米国内短距離路線を中心に乗務する旅客機操縦士、裕坊といいます。
5日間の勤務を終えて、雲一つない快晴のお天気の中を、愛妻ちゃんと久しぶりにお出かけしました。
家族で使っている3台の車のプレート更新時期が迫って、お役所の機械で更新をしようとしたところ、
機械に入っているはずのシールが品切れ……
気を取り直して車に再び乗り込み、とあるカフェへと向かっていると…
貨物列車専用引き込み線に、滅多に通らないはずの貨物列車が通過中……
それでもめげずにやってきました。
超高級住宅があるバーミンハムのダウンタウン。
ミシガン州で唯一の、スターバックス・リザーブのお店までやってきました。
本場のコーヒー豆をその場で挽いて、豆の香りから味わえるロースタリーやったら、もっと最高なんやけどなぁ〜…ちなみにスターバックス・ロースタリーは、世界でも6軒だけ(そのうちの1軒は東京。青葉台にあります)…
それでも寛ぎのひと時を過ごしました。
先日終えたばかりの5日勤務。最終日の金曜日は、シンシナティ空港での早朝出勤だったのですが、
春休みだったこともあって、保安検査場への行列がなんと搭乗手続きカウンターまで続くという大混雑…
ちなみに4月中旬まで延期されている公共交通機関利用時の米国内マスク着用義務。航空会社はこぞって連邦政府に対して、義務撤廃をかなり強く要請しています…
コロナ禍が過去の出来事のような雰囲気になる中、久しぶりにテキサス州の州都、オースティンまでのフライトなどをこなしておりました。
開業になったばかりの新ターミナルでの発着…
最近の新しいターミナルの例に倣い、天井が高くて開放感のあるターミナルになっておりました。
ただ裕坊にとっての今回の5日勤務のハイライトは、
東海岸を3日連続で襲っていた、大規模な雷雨…
連邦航空局が発表する各空港の遅延情報を見ていても、
ニューヨーク付近を中心に大幅な遅れになり、
ラガーディア空港行きなどは、最大3時間の離陸待ち…
当日の我が社の運航実績表を見ると、
午前中こそ遅延もほぼなく、全便ほぼ定刻で到着していたものの、
午後の便は遅延が大きくなりすぎて、多くの乗務員が拘束時間の制限を大幅に超えることになり、軒並み欠航が相次ぐことになりました…
ただ裕坊が担当した便でいうと、最大2時間近くの遅れにはなりながらも…
深夜近くになろうとも日付が変わろうとも、運航が中止になることはなく、
5日間合計で13便を、1便たりとも欠航することなく終えることが出来ました。
スタミナ丼…8ドルと、なかなかリーズナブル…
全米の中でも旅客機就航空港としては最北東端になる、メイン州バンゴー空港で購入。
そのバンゴー空港、空軍並びに沿岸警備隊所属の空中給油機、軍用貨物機などがたくさん停泊しています。大型軍用機が見られる空港の1つで、アフガニスタン戦争などの際には相当な往来があったのですが、
今ではたまに大型貨物機が発着するくらい……アメリカは2022年4月中旬現在、直接ウクライナ紛争には軍事介入していないとあって、バンゴー空港の空軍基地も今はかなりひっそりとしています。
5日勤務は、金曜日の夕方に終了。
そして帰宅する頃になって、急に飛び込んできた旅客航空界のニュースといえば、航空会社同士の合併、買収に関するニュース。
格安航空会社の代表格の1つ、ジェットブルー航空がスピリット航空との買収交渉を始めることになったそうです。
実をいうと、スピリット航空といえば、
最近になって、フロンティア航空を傘下に収める投資企業による買収への動きが始まったばかりでした…
運航規模ではスピリット航空を下回るフロンティア航空。資金力でスピリット航空を遥かに上回る、インディゴー・パートナーズ(4社の航空会社を運営)の傘下の航空会社です。
そのインディゴー・パートナーズ最高経営責任者である、ビル・フランク氏によってスピリット航空買収交渉が持ちかけられたのが2月。
買収金額提示は29億ドル(日本円でおよそ3,000億円)でした。
そこに割って入ってきたのが、ジェットブルー航空。買収金額の提示は、36億ドル(3,700億円)と、インディゴーと比べて20%増し。
結果的にどちらに傾くことになるのかは、裕坊には見当すらつきませんが、一部報道を見ているとスピリット航空ではジェットブルー航空からの働きかけを真剣に検討しているんだそうです。
元々同じ格安航空でも、フロンティア航空とスピリット航空とでは経営方針がとても似通っていて、両社とも使用機材は全機エアバス320型シリーズ。
座席クッションが極端なまでに薄く、リクライニングもなければ機内エンターテイメントもない、徹底した簡素ぶりが大きな特徴になっています(最近では両社とも、機内エンターテイメントの設置を始めていますが…)
ちなみに上の写真がフロンティア航空で、下の写真はスピリット航空。
スピリット航空などは、座席ポケットなども紐を交差させただけの超簡易型。ノートパソコンを置くことですらままなりません…
それに対してジェットブルー航空は、主力こそエアバス320型シリーズで一致しているものの、一部の機体はそれよりも小型なエアバス220型機であったり、エンブラエル社製であったり…
そして客席内に目を向けてみても、
各座席にはエンターテイメント用の画面が設置され、 機体によっては角度こそ浅いものの、リクライニングをする機体もお目見え、
同じ格安航空でも快適さでは一線を画していて、
スピリット航空やフロンティア航空が行く路線とは必ずしも一致はしないのですが、
全く違う企業文化を持つ者同士の企業合併が過去になかったわけではなく、
最近ですと、アラスカ航空によるバージンアメリカ航空の買収などの例もありますし、
さらに遡ると、アメリカウェスト航空(当時の本社は、アリゾナ州フィネックス)と、
USエアウェイズ航空の2社の合併(この合併による新USエアウェイズは、現在のアメリカン航空の一部になっています)といったことも起こりました。
なのでスピリット航空の買収も、どちらに転ぶのかは、当事者同士にしか分かりません……ただパイロットの間では、しきりに話題になっていて、コックピット内の巡航中の話題にしばらくはなりそうです。
次回は木曜日から、4日勤務です。