yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 4/12

米国航空会社、小型機専門の操縦士をしている、裕坊と申します。こんにちは。

今週末2日間のお休みをいただいて、次は4日間のフライトへと出発します。コロナウィルスの影響で、3月中旬以降定期便の運航は激減……出勤予定日自体は3月も4月も元々の割り当て通りのままですが、担当している便数はかなり減っています。明日月曜日以降の担当便数は、当初予定していた10便からスケジュール調整後4便に……

 

食材を扱うスーパーや薬局、ドラッグストア、医療機関、流通業などとともに、運輸業も国や州が指定する主要基幹産業(Essential Business)に定められていますので、我々運航乗務員は外出規制の対象外。会社からは各従業員が重要基盤業種の従事者(Critical Infrastructure Exempt Worker Certification)であることを証明する書類が、会社の経営者の署名付きで送付されてきておりますので、それを常に携行して出勤。

ただ食料品や医薬品を購入する目的で外出することはできますし、近所のジョギングなどにはお咎めはありませんし、

 

住宅の修繕の道具や用品などを扱うホームセンターなども、通常通り営業中。

アメリカという国は、本当に自宅の自己修繕や自己改築が盛ん。自宅にいる時間を利用して浴室やトイレの改築、キッチンのリモデル、あるいは地下に部屋を造ったりしてしまったりなど、空いた時間を上手に皆さん利用してらっしゃいます。

 

そんな訳で町中の交通量は、いつもに比べれば少ないですが、全く車の往来を見ないわけでは決してなく、週末の午前中に見るのとほぼ同じ交通量はあり、警察も外出している人の厳しく目を光らせているという印象は、まだ感じないです…

 

 

家でお留守番をしてくれている家族の過ごし方も、変わってきています。息子くんは高校1年生だったのですが、3月の最終週から学校は全面休校。既に今年度末までの休校も決定しました。このまま遊んでいても、自分で計画を立てて勉強をするのも、全て自分次第………大学の一部ではインターネットを利用したオンラインによる授業もあるようですが、まだミシガン州では中学・高校などを対象としたオンライン学習要項の基準がないらしく、提出期限や提出義務のある宿題などはありません。学校から推薦課題も送られてきますが、あくまで参考用。一部を除いて試験もなく、次学年に自動昇進(息子くんの場合は、来年高校1年から高校2年へと昇進)。

 

ただ最近はインターネットを通じたオンライン学習もできますし、調べたいことも図書館まで出かけなくても、すぐインターネットで手に入ってしまう時代。

さらには、大学の単位として通用する試験にAP(Advanced Placement)テストというのがあり、5月にオンラインで試験が受けることができるそうです。そちらにに向けて、息子くんは勉強中。合格すると、大学入学時にその単位を大学卒業に必要な単位として、認めてもらえるのだとか……

 

コロナウィルスは、裕坊の記憶に間違いがなければ、アメリカにおいてはスペイン風邪(1918年〜1920年)以来の伝染病。降雪時の休校は想定しているミシガン州でも、恐らく伝染病による長期の休校などは前提にもなかったでしょうから、各学校とも対応には苦心していたようです。伝染病による休校対策は、今後の課題。オンラインでも履修できるような対策が練られることは、ほぼ間違いないのではないでしょうか。

 

 

私立幼稚園に勤める愛妻ちゃんも、息子くんと同じく今年度一杯の幼稚園の閉鎖が決まりましたので、夏休みが終わるまでは無給……法律上、失業者と同じ扱いになりましたので、先日失業保険を申請。

 

幸いこのように列に並ばなくても、インターネットで申請ができるようになり、本当に便利になりました。

 

時給制、月給制、あるいは一年間における世帯当たりの総所得などが、失業保険の給付金額にかなり影響するようですが、愛妻ちゃんとともに先日申請した限りでは、

愛妻ちゃんの勤務形態と給与額の範囲ですと、およそ平均のお給料の6割程度が失業保険による支給(Unemployment Benefit)になり、さらに連邦伝染病失業対策給付金(FPUC: Federal Pandemic Unemployment Compensation)による給付の加算金も給付されることになりました。トランプ大統領が先日署名したばかりの、連邦コロナウィルス給付、救済及び経済保全基金(CARES:federal Coronavirus Aid, Relief and Economic Security)の一部に相当するんだそうです。

 

失業などで収入がなくなる市民で溢れると、一気に治安にも影響が出てくるアメリカ。恐らく治安劣化の影響を考慮する意味もあったのでしょう。インターネットを使っての手続きには時間もかからず、30分ほどで給付金も確定。裕坊自身も休日を返上してのフライトなどは入れられませんし、一家の収入にもかなり影響が出てくるところでしたから、胸を撫で下ろしたところでした。

裕坊自身、とりあえず9月まではなんとか仕事も持ちそうですが、それもコロナウィルスの状況次第……まだまだ流動的……それだけに、この給付金は我が家には本当に助かります。

 

日本も助成金、失業保険などについては仕組みをいたずらに複雑にするのではなく、手続きも給付基準ももう少し簡略できないものか、と切に思います。感染者の増加を抑えるためには、外出自粛を国全体に浸透させて、他人との接触の機会を少なくしないといけません。人の動きが少なくなれば、飲食店を始めとしたお店には当然影響が出ますし、需要が下がれば中小規模の工場などにも影響が出るのは必至。

 

過去数年の確定申告の数字を叩き台に、所得税、住民税、法人税、あるいは健康保険、社会保険雇用保険などの納入金額を元に、給付金額を算定する方法を取れば、多くの人が納得できるでしょうし、IT技術を使えばそう難しい話ではないと思います。

是非安倍首相を始めとして、官僚の方には再考をお願いしたいと思います。

 

 

それはそうと、しばらく留守をしていた家族が帰ってきてくれました。

アメリカン・ロビンくん。

 

ちなみに下の2枚の写真は、2年前のもの。我が家の裏庭側の電灯の上で4羽がすくすくと育ち、皆んな元気に巣立っていってくれました。

母鳥は子育てがうまくいった場所にまた戻ってくるそうですので、去年も戻ってくると思っていたのですが……

 

戻ってきたのは、2年ぶり……

 

全く同じ場所に、巣を作って……

 

既に巣の中には、1個卵も入っています。

ひょっとすると、一昨年巣立ったばかりの雛のうちの1羽なのかな〜〜?

 

まだカメラ慣れしていないのかカメラを向けると、母鳥はあっという間に飛び立っていってしまいました……

 

 

頑張って今年も巣立っていってくれよな〜〜。