yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 6/25

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日はお昼過ぎにはフライトも終わり、ヨットの見える海辺でゆったりと豪華なディナー…………………………………はしておらず、ホテルの部屋にこもって今日の裕坊はサナギくん………………上の写真は裕坊の夢でございます。ただこんなのを1人で食べることはまず有り得ません。未来永劫ございません。勝手に抜けがけして1人でこんな食事を1人で取ろうものなら、愛妻ちゃんから怒りマークが30個は飛んで来ます。でも、こんなのを値段を気にせず頼めるような身分になりたい……………………………

今日飛んで来たのはメイン州ポートランドメイン州の州都であるオーガスタを人口の数で遥かに凌ぐメイン州の最大都市。

カナダと国境を接し、東側は大西洋に面するここメイン州を代表するポートランドのオススメは何と言ってもシーフード。特に逃せないのがロブスター。東海岸沿いの中でも北に位置するマサチューセッツ州メイン州はシーフードの宝庫。メイン州のガイドマップを見ても、海にはこのロブスターの絵が施されるくらい新鮮な天然ロブスターが上がってきます。オススメなのは9月以降。身も締まり、中身もしっかりと詰まっています。下心ミエミエで女性を誘って高級レストランのディナーに行くならボストン、安くガッツリ食べたいなら是非メイン州まで足を伸ばしましょう……………

このポートランドという地名、元々は良質な堆積岩で知られるポートランドストーンという石灰岩が取れるイギリス・ドーセット地方にある地名なんだそうです。そのポートランドストーンを精製した大理石は、イギリスにおいてはセントポール大聖堂、バッキンガム宮殿、ニューヨークでは国際連合本部ビルなどに使われているそうです。オレゴン州ポートランドの語源も同じところから来ているのだとか。


1623年にニューイングランド地方を訪れていたイギリス海軍将校クリストファー・レベットが最初に開拓をした土地がここポートランド。歴史の浅いアメリカの中では比較的歴史のある町で、海沿いにはレンガ建ての建物が数多く建ち並びます。



またポートランドの海沿いにあるポートランドハーバーは貨物船、漁船などの往来も激しく、その往来を管轄するための灯台も数多く設置されています。この灯台ポートランドの目玉の一つ。

デルタ航空ではデトロイト、ニューヨークからフライトが就航していて、風向きによってはこのポートランドハーバーの上を飛んで滑走路へと入っていくことがあるので、運がいいときはこんな景色が望めることも………


ここメイン州ポートランドは入社当時からよく飛んできていました。入社して早や12年。ところがダウンタウンを訪れたことはまだ一度もなし……………そろそろ一度は行ってみたいな〜と思いつつも、明日のショーアップ、4時48分…………………………ダウンタウン観光………………………………無理やがな………………………………

ということで、愛妻ちゃんの作ってくれたお弁当をいただいて、シャワー浴びて寝る準備始めます。明日何時に起きればええねん?………………………………………2時台………………………………ありえんし………………………………

 

裕坊

 

裕坊パイロット日記 6/24

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

2018年ワールドカップロシア杯、日本代表第2戦対セネガル戦、今日は引き分けでしたね。

それでも乾選手、そして本田選手、いずれも1点ビハインドの状態で本当によく決めてくれました。ユーチューブでビデオ動画を見ましたが、2人ともあの狭いスペースのせめぎ合いでよく決めましたね。シビれました。

1本目の柴崎選手からの左へのフィードパス、さらにそれを受けた長友選手への完璧なライトタッチパス、そこへ絶妙の位置への乾選手のシュート、流れるようなセットプレー、全部見ました。いや〜〜痺れた。流れはいいです。シュートも数打っているようですし、日本代表のこのコンビネーションサッカーを是非ポーランド戦へと持ち込んでください。

昨日は午前様で我が家へと帰ってきた裕坊一家、遅い朝食をいただいての裕坊の休日ルーティン…………………………芝刈り……………………………


それが終わってアイロンがけを済ませて、いよいよ明日からは再び怒涛の6日連続のフライト。自動化の波に押されていずれは消えゆく運命にあるパイロットという職業。人間が操縦桿を握って飛べる間はパイロットというお仕事をしっかり満喫したいと思います。しかも明日、明後日は両日ともフライトは1本だけ……

