤ちゃんラッシュの季節。今日は鶴の親子の姿なども見ることができました。

 

こちらはキツツキ…

さすがにクチバシが細長くて、鋭い……

 

鮮やかな色の鳥たちも、たくさん…

 

近所でたくさん見かけることができる鴨たちも、この公園でもたくさん見ることができました。

 

こんな湖を囲むように歩くことができる遊歩道、一日券ですと2020年現在でお値段は10ドル。

年間パスを購入すると、40ドルだそうです。

 

ミシガン州では、外出規制緩和は4段階に分けられていて(他州でも、空きのある病床数や新規感染数、再生産数などを基準に、段階的に規制緩和をしているところが多いようです)段階的にビジネスなども解禁になってきています。5月23日時点では、第3段階。まだコロナウィルスは未知のことも多く、外出規制が感染拡大防止にどれほどの効果があるのか検証は必要でしょうが、因果関係が深くあるなしに関わらず、医療機関での病床数の空きに余裕を持たせておくことは、外出規制緩和の絶対条件。

 

10人以下の集会であれば、集会にもゴーサインが出されたものの、完全に終息に向かう兆しが出ているとまでは判断されなかったようで、外出規制自体は6月12日(金)までの延長が決まっています。ただ野外活動における感染の報告は、室内における感染に比べると極端に少なく、自然公園等を歩くのは安全という見解は徐々に広まりつつあるようです。

 

 

帰ってきてからは、しばらく放置していて伸び放題になっていた芝のお手入れ。

 

この春既に一度は息子くんにお願いしていた、芝刈りの作業。

裕坊自らは、やっとのことでこの春初めて芝刈り機を出動させることになりました。

 

ほぼ2週間手付かずの状態…ここ最近は、ミシガン州の芝にとっては成長に好条件が続いていましたので、

高い芝になると10センチ近くまで伸びていて、刈った後の芝を入れる袋があっという間にいっぱいになる状態…

 

普段なら15分もあれば終わってしまう裏庭だけでも、今日は1時間近くを消費…

 

表側も30分ほどかけて、やっとサッパリ……

 

普段は2袋がいっぱいになるところ、今日は都合5袋が全部いっぱい……

やっとスッキリです…

 

 

次の出勤まで、もうしばらくお休みです。

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/22

アメリカの航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

 

ミシガン州デトロイトに本拠を置いて小さな旅客機に乗っていますが、需要減に対応する形でフライトの数は減り、勤務日数も減っていて、

最近コンピューターといえば触るのはほとんどがタブレットなので、フライトシミュレーターをすることもなくなってしまいましたが、家で過ごす時間はかなり増えています。お天気がいい時にお散歩に出かけるくらいで、最近では時間がある時は本すらほとんど読まずに、ひたすらニュース検索……

 

それより芝が伸び放題になってしまっているので、早く芝刈りをせんといかんのやけどな〜〜………

 

家にいる時間が長い分、野鳥の観察がじっくりできてしまったりします。

我が家の外灯に巣を作っていたアメリカンロビン一家の3羽が卵から孵って、2週間成長する姿までじっくり観察…

 

親鳥は子育てに必死で、頭を何度か襲われそうになったこともありました……

母は強し……

 

3羽とも無事に巣立って、今も時々元気な姿を見せてくれます。

今日も雛が姿を見せてくれましたが、すっかりと大きくなっておりました。もう餌とかも自分で見つけとるんやろうな〜……

 

実は我が家の植木の下には、野ウサギ一家も住んでいるのですが、そこでも赤ちゃん誕生。昨日は雑草をつまんでは、じっとおとなしくしておりました。

カメラを向けても逃げる様子もなく、近くで撮影しても警戒心がほとんどないのか、

 

ちっとも動こうとすらせず……

野ウサギを始めて、至近距離で撮影。こんな写真が撮れるのなんて、思ってもみんかった……

 

ただ体を少し動かして、カロリーは少しでも消費しないといけません。でなければ、本格的に外出規制が解除になるまでにこんなことになってしまいます……

明日こそは芝刈り………

 

 

