yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

新年明けましておめでとうございます

新年明けまして、おめでとうございます。米国航空会社にて、小さなジェット機に乗っている、裕坊と申します。

サービス産業における年末年始は、日本だけでなくアメリカにとっても掻き入れ時。大きなお休みといえばクリスマスにはなってしまうものの、お正月とは1週間しか離れていませんから、日本と同じくこちらでも「民族大移動」が起こります……その大事な時期は、日本のJRほどではないにせよ、アメリカの航空会社でも便数を増やしたりして対応しますから、それに合わせて動員される乗務員の数も増えることになります。

 

そんな大事な時期にあって、昨年の年末年始は、旅客航空会社でも世界最大になるアメリカン航空が、必要最小限のパイロットを配置しないという大失態………必要以上にクリスマスの休暇を発行してしまうという「大盤振る舞い」をしてしまい、年末年始の多数の便に欠航が出るかもしれないと、大騒ぎになったことがありました……

この時は、結果的には休日を返上してクリスマスや年始のフライトをカバーしてくれる乗務員に、かなりのお給料をはずむことによって、欠航を防いだらしいです。実際には飛んだ時間分を、通常の2倍のレートで計算して、1ヶ月のお給料に上乗せしたのだとか………

 

独身貴族を初めとする、若い人たちが多く頑張っていたようでした……

アメリカン航空パイロット組合に対して、本社からのオファーがあったんだそうです。ちゃんとしたオファーでしたので、

 

決して、こういうことをやっていたわけではありません…………

 

アメリカの航空会社では、ほぼ例外がゼロといっていいくらい、『社歴順』にてスケジュールが決まります。具体的には、会社での経歴が長い順に、自ら希望する休日であったり、フライトスケジュールなどを取得できるという仕組み。最近では、ほとんどの航空会社でPBS(preferential bidding system)が採用されるようになっています。日本語に直訳すると、希望入札制度。

 

具体的には、会社の従業員専用のホームページにアクセスし、次月用のスケジュール入札のページへと入って、

そこで様々な項目の希望を入札。特定の日の休暇希望であったり、週末の休暇希望であったり……アメリカ人にとっての自分の希望するスケジュールとは、1日でも多い休暇日数を指すことが多いので、この項目が実際にいの1番に上がってくるのは、アメリカならでは………

 

フライトへと出る際には、3日間のフライトを希望するのか、4日間のフライトを希望するのか、はたまた5日間まとめて飛ぶのを希望するのか………或いは空港へのショーアップをお昼以降に希望するのか、それとも午前中に空港へとショーアップして、早めにフライトを終えるのがいいのか……ニューヨークやシカゴ、オーランドなど、特定の都市での宿泊滞在希望を入れることもできます。

入札順が1番であれば、ほぼ例外なく毎月自らが希望するスケジュールが取得でき、逆に1番下ですと、ほとんど残り物が回ってくる世界……お相撲でいうところの、序の口の同じ役割………お相撲の世界と違うのは、お相撲の世界では実力次第で番付を上げることができますが、航空会社の世界ではどんなに努力をしようとも、この順番が変わることは、永遠にないということ。パイロットのAさんよりも下であれば、その会社に勤める限りは、永遠にAさんの下であり、パイロットB君の上であれば、会社を変わらない限り、永遠にB君の上に居続ける、これがアメリカの航空会社における『シニオリティー」の世界……

 

 

で、裕坊はというと…………

 

 

今の航空会社に勤め始めて、13年7ヶ月。リージョナル航空会社とは、ほとんどのパイロットにとって、まずは「経験値を積む」場所であることが多く、入れ替わりがとにかく激しいので、平均在籍年数は大抵10年にも満たないのが普通。裕坊の勤める会社での平均在籍年数は、およそ7年ほど……ですから、社内での「社歴順」そのものは、ほぼ2,000名いるパイロットの中でも350番目ほどにはなるのですが……

 

