yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/12

アメリカのリージョナルジェット機を操縦する、裕坊といいます。

 4日勤務のフライトを終えて、先日帰宅。

 

冬至が近くなって、帰ってくる時間は真っ暗なことが多くなりました。

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従業員駐車場でお迎えしてくれるのは、現在の裕坊の愛車、アウディくん。 今年の7月に購入しました。

 

新車ではなく3年落ちの2018年式、A4シリーズのステーションワゴン、オールロード。エンジンは2000ccのターボ付き。

通勤で主に乗っている裕坊にはちょうどいい大きさ。

 

これまでずっと自然吸気のエンジンに慣れてきたので、ターボエンジン独特の加速までのタイムラグに慣れるのにちょっと時間がかかりましたが、最近やっと馴染んできました。

休日を利用して、オイル交換にやって来たのですが、

 

1万マイル(およそ16,000キロ)か、1年ごとでいいらしい……

でもせっかく整備工場までやってきたので、オイルは交換してもらうことに…

 

とても風が強い1日でした。冬だというのに夜になると季節外れの入道雲が上がり、外は大雨…

 

ケンタッキー州を中心として、中西部では竜巻が次々に発生し…

 

何人もの方が命を落とす程の大被害を出しています…

 

ローソク工場では何日も従業員が生き埋めになったままの状態が続く大惨事…

 

州知事のアンディ・ベッシャー氏も会見で沈痛の表情でした…

まだ生き埋めになったままの方などもいらっしゃるそうですので、1人でも多くの方が救出されることを願うばかりです…

 

 

そしてミシガン州を今揺らしていることといえば…

先月起こった、とある高校内での銃乱射事件…

 

閑静な住宅街の中にある高校での出来事だったとあって、裕坊の住む地域にまで衝撃が波及することになりました。

 

裕坊の息子は、4年制となる高校の3年生(オンライン受講式を選択)。対面式を取っていたとしたら息子がいたはずの校舎内でも、きっとその事件で持ちきりだったのでしょう…

先日は武器を持った不審者が敷地内に入ったという情報が入り、学校は一時的に全面封鎖……1人も出入りができない状態に陥りました。

 

登校中の学生や教師などは校舎内に閉じ込められたまま、

 

ずっと缶詰め……

 

警察車両が一般道を完全に封鎖し、各校舎を隅々まで捜索する事態にまでなりました。

 

元々こちらの学校は、3つの高校が1つの敷地に集まった全米でも珍しい高校で、3高校を合計した総学生数は、なんと6,144名。1つの敷地内における学生数では、ミシガン州最大の高校です。

航空写真を見ると、敷地の作りはまさに大学そのもの……そのため警察による各校舎の点検にも時間がかかったようで、封鎖解除に至るまで要した時間、なんと4時間でした……

 

幸い武器を持った不審者はおらず、全員無事下校。ただその時間にはすっかり辺りは暗くなり、警察官が監視する中での下校になりました。

木曜日の出来事だったのですが、

 

翌日金曜日は全校休校…

冬休み前1週間の授業は、全員がオンラインでの受講に切り替わることになっています。

 

閑静な住宅街においても、銃とは切っても切り離せないアメリカ社会の現実が突きつけられることになりました。

 

乱射事件が起きるたびに巻き起こる銃規制論…ただ実はそれほど事は単純ではなく、大きな障害はいくつもあり、 その中でも最大の壁となるのが、アメリカ合衆国憲法の修正第2条(2nd Amendment to the United States Constitution)。

人民の武装権とも呼ばれます。

 

独立宣言が発令された1776年から僅か15年後の1791年には採択されていることもあり、アメリカ国民、とりわけ保守層に於いてこの意識が強く刻まれています。アメリカでしばらく生活してきた裕坊にまで、保守派の意識の根強さがひしひしと伝わってくるというのが、アメリカという国の現実。

国の生い立ちに深く関与し、アメリカ国民の大切な権利というのが、保守派に深く刻まれた論理。その意識を変えるのは、並大抵のことではありません。

 

もう1つが銃犯罪などに遭遇した時に、警察官はすぐにはやってきてくれない、というアメリカの現実。

保守派でなくとも、護身用に銃を持つ人は少なからず存在します。自らの命は自らで守れという意識も、また深く刻まれているのです。

 

普段は銃を全く意識することがないアメリカ生活ですが、周辺地域がちょっと揺らされることになりました。

 

根本的解決策には程遠いですが、最近の銃乱射事件は高校、大学に集中しているので、少なくとも高校、大学においてオンライン授業を積極的に導入することによって、銃乱射事件が起きる確率を減らそうと試みるのは1つの選択肢になる、というのが裕坊の考え。

残念なことにオンライン授業は、アメリカではまだ対面式授業の代替策にしか過ぎません。

 

よく言われるのが学校内における人間関係形成の大切さ。確かに学生時代の貴重で大切な過程ではありますが、それがストレスになっていることもまた事実。多くの乱射事件で大きなきっかけになっていることを考慮すると、人間関係のストレス軽減の効果は小さくないはず。

遠隔授業が本格導入されれば、同じ能力を持った学生たちを集めて、州全体で講義を開催することも可能。

 

インターネットさえ繋がれば、大学なら全世界から授業を受けることも可能になります。

クラス内の学生間の能力差も必然的に小さくなり、学生側、教師側双方にとって能力差に起因するストレスは減らせるはず。

 

対面式を一定数確保しつつ、同時にオンライン授業を積極的導入することによって、まずは学校の安全確保の確率を上げる。検討の余地はあると思います。

出来ることを試してみて、効果の程を見てみよう……裕坊の考えです。

 

 

 

 

 

しばらくお休みをいただきます。