yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 2022年元旦

米系地域航空会社で、操縦担当を務める裕坊といいます。

新年明けましておめでとうございます。昨年は29日(水)が裕坊にとっての仕事納めになり、2年続けてゆっくりのお正月を迎えました。

 

テーブルにはおせち料理を並べて、

 

これをいただいてこそ迎えられるお正月🎍

ちなみに、裕坊は大の角餅派。お餅は3ついただきました。

 

そんなゆっくりの新年を迎えていた裕坊とは対照的に… 裕坊が勤務する地域航空会社の本社、ミネアポリスの乗務員管理課では…

恐らく皆さん、この状態…

 

昨年の春以降、アメリカの旅客航空需要は急激な回復基調。

年末には全米における1日の利用客数がとうとう200万人を突破。コロナ禍前と比較しても全く遜色ない水準へと達しました。

 

旅客便は、どの便もほぼ満席。

ただ旅客機では、一度の便でお迎えすることができるお客様の数は限られています。

 

航空機ではこんな風に乗客の皆さまを運ぶことはできません…

かといって、臨時便などを出す余裕などは、今はどこの航空会社にもなく…

 

予め組まれていた旅客便に必要な乗務員を確保するので精一杯…

それでもその便ですら乗務員が確保できているわけでは決してなく、そんな時は休暇中の乗務員に電話をかけて、応援を呼んだりすることもあります。

 

このブログを書いている最中も、乗務員が足りない便を告知するメッセージが上がりっぱなしでした…

 

休日を返上して出勤すると、若干の加算はつきますので、裕坊もクリスマスのあとの数日間、休日を返上して出勤してまいりました…

旅行客でごった返す、デトロイト空港のマクナマラターミナルの搭乗手続きカウンター階。

 

保安検査場を通過すると、真正面にクリスマスツリーが見えます。

年始の休み明けまで飾られています。

 

メイン州ポートランドで宿泊滞在が入ったり、

 

ちなみにこの時の翌朝の出勤は、午前4時58分でした…

 

その日はニューヨークのケネディ空港を経由して、

 

カナダのモントリオールへの滞在。

 

翌朝は午前9時発、デトロイト行きが担当。

雲一つない快晴のお天気ではありましたが、

 

霜が機体全体にビッシリと張り付く朝で、離陸前の除氷作業を終えての出発でした。

主翼などに張り付く氷や雪は、専用のトラックから除氷液をかけてからの離陸になります。

 

デトロイトに到着して、昨年の勤務が終了しておりました。

前日にけっこうな雪が降っていて、それが固められていた従業員専用駐車場。

 

気温が5度にまで上がっていてほとんど溶けていたので、雪かきをする必要まではありませんでしたが、我がアウディくんにも雪が一部残っておりました。

裕坊にできるのは、せいぜいこれが精一杯…

 

本社での必死の乗務員確保は、今も続いています。

我が社も人材を確保しきれないことが原因で、一部の便が欠航…

 

乗務員不足がもっと顕著な航空会社もあるようで、

一部の地域航空会社では、1日の欠航便が400を超える事態にまでなってしまいました。

 

裕坊の友人の中に、クリスマスの休暇を利用してラスベガスへの旅行を計画していた人がいたのですが、

予約していたデルタ航空デトロイトからのラスベガス行き直行便は、前日に急に欠航が決まり、

 

急遽、アメリカン航空へと予約を変更せざるを得なくなったそうです…

それでもその友人は、何とかラスベガスまでの足は確保…

 

景気の変動の影響を大きく受けやすい航空業界。一昨年は需要がほぼゼロに近い状態で大幅な赤字を出し、人員整理をせざるを得なかったのが、一転して予期せぬ需要の大幅回復…

航空会社の経営の難しさを、この年末年始は如実に示すことになりました。もう数日、乗務員確保に各航空会社が奔走する日は続くことになりそうです…

 

 

年末の仕事納めのあとは、デトロイトダウンタウン周辺で家族と束の間のひととき…

こちらは、夏の週末になるといつも人で賑わうイースタンマーケット。冬季は土曜日だけの開催で、元旦はお休み…

 

開催日はいつも順番待ちになる駐車場も、閉鎖になっておりました。

 

目指すはこちら、イースタンマーケット横にあるデブリーズ・カンパニー。

創業は1887年。

 

中に入ると、タイムスリップしたかのような空間が広がっておりました。

 

こだわりのチーズが豊富に揃っているお店なのですが、

 

裕坊はこちらに惹きつけられてしまった…

1904年に供用を始めたという、エレベーター。

 

ゴンドラ横にある紐を引いて、上へ登るか下へと降りるかを決める仕組みだそうです。

紐を引き切って、あとはボタンを押すとゴンドラがスタート。ボタンを離すとゴンドラが止まるので、止める位置は今のエレベーターのようにピッタリとはなりません…

 

また入り口にドアがないので、ゴンドラが去ったときに柵が降りてきて、転落を防止する仕組み…

少年に戻ったような気分で、その動きをずっと追っておりました…

 

そのあとは、そのすぐ横にある帽子屋さんで…

 

革の帽子を1つ大人買い

 

ちょっと足を伸ばして、日本食風のレストランにまでやってきて、

 

ちなみにそのレストランの横には、煉瓦造りの重厚な建物。

元々は高校用に建てられた建築物らしいです。(現在は、ウェイン郡大学の校舎の一部になっています)

 

サーモン丼をいただく、ちょっと贅沢なお散歩を楽しんできました。

15年もデトロイト周辺に住んでいながら、なかなか家族と訪れる機会がなかったダウンタウン周辺の歴史あるお店。家族と休日をやっと合わせられるようになった日々を満喫です。

 

 

 

 

もうしばらくお休みをいただいて、週明けにいきなり怒涛の6日勤務のフライトです。