yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 1/17

米国航空会社の小型機担当、裕坊といいます。こんにちは。

 

年末年始を優れない体調で過ごし、年明け最初のフライトでは、途中リタイアして帰宅する羽目にまでなり、裕坊にとってとんだ2020年の幕開けとなってしまいました……

1週間ほど、ほとんど家から出ることもなく静養……やっとのことで体も落ち着き、先日木曜日からまずは2日間のフライトへと復帰しました…

 

愛妻ちゃんと息子くんは、木曜日の夕方に映画「天気の子」のチケットを予約していたらしく、木曜日の夜の1便だけ担当便が入っていた裕坊の快気祝いを兼ねて、夕方は久しぶりに食事にお出かけ。

以前住んでいたアパートから程近いレストランへと、立ち寄ってみました。10年ほど前に、中古の一戸建てを買うまでは、ノースビルという、アメリカの中では比較的古くからある町に住んでおりました。

 

ノースビルは、アメリカの中では比較的歴史がある町で、ビクトリア朝建設が全盛だった頃の建物もたくさん残っています。ダウンタウンに行くと、煉瓦や石造りのかわいらしい建物が、いくつも並んでいていて、それを見るだけでも優雅な時間を過ごせます…

 

女性に人気のお店も多く、

先日は友人の誕生日パーティーを兼ねて、こちらのカフェにもやってきました。

 

住宅を改造してできたカフェは、お店の中も落ち着いた佇まい……

どうやら誕生日の方には、コーヒーが無料になるサービスがあるそうな………

 

そのノースビル、デトロイト・メトロポリタン空港からは車でおよそ25分。教育水準がミシガン州内で常に1、2位を争い、元々住宅地としても人気が高かったのですが、最近ではダウンタウン以外にもモールなどが増えてきています。 デトロイト空港からのアクセスは、フリーウェイの275号線。

 

7マイル出口を出て、ちょっと西へ行くとモールが新開発されていて、女性に人気のスーパーもこちらへと数年前に移転してきました。

 

中の雰囲気も、他とはちょっと違うこだわりを感じます。

 

新鮮な野菜類、種類も豊富……

 

デザートにも、かなりのこだわり。

こってりと甘いデザートが多いアメリカにあって、甘さも控えめ…

 

ワインも豊富な品揃え…

この辺りには、10年ほど前までは本当に何もなかったのが、すっかり変わってしまいました…

 

木曜日の夕方に立ち寄ったレストラン。7マイル通り沿いを東へ向かって行くと、フリーウェイ入り口のすぐ手前に、ビジネスビル群の入り口を入ってすぐのところにあります。

かつてアパートに住んでいた頃は、いつもこのレストランを横に見ながらフリーウェイへと入っていたのですが、レストランには一度も来たことがありませんでした………っていうより、レストランがあることにすら、ほとんど気付いてなかった……………

 

木曜日上演の「天気の子」の映画館から実は目と鼻の立地だったこともあって、ここで裕坊の快気祝い……

 

入ってみると……

 

想像してたのと、大違い……

高級レストランの佇まいやし……

 

どうやらパスタ中心のイタリアン系のレストランだったようで、メニューは説明書きこそ普通に英語だったものの、表記そのものは全部イタリア語。全然分からんし…………

 

迷っている間に、こんなのを持ってきてくれました。

こちらのイタリアンレストランでは、ほぼ例外がないといっていいくらい、パンをすぐに持ってきてくれます。オリーブオイル付き……

 

迷っている間に、前菜を1つ注文。もうこの手のレストランではお約束の、イカの唐揚げ……

英語では、大抵カラマリ(Calamari)と呼んでおります。みんなでつつくと、お皿はあっという間に空になっておりました……

 

それぞれパスタ系をめいめい注文……ついてくるのは、サラダかスープで、今日はクラムチャウダーを試してみたのですが、

ちょっと想像してたのと違う………

 

クリームソースをベースにしたクラムチャウダーではなく、トマトソースがベース。貝の身がたくさん入っていますので、イケます。これは愛妻ちゃんがかなり気に入っておりました。

 

メインは、裕坊が子牛ステーキのデミグラスソース、パスタ添え。

 

愛妻ちゃんは、フェットチーネ・アルフレッドの茄子添え??

また詳しい注文の内容を、聞いておきます……ただこれは当たりでした。

 

ちゃんと注文の内容を、聞いとかんといかん………

 

息子くんは、意外に保守派……

無難にスパゲティー………ちょっと麺が伸びてしまっていたのが、残念でした………

 

そしてデザートに、ティラミス。

しっとり感がバツグン。これもオススメ。ココアパウダーが、喉に詰まりそうになるほど、しっかりとかかっておりました。

 

食事の後は、映画組とは別れて裕坊は空港まで。 1週間ぶりのフライト………

お天気もまずまずで、揺れもほとんどない快適なフライト……復帰戦にはうってつけでした。

 

木曜日は、夜9時に出発。1時間と10分をかけて、サウスカロライナ州のグリーンビルまで。

 

BMWの世界最大級の工場もあり(1日当たり1,500台生産の容量があるそうです)、急速な発展を遂げている町の一つ。

数年前までは、片田舎の空港の装いだったのですが、ここ数年の大改装で、全く見違える空港になってしまいました。

 

セキュリティーを通ると、そこは吹き抜け式の天井になっていて、

 

ファーストフード、レストランなどもとても充実したものになっています。

 

