yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 5/13

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

今日の裕坊、お休みの2日目。水曜日からはまたしても、5日連続でフライトが入るスケジュール。しかも5日連続で出ずっぱりで、5日間ともフライト。

普段5日連続のスケジュールの場合、宿泊滞在先で、1日丸々どこかで休みになるんやけどな〜………

 

ゆっくり休みたいところではありますが、一軒家を持っている以上、家の手入れを何かしなくてはいけません……

 

こちらアメリカは、DIY先進国。大きな改装でも自分たちでやるのが当たり前……キッチンや浴室の大改装も自らの手でこなしてしまいます。

 

古くなった浴室の流し台や浴槽などを取り払って、壁ごと外してしまい、 壁まで剥き出しにした上で………

 

壁を新しく据え付けた上で、新しいキャビネットやらシャワールームを取り付けたり……

 

古くなって使い勝手も悪くなったキッチンも……

 

大胆に全てを取り外して……

 

タイルを新しく張り替えて新築のようなキッチンにまで、自分たちの手で全部やっちゃいます…………

 

ありえん………

 

裕坊は、元々あまり手先が器用な方ではなく、そもそもDIYの知識自体がない…………

 

それでも我が家の購入後は、家の内壁のペンキ塗りや………

家中壁紙だらけでしたので、それを外す作業からだったのですが……

 

これがまぁ、本当に時間がかかる、根気のいる作業でした………

 

我が家を購入直後は、あちこちの壁紙を剥がして、一時は本当にこの状態……

本当に途方に暮れておりました……

 

壁紙を剥がしきった後は、ヤスリをかけて壁をなるべく平らな状態にし……

 

そのあとはプライマーと呼ばれる、ペンキの下地を塗った上で、

 

最後がペンキ塗り。

まだ一部残っているのですが、我が家を購入後、ほぼ4ヶ月に渡ってこの作業に時間を費やしました……

 

あと動かなくなっていたガレージドアのオープナーの取り付けも……

こちらも1日がかりの作業……

 

家を購入した年の大晦日に、愛妻ちゃんとともに2人で、頑張りました。

 

今、ガレージドアの外にある、リモコンがちょっと不調にはなっておりますが………

 

でも他に出来ることといえば、芝刈りくらい………

 

我が家の前にある、クラブアップルと呼ばれる、りんごの木の一種。

既に花を咲かせ始めています。 その横にあるのが、八重桜……

我が家を購入した時には、もう一本枝垂れ桜のような桜の木があり、ソメイヨシノに似た色の花びらをつけていたのですが、そちらは既に枯れてしまっていて、今はそこは芝生の一部になっています……

 

我が家にとって、最後の桜の木。蕾を今年は去年の倍はつけていますので、何とか花を咲かせてほしい………

厳しい冬が続いたミシガン州の中にあって、この木は本当によく頑張ってくれています。

 

さて芝刈り作業………

 

芝にもいろいろ種類はあるようで、 裕坊がかつて住んでいたフロリダは、葉の横幅が広いセントオーガスティン、という芝生の普及率が大。

 

あとバミューダ芝という、ゴルフ場の、グリーンでよく使われているのは、フロリダなどの暖かい気候でよく育つ芝の一種類だそうです。

 

日本でゴルフ場で、一時期かなり普及していた高麗芝に似ていて、芝の茎葉が太く、芝目が生じて、グリーンが重くなるのが特徴。最近は日本のゴルフ場でもベント芝の採用が増えてきたそうですが、今でも沖縄ではバミューダ芝が多いようです。

 

ミシガン州で最も普及している芝の種類というと、レッドフェスクと呼ばれるこちらの芝。

あまりメンテナンスいらずの、一般家庭でも扱いやすい芝。葉の幅がとても細く、低温を好み、日陰にも強く、水や栄養剤がなくても枯れにくいのが特徴。

 

緑色も濃いめで、とても見た目もいいのが特徴。

 

あと冬に強い芝の代表選手が、ベント芝。ゴルフ場では、こちらを採用することが増えてきているそうです。

1〜2センチに刈り込んでも、ほとんど枯れることがなく、ゴルフ場のグリーンに適している、ということで圧倒的に普及してきたベント芝。ただほぼ2日おきに刈る必要があるので、一般家庭向きではないようです。

 

我が家も中心は、レッドフェスク芝。実際にはこちらのホームセンターで販売されている芝の種は、レッドフェスクにケンタッキーブルーグラスが混ざったものだそうです。

 