昨夜はトヨタ自動車の米国本社、テキサス州プレイノへの転勤が決まって近日中にミシガン州からお引っ越しの日本人家族の送別会。トヨタの北米本社機能強化、集約に伴うご栄転、おめでとうございます、の言葉を送らさせていただきました。北米トヨタの本社がカリフォルニア州のトーレンスから移転して数年、本社機能をさらに強化集約していると解釈していいのでしょう。

テキサス州プレイノ市はカウボーイの町ダラスからから車で北へで約30分ほどの距離。2ヶ月に1度くらいの割合で裕坊もダラスには宿泊滞在があるので、長時間の宿泊滞在が入ったときには押しかけちゃおうかな…………日本を代表する企業が入ってきて、日本人の数もこれから増えていく、おそらくトレンドの町になることでしょう。



ダラス近郊にはアメリカを代表する航空会社も2つ顔を揃えます。

一つは格安型航空会社の先駆けになったサウスウエスト航空

一昨年まではアメリカ国内線の旅客数のほぼ20パーセントを占めて、国内線シェア最強の座にほぼ10年以上に渡って君臨していました。離着陸料が安いところを選択するなど、コストパフォーマンスを重視するサウスウエスト航空の本拠はダラス・ラブフィールド空港。ダラスのダウンタウンまで車で10分ほどと利便性の高さも誇ります。

元々はダラス、ヒューストン、オースティンというテキサス州を代表する3地点を結ぶ格安航空会社として立ち上がったサウスウエスト航空。会社創設当初は機内食が国内線といえども当たり前だった時代。そこへピーナッツだけを提供することによってコストを大幅に下げ、一般庶民に空の旅を持ち込み、アメリカ国内の航空業界に革命を起こしました。設立当初からの会社の運営の基礎にもなった従業員最優先のポリシーを今でも保ち、現在でもパイロットの間で人気の高い企業の一つです。

そしてもう一つが世界最大規模の旅客数を誇るアメリカン航空

USエアウェイズとの合併終了後、国内線旅客数でも第1の座を2017年サウスウエスト航空から僅差ながら奪還して、一位の座に返り咲きました。お膝元はこちらは世界最大規模の敷地面積を誇るダラス・フォートワース空港。南北に平行滑走路5本、更には北東、南西方向への滑走路2本と合計7本の滑走路にひっきりなしにジェット機が発着。その離着陸数の多さでも常に上位に食い込んできます。世界ランキングでは12位。アメリカ国内で比較した場合は第4位。

テキサス州は全米でも数少ない、州による所得税課税のない州の一つ。またタックスインセンティブを法人向けにも提供することによって、世界を代表する企業が名を連ねるテキサス州にはまだまだ人が集まってきています。2010年から2017年における人口増加では人口増加率でこそ首都ワシントンに次ぐ2位に位置しながら、人口増加絶対数では300万人以上。2位のカリフォルニア州の230万人を大きく離して堂々の1位。熱いテキサス州が今注目です。

 

裕坊

裕坊パイロット日記 6/23

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

昨夜は10時に帰宅して…………………………気づいたら……………………………………朝………………………………小鳥が鳴いてる……………………………えらい賑やかやな〜〜〜……………………………

エンデバー航空はデルタ航空の下請け、そして直接の子会社……CRJと呼ばれるカナダ製のリージョナルジェット機を合計で約130機ほど保有。以前裕坊が入社した頃はファーストクラスサービスのない全席エコノミー50席のCRJ−200型機を140機ほど保有していました。当然担当するのはほとんどが離陸から着陸までが1時間に満たない短距離路線でした。当時は1日に5本のフライトを担当するのが当たり前の時代。

時代は変わって、リージョナルジェット機といえどもファーストクラスが配置されるようになり、中にはニューヨークからテキサスまで2,000キロをひとっ飛びすることも。1日の担当路線本数も若干減って、平均の担当路線本数は3本ほど。昨日は久々の1日5本のフライトを担当…………………………………これこそザ・リージョナル………………………………眠い……………………………もー朝かよ〜〜……………………

