yuichibow’s blog

リージョナルジェット機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 3/3

いつも長く家を空けて、妻に迷惑ばかりかけているリージョナルジェット機運転手、裕坊です。こんにちは。

今日火曜日は本来組んでいた7日連続のフライトのうちの6日目。ただ予定が変わって、1日短縮になり、結局今日帰宅………

 

本来であれば、火曜日はメイン州の港町ポートランドにて1日丸々宿泊滞在の予定で、優雅にこんな夕食をいただいているはずが…………

 

気付いたら、我が家でこんなものを頂いてました………

ガッツリ2食分食っちまった……………………

 

連邦航空法上、連続で勤務ができるのは6日まで。1週間のうち、どこかで連続する30時間の休息を取ることが義務づけられていて、結局それに抵触することになってしまいました。

 

実をいうと、本来であれば火曜日に入っていたポートランドでの休息は、スケジュール上では30時間4分で、7日連続勤務でありながらギリギリ合法だったのですが……… 本来乗る予定だった飛行機が故障……… 故障というよりは、金属疲労に近い症状が出てきたといった方が、正確かも知れません………

 

異常が起こっていたのは、飛行中の主翼やエンジンへの着氷を防止する装置。この時期、上空の空気は通常ですと氷点下。雲の中を通過すると、雲の中の水滴が主翼や尾翼の先端部分や、エンジンの吸気口などに当たって、氷結が起こります。

 

氷結をそのままにしておくと、エンジンに空気を取り込めなくなりますし、

 

主翼も揚力を得られなくなるので、氷結を防がないといけません。

 

氷結の激しい状態の中を着陸すると、着陸後の主翼がこんな風になっていたりします……

 

そこで利用するのが、エンジンに取り込んでいる圧縮空気の一部……

ジェット機のエンジンは、吸気口部分が10枚前後のブレードで分かれていて、空気を圧縮した上で燃焼室へと空気を送り込むのですが、空気は圧縮されるとともに温度も高くなりますので、その高音の空気の一部を利用することによって、氷結している氷を溶かすことができます。

 

操縦室内にある、頭上のパネルについている防氷用のスイッチを入れると……

 

エンジンに取り込んでいる空気が送られて、氷を溶かす仕組み……

当然のことながら、圧縮空気の一部を利用しますので、エンジン出力は若干落ちます。巡航中であれば、さほど影響はないのですが、上昇中だと明らかにパワーが落ちるのが分かります。

 

送られる空気はかなりの高音ですから、漏れがないかを監視する装置が、管回り全体に配備されています。本来使うはずだった飛行機に、どうやら漏れを示す警告が上がってきていたらしく、スペアの飛行機を使うハメになり、定刻から1時間の遅れ……

 

昨日月曜日は、その前日の最終目的地だったケンタッキー州レキシントンからデトロイト行きが裕坊の担当1本目。ところが飛行機の到着が遅れて1時間近く待つことになり、次のフライトも40分遅らせざるを得なくなったのですが、それだと到着先のメイン州ポートランドでの宿泊滞在時間が30時間を割り込むことになり、このままだと7日目の運航ができなくなってしまう………

 

さすがに乗務員管理課は、それには気づいていて、先手を打ってきました。レキシントンを出発する前に、裕坊の予定を変更。ポートランド行きの乗務を外され、裕坊は違う目的地へと向かうことに………

 

デトロイトに50分ほど遅れて到着した後、向かったのは、デトロイト・メトロポリタン空港から車でもおよそ2時間ほどで行けてしまうという……

ランシング………実をいうと、裕坊が住んでいるミシガン州の、立派な州都でございます。

 

1年を通して、全便リージョナルジェット機による運航で、現在は大手本体による運航はありません……町の規模も小さく、昨夜宿泊したホテルの周辺も閑散………

 

ただダウンタウンまで足を伸ばせば、町は綺麗に整備されていて、

 

厳かな議事堂も見ることができます。

アメリカには、人口規模が数万人ほどの小都市に各州の州都が置かれている例が少ないのですが、ミシガン州もその1つ。理由は様々ですが、ミシガン州の場合は米英戦争の影響がどうやら大きかったようです。

 

かつての州都はデトロイトだったそうなのですが、実はデトロイトといえば、川を挟んで向かい側にはすぐカナダ。19世期初頭はまだ米英戦争が続いていた時代で、特に戦争初期の1812年から1813年にかけては、デトロイトはイギリス傘下のカナダ領になってみたり、その翌年にはアメリカが領土を取り戻してみたりと、かなり不安定。そこで地政学的に安定な内陸部に、州都を移転させる必然性があったらしいです。

 

候補はミシガン大学があるアナーバーを筆頭に、ジャクソン、マーシャルなどいくつかあったようなのですが、どれも決め手にかけて、最終的にミシガン州議会下院によって決まったのが、1847年のこと。

ただし州都でありながら、ランシング市の属する郡庁所在地ではないというのが、ランシングの面白いところ。ランシング市のあるインガム郡の郡庁所在地は、お隣町のメイソン。州都でありながら郡庁所在地でないのは、アメリカ広しといえども、ここミシガン州だけなんだそうです。

 

人口は11万人ほどと、のどかなランシング……

 

どこまでものどかな風景が続いていて……

 

リージョナルジェット機による運航だけになっているランシング空港…

今日も閑散としていました。 車で2時間ほどの距離ですので、

 

飛行機で一旦飛び上がると、20分ほどで到着………

夕方4時過ぎには、合計で6日間に渡ったフライトが終了。

 

 

予定から1日短縮になり、明日からしばらくお休みです。