yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 4/6

米国リージョナル航空会社に勤める、裕坊と申します。こんにちは。

武漢に端を発したコロナウィルス。最近になって、イギリスの現首相であるボリス・ジョンソン氏が入院先の病院で集中治療室に移ったのだそうですね。

 

容体が悪化したとも聞きましたが、現在でも意識はあり、集中治療室への移転は人工呼吸器が必要になった場合に備えての、予防措置だとも聞いています。

ジョンソン氏は外相時代の2017年、福島原発事故後による風評が残る福島の代表的な農産品である桃を、自ら食べたいと所望してくれた方。

 

当時の日本の外務大臣だった河野太郎氏(現防衛大臣)が、英国にてそのジョンソン氏と対談。

対談が実現したのは、2017年12月。既に時期的に桃の収穫などはできない季節であったことから、河野大臣は代わりに桃ジュースを持参したそうなのですが……

 

その桃ジュースを、美味しそうにその場で飲み干してくれたのが、他でもない現首相のボリス・ジョンソン氏。

これは、当時韓国を始めとした諸外国からの福島への風評被害を軽減するのに、大きな役割を果たしました。横浜港に寄港したクルーズ船、ダイヤモンドプリンセス号への対応に対しても、日本政府、日本の自衛隊、あるいは医療チームに対して感謝の意を表明していただいた方です。裕坊は、日本人としてこの恩を決して忘れることはありません。元気な姿がまた見れるのを、心から心から祈っています。

 

 

まだまだ解明できていないことがたくさんある、新型コロナウィルス。2,700名の乗客乗員を乗せたダイヤモンド・プリンセス号の診察等には、自衛隊中央病院(東京都世田谷区池尻)の医療チームが中心になって当たりましたが、医療機関者向けに公表された症例報告を読んでいると、必ずしも無症状、無自覚であるからとあって、全くダメージがないとは言い切れない実態が浮かび上がってきているそうです。 そこでは「無症状の感染者の肺に、異常な影」或いは「基礎疾患がなく、高齢でもないのに重症化」の例が見られたのだとか….……

 

実際にそういった患者の方に、胸部CT(コンピューター断層撮影装置)による検査を行ったところ、半数ですりガラス様の異常な影が確認されていたそうです……...

肺炎は細菌感染でもウィルス感染でも起こりますが、頻度が最も高いのは細菌性。その細菌性の肺炎ですと、影ができるのは肺の中心部。ところがコロナウィルスが原因の場合、両側の肺抹消と呼ばれる部分に影ができるのだとか……………

 

厚労省は感染拡大当初の2月、新型コロナウィルス感染による肺炎の初期症状を、次のように公表しました。

・発熱や喉の痛み、咳などが1週間前後に渡って、長く続くこと。

・強い倦怠感、息苦しさ(呼吸困難)などがある。

 

そして最近になって注目されてきているのは、「頬呼吸」。 「頬呼吸」とは、概ね1分に25回以上の早い呼吸のことを指し、酸素不足で息切れしている状態のこと。肺の機能が落ちたり、肺炎になった人などに見られます。肺、もしくは気道の奥深くに感染して炎症を起こすので現れる、コロナウィルス感染の時の特徴のような症状。インフルエンザや普通の風邪の場合、鼻や喉などの上気道に感染するので、息切れのような症状は通常現れず、「頬呼吸」はコロナウィルスの特徴的な症状と言っていいかも知れません。

最近では、嗅覚・味覚異常も現れることが報告されるようになりました。阪神タイガース藤浪晋太郎投手が「コーヒーの匂いが分からない」と異常を訴えて、日本中でも知られるようになったのは、記憶に新しい話。また「結膜炎」の症状が出ることも、日本眼科学会から発表されています。ただいずれの症状でも、今できるのは対症療法だけですので、まずは自宅療養で3日間ほど様子を見た上で、発熱の症状が見られるようになったら、病院を訪れるのが最善ではないか、と思います。

 

若いからといって、或いは既往症がないからといって油断は禁物。手洗い、うがいを徹底して、未然に感染を防ぐのが最善の手段であることには変わりはありません。そこで是非参考にしてみたいのが、ダイヤモンドプリンセス号内の対応に当たった、生物兵器、疫学対策のプロ中のプロ、自衛隊化学防衛隊。独自の感染予防マニュアルなるものが存在するんだそうです。 何しろ、任務終了後、防護服を脱ぐときは外側に触れないよう、2人1組で行うほどの徹底ぶり。頭の部分から順番にお互いの防護服を外していき、最後にお互いの手袋を外すといった手順。そこまで徹底して、感染を防いでいるのだそうです。

 

では、我々に参考になることとしては….…

・「マスクは鼻まで着ける」。飛沫の侵入を防ぐため、鼻周りの隙間もなくしてしまいます。これは実践されている方も多いでしょう。

・「食事の際は、対面を避ける」「対面の時は、2メートル以上の間隔を開ける」。これも最近では実施されることが多くなりましたね。

・「手指で何か触れたら、すぐに消毒する」。市販の持ち運び用消毒液が、活躍します。ちょっと手に入りにくくなってしまいましたが…

 

そして疫病予防の基礎中の基礎。「手洗い、うがいの励行」。そして手洗いの方法にも自衛隊内のマニュアルがあるそうですので、ちょっと拝見してみます.…

・「指先を流水で濡らし」

・「石鹸を適量出す」泡立つ量をきちんと掌に乗せることが肝要なのだそうです。

・「掌を擦り合わせる」よく泡だてます。

・「両手の指の間を擦り合わせる」 指と指の間は、洗い残しが多い代表的な部分なのだそうです。意識してこすりましょう。

・「手の甲を、もう一方の掌で擦る」(両手) 手の甲も洗い残しが多くなりがち。指と指の間に、もう片方の手の指を滑らせてみるのがいいそうです。

・「指先でもう一方の掌を擦る」 爪の周りの洗い残しをなくすためなのだとか。掌に爪を当てた状態で擦り、爪の周りをきれいにして、その後に指を立てて擦り、爪周りをきれいにするといいそうです。

・「親指を立てて、反対の手で握り、擦る」 親指も洗い残しが多いのだとかで。

・「小指側の手の側面を、もう一方の手で擦る」 ここも落とし穴の1つ。

・「両手首も丁寧に擦る」 ここも意外に汚れているそうです。特に長袖を着る時期は要注意。

 

そのあとは石鹸を流水でよく濯ぎ、ペーパータオルで水気をよく拭き取りましょう。ちなみに風圧式によるドライヤーですと、水分の中に含まれたウィルスが飛沫と同じように飛び散って、体や服などに付着する恐れがありますので、自衛隊では禁止されているのだとか。必ず乾いたタオルを使うこと。ペーパータオルですと、一度使ってその場で廃棄できますので、かなり衛生的なのだそうです。

 

 

4月8日(火)、とうとう非常事態宣言が出されることになりましたね。1人でも多くの方に、外出自粛要請の意義を知っていただき、このコロナウィルスの感染速度を少しでも緩めることができるように、と心から願っています。