芝刈りとともに手入れをしなくてはいけないのが、

実はこちら、たんぽぽ。

 

日本では、とても可愛いお花として可愛がられるたんぽぽなのですが、

 

実はアメリカでは、たんぽぽは芝生にとっては大敵として扱われ、害草として見なされます。 ですから、こんな芝生の栄養剤に、たんぽぽ除去の薬品が入ったものを蒔いたり、

 

単体で生えていたりする場合は、

 

こんな器具を使って、根から掘り出してしまいます…

 

けっこう長い根を張っておりました……

このたんぽぽ、特に西洋たんぽぽは根が深く、繁殖力が強力なのが特徴。日本にもかなり入り込んで、日本に古来からある日本たんぽぽは、ほぼ絶滅状態なのだそうです。

 

その日本たんぽぽと西洋たんぽぽの違いはというと、

花びらを支える、ガクという部分が綺麗に閉じているのが、日本たんぽぽ。開いているのが、西洋たんぽぽだそうです。

 

今日は芝生を刈って行きます。

 

この時期は芝生にとって、生育に最も適した気候条件……

 

数日の間に、かなり伸び放題となっておりましたので、

こちらも短く刈り込みました。

 

スッキリ………

 

 

5日間連続のフライトの前、もう1日お休みです。

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/12

皆さんこんにちは、リージョナル航空会社サラリーマン、裕坊です。

今月は久し振りに「飛ぶパイロット」を目指し、1ヶ月の担当スケジュールが決まっている、通常のパターンで飛んでいる裕坊。今週は全て4時台起き……

土曜日の昨日は5時半出発のシャトルとあって、4時前には目を覚ましておりました。 一般宿泊客の姿がほとんど見えない中を、眠い目をこすりながらロビーまで歩いて行くと……

かなりの数のパイロットの姿が見える……

 

どうやら声をかけてみると、アトラスエアという、貨物専門の航空会社のパイロットのようでした……アトラスエアといえば、白が基調の紫色の尾翼の塗装というイメージを思い浮かべるのですが、じつは様々な会社や政府機関との契約を元に飛ぶことも多いらしく、この代表的なアトラスエアカラーの貨物専用ボーイング747だけでなく、

 

旅客チャーターも請け負うことがあるのだそうで、

6機ほど、旅客機版のボーイング747型機を抱えているのだとか。ちゃんと客室乗務員もいるそうです。機体はいずれもユナイテッド航空デルタ航空が使用していた機材ということでした。

 

他にもDHL塗装の機体に……

 

アマゾンのロゴが尾翼に入った、プライムエアの運航や……

あと名古屋のセントレアで時々見かけることができる、こちらドリームリフター。ボーイング747の改造型で、現在では日本の大手航空会社でも主力になっているボーイング787の、胴体や主翼、エンジンなどを各工場からアメリカのエバレット工場や、サウスカロライナチャールストンの製造ラインへと運ぶのが主な役割。

ただドリームリフターの契約は、今年いっぱいまでで、それが更新されるかどうかは、まだ微妙なのだ、と言っておりました。

 

実はシンシナティ空港の南側手の駐機場には、カラフルな塗装を纏った貨物専用機が停泊しているのですが、要はアトラスエアがほとんどを占めてたってことなわけやね………

やっぱり聞いていると、飛んでいるのは深夜から早朝なのだとか……… 特にアトラスエアの場合、多くは長距離国際線の運航に携わっているようで、長い時には19日間、ほぼ3週間出ずっぱりになることもあると言っておりました……

 

貨物専用便の場合、深夜運航が多く、体に蓄積される疲労、消耗はやっぱり激しいのでしょう……引退後の平均余命は旅客機のパイロットに比べると、どうしても短くなるそうです………あるデータによると、引退後の平均余命が10年にも満たないのだとか……心筋梗塞、心臓発作など、心臓に関わる病気が圧倒的に多いんだそうです。

 

貨物航空会社の大手にもなると、それはそれはお給料がいいのですが、就職したいか、となると、やっぱり考えてしまう………

そのアトラスエアのクルー、我々より一足先のシャトルにて出発していきました。

 

裕坊が乗る旅客ターミナル行きのシャトルは、5時30分。まだレストランも開かないような時間の出発ともなると、

 

ホテルのロビーには大抵コーヒーのサービスがあって、

 