改装後の、グリーンビル・スパータンバーグ空港の特徴といえば…………

 

外へと出られる展望デッキ付きのターミナル。

 

この時期はまだ気温一桁台なので、外で飛行機を見学するにはちょっと寒いですが……

夏になると、空港に早く来て飛行機の離陸着陸を間近に見る、なんてことも可能……

 

新装オープンから間がないターミナルは、開放感に溢れていて、とても気持ちがいいです。

 

 

金曜日は、お昼ごろ出発の便を1つだけ担当して、

2時ごろには、我が家にも帰宅………

 

まだ外は雪は降っておりません………

ただ土曜日は、深夜から雪………

 

 

ブログを書いている最中にも、雪はしんしんと積り始めています………………

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 1/15

米国リージョナル航空会社の、運転担当、裕坊といいます。こんにちは。

 

今年の裕坊の新年は、年明け早々から微熱と胸の炎症に2週間以上も悩まされ、先週の5日間のフライトでは、2日目でリタイア…………

1週間ほど静養の時間を頂き、症状がここにきてようやく治まって、まずは2日間のフライトへの復帰に目処が立ちました。

 

皆さんには、大変ご心配おかけいたしました。ただ風邪やインフルエンザのウイルスにとっては、活発でありやすい環境は、今後も数ヶ月くらいは続きますから、今後も体調は注意した上で、しっかりと整えておきます………

 

 

明日からの2日間は、両日とも担当便は1つだけ。復帰する身には、うってつけのスケジュール。普段、飛行時間1時間から2時間程度の、中・短距離路線を担当することが多い小型機のパイロットの役割のスケジュールは、1日3本前後の担当便が入るのが普通。主要都市空港での乗り換えのお客様をお届けすることが多いので、スケジュールも早朝、深夜など、ちょっと極端になりがち………

大抵カバンには4日間分、5日間分の着替えを詰めていくことが多いです。天候での影響で、最終日に本拠地空港まで帰ることができず、1日延長滞在なんてことも稀にありますから、2日分の余分な着替えも詰めることになるので、カバンはいつもパンパン………まして金属フレームでできた頑丈なカバンとあって、いつも荷物棚に乗せるのは、けっこうな腕の筋肉の運動……

大手航空会社が使用している機体であれば、国内線用といえども、コックピット内にはそれなりにスペースがあるので、自らのスーツケースも持ち込み可能ですが、リージョナルジェット機には、せいぜいバックパックを入れられるスペースが辛うじて1つだけ………

 

ですからスーツケースなどは、客室の荷物棚にしまうのですが…………

20キロはある金属フレームのカバンを持ち上げますので…………

 

 

腕力はつきます…………………

 

 

日本に帰って友人に会うたびに、「おぉ、裕坊、体しっかり鍛えとんな〜〜」と言われるのには、ちゃんとした理由があるのです…………

 

ちなみに裕坊は、小学校の頃には水泳教室には通っておりましたが、実を言いますと生まれてこのかた、未だにジムというところには、一度も行ったことがありません……………

 

 

明日のフライトにて、デトロイト空港から向かうのは、サウスカロライナ州のグリーンビル・スパータンバーグBMWSUV版の工場がある、サウスカロライナ州グリア市の目と鼻の先。BMWお抱えの工場としては世界最大で、1日なんと1,500台もの車を生産する能力があるらしいです。北米の需要に合わせるかのように、北米工場で生産されているのは、

SUVが中心。

 

昨年工場に訪れる機会があったのですが、未来志向の電気自動車の展示などもありました。

 

このインパネのセンスのよさは、さすがBMWならでは……

まだ航続距離が短い上に、充電用の設備が十分に揃ってないこと、充電速度もまだまだ理想からは程遠いなど、解決しなければならない問題は多いですが、今後の電気自動車の技術の発展は、大いに注目の価値がありそうですね。

 

そんな中、トヨタも未来志向の車の開発を強化しているようです。米カリフォルニア州に4億ドル近い投資をして、「電動垂直離着陸機(eVTOL)」の提携開発を正式に発表。

ここでいう「VTOL(Vertical Take Off and Landing)」とは、英語が示すとおり、垂直離陸着陸のこと。

 

既にドローンの世界では実現している垂直での離陸着陸を、旅客輸送の世界に実現し、都市部での渋滞や環境負荷の低減、過疎地の輸送手段確保などに繋げる狙いがあるようですね。 現段階の電池の技術ですと、1度当たりの輸送での航続距離は、およそ200キロほど。都市間輸送となると法律の絡みなど、他の障壁を乗り越える必要は出てきますが、東京からだと静岡くらいまでが輸送可能な範囲に入る、ということになるでしょうか。

 

既に昨年12月には、ベンチャー企業が手がける『スカイドライブ』が、日本での「空飛ぶクルマ」の有人実験飛行も始めているようです。

既にこちらスカイドライブは、30キロまでの重量物運搬に特化した、貨物専用のドローン「カーゴドローン」の2023年までの発売を視野に入れているのだとか。 これらの『完全自動操縦』の移動媒体が、現在の航空機が必要とする長距離滑走路を不要にし、ピンポイントでの移動を可能にするとなると、都市内における移動、或いは近距離都市間の移動の輸送形態を大きく変える可能性がありますね。

 

もしそうなると、アメリカのリージョナル航空会社にとっては、影響は必至………10年後の空路による輸送形態は、今とは全く様変わりしたものになっているかも知れません………

