yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 6/2

米国小型旅客機専門航空会社、操縦担当の裕坊と申します。こんにちは。

航空業界の大幅需要減に対応して、各航空会社とも運航便を大幅に欠航。6月以降はコロナウィルスの需要減を見込んだスケジュールが組まれ、乗務員へのフライトの割り当ても通常とは大きく異なっています。平常時であれば、各所属先で7割ほどのパイロットが、担当便が既に決まった通常のスケジュールとなり、残りの3割ほどは欠員補充要員。アメリカの航空業界ではリザーブと呼ばれます。

 

アメリカの軍隊でもスタンバイ要員、部隊は同様にリザーブと呼ばれますので、おそらくこの呼び名は、軍隊から来ているのでしょう。

デルタ航空の子会社のエンデバー航空の所属先は5箇所で、最大のパイロット人員を抱えるのはニューヨーク。ラガーディア空港とケネディ空港の、2空港を管轄します。76名仕様のCRJ−900型機の機長で、ニューヨークに所属しているのは、現在250名。2019年6月エンデバー航空によるニューヨーク両空港合計での運航便数の平均は、1日当たり302便だったのに対し、今年6月は1日平均で10をやっと超えるほどですので、大半がリザーブになっています。通常のスケジュールを割り当てられたのは48名で、残り202名は全員リザーブになりました。

 

裕坊が所属するデトロイト空港でも、ニューヨークほどには歪ではないものの、6月はリザーブ機長の数が通常スケジュールを持つ機長の数を上回っています。裕坊自身も今月はリザーブ……会社の呼び出しから、最短で12時間後に出勤するパターンのリザーブで1ヶ月を過ごします。

 

12時間後に出勤のパターンですと、一旦呼び出しがかかってから出勤までの間に、連邦航空法上必要とされる地上での休息時間10時間を十分取ることができるので、24時間7日体制でリザーブ待機をすることも可能。このパターンは、業界ではロングコール(Long Call)と呼ばれます。裕坊はこのパターンを利用して、6月17日(水)までを毎日リザーブシフトで過ごすことになりました。

ちなみにリザーブのパターンには、代表的なもう1つのパターンがあり、呼び出しから最短で2時間後(我が社の場合、1時間45分)に空港に出勤するタイプがあり、業界ではショートコール(Short Call)と呼ばれます。

 

このパターンですと、電話呼び出しから空港への出勤までに連邦航空法の規定する10時間という休息は取れませんから、会社が指定する時間から業務が始まったものと見なされ、法律上も連続して6日を超えてリザーブ業務を入れることができないのが、ロングコールとの大きな違いになります。これは小型機専門のリージョナル航空会社特有のパターンで、大手でこの方式を採用している旅客航空会社は、現在はほぼなくなりました。

 

連邦航空法には、リザーブ、通常のスケジュールに関わらず、もう1つ順守しなければならない規定があります。それは連続する168時間のうち、どこかで連続する30時間の休息時間を取得しなければならない、というもので、例外は認められません。

リザーブの場合、フライトが入らなかったからといって全ての時間が休息と見なされるわけではなく、30時間の休息時間の割り当ても、会社から予め通達しておく必要があります。実を言いますと、このブログを書いている途中に、会社からアプリ経由でリザーブ時間の短縮の連絡が入り、早速明日丸一日と木曜日の午前中6時間が、連続する休息時間として割り当てられることになりました。

 

今日6月2日の運航便数は、デルタ航空管轄内で合計1,253便。内訳はデルタ航空本体が681便、エンデバー航空303便、スカイウェスト航空(本社ユタ州)233便、リパブリック航空(本社インディアナ州)28便。これは先週からすると177便、約16%の増便。また6月1日にTSAが管轄する、保安検査場を通過した人の数は全米で353,900名となっていて、先週火曜日からすると3.5%の増加だそうです。アメリカでは多くの州ではコロナウィルスの新規感染が落ち着きつつあり、客足も徐々にではありますが、戻ってはきているようです。ただ絶対運航数自体がかなり減っていますので、今月裕坊が操縦席に座るかどうかは、ちょっと微妙なところではありますが……

 

 

それに呼応するかのように、ミシガン州でも昨日6月1日(月)には、新たな州施策が発表になり、6段階ある規制のうち4段階までが解除されることになりました。新規感染も死者数も継続して減少しており、感染症科の病床数にも余裕が持てるようになってきているようです。

写真は、昨日6月1日(月)にミシガン州都ランシングにおいて会見を行う、グレッチェン・ウィトマー・ミシガン州知事。段階的に規制解除には向かっているものの、第2波への警告を忘れていなかったのが印象的ではありました。

 

まず各家庭に課されていた外出規制は全面的に解除。6月12日(金)までの延長を掲げていた外出禁止令を、前倒しして解除することになり、理由を問わず自由に外出ができるようになりました。そして段階的に再開ができる業種を細かく列記しています。

 

まず6月4日(木)に再開できる業種は、一般小売店。先週までは予約制で対応が可能な一般小売に限り再開していたものの、予約なしでの小売販売も可能になります。

 

そして6月8日(月)に再開可能な業種は、レストラン、バー、スイミングプール、図書館、美術館、博物館など。ただスイミングプールは、消防法で定められた定員の半数以下にとどめることが条件だそうです。

アウトドアでのフィットネスクラブなどの営業も、来週月曜日から解禁されることになりました。人口密度が低く、感染者数も死者も少ないミシガン州中部から北の地域にかけては、さらに進んだ規制解除に動くようです。

 

ただ第4段目の規制解除を以ってしても、強制閉鎖を課されたままの業種は残ります。その代表格が映画館……

室内で換気が保証できないとされる施設では、今後も再開はできません。他にも劇場であったり、ジム(室内型)、フィットネスセンター(室内型)、室内型スポーツ施設など。美容院であったり、ネイルサロンであったり、マッサージ施設などもしばらく休業を課せられ、カジノ、ボーリング場、遊園地、スケートリンク、ダンススタジオなどもこのまま営業不可の規制が課されたままになります。

 

再開が許可される施設でも、州から遵守すべき要項は出されているようで、マスク着用の義務づけ、他人との2メートルの距離の確保、定期的な消毒作業の義務づけなど、コロナ感染を食い止める最大の努力を課すように指示されています。

 

 

3ヶ月間ずっと閉鎖しっぱなしだったデトロイト空港の事務所も、先週になってようやく業務再開。従業員証がやっとのことで更新できました……

毎年本人の誕生月の月末までに更新をするのですが、今年は3月から5月中旬まで事務所が閉鎖……待ちに待った挙句の業務再開となりました。従業員証の更新ではオンライン予約を取った上で更新を受付、いざ建物へ入る際には入場できる人数を制限した上での手続きという徹底ぶりでした……当然事務所へ入るには、マスクは全員着用義務付け。

 

 

まだまだコロナウィルス渦前の日常生活を取り戻すには、時間がかかりそうです。