今朝はこんなものまで持たせてくれました…

 

中身をコックピットに乗って、広げてみると……

水のボトルに果物、マフィン……さすがに豪華な朝食とはいきませんが、お腹はいっぱいになります。

 

デトロイトを経由して、今日やってきたのはカナダ最大の都市トロント

最近大型機の往来が増えて、裕坊の乗るリージョナルジェット機は、通常のゲートから弾き出される形になり…… 飛行機据え付けの階段にて、お客様をお見送りすることに……

上の写真は、到着後、裕坊が座る操縦席から写しています。

 

実はカナダへの往復便をアメリカから担当する場合、地上での折り返しが90分(1時間30分)を超えると、カナダの入国管理局を通らなくてはいけない、というアメリカ−カナダ両国の申し合わせがあるのですが、今日の裕坊たちは、折り返しのデトロイト行きまでが3時間という、長時間の地上待機でしたので……

 

乗客の方に続いて、裕坊たちも入国管理局へと向かいます。

 

一般道路がすぐ目の前に見える駐機場からですので、

 

かなり長い距離を、カバンを引きずって歩いて………

入国管理局、無事通過。荷物受け取りは、国際線の場合皆さんもよくご存知の通り、例外なく入管を通過した後に設けられています。

 

出発ゲートまで上がってきて、しばらく時間潰し……

 

以前ですと、フードコートやレストランが、セキュリティー通過前でもとても充実していたのですが、改装後はほとんどがセキュリティー通過後になってしまい、

 

小さな自然食のお店で……

 

こんなものをいただいていました。

健康志向……

 

でもそれでは、ちょっと物足らず、

ちょっと不健康志向……………

 

トロントなどのカナダの主要都市からアメリカに向けて出発する場合は、アメリカの入国管理局がカナダの空港内に設置されていますので、

 

そちらを通って、再び乗ってきた飛行機へと戻ります。

飛行機が窓から見えとるし……

 

アメリカの入国管理局を通って、ゲートに向かう途中、最近では………

 

例外なく、免税店を通ります………

愛妻ちゃんがここを通ると、我が家の家計は大変なことになり………………

 

もとい…………

 

そしてリージョナルジェット機据え付けの階段にて、再びお客さんをお出迎え……

デトロイトへと戻ってきて、5日間に渡るフライトをこなし終えました。

 

今日もまだまだ寒いデトロイト……

 

それでもクラブアップルと呼ばれる、りんごの木が花を咲かせ始めています。

 

こちらは我が家にある、最後に残った桜の木、八重桜……

今年は何とか蕾をつけ始めていますので、桜の花が見られるかな……

 

裕坊、火曜日まで3日間お休みをいただいて、再び水曜日から出勤です。

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/9

皆さんこんにちは、リージョナルジェット機窓眺め人、裕坊です。

連続で5日間のフライトへと出ている裕坊。今日は中日。マラソンでいうなら、ちょうど20キロ過ぎの折り返し地点。今週は毎日が早朝のショーアップとあって、日が昇らないうちから、他のクルーとともに、ホテルの送迎シャトルに乗り込みます。

 

今日の担当は3便。直接こんなお天気にかかることはなかったものの、積乱雲はたくさん発生している、大気が非常に不安定な1日……

 

さすがにここまではなりませんでしたが………

 

あまり乗り心地のよくない、揺れがなかなか収まらない中、

 

何とかカンザスシティーに到着……

そのあとはニューヨーク・ラガーディア空港まで。

こちらが各フライト毎に受け取る、『フライトリリース』。各々のフライトに必要な情報は、ほとんどここに集約されています。 緑で囲んだところは、予定飛行時間に消費燃料、青く囲んだところは、出発時の搭載燃料、そして赤く囲んだところが、計画飛行経路。

 

そしてこれらの情報を、操縦室搭載のFMS(Flight Management System)と呼ばれるこんな機械に、全てを入力………

このFMS、ナビゲーションや燃料計算などの処理をしてくれる機械。最近の旅客機では、本社運航管理課や本社整備課とのメッセージまでをもこなしてくれるスグレモノ……

 

FMSに入力する情報は、基本的にはこれと同じ。

 

もし自家用飛行機を飛ぶのであれば、まずはこんな地図を買ってきて、

 

その中身を開いてみると、空港の位置や空域情報、またそれぞれの地上の大きな目印となる目標地点などの情報が満載されています。

 