 

 

航空業界の話題をもう1つ……

 

先日、デルタ航空の機体(ロサンゼルス発上海行き、DL89便)が、エンジンの異常発生で、離陸した空港(ロサンゼルス国際空港(LAX))へと引き返しましたが、着陸時の重量を下げるために搭載していた燃料を投棄。低い高度からの投棄だったようで、空中で燃料が揮発せず(ジェット燃料は灯油が主成分ですので、1万フィート以上にまで上昇していれば、空中投棄しても燃料は空中で揮発してしまいます)、ロス市内の小学校の校庭へと落下して、60名ほどの児童が影響を受けたらしいです…………

 

エンジン故障が発生していたのは、ボーイング777型機。

どうやらエンジンの燃焼室内が、異常燃焼をしていたとか、していなかったとか……

 

まだ情報が少ないので何とも言えませんが、地元からはデルタ航空への批判が起こっているらしいです。被害を受けた児童、その家族からするならば、なんで小学校の上空で、ということになるのは仕方ないですね。連邦航空局も、この事例の調査を始めるそうですので、その報告をしばらく待ちたいと思います。

 

 

 

もう微熱はないよな〜〜、なんか頬が少し熱を帯びてる気がするのは、気のせいだよな〜〜…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 1/13

アメリカの航空会社で、リージョナルジェット機の先頭座席によく座っている、裕坊といいます。こんにちは。

先週、体調が優れないにもかかわらず、無理を押して5日間のフライトへと出かけていながら、2日目でダウンして帰宅していた裕坊。ほぼ1週間家でゆっくりと静養の日々………

 

亀の歩みのように、遅いペースながらもやっとのことで胸の炎症もほとんど消え去り、

ほぼ99%回復……

 

先日愛妻ちゃんに付き合って、お買い物に出掛けた時などは、まだ胸の辺りの違和感が拭いきれず、不安もありましたが、その症状もほとんど消え去って、木曜日からの2日間のフライトには、なんとか復帰できそうな見込み………両日とも担当便が1つずつですので、復帰戦にはうってつけ。あと2日間、しっかりと体調を整えます……

 

ご心配をおかけいたしました……

 

 

昨日辺りには、胸の炎症のような症状もほとんど消えておりましたので、お布団の中にもぐったまま、各パイロットに課されているオンラインの座学も少しお勉強。

パイロットは資格取得後も、その資格を維持するために講義を受けたり、飛行訓練を定期的に継続したり(最近では、ほぼ例外なくシミュレーターが使われます)技量を落とさないように、様々な課題が課されます。定期航空会社の場合には、航空法で定められたガイドラインの沿って、訓練課が座学と飛行訓練の日程を作成。

 

座学が年に一度というのは、以前と変わっていませんが、大きく変わったのは座学の内容の半分以上を、各自携帯しているタブレットにて履修できるようになったこと…… 会社の規定などが記載されたマニュアルやら、各空港の滑走路のレイアウトや出発、到着経路などが掲載された空港情報などは、以前は紙の媒体を使っておりましたが、全てタブレットに置き換えられ、それに合わせるように座学の内容もタブレットで履修ができるようになり、その分本社での座学に課される日数はかなり短くなりました。

裕坊の入社当時は、ほぼ1週間がかりだったのが、今では実質2日間…………

 

そして同じく年に一度は、飛行訓練………

我が社の場合、シミュレーターがあるミネアポリスにて…………

 

行くのは来月…………

 

2月のミネアポリスといえば、極寒の真っ只中…………

実を言うと、副操縦士から機長へと昇格したのが、今から8年前の2012年。飛行訓練がその年の2月に終わったので、それ以来年に一度の飛行訓練も、それに合わせるように、この時期に組み込まれております。これが南部の暖かいとこでの訓練なら、喜んで行くんやけどな〜〜……………

 

 

タブレットを見るだけなら、十分すぎるほど体力も回復しておりましたので、ここ数日はYouTubeのピアノの動画を見たり、最新のニュースなどをいろいろと検索したり………

 

 

イランにおけるウクライナの旅客機の墜落事故………

ちょっと残念な結果でしたね………

まぁ政治的な背景があったにせよ、墜落事故直後から事故機の残骸を集めずに、真摯に事故調査を進めて欲しかったです……

 

 

そして他の航空業界のニュースの中で目を引いたものといえば、三菱製の新型旅客機、「MRJ」改め『スペースジェット』。

納期が遅れに遅れた中で、いよいよ最終試験機である10号機が完成………

 

従来の機体のままだと、実機販売納入に必要となる型式証明が取得できないと指摘されて、飛行制御回路の配置をほぼゼロからやり直し、2箇所に振り分けるという「大手術」を施して、最終試験機の完成に漕ぎ着けたらしいです。納期の大幅な遅れを、これ以上遅らせないために、ヨーロッパから数がただでさえ少ないと言われる、配線専門の技術者を雇ってまでの苦肉の策だったのだとか………

 

名古屋から今後アメリカ西海岸のワシントン州モーゼスレイクへと飛行し、型式証明取得に向けての最終試験飛行に臨むそうです。今後の日本の基幹産業に育て上げるためにも、是非成功を祈りましょう。今年半ばの初号機納入までには、まだまだ壁があるようですが、ホンダも苦悩の末、涙ながらにプライベートジェット機の型式証明取得へと漕ぎ着けました。日本の技術力の結集を、心から祈っています。

 

 

