yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 11/11

米国航空会社で短距離路線の副操縦士を務める、裕坊といいます。

 

アメリカでの偶数年、11月の通常の第1火曜日(2022年は2週目の11月8日)は選挙の日。公立の学校もお休みで、息子くんもお休みでした。大統領選挙がない年では、全米50州のうち36州において、州知事選挙も行われます。ミシガン州もその1つ…

写真右側が、コロナウィルスの爆発的な感染下の中で注目を集めたグレッチェン・ウィトマー現州知事。左側は共和党の推薦で立候補していたチューダー・ディクソン氏。実質的に女性2人による一騎打ちでした。

 

前大統領のトランプ氏までがミシガン州入りしてディクソン氏の応援演説。選挙直前の世論調査ではポイント数でかなり拮抗状態となり、

州全体を見渡すと、保守派、共和党支持を示す赤い部分が大部分を占めるにまでなり、

 

新人が現職を破るというシナリオは十分に想定できたのですが…

いざ蓋を開けてみると…

 

現職ウィトマー氏の再当選。

上の写真、州の地図の濃い青い部分はミシガン大学があるアナーバー地区。大学生の中でも投票権がある学生はかなり投票所に足を運んだようで、民主党支持率が圧倒的に高かったようです。ここが結果的に、大きな分かれ目になりました。

 

今回の中間選挙では、共和党が地滑り的な勝利を収めるのではと一部で予想され、『巨大な赤い波が起こる』とまで言われたのですが…

下院こそ過半数を占めたものの、未だに上院では決着が付かない状態で、地滑り的勝利とはならず…ちなみにジョージア州の一部では、再投票まで行われることになりました…

 

選挙前からトランプ氏の気合いの入り方はかなりのもので、近々『重大な発表』をするとまで言い放って息巻いていたのですが…

少なくとも現時点では、影響力が低下しているのは否めません…

 

共和党に関していうと、トランプ氏と距離を置き、共和党内で影響力を増しているとされているのが、フロリダ州知事選挙で固く2期目を確保した、ロナルド・デサンティス氏。

保守派の間でも信任を集めつつあり、時期大統領選挙の出馬が見込まれているようです。トランプ氏も再出馬を狙っているそうですが、2年後は果たして……

 

そんな選挙に沸いていたアメリカでの1週間。先日は裕坊が所属するデトロイトから訪れていたのは、車でも2時間ほどのお隣オハイオ州クリーブランド。担当したのは、午後10時発の最終便。

ビジネス客が多く乗る便で、到着後お客様が降りるのに10分とかかりませんでした…写真は乗務するボーイング717型機の機内の様子。ファーストクラスは一列4席、エコノミークラスが通路を挟んで一列5席で、合計で110座席。

 

搭乗口…荷物をまとめて…

 

ホテルまでのシャトルを待ちます。

 

車で20分ほどかかる距離をダウンタウンまで。シャトルバス内では賑やかに色々と話に花が咲くのですが…

中間選挙があった週だというのに、政治の話をする人はほとんどいません…というより、政治の話は大抵そっちのけ……

 

その代わりこの季節、1番話題になるのが…

大学フットボール

 

裕坊の頭の中では、フットボールといえばNFLのイメージがあったのですが、アメリカでは自ら通った大学への帰属意識がかなり高いみたいで、人気は明らかにNFLも上のような印象があります。

大リーグのシーズンが終わり、ワールドシリーズの決着が着く頃になると、空港からホテルへと向かうシャトルバスの中での話題は、大学フットボールのことで持ちきり…

 

大学の数だけフットボールのチームが存在し、その分カンファレンス(野球でいうところのリーグに相当)も多く対戦形式も複雑なので、裕坊にはちょっと理解できません…(裕坊自身は日本の大学を卒業しているので、アメリカの大学への帰属意識もありません…)

どの大学でもコアなファンは存在するのですが、

 

恐らくどこにも負けない熱狂的なファンを持つのが、

ミシガン大学ウォルブリンズ。

 

本拠地はこちら、ミシガン・スタジアム。

収容人員でどこにも負けないようにと改築に改築を重ね、開場当初の収容人員72,000人から現在では10万人を超える収容人員107,600人を抱え、NFLメジャーリーグなどを含めても、現在北米最大の収容人員数を誇っています。

 

しばらく不審の時期が続いて、所属地区でもポストシーズンへと進出ができないシーズンが続いたのですが、

2018年に地区制覇を果たしてからは、まずまずの戦績を残しているらしいです。ただ実を言うと…

 

2022年度のシーズンが破竹の勢いらしい……11月10日現在、8連勝中ということで、興奮が収まらないらしいです。

どうやらヘッドコーチ(野球でいうところの監督的な役割)が相当優秀なようで…

 

そのヘッドコーチというのがこちら、ジム・ハーボウ氏。

自らもミシガン大出身。NFL現役時代はシカゴ・ベアーズインディアナポリス・コルツといった強豪でクォーターバックを務め、現役引退後はITの秀才たちを全世界から多く集めたスタンフォード大学を率いて、2006年全米1位の南カリフォルニア大学を撃破するという番狂わせを演じ、その功績が評価されて就任したサンフランシスコ・49ersでは、再建中だったチームの復活を成し遂げ、名門復活の立役者として讃えられた……そうです…

 

ただウォルブリンズのファンたちにとって気になるのは、ハーボウ氏の今後…

これだけ優秀なヘッドコーチだけに、各NFLチームからのオファーの噂は絶えず、ラスベガス・レイダーズやミネソタ・バイキングスなどからのオファーなども度々報道されたようで…ミシガン大学とは2022年から5年契約を結んでいるそうですが、NFLチームからのオファーがあった場合は、ミシガン大学との契約を破棄できる条項でもあるのか、ファンも気が気ではないようです…

 

ここ最近の裕坊は短距離路線が圧倒的に多く、客室乗務員さんも同乗するのは、ほとんどがデトロイト所属の方たち。

 

 

 

 

しっかりとウォルブリンズの教育も、ご教授賜っております……