目的地まで飛行するのに、把握しやすい大きな工場や本流となる川など、目標とするいくつかの地点を自ら定めて、それを結ぶように定規で線を引き……

 

方角を測ったり、距離を測ったり、そして風の情報などを見ながら、巡航高度を決めたり……

 

それをこんな器具を使って、今度は上空での実際の飛ぶ速さなどを割り出して、

 

こんな計画表が出来上がります。

パイロットのライセンスを所得する際には、誰もがする作業。

情報が多くて、少しビビりそうになりますが、慣れてくるとかなり早く計算もできてしまいます。

 

最近は自家用機の世界でも、かなりデジタルの機械が入り込んできていて……

以前は自ら回していた円盤での作業も全てがデジタル化……

地図もiPadなどのタブレットなどにも、表示されるようになってきました。

中にはiPadが使用しているGPSレシーバーによるナビゲーションも可能になって、自分の位置が瞬時に把握できるスグレモノだったり……

 

世の中、本当に便利になりました……

 

今でもチャーター機パイロットなどは、こういった飛行計画を自ら立て、飛行計画のファイルに至るまでの作業を自らやっているようですが……

 

定期航空会社の場合、本社の運航管理課が一括してフライトを管理して、飛行計画なども全て彼らにお任せ……

 

パイロットたちは、出発ゲートで印刷される『フライトリリース』と呼ばれるものを受け取るだけ………

ある意味、エアラインパイロットって、ずるい職業かも………………

 

オイシいとこ取りやん………

 

今日のカンザスシティーから、ニューヨーク・ラガーディア空港までの飛行計画を打ち込むと、こんな画面が上がってきて、具体的な経路を表示してくれます。

 

ちなみに赤く囲んだところに、総飛行距離が表示されています。

1,000マイルをひとっ飛び……

海里での計算ですので、1.8をかけてキロに換算。飛行距離は1,800キロ……

 

我がリージョナルジェット機、2,000キロくらいであれば…………………

 

追い風なら……

 

楽勝です…

 

 

向かい風のときは………

 

特に、到着地の天候が怪しい場合……………

 

 

 

目的地到着前に、途中着陸することがあります………………

 

 

 

給油のために…………………

 

 

 

2便目の目的となった、ニューヨーク・ラガーディア空港。

 

ターミナルビルの老朽化が激しく、今全面建て替えの真っ最中。 至る所に、完成図が掲示されています。

 

かなり力の入ったプロジェクト……

 

既に一部では供用も開始されているのですが、

デルタ航空が使用することになる、Cターミナル、Dターミナルは一部で輪郭こそ出来上がってきたものの、供用開始はしばらく先……

 

ただ一度完成すると、ニューヨークの名に恥じない、モダンなターミナルになるようですので、乞うご期待……

 

ターミナル内も、世界的に標準になっている天井の高い、とても開放感溢れるターミナルになるようです。

 

今日も日が高いうちに、3便を終了して……

 

明日はまた3時台起きです………

 

 

寝ます……

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/8

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

昨日から合計で5日間のフライトへと出発した裕坊。記念すべき「令和」初の週末は、ひたすらゼイタク三昧……

 

週末は我が家でバーベキューをした上に…

 

アスパラガス刈りに行ったあと……

 

サンドイッチ屋さんへと寄って、サンドイッチに美味しいコーヒーをいただいて……

 

月曜日は月曜日で、ステーキハウスで石焼きのステーキをいただくという、ゼイタクぶり………

 

さすがに銀行の口座残高が、ヤバいことになっておりました…………

 

マジメにお仕事しよう……………

 

5日間連続のフライトへと出発した裕坊。

昨日は単純に、デトロイトからアイオワ州の州都デモインを、単純に往復する便を担当だったのですが、

 

実はそのデモインで、3時間地上で待機……

 

しかもデトロイト行きが、滑走路を一部封鎖することになって、離陸が30分遅れ。まだ日が高いうちにデトロイトには到着していたものの………

 

この景色の中を家に帰って、

 

この景色の中をまた空港へとショーアップ……

 

ターミナルに入ってすぐの、このお馴染みのお店へとやってきて、

 

こちらにて、朝食を済ませておりました……

 

今日はデトロイトからシンシナティへとやってきて、そのあとテキサス州のヒューストンを往復。まだデトロイト地方は雨がパラつき、しかも今朝の気温は7度と、かなり肌寒いお天気。ところが、テキサスの状況を見てみると……