そして裕坊の目を引いた、もう一つの話題といえば、 先週までラスベガスにて開催されていた、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES:北米での家電機器見本市)。

 

その中でも一際目立っていたといわれるのが、ソニーが開発する電気自動車。写真は、その見本市に出展された「ビジョン S」のプロトタイプ。

ただクルマ製造・販売の実績がないソニーが、自ら自動車を製造して販売しようという目論見があったわけではないらしく、今後の電気自動車の技術や部品を、自動車メーカーに売り込む、というのが目的だったらしいです。

 

そもそもかつてはトリニトロン(裕坊の父親も、開発に従事しておりました)、ベータマックスなど、画像系の技術では世界を牽引してきたソニー。そのDNAは半導体に技術の中心が移った後も脈々と受け継がれ、現在ではiPhoneを中心とするスマホ内蔵のカメラにはなくてはならない重要な技術の一つが、取り入れられています。

 

それが『CMOS』と呼ばれる、半導体を利用したイメージセンサー

実はスマホに内蔵されているカメラの技術は、このソニーの技術が盛り込まれているのだとか………

 

ソニーが生産するこの「CMOSイメージセンサー、世界のスマホのほぼ半分のシェアを占めているのだそうです。その技術を、自動運転、さらにはその発展型ともなる自律運転装置のセンサーとして、重要な部品になるのだとかで。

 

半導体政策の失敗が大きく影響して、スマホの完成品市場では、アメリカや韓国の後塵を排している日本ですが、技術力部門では世界をこれからも牽引して欲しいです。トヨタかホンダ辺りと提携すれば、ソニーのロゴが入ったクルマなんてのも見れるかも………

 

そんなクルマに乗ってみたいな〜〜………

 

 

 

何とか木曜日からの復帰を目指します。もう風邪のウイルスさん、我が家に寄ってこんといて………………

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 1/11

米国航空会社のリージョナルジェット機運転手の、裕坊といいます。こんにちは。

先日月曜日に、体調がやや優れないながらも5日間のフライトへと出かけて、2日目でリタイアしてデトロイトへと帰ってきていた裕坊。昨年末から微熱があり、胸の辺りに少し熱を持ったような感覚がしばらく続いて、これ以上続けるのは無理、と判断して病欠を使うことを決断…昨年6月以来の病欠となりました……

 

火曜日に元々2便入っていた担当予定便のうちの1便だけは担当。ニューヨーク・ラガーディア空港に到着して、

ちなみに、デルタ航空とその系列航空会社が使用しているターミナルは、次々と建て替え工事が進行中。C15からC24のゲートがあるCコンコースの南端は、レストランが既に閉店し、しかも軽食が買えていた売店も既に閉まっていますので、軽食か飲み物を調達したい方は、Dコンコースへと向かうか、C28ゲートの先にあるフードコートでお買い物をしていた方がいいです(2020年1月現在)。

 

デトロイトまでは、乗客の皆さんに混じって、客席に座ってのフライト……

 

翌朝は、裕坊の体の状態でも示すかのように、急な雪が降っておりました……

 

ただし金曜日には、急激に気温も上がって、しかもシトシト雨……

それに合わせるかのように、裕坊の体の状態も、徐々に上向きつつあります。

 

来週の木曜日には2日間だけのフライト、しかも両日とも担当便は1便だけ……そこからの復帰を目指しております……

 

ちなみにアメリカの航空会社の乗務員の給与体系といえば、意外に思われるかも知れませんが、実は時給制。1時間当たりの給与金額は、会社との契約で、機長、副操縦士、担当機種、会社所属の経歴年数などによってそれぞれ決まっていて、我がエンデバー航空の場合は、基本は75時間分が支給。

そこに休日を返上してフライトを入れたりすると、それが加算給となって75時間の最低保証給に上乗せされる仕組み……基本的に、大手航空会社の下請けの役割をこなす、裕坊所属のエンデバー航空などの場合、1時間当たりのレートは、大手と比べると半分以下……ですので、この加算給が命綱となるのですが、それも健康であってこそ………

 

では、病欠をした場合には……………

当然病欠をした部分に相当する時間数が、保証給から減額される仕組み………

 

ただ我が社も含めて、ほとんどの会社では病欠時の保証給というのがあり、毎月数時間ずつ加算される仕組みになっていて、病欠を申し出た時の穴埋め用に利用されます。ある程度それが溜まっていると、病欠で半月ほど飛べなくなったときなどでも、最低保証給は支給されるのが普通。

4日間のフライト合計20時間分が担当できなくなった場合、その20時間分を病欠保証給で充てがわれて穴埋めされるので、大抵1ヶ月当たりの最低保証給は、確保できるのです………

 

今回もお陰で助かりました………

 

やれやれ……

 

 

では病欠用の保証給を使い切っていた場合などは………

 

 

当然のことながら、穴埋めできる保証給はありません……

健康には、普段から注意しておかないといけないですね……………

 

 

ただ、胸の辺りには違和感を覚えながらも、予定のことなど気にすることなく過ごす時間もできましたので、普段はなかなか見る機会がない動画なども、ゆっくりと堪能する時間に恵まれました……

 

今回ハマっていたのが、デンマーク生まれのピアノを使ったコメディで知られた『ビクター・ボーガ(Victor Borge)』(故人)。コメディの面白さもさることながら、ピアノの実力も相当なもの。

