yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 7/7

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

先日金曜日に終わった4日間のフライトでは、ニューヨーク地方周辺の積乱雲、うろこ雲に4日間に振り回されっぱなし。幸か不幸か、4日目は予定していた3便が担当から外される形になり、お客さんとしてピッツバーグから帰って来ました。直接自ら操縦席に座ってお客様を運ぶ担当便がなかったので、ピッツバーグからはいつでも帰って来れば本当はよかったのですが、あまりにも疲れ過ぎていて朝10時まで目が覚めず……………そのあと結局乗務員配置係が入れてくれていた予定の便の5時ピッツバーグ発で帰ってきました。

嵐が過ぎ去って、とてもお天気のいいピッツバーグ。ホテルの外には花壇も植えられています。

こんな景色を見ながら快適な青空の中を空港までやってきて、

昨日は自分で操縦桿を握ることなく、客席に座ってデトロイトへと帰ります。

そして今朝。昨日と同じように雲一つない快晴。絶好のゴルフ日和。駐在さん中心のゴルフ会に参加をさせていただきます。我が家のガレージを8時前には出発して、

同じように休日を利用して来ているゴルファーに加わりました。このゴルフ会のメンバーの皆様方、今回もお誘い本当にありがとうございます。

クラブハウスを木漏れ日が漏れる中、裕坊は1組目にて出発します。

他の皆さん方が歩かれる中、1人今日カートに乗った裏切り者、裕坊………………………

今日は裕坊にしてはまずまずの出来。20年以上ぶりにハーフを50切ってみたり、バーディーを一つ決めてみたり、ただときどきやってしまう大崩れ…………………もうちょっと安定感が必要です……………

ゴルフ非常に楽しかったです。早く日本もこんな天気になって欲しい…………やっぱり日本の中国地方から中部地方にかけての雨は気になりました…………………裕坊自身、台風による雨で実家が床下浸水したことがあります。他人事ではありません。小学校一年のときの出来事、今では周りはすっかり住宅街になってしまって以前の面影は完全になくなりましたが、裕坊が小学生の頃は周りは見渡す限りの田んぼだらけ。その田んぼの水位が異常に上がって見渡す限りの濁水を見るのは、今思い出しても異様な光景でした。

ニュースを見ていますと、相当な数の死者が出てしまっているようです。今回の水害でお亡くなりになった方には、心よりご冥福をお祈りいたします。

早く雨が止んでくれることをミシガン州より願うばかりです。一部では特別警報も解除され、徐々に雨は小康状態になってきているようですが、集中豪雨のあとはまだ鉄砲水などが起きる可能性が残されています。油断はできません………

パイロットという仕事柄、危険予知の大切さを痛感している最近の裕坊。実際、ここ最近のパイロットの訓練は実技の技術よりも、いかに危険要素を察知し、或いは事前に把握して、いかにして最悪の状態を回避するかに重きが置かれるようになりました。かつては急旋回や失速回復などの特定の操縦技術、エンジン故障の際の片肺飛行の技術などが試験項目になっており、それが一定水準に満たないと試験に落とされるということもありましたが、それも今は昔の話。今ではそれらはあくまで「おさらい項目」として扱われます。

現在の訓練では飛行機のメカニズムの故障、積乱雲の予期せぬ発生、或いは機内における火災が発生した場合などの対処が試験の審査項目になります。安全に目的地まで飛べるのか、或いは別の空港に着陸するのか、もし他の空港へ着陸するのであれば、どの空港を選択するのか、そしてその理由は、などなど。

現在、航空業界ではこれを『Threat and error management』と呼んでいます。日本語に直訳すると「脅威と失敗の管理」。実質的には危険要素の把握、それへの対処、一言で言い表すのであれば危機管理対策、という風に考えていただければお分かり頂けると思います。定期便航空会社のパイロットに一年に一度の受講が義務付けられる年次講習でも、最近の話題は専らこの危機管理対策。大まかな流れとしては、まず「危険要素」の把握から始まり、解析、精査という段階を経て実行へ行動を移し、危険要素を把握した上で、適切な対処をするのです。

この『Threat and error management』の考え方、恐らくいろんな自然災害の場面においても活かして頂けるのではないかと思います。地震は長期予報はできても、直前の予知はまだまだ難しいですが、水害は基本的には天候とともに発生することがほとんどですから、かなりの確率で事前把握が可能なはずです。キーワードは情報収集、さらにはその情報を自ら精査するための予備知識。

裕坊、今回の気象観測史上稀に見る大雨を目の当たりにして、裕坊自ら出来そうな水害対策について考えてみました。豪雪や異常低温などの冬特有の現象以外は比較的自然災害が少ないミシガン州。それでも竜巻はここでも発生することはありますし、水害とて同様、他人事ではありません。

非常時、避難時に持ち出せる食料や水、毛布や寝袋を準備した上で、あとは情報収集。最近ですとお天気情報の中で、レーダーの画面を直接見ることが可能になりました。これが特に大雨の時には役立ちます。特に層雲を伴った雨雲は水蒸気を大量に含んでいるので、長時間雨を降らせるのが特徴。長い間シトシトと降り続きます。レーダー画面を見ているとこれは簡単に把握できます。

気をつけたいのがここ最近の土砂災害の多くの原因になっている深層崩壊と呼ばれる現象。長い間雨が降り続いて山の深い層が崩れてそれが土石流となって一気に周辺の家屋や道路などを飲み込んでしまいます。いわゆる土石流による集落の直撃がこれ。

さらにはそれによって流れ出た土砂は河川へと流れ込み、天然ダムと呼ばれる河道閉塞と呼ばれる現象を発生させます。本来流れるはずの川の水が堰き止められて上流側の川の水位を一気に押し上げることもあります。これを伴うと最悪の場合、肩の高さほどにまで水位が上がるのに、30分と時間がかからないのだそうです。

大切なのは、それらが発生しそうな状況になった時の避難経路、避難先などを把握しておくことでしょう。また車を利用するのか、或いは徒歩なのか、なども。あと重要になってくるのが、避難のタイミング。水かさが増してからでは明らかに遅いです。豪雨の中での避難にはそれそのものに危険が伴います。雨の降り方は気象予報、レーダーの観察の仕方をちょっと学習すれば比較的容易に習得できるようになります。

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さらに最近の気象予報はかなり精度が上がりました。もし住居が比較的河川に近く、さらに気象予報で降り始めからの総雨量が1000ミリを超えますなどという予報が出た場合、裕坊であれば恐らく雨が降り始めるくらいのタイミングで車に食料に毛布、寝袋などを積んで、車でまだ安全に移動できる間に多分移動してしまいます。家が流されるとなると確かに惜しいのは分かりますが、命には変えられません…家ならば後で建て直すことは可能なのですから…

では総雨量が200ミリくらいであればどうでしょうか。ここが決断の難しいところ。レーダーなどを注視し、総雨量に目を見張り、ある一定の基準を自分の中に作って、その一定の基準に達した時点でゴーサインになると思います。水害の場合、避難は早ければ早いほど安全に出来るのですから。

最近では国土交通相のホームページ、政府広報ライン、各自治体のホームページなどで様々な防災対策の情報が掲載されるようになりました。危険予知、危険回避を常日頃から自らも意識し、いざという場合に備えて事前準備だけは裕坊自身も整えておきたいと思います。

 

裕坊