ダラス周辺が大変なことになっておりました。

ダラスといえば、世界を代表する航空会社が2社。アメリカン航空に、サウスウエスト航空。どうやら気象状況を詳しく見ていると、こういった状況になっていたらしく……

軒並み、ダラス行きは遅れ……

既にアメリカン航空シンシナティ発ダラス・フォートワース行きは、午前中の便は2便とも欠航になっておりました。

 

日本でも、最近すっかりお馴染みになってしまったゲリラ豪雨。大きく発達した積乱雲に、大量の水蒸気が吸い込まれることによって起こります。

このゲリラ豪雨を起こす積乱雲。3つの条件が必要となって発生するのですが、その条件とは

1)大気が不安定であること。

2)水蒸気が空気中に多く含まれること。すなわち、湿気が多いこと

3)上昇気流が発生していること。

この一定の条件が揃ってくると、地上の水蒸気が次々に大気中に吸い上げられ、

大きな積乱雲を発生させます。

積乱雲には、発達から消滅に至るまで、

1)成長期

2)成熟期

3)減衰期

という、3つの過程を辿るのですが、このうちの成熟期では、上昇気流と下降気流が同時に積乱雲の中で発生していて、また積乱雲内の氷晶や雨粒もかなりの大きさになっています。

大きくなった雨粒同士が激しく積乱雲内で衝突し、この時の摩擦によって静電気が発生。それが放電されることで起こるのが落雷……

そして力強い上昇気流が持ち上げた水蒸気が雨粒となり、それが重なり合って雨粒もかなりの大きさとなります。上昇気流の勢いが弱くなり、重たくなった雨粒を支えきれなくなると、その重みで雨粒も地上へと落ちてきます。

起こるのはだいたい成熟期の終わりから減衰期にかけて。雨粒はとても大きく、空気を押しのけるように、凄い勢いで地上に落ちてきます。これがゲリラ豪雨

上昇気流が発生するのは、基本的には低気圧の中心部。北半球では、等圧線と平行に、反時計回りで回転するのですが(南半球では、時計回り)、

このとき、一定の条件が必要にはなるのですが、上昇気流がかなり勢いづくと、時速150キロを超える突風に乗って、水蒸気が吸い上げられ、発生するのが竜巻……

 

実は北アメリカ大陸は、世界のおよそ7割近い竜巻が発生しているんだそうです……

その中でも、アメリカ大陸のほぼ中央から南部にかかるテキサス州オクラホマ州カンザス州、ミズーリ州は、アメリカ国内のほぼ60%近くを占めるという、まさに押しも押されぬ竜巻王国………

 

竜巻までは今日は発生していなかったようですが、成熟期の積乱雲の中はというと、

上昇気流と下降気流が激しく衝突し合っていて、その中を航空機が通り抜けると、激しく上下に揺すられる上に、最悪の場合飛行自体に大きなダメージを受けることになります。

積乱雲の存在に気づかず、間違ってその中を通過してしまうと、こういったダメージを受けてしまうことに……

 

ですから積乱雲は回避が大原則……

航空管制も、積乱雲があるときには、各航空機を迂回させるのですが、それが空港上に発生してしまうと、時には空港そのものを閉鎖せざるを得ないことも………

 

今日のダラス地方。ダラスを発着するフライトは、それはそれは大変なことになっておりました……

 

 

この季節が、とうとうやってきてしまった…………

 

今週は毎日、早起きのパターン。明日は4時起きで……その大きな積乱雲に覆われていたカンザスシティーへのフライトです……

 

 

裕坊パイロット日記 5/6

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン、裕坊です。

こちらが裕坊が乗っている、ボンバルディア製のリージョナルジェット機。たとえ乗客の方が乗らない回送のフライトといえども、最低限、機長、副操縦士のクルーが必要となります。欠員が出た時の交代要員である『リザーブ』シフトを5ヶ月間連続でこなしてきた裕坊だったのですが、若干パイロットがダブつき美味で『飛ばないパイロット』になってしまい、保障給ギリギリで生活すること5ヶ月。

 

いろいろと出費が重なって、貯金が底をついてしまい……………

 

今月は『飛ぶパイロット』に回帰することに……

 

この週末にかけてが、まとまったお休みが取れる最後のチャンス。令和最初の日曜日、好天に恵まれて………

ちょっとお出かけ……

 