指使いを見ているだけで、素人でもピアノの実力が一目で分かってしまう凄さの持ち主でしたが、コメディもハンパない面白さ。YouTubeでVictor Borgeと入力すると、無数に彼の生前のコメディが上がってきます。

 

圧巻だったのが、こちらも音楽界ではバイオリンの巨匠と呼ばれるバイオリニストの1人、ハンガリー出身のアントン・コントラとの共演で披露した「チャルダッシュ」。

実は、ビクター・ボーガはそれまでチャルダッシュを弾いたことが、人生一度たりとてなかったにもかかわらず、コントラ氏の提案を受けて、コントラ氏のリードの元で見事弾き通してしまいました……YouTubeで「Borge & Kontra」と検索すると簡単にヒットしますので、是非オススメ………

 

最近動画などを通して、音楽のこともほんの少し知るようになった裕坊ですが、小学校の頃やっていたことといえば、サッカーに習字くらい。あとは水泳をほんのちょっと。まぁおかげで平泳ぎだけは、普通の人よりほんのちょっとだけ速く泳げるのですが……既に小学校3年生の頃から、塾に通い始めて、特にその当時は時代背景もありましたが、ひたすら塾、塾、塾……普段は乗りたくても乗れない電車やバスに乗れるのがモチベーションにはなっておりましたので、苦にはなりませんでしたが………

 

 

できれば音楽もやってみたかったなぁ〜〜………

 

 

ピアノやバイオリンなどの動画を見るたびに、楽器ができる人が、心底羨ましい今日この頃です……

 

 

 

何とか体を完治させて、木曜日からの復帰を目指します。

 

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 1/8

米国航空会社に勤めるサラリーマンの裕坊といいます。こんにちは。

ちなみにこちらは、我が家からの今朝の写真。ほんのちょっとですが、雪が積もっておりました。

 

裕坊の年末年始は、大晦日、お正月を挟んで4日間のフライト。体調が完全でないながらも何とかこなしきり、1月3日から3日間のお休みをいただいておりました。皆様方より2日遅いお正月を迎えて、お餅をたくさんいただき、体力の回復にひたすら努めた3日間……

しっかり食べてしっかり休養すれば、3日間もすれば病気は治る……

 

30代までであれば、こんな風に数日ほど大人しくしていれば楽勝………

 

けれども現実は…………

 

 

取りあえず先日月曜日は、快晴の中を意気揚々(のフリをして……)出発……

お正月の時は若干悪寒もあったのですが、この日は少々冷たい風も気持ちよかった…… 先週は気温が氷点下だったのが、今週は一転して気温2桁に手が届きそうなほど、年始は暖かくなっている中西部。

 

デトロイト空港のマクナマラ・ターミナル。

既に旅行シーズンは終わって、ターミナル内はガラガラ……

 

どこもかしこも快晴のお天気で、乗り心地もすこぶる良好……

 

3本こなして到着した1日目の宿泊滞在先は、ノースカロライナ州の金融の町としても知られるシャーロット。

 

通路の半分が閉鎖されて行われていたターミナル内の改装工事も終わり、いよいよ全面オープン。

 

ちなみにこちらの写真が、改装中真っ只中の、通路が半分閉鎖されている状態……

開放感が全然違います……

 

真新しい天井に、ゲートの看板など全てが新しくなって、とても気持ちがよくなりました。

 

宿泊したホテルでは、無料の朝食付。

 

スクランブルエッグにポテト、ベーコン。

 

ブルーベリーにパイナップルにバニラヨーグルトをかけるなど、食欲もいっぱい……

 

2日目も、快晴の中でのスタート……

アメリカン航空の主要基幹空港の1つでもある、シャーロット・ダグラス国際空港は、フードコートがとにかく広く、選べる食事の種類もとても豊富。

 

お寿司屋さんも、ネタが新鮮で美味しいのが揃っています。

ゆっくりとテーブルで落ち着いて食べることもできますし、

 

パック詰めになったお寿司を買って、飛行機の中で食べることも可能。

サーモンにマグロ、エビに時にはハマチなど、新鮮な魚介類が豊富に揃っていて、値段もリーズナブル。

 

これでしっかり栄養つければ、残り4日間乗り切れる…………………

 

と、思っていたのですが……………………

 

 

結果は…………………

 

2日目にて、リタイア…………………

 

 

完走ならず……………………

 

 

ニューヨーク・ラガーディア空港までは取りあえずフライトも予定通りこなしましたが……

その後は、乗客の皆さんと共に客席に座って、デトロイト行きの機上の人となっておりました……

 

デトロイトには、火曜日の夜到着………

 

人生の冬がやってきてしまったのか??……………………

我が父親のように、精力的になりたい…………

 

6年前に間質性肺炎にて他界した我が父親は、生前は働き虫………若い頃などは、年間365日中364日平気で仕事しておりました……

 

その父親といえば、大学時代はフォークソングにボーリングにテニスと趣味にハマり、学校に行くのはどうやら試験の時だけだったらしいです…………あまりにも学校に行かなかったので、教室の場所を知らずに、試験の時は同級生に教室を案内してもらっていたそうな(ちなみに父親は、工学部の出身)

某電機メーカーの技術者をしている頃は、平気で徹夜などもこなしておりました。まぁ体力は見ていても有り余っていた……40代の時には既に家業を引き継いで、薬局の経営に精を出しておりましたが、その時に至っても精力ぶりは相変わらず……仕事以外でもゴルフに社交ダンスにと、余暇の時間でもあちこち動きまくり……