ホテルの送迎シャトルの出発は朝9時。いつもより朝はゆっくり目……

空港までは5分ほどの道のり。空港管制塔が視界に入ってきます。空は今日1日を何となく予感させるようなどんより曇り空…………

セキュリティーを通って、

ゲートへと到着し、

書類を受け取ってみると…………………………………

…………………………………自動操縦装置……………………………………………使用不可………………………

久しぶりに操縦桿を握ったままデトロイトまで飛びました。頑張って計器類とにらめっこしながら無事デトロイト到着。25キロはある鉄製のフレームのカバンを引きずりおろして、次のゲートへと向かいます。

デトロイト空港・マクナマラターミナル名物の噴水や

デルタ航空ご自慢の最新鋭機エアバスA350型機を見ながら通路を歩いて次のゲートへ…………………


クルー全員が交代。挨拶を交わして操縦席へ着いてみると………………………………………赤い札…………………………

これ実は「故障品が出て整備課に連絡しとるから、整備員が到着するまでは待っといてくれな」のお札…………………整備記録に既にパイロットによる故障発生の記載があるので、整備員が作業を終えるまでは出発ができなくなります。どうやら客席のうちの一つのシートクッションが固定できなくなったらしく、交換が必要とのこと。76人の旅客機に76人の予約…………………そりゃ、待たなあかんわな……………

20分ほどでシートクッションの取り替えも終わり、向かうはミシガン州西に位置するグランドラピッズ。往復とも完全に満席のフライトで片道およそ40分ほどのフライトをこなします。

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デトロイトに戻ってきたのは3時ごろ。ここから次のピッツバーグ行きまで3時間待ちで、またも荷物をまとめます。

日本食レストランのあるデトロイト空港。ここできつねそばをいただき、

あまりにお腹が空きすぎていて、そばが出てくるなりガッツリ。写真撮るのすっかり忘れとるし………………

5時半ごろにピッツバーグに向けてまたもデトロイトを出発。勤務する幼稚園での卒園式のお仕事を終えて家に帰っていた愛妻ちゃんにテキストを入れると、

「お疲れ様〜!サーモンの握り買ってるよ〜!」

サーモンの握り!!モチベーションが高まったところでピッツバーグへ向けて出発。今日の中西部は曇り空のスッキリしないお天気。近距離路線5本であまり高度も上げることなく、目に入ってくる景色はこんなのばかり………

ピッツバーグに到着して、

実はまたも飛行機乗り換え…………………………………………これするの今日これが3回目…………………………

そして次の飛行機に到着………

今日はこの飛行機が4機目……………………………そして搭乗が終わってボーディングブリッジが引かれ、さっきデトロイトから乗ってきた飛行機を向こう側に見ながら、またもデトロイトに向けて出発………

デトロイトの到着はゲートA35。数時間前お蕎麦をいただいたばかりのレストランの横を通ってシャトル乗り場へと向かい、

デトロイトにお住いの皆さんにはお馴染みの景色を見ながら、従業員送迎シャトルの発着する国際線到着へと向かい、

こちらがマクナマラターミナルと従業員専用駐車場を結ぶ送迎シャトルバス。帰りは皆和やかな雰囲気に包まれます。

めでたく我がセダンくんとご対面。

最悪いつ寝てもいいように、最近では家に着くなり歯磨きだけしておくのが裕坊の日課。案の定、絨毯で横になっていて、気づいたら外で小鳥たちが大合唱をしていました………………………買っててくれたサーモンの握り、お昼にでもいただこうかな……………………

土曜日、日曜日と久々に2週連続の週末のお休みをいただいて、また月曜日からフライト。月曜日からはまた怒涛の6日連続のフライトです。

 

裕坊

 

裕坊パイロット日記 6/21

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日はフライト3日目。一部カナダなどを除くと全てのフライトが国内線で占められるデルタ航空の下請け、そして子会社でもあるエンデバー航空。大抵4日間のフライトに出かけると2日目、3日目などは早朝のパターンだと朝は3時台起き。大抵皆大アクビをしながら4時から5時のホテルの送迎シャトルに乗りこみます。そんなときはシャトルの中はたとえ何人乗っていようとも皆無言………………………

昨日泊まっていたのはニューヨーク・ケネディ空港。空港近くのクイーンズの住宅地の真っ只中にあるホテルに泊まって、今朝は珍しく10時台のショーアップ。こんなんいつ以来やろ?………………………目覚ましもなく普通に起きられて、朝食までついて、夢でも見とるんやろか?…………………なかなか普段経験できないパターンのショーアップでした。ただ流れはいつものショーアップの流れによく似ています。