最初に立ち寄ったのは映画館………

 

息子くんは、今世間で大流行のこちらの映画をどうしても見に行ってみたかったらしく、

3時間ものの映画へと入って行っておりました…

 

元々映像物にはあまり縁がない方ですが、特に映画には全く縁がない裕坊。実は人生の中で映画館に入ったのって、6回だけ。しかも初めて行ったのは、中学3年生の時。今回の映画はシリーズ物で、しかも3時間…………

 

一話完結ものならまだしも、自分が全く分からないシリーズ物で3時間はちょっと耐えられない………

 

折角お天気もいいことだし………………

 

ということで、愛妻ちゃんとともに、全く別の方向へと赴きました。行った先はというと……

田舎ののどかな農園……

 

延々と広がるりんご園のそばに、

 

実はアスパラガスを栽培している農園があり、

そこでアスパラガスを採取する農作業………

 

何度か訪れたことがあるアスパラガスの農園。こんな荒地でありながら、力強く頭を出してきます。

 

なるべく新鮮そうなものを慎重に選びながら……

 

袋詰め……

 

2袋がいっぱいになるまで採取して、2袋で約20ドル。

 

そのあとは、こちらで息子くんと再合流してのランチと相成りました……

サンドイッチの大きさも手頃。

コーヒーとの相性もバツグン…

 

 

そして今日、月曜日。既に愛妻ちゃんも息子くんも通常通り、幼稚園も学校も始まったのですが……

今日はご縁ある夫婦が明日日本へ帰国するとあって、送別会を兼ねたお食事へとお出かけ……

 

やってきたのは、こちらのステーキ屋さん……

 

落ち着いた佇まいのステーキ屋さんです。

 

こちらのステーキ屋さんのウリはというと……

お店の名前『ブラックロック(黒い石)』からも連想できる通り、黒い石の上にステーキが乗せられてやってきて……

その熱い石の上で、ステーキを自分のお好みに応じて焼いてしまうこと……

ただし石はかなり熱くなっていますので、火傷には注意が必要です……

 

裕坊は、ステーキはミディアムレア派……

いい加減に焼き上げて、お腹もいっぱい……

 

デザートには『火山型アイスクリームサンデー』

花火が点けられて、本当に火山が噴火しているみたい……

 

実は日本へと帰国する夫婦が新婚さんとあって、結婚のお祝いを兼ねて、こちらをプレゼント。

 

裕坊自身は、日本の10連休とは本来全く関係がなかったのですが……

先月のリザーブが月の半ばには終わっていて、あとはかなり自由な時間がありましたので……

 

ここしばらくは家族孝行が出来る『ゴールデンウィーク』となりました……

 

 

そして明日からは、いよいよ裕坊の1ヶ月間の始まり。

今月の合計の休日日数は10日なのですが、既にそのうちの4日を消費………

 

残るお休みは合計で6日間……

 

5日間連続のフライトが入っては、1日だけお休みだったりと、今月は『ほんのちょっと』多忙…………

明日はまずその前哨戦とも言えるべく、日帰りのフライトへと出発……

 

その次の日には、短い時間を我が家で過ごして、4日間のフライトへと出発です。

 

 

 

 

裕坊パイロット日記 5/4

皆さんこんにちは、リージョナル航空機展望台占有担当、裕坊です。

今月は、先月まで5ヶ月間に渡って続いた『リザーブ』と呼ばれる交代要員シフトのスタンバイから、通常のスケジュールへと復帰して、「ちょっといつもより多く」飛ぶことを決意した裕坊。

 

先日「令和元年」2日目となる5月2日は、インディアナ州エバンズビルを早朝に出発して……

 

担当したのは1便だけ。副操縦士は何度も一緒に飛んだミシガン大学の知られるアナーバーの生まれ育ち、ライアンくん。

このフライトがライアンくんにとって、副操縦士としては最後のフライト。来週からはいよいよ機長昇格訓練だそうです。副操縦士としての、最後のフライトを彼に任せて、アトランタ到着…… あとは「デッドヘッド」でデトロイトまで、乗客の方と一緒に客席に乗って帰るだけ……

 

お腹がとても空いていたので、チキンバーガーでも買おうと思ったのですが、

相変わらずいっぱいやわ………

 

機内のドリンクサービスで提供されるスナック菓子で、ガマンしようと思っていたら、そんな時に限って、揺れのためにドリンクサービスなし……

ひたすらガマン、ガマン…………

 

