アメリカの小型旅客機に乗る、裕坊と申します。こんにちは。
先週の木曜日に4日間のフライトを終えて、4日間の休暇に入っています。6月の1ヶ月間は欠員補充でそのほとんどを自宅待機で過ごし、来月7月も同じように補欠要員で過ごすことになっています。7月の初めにはアメリカの独立記念日も控えているので、ひょっとしたらその辺りにフライトが入るかも知れません。
今月の裕坊の実働日数は、合計で6日。担当したのは1ヶ月で7便。ほぼ1日1便ずつの担当で、全便とも月初には全く運航予定には入っていなかった、増便されたフライトばかりでした。
乗客の皆さんの足が少しずつ戻りつつあるアメリカですが、全米でのコロナウィルスの感染状況を見ると、まだ第1波ですら到底終わったとはいえない状態……フロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州など一部では新規の陽性者数が過去最高を記録し、全米で45,000名の陽性者の報告が出されて新記録を更新してしまうなど、むしろ後退傾向………
そんな中でも、アメリカの保守層は必死に共和党各知事の決断に対し、熱烈なまでの支持を続けています。この期に及んでもトランプ大統領に対する支持も全く揺らぐどころか、むしろ地盤を固めつつすらあるくらい……ある共和党支持者の投稿を見ていると、
これはフロリダ州での実例を上げてます。4月と5月の1ヶ月間での陽性診断者数は22,000名。平均年齢は52で、陽性と診断された人のうち入院が必要だったのは15%で、2ヶ月で亡くなった方の数はおよそ2,500名。
方や6月は26日(金)まで新規に陽性と診断された方が70,000名。平均年齢が38でそのうち入院が必要だったのは4%。亡くなった方の数がおよそ300名。
だから彼らに言わせると、『状況は大幅に改善している』んだそうです……
分からん…………
フロリダ州の人口はおよそ2,200万人。日本のおよそ6分の1。もし同じ比率で感染者や死者が日本で出ていたとすると、6月1ヶ月だけで42万人の方が陽性と診断されて、亡くなった方が1800名という計算。これ、日本ですと確実にパニックになってます。それで状況が劇的に改善していると言い切れる感覚………裕坊はアメリカに来て18年になりますが、その感覚に融和することは未来永劫ありません………
既に主要な医療施設における集中治療室の占有率は90%超え……現在のペースで感染拡大が続き、6ヶ月後までにフロリダ州全体の人口のおよそ2割が感染したと仮定した時、必要となる病床数はというと……
単純計算で、現在のおよそ3倍。仮に病床数自体をなんとか増やすことは実現できたとしても、必要となる医療従事者の数は到底確保不可能だそうです……他州や他国からの応援で確保することは辛うじてできるのかも知れませんが……
経済封鎖緩和を発表した後のフロリダ州では、これまで何事もなかったかのようにバーなどにも人が集まっていたらしいのですが、
これはマイアミビーチ近くのバーで撮影された画像。よく見ると、この画像の中でマスクをしているのは、1人の女性だけ……
マスクを着けることへの嫌悪感が未だに根強いアメリカ。 先日フロリダ州にあるパームビーチ郡で、マスク着用を巡っての公聴会が開催されましたが、
大半が「アメリカ国民に与えられた自由への冒涜」「共産主義の独裁政策の象徴」などという意見、ほとんどはマスク着用義務化への反対意見だったそうです……
マスクは万全ではないとしても、ウィルスの連鎖を断ち切る確率は増やすことができると思うんやけどなぁ〜〜………
アメリカ国内の航空会社では、ほぼ例外なく搭乗の際のマスク着用は義務付けていますので、搭乗の際にはマスクも着けてはいるものの、
飛行機が動き出した途端に、マスクを外してしまう例も少なからず………
マスクをつけるという概念の完全定着には、まだまだ相当時間がかかりそうな印象を受けます…
先日はマスク着用を拒否した男性が、飛行機から降ろされたという一件がありました……
つい数日前には、カリフォルニア州のサンディエゴで、マスクを着けていなかった女性がコーヒーの注文を断られて、応対した店員をソーシャルメディアに顔写真付きにしてまで投稿し、大炎上してしまうという一幕もありました。
ちなみにこの時応対をした店員さんに対しては、チップを募るホームページが立ち上げられ、目標1,000ドルに対して既に70,000ドルを超える募金が集まっているんだそうです。このご時世にあっても、マスクをしていない人に対する注意を促すのは神経を使ってしまうアメリカ。そんな中で毅然とした対応をしたこの店員さんには、敬意しかありません。
まだまだ感染が収まらない中で、カリフォルニア州のアナハイムにあるディズニーランドは、再開園を延期。
急激な感染拡大に配慮してのことだそうです。
そんな中でも大リーグは、7月23日か24日を目処に開幕を決定しました。
ちなみに写真は、タイガースの本拠地のコメリカパーク。通常大リーグのシーズンは年間で162試合が行われますが、今季は60試合を予定しているのだとか……ただ労使交渉を経ての合意が得られて即発表といった経緯だったので、スケジュールの再作成などはこれから………
さらには日本のプロ野球と同じく、開幕後しばらくは無観客での試合、ということになりそうです。
ただメジャーリーグ関係者にも感染者はおり、チームによっては登録選手の中から感染者を出しているところも……
各チームとも7月1日前後からキャンプ再開が予定していて、60試合が開催された場合は、選手も日割り100%の年俸を保証されたということらしいですが、全米で感染が収まらない中、果たして60試合を労使交渉締結通りに運べるのかどうか………
さらには選手の中には、家族に健康不安を抱える人もいますので、今季の欠場を考慮しているという選手もいるそうです。
写真は昨年ワシントン・ナショナルズのワールドシリーズ初制覇に大きく貢献した、ライアン・ジマーマン内野手。母親が多発性硬化症を患っているため、家族の健康を優先して今季の欠場を検討しているそうです。まだ結論には至っていないのだとか……
NBAでも7月末からの開催を決定したそうですが、開催地となるフロリダ州では感染が大きく広がっていますので、こちらもどうなることやら……
開催会場となるESPNワイドワールドオブスポーツ(ESPN Wide World of Sports)は、フロリダ州のオーランドにあるディズニーワールドの敷地内にあるのですが、
こちらは再開園の延期などは正式には決まっていませんが、いつ閉園の延期が決まってもおかしくはない状態……こちらもかなり流動的だといえそうです……
コロナウィルスの影響は、夏の間はひと息つけるものと思っていましたが、しばらく息抜きすることはできないかも知れません……