米国内の地域航空会社に勤める、裕坊といいます。
お正月の2日間のお休みをいただいたあと、6日勤務をこなし終えて帰宅しました。
冒頭の写真は、今年の初出勤、従業員駐車場から撮った一枚。
初日となった3日月曜日は、中西部から東海岸にかけて雲一つない快晴のお天気になり、
到着地となったニューヨーク・ケネディ空港でも、澄み渡るような青空が広がっておりました。
しかもそのケネディ行きには、休暇でニューヨークを訪れていた元同僚が乗ってくる偶然。記念すべき、今年の初フライトとなりました。
当時からのクルーでもある客室乗務員さんと共に、記念撮影(掲載には、ご両名の快諾をいただいております)。
これは今年の幸運を示す予兆になる、と思いきや………
実は2日目以降、いろいろとありました…
その中でもハイライトになったものといえば、
アメリカへ入国する際、別室での再審査を受けたこと…
カナダ・トロント空港で起こったハプニングでした。
カナダの主要空港では、アメリカ行き国際線に搭乗する際、カナダ側の米国入国管理局で審査を出発前に済ませます。
旅客機の乗務員は、大抵簡単な審査で通過するのですが、
何らかの事情があったのでしょう…
別室へと通されて、パイロット2名、客室乗務員2名とも再審査…現在の航空会社に入社して16年目にして、初めての出来事……
保安上の問題があったのかどうかは分かりません…理由は敢えて教えられない、と審査官自らが口にしておりました…
最終日、6日目のハプニングだったのですが、
実を言いますと、米国入国管理局を同じ日に2回通過したのも16年目にして初めての体験…
これは前日5日目にトロント入りした時の、ホテルの送迎シャトル待ちでの風景。
気温が氷点下4度の中、40分ほど待ちぼうけ。数ヶ月前までは人影すらほとんどなかったのが、嘘のような混雑ぶりでもありました。
翌朝トロント出発。カナダでも航空機を利用するお客さんの波は確実に戻りつつあり、ボーディングブリッジ付きの発着ゲートが足りなくなって、
CRJシリーズの旅客機は、階段を使ってお客様をお迎えすることも多くなっています。
ニューヨーク・ラガーディア空港までやってきて、
とんぼ返りでトロントまで折り返しておりました。
カナダ入国管理局へと向かうの巻き…
昨晩に続いて入国審査を済ませ、
今朝通ったばかりの出発ターミナルを、再び米国入国管理局へと向かいます。
ちょうどお昼時に差し掛かっていたので、客室乗務員さんはハンバーガー屋さんで腹ごしらえ…
そして当日2回目となった入国審査で起こったハプニング…ほぼ1時間の足止めとなりました…
パスポートを一時預けたまま別室での待機。それでも折り返しが2時間だったとあって、定刻で折り返せたのはある意味奇跡でもありました。
トロント到着から約1時間半をかけて、やっと飛行機へと到着。
荷物棚の戸が一部故障中…6日勤務の締めとなる、デトロイト行きのデルタ4667便でした。
実はデトロイト発着便を担当したのは、初日のケネディ行きとトロントからのデトロイト行きの2便だけ…
その他は、例外なくニューヨーク発着便の担当でした。
実をいいますとニューヨークには大きな降雪もやってきていて、
これは雪が降り出す前の、機体外部点検の時に撮った一コマ…
行き先は、ミシガン州グランドラピッズ。
ミシガン州西部にある州第2の都市でもあり、比較的需要も高く、ニューヨーク直行便が毎日2往復運航されています。
ホテル送迎シャトルに乗り込む乗務員は4名。
そして翌朝の空港出勤時。
シャトルには、乗務員8名が乗車…
ラガーディア空港到着…
雪の影響で欠航になり、足止めになっていた乗務員4名を客席に乗せてのフライトでした。
ただ降雪量は思ったほどにはならず、裕坊が担当した便には、往復とも影響なし…
ただかなり早いうちから夜間停泊していた機体には、至る所に霜や氷が張り付き、
グランドラピッズでは、離陸前の機体除氷作業を済ませての出発。
離陸までに要した時間、およそ40分(通常ですとおよそ15分)。
ニューヨーク到着……除雪作業の影響で、ラガーディアに2本ある滑走路のうちの1本が閉鎖になり、
航空管制による速度調整やレーダー誘導などで、着陸までにいつもより40分ほど長くかかって、到着は定刻からほぼ1時間の遅延…
遅れているので、間髪入れず折り返し…
そんなハプニングがありながらも、6日間予定担当便を1便も欠航させることなく終わったのは、かなり奇跡的でした。
ただ各社とも軒並み乗務員不足は深刻になっているようで、
特に人材不足が顕著になっている地域航空会社の運航する便に、かなりの影響が出ています。
主要空港での出発便案内板には、どこかで欠航便を見るようになりました。
そしてこちらはトロント空港を出発する便の案内板。
アメリカだけでなく、カナダにも同じような乗務員不足の波はやってきているそうです。
そんな訳で、アメリカの航空業界では各航空会社が乗務員の奪い合い…
オミクロン株を中心とした蔓延が続いていて、コロナ禍が終わったとは到底言い難いアメリカ国内……そんな中アメリカの航空会社は、昨年までとは違ったサバイバル競争を課せられています…
水曜日から、年次シミュレーター研修へ出発します。