デトロイトに帰ってくるなり……

Aコンコースの南端から、中央へと向かうこちらトラムに飛び乗って……………

 

ちなみに、既に5月1日から、Aコンコース内を走るトラムは再開しております。

 

こちらへと直行しておりました………

次の日、5月3日、休日返上してでもフライトを入れる気満々だったのですが、交代要員が必要となるフライトは上がることなく…………

 

裕坊は5月が誕生月ですので、いろんな更新手続きがいっぱい………

結局そちらに時間を費やすことに決めました……

 

ミシガン州には、日本のような車検制度というものがなく、その代わりにライセンスプレートの登録を、毎年誕生日前に更新します………

 

州オフィスへとやってきて、 こちらの機械を使って、更新をしようと試みたのですが……

普段であれば、お金を入金するとできるはずの機械が、どうやら故障中……

 

同じ州オフィスの別の支所へとやってきて、同じ機械を使って、更新手続きをしようと試みます……

ところが………………………………………

 

こちらが、ミシガン州の最新版、標準ライセンスプレート。

5年ほど前に施行になった新しい法律で、ライセンスプレートは10年以上を経過した場合、新しいものに置き換える必要があるんだそうです。更新を試みようとした機械に………………………

 

「済まんけど、受け付け手続きに並んで、新しいライセンスプレートを受け取ってくれや」………………………………

 

仕方なく、運転免許更新の手続きなどに訪れている方と同じ列へと並んで……………………

一枚は上の写真にある通常のプレート。

 

もう片方は、絵柄入り……

番号は全く違いますが、これと同色を一枚購入……

 

ただこの手続き一つで、今日は半日を費やすことに……………………

 

疲れた……………………………………………

 

金曜日は、息子くんがピアノとアフリカドラムの練習をして帰ってくる日………

いつも遅くなるのですが、昨日はいつも以上に遅くなってしまい……

家族3人、疲労困憊…………………………

 

もう今日は外食……………

 

我が家からは、車で10分とかからない、至近距離にあるこちらのお店まで……

 

中は日本を意識した佇まい……

最近メニューも写真付きが多くなり……

 

いつの間にお料理も少し高級路線へとシフトしていたのか………

 

同じ料理でも、ずいぶんと豪華料理に見える………

ちょっとゼイタク………………

 

お寿司もめちゃウマでした……

 

今日土曜日の日にスーパーへと立ち寄ってみると……

 

お店の中には、たくさんのお花が並んで……

まさに春の装い……

 

外もようやく暖かくなってきましたので、今日は我が家にて、ちょっとゼイタク………

 

今年初めて、我が家の芝刈り機くんが初始動……

しっかりときれいになった芝生を見ながらの、裏庭でのバーベキュー。

 

コストコの簡易テーブルを広げます。

 

台を開くと、脚が見えてくるので、

 

おもむろにそれを広げて、

 

それを立てると、テーブルが出来上がり。

 

100円ショップで買っていたテーブルクロス。

かなり役に立っています………

 

積み重ねたコンクリートブロックの上に……

 

炭火用グリルを置いて、まずは外での準備は完了……

 

こちらは我が家の松の木……

 

松ぼっくりもしっかりと落ちてきます。

 

こちらから、ヤニがたっぷりとついた葉を拾ってきて、

火を起こすのは、息子くんがやってくれました…

 

裕坊一家のバーベキューは、メインは今日スーパーでたまたま安売りになっていた、こちらロースステーキ……

 

起こしたての強火に

 

味付けを済ませたロースステーキを載せて……

 

裕坊自慢の、照り焼きロースステーキバーベキュー……

めちゃウマです………

 

こちらはソーセージ……

ジューシーに焼くと、ソーセージが甘く感じてしまうから、炭火バーベキューはやめられません……………

 

こんな景色を眺めながらの、ちょっとした我が家でのゼイタク……

 

料理を一通り焼き終わった、炭火のグリル……

 

仕上げはこちら………

 

焼きマシュマロ……

キャラメル状に焼くことができると、幸せな気分……

 

炭火がいい感じに庭を照らし出して、ちょっとしたリゾート気分を味わえる一夜となりました………

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明日と明後日ともう2日お休みの裕坊。そのあとは、怒涛の本格的な裕坊の5月の幕開けです……

 

 