 

その血を引いとるはずなんやけどな〜〜…………

 

どうも父親とは同じようには行かず、同じペースで仕事をすると、半年に一度はダウンしてしまう裕坊。父親が持っていた精力が欲しい………昨年は後半にかけて休日を返上しまくって、精を出してフライトへと出かけておりましたが、ちょっとペースが過剰だったかも……しばらく静養して、本当に体力を回復させないといけません……

 

ただ普段は家でダラダラと過ごさず、ちょっとは裕坊も動いたほうがいいかも知れんなあ〜〜………

 

ちなみに母親も、既に70代後半に差し掛かっていながら、社交ダンスに精を出す毎日……環境がら、母親は最近まで運転免許を持っていなかったのですが、68にして運転免許取得……軽自動車を乗り回して、東に西にと出没しまくっております………裕坊よりも体力あるかも知れん………

 

そんな中、2日間のフライトで、4本の担当便だけはこなしました。お正月明けのニューヨーク・ラガーディア空港を通りましたが、

老朽化が激しいターミナルビルの建て替え工事は、着々と進んでおります。

 

年明け後、旅行シーズンも一通り落ち着いて、C15からC24のゲートがあるCターミナルの南東側のコンコースでは、既に売店は閉店し、

 

遂にはレストラン(実際にあったのは、軽食部門だけではありましたが…)も閉鎖。

 

各テーブルにあったiPad類は外され、かかっていた音楽も完全に止まってしまって、ひっそりと静まり返っておりました……

 

1日目は、ラガーディア空港では2時間ほどの地上待機がありましたので、そこで持参のお弁当をいただきましたが……

改装工事が着々と進んでいることを伺わせるように、ここでもiPadが外されておりました……

 

ただ次のターミナル開業までは、最低でも1年から1年半かかる見通し。もうしばらくこのコンコースの運用は、続くことになりそうです。

 

 

今週一杯は静養して、今度こそ体力の100%の回復に努めます………

 

 

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 1/4

アメリカのリージョナル航空会社で、操縦を担当している裕坊といいます。こんにちは。

先日1月2日、大晦日と元旦を挟んだ4日間のフライトを、『低空飛行状態』で何とか終えて帰宅した裕坊。

 

少し風邪気味のままの「不安定状態」ながら、何とか4日間のフライトこなし切って「無事着陸」……

ちょっと無謀といえば無謀ではありました……鼻が詰まっていなかったのが、不幸中の幸い……

 

少し栄養価の高いものをいただいて、少しでも体力回復に努めないといけません……月曜日からは、次の5日間のフライト………

 

帰宅してからは、裕坊にもやっと3日遅れのお正月………

実家が送ってくれていたお餅などをいただいて、お雑煮におぜんざい……お正月気分を、遅ればせながら味わっております……

 

そして迎えた2020年……なんとか日本にとって、いい1年であって欲しい……

まず2020年といえば、東京オリンピックの開催の年ですね。各競技の日本代表選手の活躍を、心から祈っております。

 

普段であれば、毎年愛妻ちゃんと息子くんの夏休みに、日本へと帰国しておりますが…………

 

 

今年は、アメリカからの日本行きは、どれも満席になるかも知れん………特に東京行きは、スタンバイだと乗れんかもなぁ………

 

 

あと今年は、いよいよ通信技術の革命児ともなりそうな、5G(第5世代)の通信技術がいよいよ商業用に導入されそうですね。既存のスマホの通信を支えるのは、第4世代。それが第5世代になると、通信速度、通信容量は現行のと比較すると、およそ1,000倍にもなるのだそうですね。

2時間分の映画ですと、現行だとおよそ5分から6分ほどダウンロードにかかるのに対し、第5世代ですと、ダウンロードにかかる時間、

 

 

たったの3秒………

 

 

通信容量が莫大に大きくなる上に、通信遅延、いわゆるタイムラグが少なくなります。というより、ほとんどなくなります。映画などのダウンロードが早くなるだけでなく、常に最新の情報を必要とする機械類の操作系にも、多彩に活用されるようになるでしょう。

 

その中でも貢献度が高いと期待されているのが、自動運転への導入……

 

既に電気自動車メーカーのテスラなどでは、本格的に自動運転の技術を導入していて、最上級の車ともなると第2世代の自動運転機能が導入済み………

但しテスラの場合は、自動車に取り付けられたレーダーセンサーによって、障害物などを把握する仕組み……

 

第5世代の通信技術を導入した自動運転車の場合は、交差点や道路脇などに設置されたセンサー、或いは周辺を走る車などと通信網を使って情報通信を行い、最適の速度や進行方向などを保つという仕組み……

本格的な通信技術を採用した自動運転の、先駆けの年になるかも知れません……

 

今後5年後、10年後といったスパンの間に、自動運転が標準化されるようになってくると、恐らくその技術は航空業界にも伝搬することでしょう……航空機の運航における省力化は、今後更に進むことになるのは、間違いありません……

ただでさえ、現在の航空機は一旦離陸すると、実際の運航はほとんど自動操縦に委ねられているのが現実……パイロットが操縦桿を握っているのは、せいぜい離陸、着陸、或いは旅客ターミナルの搭乗ゲートと滑走路の間の地上滑走くらいなもの……

 

既に軍用機の世界では、制限付きながらも完全無人による飛行機は実現しており、

実際にアフガニスタンにおける空爆では、有人機による爆撃よりも、ドローンの方が多くの場面で活躍しました。

 