8時過ぎにロビーに降りて、まずは無料の朝食。

こんな感じにベーコンだ卵だソーセージなどをお皿に盛って、さらにコーヒー付き。

但しクイーンズの住宅地の中にあるホテルで、景色はあまり期待できません…………………

9時にホテルの送迎シャトルがやってきます。

カニズムが古いせいか、乗り心地はトラックそのもの。蓋の空いたドリンク類を手にしているときはかなり要注意。ドリンクが全部コップから溢れて手はドリンクだらけになります。コーヒーを手にしていたら、やけどしてしまうかも………………

こんな景色を見ながらケネディ空港の敷地へと入って、


まずは第2ターミナルへと到着。旅行シーズンが既に始まっていて、皆さん急ぎ足………………

チェックイン待ちの乗客の皆さんを横目に見ながら、クルー専用のセキュリティーラインを通り、

今度は駆け足でターミナル間移動用のシャトルに乗り込みます。

第4ターミナルは縦に長く、エンデバー航空のリージョナルジェット機が止まっているのはその第4ターミナルの一番南端。こんな飛行機が窓から見えてくるようになり、

ゲートに到着して、ボーディングブリッジを降りると飛行機とご対面。

大手航空会社の本体の飛行機だと操縦席も広く、自分たちのスーツケースも十分置くスペースがありますが、リージョナルジェット機は3人座ると荷物を置くスペースはないので、乗客の皆さんと同じ荷物棚を使います。

そして裕坊の座るオフィス操縦席。既に副操縦士のネイサンくんは自分の座席に落ち着いて準備を始めています。

自らの座席に落ち着いてまず始めにチェックするのは飛行機の整備記録。法律的に飛行可能な状態であることをこれで確認。

整備員が署名をしてくれていることを確認すると、今度は飛行計画のコンピューターへの打ち込み。これがその操縦席備え付けのコンピューター。

本社運航管理課の担当者にテキストメッセージも送ることができます。但しエンデバー航空のテキストメッセージは日本語は入力できません。例え入力できたとしても、多分鼻であしらわれて、無視されるでしょう…………………………

こちらが会社のマニュアルやら各空港の情報が満載のiPad。我がデトロイト・タイガースの最強メンバーで構成された野球ゲームもインストール済み……………………

今日のニューヨーク地方は晴れ。紫外線から裕坊を守ってくれるものがなにもないので、こんな物を使って紫外線対策。ニオイだけならビーチに寝そべってる気分なんやけどなー……………………

乗客の皆さんを迎え終わって、荷物の搭載が完了するとボーディングブリッジが引かれます。

そして目の紫外線対策を完了させていよいよ出発。

こんな景色を見ながらプッシュバック。

誘導路を進んでいくと、こちらが今日の離陸滑走路。

1時間ちょっとのフライトが終わって到着したのがノースカロライナ州ローリー。

3時間の地上待機で、荷物をまとめてターミナルへと入り、お昼のネタを探します。今日やってきたのはアメリカではお馴染みのハンバーガー屋さん。バージニア州で5人の男性が始めた経緯からついたお店の名前…………………………ファイブガイズ………………………ネーミングそのまんまやし………………………

フライトのときは、こんな流れを何度も何度も繰り返します。今日はあと3本。終わるの10時半過ぎ………………ホテルに着いたら11時過ぎるなー…………………

タンパ付近、かなりの積乱雲が湧いていて、行く手を完全に塞いでます………

ただ今日は救命胴衣が各席に装備された飛行機でのフライト…………思い切って海の上、飛んじゃおうかな…………あとちょっとでフロリダへと出発です。

 

裕坊

裕坊パイロット日記 6/20

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

日本の野球は交流戦が一通り落ち着いて、通常のリーグ戦待ち。大リーグは我がタイガースがナショナルリーグ中地区最下位のシンシナティレッズに力負けで2連敗………………………………再建中やし、これが本来の実力やな〜…………………………

そんな中、46年間連載が続いたという水島新司さん作の野球マンガドカベンの連載が終了すると発表になりました。46年間………………………それだけの間、作者である水島新司さん本当によく頑張って描かれていたものだと思います。ほとんど半世紀………………水島新司さん独特のタッチの野球マンガドカベンあぶさん、好きでよく読んでいました。水島新司先生、長い間本当にお疲れ様でした。