裕坊パイロット日記 5/2

皆さんこんにちは、航空会社サラリーマン、裕坊です。

昨年12月から、欠員補充のための交代要員である『リザーブ』と呼ばれるシフトを、5ヶ月連続で続けてきた裕坊。 勤務先の航空会社の飛行機の保有数は増えず、そのためフライトも増えず。その間も将来の運航拡大を目論んで、ずっとパイロットの採用は続けている我がリージョナル航空会社。当然のようにパイロットの数は少しダブつき気味になり、交代要員の出番も少なくなって、裕坊はこんな日々を長く過ごしておりました……

航空会社のフライトクルーのお給料は、基本的に実績制。実績が少ない場合は、支払われるのは保障給。 ただ保障給だけですと、家や車のローン、ガス、電気代などを払ってると、あとはほとんど残らず、生活はギリギリ………

 

しかも、もうとっくに終わっていると思っていた、昨年の息子の救急治療の支払い請求が未だに送られてきていて………

 

4月には屋根の葺き替えまでが入り………

 

このままじゃ、さすがにヤバい……………

 

ということで、『令和元年』最初の月の今月は……

既に担当便が確定している、通常のスケジュールに復帰することを決意しました………

 

定期航空会社のパイロットとして、実務に就くにはいくつかの資格も必要になるのですが、

 

まずはパイロットのライセンス……

こちらがパイロットライセンス。

 

運転免許証は、アメリカも日本と同じく顔写真入りになりますが、パイロットライセンスには写真はなし。その代わりに、保有するライセンスの種類、操縦ができる機体の種類などが細かく記載されます。上の写真の下側に写っているのはライセンスの裏面なのですが、そこに写っている人物こそ、人類初めての動力飛行を成し遂げた、ライト兄弟

 

そしてもう一つ、安全飛行に欠かせないのが、パイロット自身の健康管理。定期航空会社のパイロットの場合、3段階あるライセンスのうちでも、一番厳しいとされる定期検診に合格する必要があります。

 

基本的には1年に一度の更新ですが、40歳の誕生日を過ぎると、定期航空会社のパイロットは、6ヶ月に一度の更新が義務付けられます。

今日の出勤は午後遅く。

午前中はちょっと余裕がありましたので、 どんより曇り空の中を、クリニックへと出発……

 

日本や他の外国での、パイロット向けの定期検診ともなると、まずは病院に到着するなり、人間ドックでも使われるような検査服へと着替えた上で……

各科の検診を受けていくのが普通……大抵1日がかりのようですが、 アメリカの場合……

 

まず行くのは町医者の装いのクリニック。裕坊がお世話になっているのは、我が家から車で5分ほどの至近距離。

 

アメリカにはどこにでもあるような、家庭医の佇まい。

 

中もこじんまり。基本的に病気や怪我をした患者が来るところではなく、健康なパイロットの定期検診が主な業務とあって、待合にも人はあまりいないこのクリニック。

アメリカの定期検診の場合、タバコをやらず、お酒も飲まず、薬の服用もない健康な状態を維持しているのであれば、本当に簡単に10分ほどで終わってしまいます。

 

尿検査を済ませて、血圧を測り…

 

こちらが視力測定。

 

中を覗き込むと、

 

こんなものが見えて、 遠隔視力、至近視力などを測定。

 

色盲の検査もあります。

 

40歳を過ぎると、年に一度心電図も測定。

 

そして聴診器を当てて、異常がなければ……

 

こんな健康診断書を発行してもらって、終了……

ただし検診料はしっかりと請求されます。 今日の支払い………

 

 

125ドル…………

 

次回は11月に検診となりますが、心電図を受けなければなりませんので、その時はなんと………………

 

 

185ドル…………………………

 

 

ちなみに、自費での支払いでございます……………

取りあえずまた6ヶ月間は、飛行機に乗ってのお仕事が可能になります………

 

今日は夕方ゆっくりの出勤。5月1日になって、デトロイト空港のAターミナル内を走るトラムも、運用を再開しておりましたが………

 

しかしそんな日に限って、Aターミナルからではなく……………

 

トンネルを挟んで向かい側にある、B/Cターミナルからの出発………

 

かつて50人乗りを担当していた頃よく発着していた、Cコンコースのゲートからの出発でした。

 

今日は乗客の皆さんとともに、客席へと座って、

 

インディアナ州エバンズビルまで……

 

明日はまた早朝5時の出発ですので、

 

これからシャワーに入って、明日に備えます。

 

裕坊