yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/2

アメリカ地域航空会社で、小型旅客機に乗る、裕坊といいます。こんにちは。

昨日火曜日からの2日間のフライトをこなして、今日水曜日の夕方に帰宅しました。操縦担当の便が入っていたのは初日の火曜日だけで、担当したのは3便。

 

水曜日には担当便はなく、乗客となって客席に座っての移動だけとなりました。

デトロイト空港には、2時半ごろには到着。午前中には雪が降り、ぐずついたお天気だった火曜日から一転、

 

水曜日は中西部では晴れ間が広がり、昨日積もった雪が日光に反射して、なかなかの景色になっていました。

眼下に広がるのは、エリー湖

 

デトロイトからですと、ダウンタウンのすぐ南にある橋を渡るか、トンネルを抜けると、そこはもうカナダ…

見ている景色はカナダのオンタリオ州の、ほぼ西の端でした。

 

ちなみにデトロイトとカナダ最大の都市トロントのほぼ中間、どちらの都市からでも車でおよそ2時間ほど走ったところに、オンタリオ州に属する38万人ほどの規模の町があります。

かわいらしいダウンタウンに、

 

落ち着いた佇まいの町。

実は、この町にまつわるエピソードというのがあり…………

 

 

時は今からおよそ20年ほど前。まだノースウエスト航空があった頃のお話。デトロイト近郊に住んでいたというある男性、まだ一度も行ったことがないヨーロッパを訪れることを夢見て、1週間ほどの休暇を利用してロンドンを訪れるべく、航空券を購入したそうです。買ったのはデトロイトから『ロンドン』への直行便チケット。しかし搭乗当日に案内されたのは、当時のノースウエスト航空の地方路線の主力機の1つだったサーブ340型機でした。

プロペラ機で『ロンドン』まで行けるんだ、と男性は驚いたそうです…

 

機内では客室乗務員から書類を手渡され、よく見てみると、移民局管理票(現在では全て電子処理になったため、紙の書類への記入はなくなりました)。

でも書類の左上を見ると、どう見てもイギリスの国旗じゃないし……と思いつつも、そのままそのフライトで『ロンドン』へと向かったそうなのですが、飛行時間はなんと………およそ20分…………

 

 

 

20分…………

 

 

 

20分っすか………

デトロイトから『ロンドン』に行くのって、確か大西洋を越えるんじゃなかったっけ??? と思いながらも20分のフライトを経て飛行機を降り立ち……

 

その男性は乗っていた飛行機が思い描いていたのと違っていたことに、やっとのことで気づいたそうです……

着いたのはなんと……… イギリスの「ロンドン」ではなく、

 

カナダのオンタリオ州に属する『ロンドン』だったのです……

実はこの『オンタリオ州、ロンドン』、イギリスにある大都市ロンドンと、綴りも発音も同じLondon。18世紀にイギリスからやってきた移民が、将来のカナダの首都になると見越して、名前もそのままロンドンと名付けられておりました。 その男性、航空会社職員に、本当は「イギリスのロンドン」へ行きたかったことを申し出て……

 

当時のノースウエスト航空の特別な計らいで、予約変更料を払うことで、行き先の変更を受け付けてくれたそうです。当日の便でデトロイトへと折り返し、デトロイト発最終便で『ロンドン行き』の夢を果たしたそうな……

まだインターネットもほとんど普及していなかった時代ならではのエピソードです…

 

地元の方に言わせると、『オンタリオ州ロンドン』というのは、場所の紹介をするのが大変面倒なんだそうです……「ロンドン」出身だというと、イギリス人だと勘違いされ、「カナダのロンドン」だというと、存在すら知らない人が多いという壁に直面し、トロントからだと車で2時間、デトロイトからでも2時間だと説明しなくてはならないのだとか……そんな時に「オンタリオ州ロンドン」出身の方が、紹介するのがこの人…

ジャスティン・ビーバー。押しも押されぬスーパースター。『オンタリオ州、ロンドン』の知名度アップに一役買っているようです……ただしスキャンダルが話題になるたび、オンタリオ州ロンドン出身の方は、地図を用いて説明せざるを得なくなるようですが……

 

 

そのオンタリオ州の景色を見ながら、

デトロイト川の東側へと抜けると、そこはもうミシガン州

 

 

ちなみにこのデトロイト川、カナダとアメリカの国境に位置することもあって、水上交通の要所の1つになっているのですが、川底がやや浅いのが難点……川の水量が少なくなると、大型船が時たま座礁することがあります。

今日お昼頃にも一隻の貨物船のエンジンが故障して漂流し、それを回避しようとしていた別の貨物船が座礁する事態になっておりました…意外にも大型船にとっての、難所の1つになっているようです…

 

 

火曜日の到着時のデトロイト・メトロポリタン航空の運用滑走路は南西方向。

デトロイトダウンタウンを左手に見ながらの着陸となりました。 到着ゲートはB21

 

係員3人がかりで飛行機を誘導して、到着ゲートへと入ります。

 

晴れた日は、南から日光がよく入るマクナマラ・ターミナルのBコンコース。

 

乗客数の回復にあわせるかのように、徐々にターミナル内の飲食店なども再開しつつあります。

先日の感謝祭最終日となった日曜日は、感染症蔓延以降としては初めてとなる、移動客数110万人を突破(アメリカ運輸保安局発表で、117万6千人)。B18ゲート横にあるバーなどは既に再開しており、

 

そのお向かいにある、ゲートB19横のサンドイッチ屋さんも、再開の準備に入っておりました。

 

お天気がよかったので、今日は帰宅途中に洗車。

 

雪がちょっとでも積もると、ミシガン州では塩たっぷりの除雪剤を派手に撒くので、

 

冬の時期の錆対策には、洗車が不可欠です…

 

 

 

木曜日から、4連休をいただいています。

 

 

 

 

 

 

 

 

12月1日担当便

デルタ4763便(EDV 4763)デトロイト(DTW)− ノーフォーク(ORF)

デルタ4830便(EDV 4830)ノーフォーク(ORF)− デトロイト(DTW)

デルタ4815便(EDV 4815)デトロイト(DTW)− ハートフォード(BDL)