ドカベンで思い出すのは、浪商高校出身で当時の南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に入団した故・香川伸行選手。

夏休みに祖父に連れて行ってもらった今では取り壊されてすっかり跡形もなくなってしまった当時の大阪球場でのホークス戦。

緑色の線に特徴があったユニフォームが香川選手にあまりにもよく似合っていたのをよく覚えています。

今日は夕べ泊まっていたシンシナティをお昼過ぎに出発。テキサス州のダラスを経由してニューヨークのケネディ空港までを飛ぶスケジュール。ホテルのフロントの係りの人が言っていたように、あちこちで積乱雲、うろこ雲が広がります。

フライトは2本だけ、けどこりゃ〜〜絶対長い1日になるな〜〜…………………まずは中華を食べてしっかりエネルギーを補給して元気をつけよう。

シンシナティ空港ではデルタ関連のフライトは例外なくBコンコースからの出発。でも時間に余裕があったので、中華のお店がある…………………………………はずだった……………………………………Aコンコースを上がり、中華のお店に立ち寄ってみると………………………………シャッター閉まっとるやん……………………………

副操縦士のネイサンくんとともにスゴスゴいつものBターミナルへと舞い戻って、こんなもん買ってました。

これからはほぼ毎日のようにアメリカのどこかでうろこ雲が出てくる季節。窓の外を見ても、こんな景色が目の前に広がることが多くなります。

上昇気流と下降気流が雲の中でお互い激しくぶつかり合っている積乱雲、中に入ってしまうと羽が折れてしまいそうなほど飛行機は揺られてしまいます。ただ高高度の上空を通過している旅客機は国内線の場合、ハワイなどの一部の例外を除くとほとんど巡航路を管轄する管制下に置かれているので、自ら勝手に針路を変えることはできません。管制官に許可を取った上で針路を左に変えたり、右に変えたり。高高度でも管制官は常に飛行機の動きを追っているので、近くの同じ高度に巡航している機体がいると、勝手に針路を変えられないケースもあるのです。

今日の1本目、シンシナティからダラスまでのフライト。シンシナティのすぐ南に大きなうろこ雲。また真っ直ぐ南西へ下ると、到着経路付近でも大きなうろこ雲。管制官からの指示で、通常なら青い線で飛ぶところを、今日は赤い線に沿うように飛びました。

スケジュール上では2時59分出発で4時21分到着予定。だがフライトリリースを見ると、2時間25分。ダラス到着、10分ほど遅れての到着………………

ダラスから折り返して向かったのがニューヨーク・ケネディ空港。同じような景色見ながらあっちこっちに針路を変えて、

ほぼ3時間近くかかってケネディ空港に到着したのはほぼ10時。

すっかり暗くなったケネディ空港のターミナル間をバスで移動。

急いでホテルのシャトルを呼んで、トラックのように上下に揺すられながら、

ホテルへと到着。最近こんな感じのキレイなホテルに泊まれるようになりました…………

サイドテーブルにはチョコレートも置いてあったりして、旅の疲れを癒してくれます。超甘党の裕坊には本当にこれがありがたい……………………

明日は朝から4本のフライトをこなして、4日目の金曜日は5本のフライト。やっぱりリージョナルやな〜〜…………………………………

今からシャワーに入って、急いでベッドに横になります。

 

裕坊

裕坊パイロット日記 6/19

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

5連休を終わって今日からまた4日間のフライトが始まる裕坊。長いお休みをいただいたあとの裕坊は、愛妻ちゃんによると、出勤前は目が死んでいる………………………らしいです………………………確かにそうかも知れん…………………

出勤前にフェイスブックを何気にチェックしてみると、サッカー日本代表応援を皆さん頑張ってらっしゃいます。へー今日はサッカー日本代表がコロンビア相手に試合やっとるんや………………………我がホークスもヤクルト相手に交流戦最後の試合……………………サファテが抜けて抑えを任されている森くん、目立つの好きやね、四球3つも出して………………………でも最後はサードゴロ……………………よかった……………

出勤時間になってサッカー日本代表の結果まではチェックできないまま出発。30分ほどで空港の従業員専用駐車場へと到着します。今日は裕坊の気分をそのまま反映するかのようなどんより曇り空…………………………ちょっと時間あるしサッカーの結果見てみようか………………………………マジ?………………………………あのコロンビア相手に、勝っとるやん………………………