実は、希望する機種であったり、配属先であったり、機長か副操縦士の役割なども「社歴順」で決まる仕組みなのです……裕坊が所属するデトロイト、CRJ−900型機、機長というのは、社内でも2番目に人気のポジション。(ちなみに我が社での一番人気は、ミネアポリスのCRJ−900型機の機長で、裕坊はまだ必要な社歴を満たしておりません……)そんな中にあっての入札順は、まだ中の上……正確には12月時点で、122名中58番目……

 

今年は過去最高の旅客数を見込んでいたようで、通常各路線3本から4本の運航のところ、5本、6本態勢などにして、それに合わせるように各パイロットも動員されることになり………

 

 

裕坊、年末年始のスケジュールはほぼ撃沈状態でした…………

 

 

クリスマス前後は、12月23日から5日間連続のスケジュール。ただこの時は、クリスマス当日の12月25日を家族と共に、ニューヨーク州ローチェスターにて過ごせることになり、この時はちょっとひと息………

 

ニューヨーク州ローチェスターには、カメラ会社の「コダック」の本社があったり……

 

ハイフォールズと呼ばれる、迫力のある滝が市内の中心を流れていたり……

 

19世期から営業を続ける、ビール会社があったりと、意外にも見どころはいっぱい……

楽しいひと時を、家族と共に過ごしました………

 

ただこの時は、翌日12月26日の始発のアトランタ行きのMD−90型機が故障した煽りを受けて、家族がデトロイト行きに乗れなくなるというハプニングも………

 

アトランタ経由で予約をしていた乗客が、他便に振り替えになり、空席があったデトロイト行きは各便とも満席になってしまったらしいです……

幸いにもこの時は、ハプニングの原因になったアトランタ行きの機体に、7時間遅れの出発で家族は搭乗……

 

アトランタで普段裕坊が舌鼓を打っているという、シーフードのお店へと立ち寄って、デトロイトまで帰るという珍道中……

 

 

裕坊はその後、5日間のフライトを終えて、ほとんど間髪置かずに次の4日間のフライトへと、大晦日前日の12月30日のお昼過ぎに出発。

 

訪れていたのは、雪が降りしきるミシガン州北西部に位置するトラバースシティであったり……

 

宿泊したホテルには、まだ可愛らしいクリスマスのデコレーションが、あちこちに飾られたままになっておりました。

その翌日は大晦日……

 

デトロイトを遅くに出発したのですが、実はこの日の晩はデトロイトでもけっこう雪が降りしきり……

離陸前の除氷作業待ちで、なんとゲート出発から離陸まで1時間20分を費やし………

 

 

ホテルに到着する頃には、新年が「明けて」しまっておりました………

 

 

10時間の短時間滞在(ホテルでの実質滞在は、およそ8時間半ほど……)だったこともあって、この時はすぐに「フテ寝」…………

そして迎えた元旦の日……

 

2便を担当して、夕方7時ごろには宿泊滞在先のホテルにも到着。普段週日の夕方には、軽食が提供されるホテルだったのですが……

元旦とあって、軽食の提供はなし……

 

ただキッチン付きのホテルで、電気式のコンロもありましたので………

 

やっとの思いで………

 

『年を越したそば』をいただきました…………

 

前回の4日間のフライトでは、1日目の宿泊滞在が18時間と長かったので、本当は日本での元旦に合わせるようにブログを上げたかったのですが、実をいいますと4日間を通して体調が優れず、ホテルでの滞在中は体調を整えることに専念しました……

 

本当のことを打ち明けると、4日間のフライトを終えられたことが、奇跡だったくらい…………

今も少し頭がフラフラする中、キーボードを叩いております……

ただ熱は下がり、少し張りがあった胸も軽くなって、ちょっとやれやれ……

 

50を過ぎましたので、まずは健康に過ごせること……これは今後の毎年の目標になることでしょう……

 

 

皆さま、今年も宜しくお願いします。そして皆さんにとって、実り多い1年になりますように。