米国航空会社に副操縦士として勤務する、裕坊です。
例年と比べるとやや肌寒い日が続いていましたが、桜は4月中旬頃から見頃になり、綺麗なお花を咲かせておりました。
もうすぐ5月。
まだ5月といえば気分的には春ですが、アメリカのほとんどの大学では学年度が5月の初旬には終了してしまいます。アメリカの大学での2年目を終了し、我が息子もアパートを引き払って、しばらくの間の帰宅します。ただアパート生活をするに当たって家具を一部調達するなど、荷物がかなり増えていたので、夏休み中はしばらく不要となる冬服などを納めておくのに、ストレージと称されるレンタルでの荷物置き用のスペースを借りることになりました。
アメリカでは至るところに、スペースレンタルの会社が点在していて、企業、個人がそれぞれの用途に応じてしばらくの期間不要となる持ち物をしまい込んでおきます。
スペースの形態も様々。屋外から直接レンタルスペースに入り込める形式のものもあれば、
事務所の横や倉庫などを通り抜けた上で、屋内へと持ち物を運び込むタイプのスペースも。
危険物や腐食やカビの原因となる生鮮食品など、一部の例外を除くと持ち込み品にも大きな制限はなく、一時的に不要となるものはほとんど何でも持ち込みが可能で、
レンタル用スペースの大きさも大小さまざま。 中には学生向けの一時的なレンタルを対象にした小スペースのレンタルも可能です。
夏休み限定になるので、学生向けのレンタルに特化した地元のストレージ会社と先日契約。
4ヶ月レンタルの期間限定で、息子の最終試験終了とともに、引っ越し作業を手伝うことになりました。 契約後は、そのレンタルスペースの通りの並びにたまたまコーヒーショップを見つけ、
しばしの休憩。
コーヒーショップがかつてトラックで販売していたものと思しきロゴ入りクラシックワゴン車に、
昭和世代には懐かしい、ダットサンのトラックなども止まっておりました。
左ハンドルで、北米用に生産された一台なのでしょうが、AMラジオのみのオーディオなど、昭和の雰囲気がしっかりと漂っておりました。
春の季節は暖気と寒気とが交互に入れ替わるため、前線が発生してお天気が不安定になることも少なくなく、特には冬型のお天気と夏のお天気とが1日の間に混ざり合う日も発生します。さすがにこの季節は積雪を観測するのは本当にごく稀ですが、積乱雲を避けるのは、旅客機にとっては大前提。
稲妻や雷鳴を伴う大きな入道雲になると、最大に発達した段階では上昇気流と下降気流が激しく交じり合い、旅客機がその中を通過すると大きな揺れを起こします。
中には機内ドリンクサービスに使用される通路用カートが上下反転したことなどがあり、
野球ボール大に発達した雹が直撃して、機体が損傷した事例などもありました…
旅客機の巡航高度を遥かに上回る高度にまで発達することも珍しくないので、積乱雲の位置を把握するのは、パイロットの重要な任務の1つになります。
日中、局地的に発生している入道雲であれば、目視で位置を把握することが可能ですから、迂回もそれほど難しくはありませんが、
夜間であったり、範囲がとても広い雨雲の中で囲まれるように発生している積乱雲の位置を把握するのは、目視では容易なことではありません。
そんな時に頼りになるのがレーダー装置。
航空管制が各航空機の位置、高度を把握するために日常的に使用されるレーダー装置。
ちなみに航空管制用のレーダー装置では、一旦航空機側が航空管制からレーダー波を受信して、航空機側から便名と高度情報が航空管制のアンテナへと返信される双方向性電波が使用されています。
レーダーの装置の基本とは、物体の把握。実は水の粒をも感知できる性質があり、雨粒からの返信波の受信も可能になります。
雨粒が大きなればなるほど返信波の返りも大きくなるので、激しい上昇気流を伴い、大きな雨粒を多く含んだ大型の積乱雲の把握には大きく役立ちます。
現役のジェット旅客機にはほぼ例外なく雨粒感知用のレーダー装置が機首に装備されていて、
積乱雲発生の予報が発令されている際には、レーダー装置を稼働させて、入道雲の位置と強度とを感知します。
現代の旅客機では、航法装置用の画面に通過地点や各空港の位置とともに表示されることが多く、
操縦席では、このように画面に表示されます。赤色と紫色で表示されている部分が、大型の積乱雲の位置。ただ航空機同士の空中衝突を防止するために、迂回をする際は、各航空機は航空管制に迂回の要請をしなくてはいけません。大きな積乱雲が発生する時期になると、迂回の許可を求める各航空機の交信で航空管制が混雑しやすくなります。
最近でも大きな入道雲の発生で、大きな迂回を余儀なくされたかと思えば…
空港上空に大きな入道雲が湧き上がって、上空待機を課されたことなどもありました…
暑い時期でも大気が安定していれば大きな雨雲の発生は稀なのですが、ちょっとでも大気が不安定になると、特に南部では積乱雲が上がりやすく、これからおよそ半年間、パイロットにとっては大きな雨雲とお付き合いの時期になります。
次回は5月にお目にかかります。












