日本代表の選手の皆さん、おめでとうございます。朝から本当にいいものを見せていただきました。ワールドカップでは日本を含めたアジア勢が南米勢に勝つのは史上初めてのことだそうですね。

直接試合は見られなかったので、ニュースサイトをあちこちハシゴしました。サッカーに詳しい方の書き込みをいろいろと読んでいると、直接決勝ゴールを決めた大迫選手だけでなく、今日は香川選手、原口選手、柴崎選手の動きもかなり切れていたようですね。気がかりになるのが柴崎選手の足の状態ですか。試合開始早々から相手選手の退場が出たり、コロンビアではハメス選手がベンチスタートだったりと運もあったようですね。ニュースサイトをいろいろ読んでいると、結構厳しい解説もあったりするようですが、史上初の快挙には変わりませんし、今日は素直に結果をを喜びましょう。

コロンビア相手に大金星をあげたのですから、次のセネガル戦も悔いのないプレーで是非取ってもらいましょう。試合終了の瞬間は、渋谷がどうやら大変なことになっていたみたいですね。裕坊も日本でテレビ観戦しながら興奮を味わいたかったなー。

その興奮を伝えるべく、裕坊は真っ先に愛妻ちゃんにテキスト。息子くんを歯医者へ連れて行っていた愛妻ちゃん、歯の治療から帰って来て、こんなテキストで返信をくれました……………………………「コロンビアって強いん?取りあえず勝ったんならよかった」……………………………………………あの………コロンビアのFIFA世界ランキング、16位なんですけど………………………………ブラジルくらいならインパクトあったのかなー………………………………………

今日はデトロイトからニューヨークのマンハッタンからハドソン川を挟んで向かい側にあるニューアーク空港を経由し、ノースカロライナ州の州都ローリー、そしてシンシナティまでの3本のフライト。ニューアーク行き、いきなり1時間半の遅れ。

デトロイトのどんより曇り空に呼応するかのように、あちこちで積乱雲が湧き上がっていて、各航空会社のダイヤを大きく乱していました。軒並みニューヨーク地方発着のフライトは平均で1時間から1時間半の遅れ。レーダーアプリを見てみると、こんな画像が映っています。

緑色はちょっとした雨。黄色になると少し強めの雨。赤になると危険度が高くなる積乱雲が発生していることが多く、こういったレーダーの画面は気象の目安にするにはとても便利。

積乱雲とは大気が不安定な状態の時に、水蒸気が強い上昇気流によって持ち上げられる条件が整ったときに発生しやすい気象。雲の中では下降気流と上昇気流がぶつかり合っていますから、空気の流れは極めて不安定。当然乗客の安全を考慮しないといけない旅客機が積乱雲に入るのは禁物。最悪、飛行機の構造に大きなダメージが発生することもあります。

レーダーに映るのは基本的には大粒の雨や氷の粒などを含んだ状態の時。雨や氷の塊が下に落ちないほどの上昇気流が発生していますから、中に入るとかなり激しい揺れに見舞われます。ですから飛行機搭載のレーダーに何も映っていなくても、積乱雲が肉眼で直接目視できるときは絶対積乱雲は避けないといけません。

疲れきってホテルに着いたとき、フロントの係りの男性、得意げになって言い切りました。「今週は積乱雲の大運動会らしいね〜。おかげで芝に水をやらなくて済んでるんだ」…………………………そういう問題なのね…………………………………

明日は午後少しゆっくりのショーアップ。テキサス州はダラスを経由して、ニューヨーク・ケネディ空港へと向かうスケジュールです。

 

裕坊

裕坊パイロット日記 6/18

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

今日、大阪地方で大きな地震があったようですね。朝のラッシュ時間帯に重なってしまったようで、通勤通学への影響も大きかったと報じられています。そんな中、数名の方の死亡も報じられました。中には9歳の女の子も…………この手のニュースは何度聞いても胸が締め付けられてしまいます。お亡くなりになった方には、心からご冥福をお祈りいたします。

そんな中、ライフラインは徐々にですが復旧してきているようですね。19日午前には私鉄のほとんどが通常運行を始めているというニュース報道を目にしました。地震国家日本、そのライフラインが徐々に強化されていることを心強く思います。

