yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 4/8

米国小型機専門旅客航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

大幅な営業運航便の調整が終わって、今月のスケジュールがほぼ確定し、今日からは3日間のフライト。とはいっても、営業便を担当するのは明日木曜日のみ。今日は2度、乗客として客席に座り、ノースダコタ州ビスマルクという町へやってきています。

 

お昼過ぎの出発。外は気温16度で、半袖でも十分歩けてしまいそうなくらいのポカポカ陽気。

 

ただ一度ターミナルに入ると、現実にあっという間に引き戻されてしまいます………

閑散とした搭乗手続きカウンターには、乗客の姿はなく………

 

保安検査を終わってターミナルに入っても、人影はまばら……

 

経費削減のためにやむを得ないのでしょうが、今日はターミナルの中央と端を結ぶ、ターミナル内の電車も止まっておりました……

 

ほとんどのお店が休業を決めた中で、今も営業を続ける免税店。

ただデトロイト空港からの日本行きの便は、東京行き、名古屋行きとも運休中。裕坊が調べた限り、デルタ航空便で北米から日本を結ぶ路線は、4月8日現在シアトルから羽田線に集約されているようです。

 

ミネアポリスに着いても、状況はほぼ同じ………

裕坊が乗務するリージョナルジェット機は、主にCコンコースからの発着になるのですが、

 

こちらにあるCコンコースのフードコートは、2軒とも閉店中……

明日木曜日は4便を、ほぼ立て続けに担当するのですが、お昼の調達どうしよう………

 

ミネアポリスから搭乗したのは、50人乗りのリージョナルジェット機。

客席に乗って裕坊とともにデトロイトから移動していた明日のパートナー、ブレンデン君を含めて3人だけ………

 

ノースダコタ州の州都、ビスマルクへと向かって降下する窓から見える、ビスマルク周辺の街並み…

 

着陸……

 

空港の建物は、最近になって建て替えが終わり、とても綺麗になっています。

 

こじんまりとしながらも、とても清潔で新鮮なターミナル。

 

気温は6度。ただ風がかなり強く、体感温度は氷点下のような印象を受けるノースダコタでした。

 

お迎えに来てくれたワゴン型のタクシーにて、ホテルまで移動。

コロナウィルス感染を防ぐために、かなり強固にビニール袋で運転席と後ろの座席が仕切られていたのが、印象的でした。ここ最近はタクシーも利用客が激減。今日ホテルまでの送迎を担当してくれた運転手さんによると、昨日は1日8時間待機して、お呼びがかかったのは6回だけ。商売上がったりだそうです…………

 

これから気温が上がって、紫外線が強くなり、ウィルスの活動力が鈍くなって、北半球では早ければ6月頃から収束へと向かう説も出ていますが、本当であって欲しい…

最近の研究で、コロナウィルスは紫外線に1時間当てると死滅することが分かっているんだそうです。この理論を当てはめるとすれば、紫外線が強くなる6月から7月にかけて、北半球ではウィルスの活動力は弱くなる。その頃までに、有用性の高い治療薬が見つかっていたとしたら……

 

今日、またとある製薬会社が、治療薬の解明に名乗りを上げてくれました。抗インフルエンザ薬「タミフル」で有名なロシュ(本社:スイス)との業務提携で知られる、中外製薬(本社、東京都中央区日本橋室町)。同社が開発した関節リウマチ薬「アムテクラ(一般名:トシリズマブ)」を使って、臨床試験を実施すると4月8日(水)発表されました。

「アムテクラ」は、皮下注射用医薬品。炎症を引き起こすタンパク質の作用を阻害する国産初の抗体医薬品で、国内では2005年6月に発売されて、既に14年以上の投与実績があり、関節リウマチや一部の動脈炎用の治療に投与されています。抗インフルエンザ薬「アビガン」でウィルスの増殖を抑え、「アムテクラ」で過剰な免疫作用による炎症(肺炎)を抑えるという、2薬を使っての治験が既に中国で始まっているそうです。最近次々と上がってきている、抗コロナウィルスの候補薬。こちらにも期待したいですね。

 

ちなみに、4月6日(月)の安倍首相からの発表で、アビガンの備蓄量を70万人分から200万人分まで引き上げるとされ、一部で200万人分の備蓄があったと一般では認識されていたのに、なぜ今になって70万人分、という疑問が一部で湧き上がりました。実はこれは現在の備蓄を全て抗インフルエンザを対象として使用した場合の備蓄が200万人分。ところが新型コロナウィルス用に投与するとなると、投与量が多くなり、投与期間も長くなるため、抗コロナウィルスを目的とした場合は、現在の備蓄だと70万人分に相当するということ。それを200万人分に増強するということだそうです。既に富山化学工業での増産は始まっていますので、あとは治験で良好な結果が得られるのを待ちましょう。

 

 

昨日、7都府県を対象に発表された緊急事態宣言。併せて、108兆円にも及ぶ過去最大級の経済対策もセットにして発表されました。

事業規模108兆円といっても、真水と呼ばれる国が実際に出す財政支出が39兆円にしか過ぎないこと、中堅・中小企業には200万円、個人事業主には100万円とした給付金の給付基準や手続きが分かりにくいなどなど、今一つ評判は良くないようですね。

 

そこで裕坊の勝手な個人の提案なのですが………

 

給付金額を明確にする一つの方法として、過去3年分、あるいは5年分の納税額、そして各種保険料を各家庭、もしくは事業所ごとで算定し、その平均値を計算して算出された金額を給付金額とする、もしくは微調整が必要であればそれを叩き台にして微調整する、というのを考えてみたのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか…

 

日本の2015年度の平均年収はおよそ400万円。そこから算出するのが難しい消費税を除く各税金、保険料の平均を算出してみると、

所得税:9万8,300円

・住民税:16万3,000円

・健康保険料:20万6,000円

・厚生年金保険料:36万円

雇用保険料:2万円

これをざっと足し算すると、合計で84万7,000円。事業所でも同じように、税金、保険料などを過去3年分ほど遡って計算し、その平均額を給付金として給付する。オンラインで手続きをし、銀行口座に振り込みする形が確立されているのであれば、各家庭から役所へ出向く必要がなくなるメリットもありますし、早急な給付を得られるメリットもあるはずですし、給付金額の算出にも個人的にはフェアな気がするのですが、いかがでしょう。

 

各家庭、各事業所の財産、財務を守ることは、人間でいうなら出血を抑えること。外出規制、外出自粛はとても大切ですが、同時に経済を止めてしまわないこと、日本という「体」の「血の巡り」を止めてしまわないことも同時に大切な要素だと、裕坊は考えます。

 

ちなみに妻の勤める幼稚園では、今年度(2020年6月末まで)いっぱい幼稚園が再開できないことが決まり、名目上妻は失業したことになりましたので、先週失業保険を申請しました。オンラインで手軽に申請でき、振込先の登録も支給金額も表示されて、ものの10分ほどで手続き完了。給付金額がその場で計算され、給付の日程までがはっきりと表示されるこの仕組み。日本でも同様の仕組みが導入してもらえないか、と切に願います。