暖かい季節に入ってきて、医学界の常識に照らすならば、ウィルスが原因での感染は少しずつ落ち着き始める時期。それに合わせるかのように、アメリカの各州では段階的に外出規制を緩和したり、ジョージア州のように完全撤廃してしまうところも。医療機関の病床が埋まってしまわないように注意しながらの段階的な緩和が続いています。 州によっては大規模な感染者数の報告も一部で上がっています。

 

その筆頭となったのが南部のアーカンソー州。ここ2週間ほどは1日当たりの確認済み新規感染者が100人ほどで安定していたのですが、昨日木曜日に一気に455名の新規報告。

写真は、アサ・ハッチンソン、アーカンソー州知事。ここまでは1日あたりの報告感染者数は最大でも4月20日の304名だったのですが、それを大幅に上回ることになりました。感染経路を追っていると、どうやら今まで上げていなかった刑務所内における感染を報告に上げて、1日の感染報告数に上乗せすることにしたようです。

 

ハッチンソン知事は共和党員。共和党員が知事の州では、経済活動を維持することを、ウィルス蔓延防止よりも優先課題に明文化している州が多く、外出規制を敷いていなかったり、敷いていても解除への動きが他州より早かったりする州が多く、アーカンソー州も大々的な外出規制は敷いていませんでした。ただそれでもウィルス蔓延を完全に無視するわけにもいかず、経済停滞の防止とウィルス感染防止の2つの相反する要素をどう切り盛りしていくのか、そのバランスの難しさを、今日の記者会見でもはっきりと述べていたのは印象的でした。

 

 

方や今も州の条例に外出規制を明文化している、裕坊一家が住むミシガン州。昨日木曜日はウィトマー知事(民主党)によって、マスクをし、他人との社会的距離を保つという一定のガイドラインを守れるという条件付きで、10人以下の集会であれば開いてもいいということになりました。これはその昨日の州都ランシングにおける記者会見の様子。

ただ第2波が来た際の病院の病床数には、あまりまだ余裕がなかったのか、今日金曜日になって外出規制の延長を発表。従来の5月28日(木)からさらに2週間延長して、6月12日(金)まで外出規制が敷かれることになりました。

 

実をいうと、ウィトマー知事が木曜日の記者会見をしている頃、デトロイトのすぐ郊外にあるフォード・モーター社の工場を訪れていたトランプ大統領……ボーイング747型機と同型のボーイングVC−25型機で、日帰りで訪れていたらしいです。今年2月に行われた一般教書演説では、連邦議会下院議長を務めるナンシー・ペロシ氏(民主党)との握手を拒否していたトランプ大統領(あのシーンは、たまたまトランプ大統領が、ペロシ氏が手を差し出していることに気づかなかっただけかも知れませんが…)

民主党員とは歩調を無理に合わせようとはしないところが、とにかく徹底しています。ミシガン州中部では2カ所のダムが決壊して、一部の都市では洪水が起きており、ウィトマー知事はコロナウィルスの対策とともに、洪水への救助活動への指示をしたりなどてんてこまいの状態にもかかわらず、トランプ大統領はそんなことはどこ吹く風で、人工呼吸器の生産が続くフォード社の工場の見学…

 

自らはクロロキン(重篤な副作用の懸念から、日本では既に1975年に販売が中止になっている抗マラリア薬)を服用し、コロナウィルスへの感染はなく、これまではマスクなどは必要ないと豪語していたのですが、フォード・モーター社の会長、ビル・フォード氏の強い勧めによって、工場見学の際にはさすがにマスクをせざるを得なかったようです。

貴重な1ショット。もうトランプ大統領のマスク姿は、今後はしばらく見られないかも知れません…… トランプ大統領は事あるごとに、例え第2波が来ようとも、今後は3月から起こったような大規模な外出規制やビジネスの停止などは起こさせない、とはっきりと述べていますが、少なくとも10月以降に恐らく起こるであろう第2波、第3波への備えだけは国としても挙げておいた方がいい、に一票。

 

コロナウィルス渦を機会に、海洋進出を進める中国に面と向かって物申せるのは、今や世界でもトランプ大統領くらいですので、今年末に行われる大統領選では是非再選を果たして欲しいと、裕坊は心から願っているのですが、医学に関する知識をもうちょっとだけ増やしてもらえたらなぁ、というのが裕坊の本音です。

 

 

裕坊、今回はほぼ1週間のお休みです。