裕坊は5日間のお休みを終えて、明日から次の4日間のフライトへと出発。5連休最後の日は、既に学校が終わって夏休みに入っている息子くんを連れて、またもや懲りずにゴルフの練習。ほんのちょっとですが、昨日よりはスイングも打球も安定するようになりました。次回こそ………………………

明日からのフライト、東海岸あり、テキサスあり、フロリダありとまたもあちこちを忙しく飛び回るスケジュール。4日目の金曜日には久々に5本のフライト。ただ裕坊の勤めるエンデバー航空の就航都市はアメリカの東半分の都市が中心。裕坊自身、自分が担当している都市においてあまり地震のニュースを目にすることがありません。でももし裕坊自身が地震に遭遇した場合どうするやろな………………………………

これは地震の多い少ないで会社の緊急時のマニュアルなども変わってくるのでしょうが、パイロット向けの緊急時対策の訓練は、飛行中における飛行機の不具合を想定したものがどうしても中心になります。エンジンの不具合、機内火災、操縦系統の故障、与圧装置の故障などなど。不具合を特定してそこから最前の選択肢を選び抜き、いかに安全に飛行機を空港へと着陸させるか。

飛行機は空中を飛んでいる際、地震による直接の影響を受けることはまずありません。ただ旅客機の場合多かれ少なかれ滑走路に着陸してゲートに入るその瞬間まで、地上に何らかの形で支援を受けています。本社の運航課は飛行機の行方を常に追っていますし、航空管制も同様に常にその動きを追っていて、管制区域外に出るまでは常に飛行機は監視下にあります。着陸した後でも、地上管制区域にいる以上、管制官もその動きを注視する義務があるのです。

高度10,000メートルを巡航中に、空港が地震により閉鎖された場合は、まず航空会社の本社運航課の担当者から連絡が入ります。

大抵こういったケースでは滑走路の安全点検にしばらく時間がかかりますから、必然的に別の空港に目的地を変えることになります。東日本大震災のケースにおいては、成田・羽田到着便が合計で86便、関空、名古屋セントレア、札幌新千歳を中心にダイバートしました。もし出発地において離陸前ということであれば、恐らくほとんどのケースでゲートへ折り返しになるでしょう。

ではもし着陸態勢に入っていて、急に目の前で地震が発生したとしたら………………

もし進入態勢に入っていて、あと1分ほどで着陸、といった場合はほぼ間違いなく着陸復行。スラストレバーを押し込んで再上昇。空港の管制塔が地震を感知すると管制官がすぐ滑走路へと入ってきている到着便に連絡をして、全機上空待機になると思います。

通常地震があった場合の安全点検に要する時間は10分程度。そこで安全が確認されれば再び飛行機を滑走路へと誘導。

では着地の瞬間にもし地震が襲ってきたとしたら………………

これはあくまで機体設計の際、離着陸において地震というものを想定はしていませんから100%確実なことは言えませんが、旅客機クラスともなると横風離着陸は想定した上で着陸装置も設計されていますので、横揺れにはかなりの耐久性があります。縦揺れに対しても同様に、硬めの着地を想定していますから、急な縦揺れが起こったとしても充分耐えうる耐久性はあるでしょう。

では滑走路の耐震性は……………………………

こちらも安心していただいていいと思います。元々旅客機の往来のある空港の滑走路の場合、ボーイング747、現在だとエアバス380クラスの巨大な機体が離着陸することを前提にしています。離陸時の最大重量はボーイング747だとおよそ470トン、エアバス380になると560トン。既に我々が日常生活で考える範囲を悠に超えています。ですから耐震性以前に滑走路のコンクリート、あるいはアスファルトの頑丈さは我々が想像できる範囲を遥かに超えているのです。

実際、1995年に発生した阪神大震災の際の関西国際空港における滑走路の被害はほぼ皆無に近く、実質的な滑走路の閉鎖はありませんでした。すぐに供用を再開した関西空港はインフラの崩壊した関西地区の救援物資到着の拠点として大活躍。国内外から送り届けられた救援物資をヘリコプターに積み込み、ピストン輸送によって神戸復興に大きな役割を果たしたのです。

ただ今回の地震による影響はまだまだ残っています。1日も早い本格復興を、裕坊は心から願っています。

 

裕坊