既に戦闘機の世界にも、無人飛行機の技術は浸透していて、艦載着陸などは空軍パイロットよりも技術が遥かに高いのだとか………

旅客機の世界に人工知能を利用した無人飛行が実現するには、最低でも10年はかかるでしょうが、もう技術はそこまでやってきています。100年後、或いはもっと遠く先を見据えて1,000年後といった遠い遠い将来にまで、パイロットが現行体制と同じく2人体制で操縦席に座って、飛行機を操縦しているとは到底考えにくいですから、こればっかりは最早時間の問題……あとは10年後に実現しているか、100年後の話になっているかというだけのお話………

 

 

裕坊が想像するに、20年後の2040年が1つの区切りになるのでは、と想像しています……

 

 

AIでは緊急事態に対応できないという声はありますが………そのAIも、我々の想像を超える速さで進化しているのも事実……

 

星の数をも超える、無数の手法が操られる囲碁の世界では、AIが人間の知能を上回ることがないと言われておりましたが………

実際に対戦してみると、人間が完敗………

 

現在のAIは更に進化して、各国を代表するプロ棋士を以ってしても、60戦全敗………しかもどの対戦でも大差をつけられ、人間のプロ棋士は全く歯が立たなかったのだとか………

 

 

航空機の場合、新しい機種に乗務する際には、パイロットたちは訓練過程において、マニュアルやら飛行機のシステム、或いは飛行操作手順などを記憶するのに、だいたい1ヶ月から2ヶ月を費やすのですが、AIがそれを記憶するのに費やす時間………

 

 

たったの数秒…………

しかも膨大なデータを一瞬にして飲み込み、飛行機の各機械類の動作状況も瞬時で把握できますから、AIが一旦理想的な進化領域まで達してしまうと、緊急時の対処も、AIの方が圧倒的に早くなります………

 

 

完全無人による旅客機の運航に当たって、一番大きな障壁となるのは、一般人の無人機による運航に対する信頼感でしょう。自動運転の一般導入に伴って、その認識もいずれは変わるような気がしてなりません。2020年は、その皮切りの節目になりそうな予感……

 

 

少子化の問題も、喫緊の課題。2019年度は、日本における出生数が90万人を割り込み、86万人台になりそうだとの予測……今のままでの推移でいくと、2060年には5人に2人が65歳以上になり、人口統計予測でも8,700万人まで落ち込むそうです。今後の人口減少率、なんと30%………実はこの予測人口減少率、驚くことに日本が現在世界で1番高いのだそうです……

 

 

裕坊に、何か出来ることないかな〜〜…………

 

 

もちろん個人で出来ることなど、限られていますし、今は知識も不十分………

日本という国が永続していくためには、次世代を引き継いでくれる子供たちが必要………

 

裕坊に何ができそうか、そのヒントを自らに与える1年にしたい、これが裕坊の2020年の長期の目標………

 

 

では、短期の目標は………………

 

 

風邪を治すことです………………

 

 

 

 

 

 

新年明けましておめでとうございます

新年明けまして、おめでとうございます。米国航空会社にて、小さなジェット機に乗っている、裕坊と申します。

サービス産業における年末年始は、日本だけでなくアメリカにとっても掻き入れ時。大きなお休みといえばクリスマスにはなってしまうものの、お正月とは1週間しか離れていませんから、日本と同じくこちらでも「民族大移動」が起こります……その大事な時期は、日本のJRほどではないにせよ、アメリカの航空会社でも便数を増やしたりして対応しますから、それに合わせて動員される乗務員の数も増えることになります。

 

そんな大事な時期にあって、昨年の年末年始は、旅客航空会社でも世界最大になるアメリカン航空が、必要最小限のパイロットを配置しないという大失態………必要以上にクリスマスの休暇を発行してしまうという「大盤振る舞い」をしてしまい、年末年始の多数の便に欠航が出るかもしれないと、大騒ぎになったことがありました……

この時は、結果的には休日を返上してクリスマスや年始のフライトをカバーしてくれる乗務員に、かなりのお給料をはずむことによって、欠航を防いだらしいです。実際には飛んだ時間分を、通常の2倍のレートで計算して、1ヶ月のお給料に上乗せしたのだとか………

 

独身貴族を初めとする、若い人たちが多く頑張っていたようでした……

アメリカン航空パイロット組合に対して、本社からのオファーがあったんだそうです。ちゃんとしたオファーでしたので、

 

決して、こういうことをやっていたわけではありません…………

 

アメリカの航空会社では、ほぼ例外がゼロといっていいくらい、『社歴順』にてスケジュールが決まります。具体的には、会社での経歴が長い順に、自ら希望する休日であったり、フライトスケジュールなどを取得できるという仕組み。最近では、ほとんどの航空会社でPBS(preferential bidding system)が採用されるようになっています。日本語に直訳すると、希望入札制度。

 

具体的には、会社の従業員専用のホームページにアクセスし、次月用のスケジュール入札のページへと入って、

そこで様々な項目の希望を入札。特定の日の休暇希望であったり、週末の休暇希望であったり……アメリカ人にとっての自分の希望するスケジュールとは、1日でも多い休暇日数を指すことが多いので、この項目が実際にいの1番に上がってくるのは、アメリカならでは………

 

フライトへと出る際には、3日間のフライトを希望するのか、4日間のフライトを希望するのか、はたまた5日間まとめて飛ぶのを希望するのか………或いは空港へのショーアップをお昼以降に希望するのか、それとも午前中に空港へとショーアップして、早めにフライトを終えるのがいいのか……ニューヨークやシカゴ、オーランドなど、特定の都市での宿泊滞在希望を入れることもできます。

入札順が1番であれば、ほぼ例外なく毎月自らが希望するスケジュールが取得でき、逆に1番下ですと、ほとんど残り物が回ってくる世界……お相撲でいうところの、序の口の同じ役割………お相撲の世界と違うのは、お相撲の世界では実力次第で番付を上げることができますが、航空会社の世界ではどんなに努力をしようとも、この順番が変わることは、永遠にないということ。パイロットのAさんよりも下であれば、その会社に勤める限りは、永遠にAさんの下であり、パイロットB君の上であれば、会社を変わらない限り、永遠にB君の上に居続ける、これがアメリカの航空会社における『シニオリティー」の世界……

 

 

で、裕坊はというと…………

 

 

今の航空会社に勤め始めて、13年7ヶ月。リージョナル航空会社とは、ほとんどのパイロットにとって、まずは「経験値を積む」場所であることが多く、入れ替わりがとにかく激しいので、平均在籍年数は大抵10年にも満たないのが普通。裕坊の勤める会社での平均在籍年数は、およそ7年ほど……ですから、社内での「社歴順」そのものは、ほぼ2,000名いるパイロットの中でも350番目ほどにはなるのですが……

 

実は、希望する機種であったり、配属先であったり、機長か副操縦士の役割なども「社歴順」で決まる仕組みなのです……裕坊が所属するデトロイト、CRJ−900型機、機長というのは、社内でも2番目に人気のポジション。(ちなみに我が社での一番人気は、ミネアポリスのCRJ−900型機の機長で、裕坊はまだ必要な社歴を満たしておりません……)そんな中にあっての入札順は、まだ中の上……正確には12月時点で、122名中58番目……

 

今年は過去最高の旅客数を見込んでいたようで、通常各路線3本から4本の運航のところ、5本、6本態勢などにして、それに合わせるように各パイロットも動員されることになり………

 

 

裕坊、年末年始のスケジュールはほぼ撃沈状態でした…………

 

 

クリスマス前後は、12月23日から5日間連続のスケジュール。ただこの時は、クリスマス当日の12月25日を家族と共に、ニューヨーク州ローチェスターにて過ごせることになり、この時はちょっとひと息………

 

ニューヨーク州ローチェスターには、カメラ会社の「コダック」の本社があったり……

 

ハイフォールズと呼ばれる、迫力のある滝が市内の中心を流れていたり……

 

19世期から営業を続ける、ビール会社があったりと、意外にも見どころはいっぱい……

楽しいひと時を、家族と共に過ごしました………

 

ただこの時は、翌日12月26日の始発のアトランタ行きのMD−90型機が故障した煽りを受けて、家族がデトロイト行きに乗れなくなるというハプニングも………

 

アトランタ経由で予約をしていた乗客が、他便に振り替えになり、空席があったデトロイト行きは各便とも満席になってしまったらしいです……

幸いにもこの時は、ハプニングの原因になったアトランタ行きの機体に、7時間遅れの出発で家族は搭乗……

 

アトランタで普段裕坊が舌鼓を打っているという、シーフードのお店へと立ち寄って、デトロイトまで帰るという珍道中……

 

 

裕坊はその後、5日間のフライトを終えて、ほとんど間髪置かずに次の4日間のフライトへと、大晦日前日の12月30日のお昼過ぎに出発。

 

訪れていたのは、雪が降りしきるミシガン州北西部に位置するトラバースシティであったり……

 

宿泊したホテルには、まだ可愛らしいクリスマスのデコレーションが、あちこちに飾られたままになっておりました。

その翌日は大晦日……

 

デトロイトを遅くに出発したのですが、実はこの日の晩はデトロイトでもけっこう雪が降りしきり……

離陸前の除氷作業待ちで、なんとゲート出発から離陸まで1時間20分を費やし………

 

 

ホテルに到着する頃には、新年が「明けて」しまっておりました………

 

 

10時間の短時間滞在(ホテルでの実質滞在は、およそ8時間半ほど……)だったこともあって、この時はすぐに「フテ寝」…………

そして迎えた元旦の日……

 

2便を担当して、夕方7時ごろには宿泊滞在先のホテルにも到着。普段週日の夕方には、軽食が提供されるホテルだったのですが……

元旦とあって、軽食の提供はなし……

 

ただキッチン付きのホテルで、電気式のコンロもありましたので………

 

やっとの思いで………

 

『年を越したそば』をいただきました…………

 

前回の4日間のフライトでは、1日目の宿泊滞在が18時間と長かったので、本当は日本での元旦に合わせるようにブログを上げたかったのですが、実をいいますと4日間を通して体調が優れず、ホテルでの滞在中は体調を整えることに専念しました……

 

本当のことを打ち明けると、4日間のフライトを終えられたことが、奇跡だったくらい…………

今も少し頭がフラフラする中、キーボードを叩いております……

ただ熱は下がり、少し張りがあった胸も軽くなって、ちょっとやれやれ……

 

50を過ぎましたので、まずは健康に過ごせること……これは今後の毎年の目標になることでしょう……

 

 

皆さま、今年も宜しくお願いします。そして皆さんにとって、実り多い1年になりますように。