yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 12/14

米系リージョナル航空会社に勤める裕坊といいます。こんにちは。

先日木曜日に4日間のフライトを終えて、深夜遅くに帰ってきた裕坊。今月は4日間フライトに出かけては、数日の連休をいただくパターンを2週間連続でこなし、来週月曜日には年次研修の座学に出席するために、我が本社のあるミネアポリスまで。

 

先週のミネアポリスの最低気温、マイナス15度…………

来週も、この極寒の気温が続くんやろか………………

 

冬に向けて『体力をつけるため』に、ちょっと炭水化物を多めに摂取して、『楽しい冬籠り』の準備……

ちなみに上の写真のサンドイッチは、ポットベリーというサンドイッチ屋から。

 

ミシガン州で気軽に安く食べられるお店として展開中。

デトロイト空港ですと、セキュリティーからトンネルをくぐって、B、Cコンコースへと出るエスカレーターを昇ったすぐのところにあります。

 

20センチほどの長さのサンドイッチで、お値段6ドルほどと、値段もおトク。

ハマスを入れたメディトリニアン・サンドイッチ(地中海サンドイッチとでも訳しておきます)に、チキンを組み合わせるのが、裕坊のお気に入り。

 

イタリアンブレッドにハマスを挟んで、チキンを挟んで、

オーブントースターに1分通されて、

 

あとはレタス、トマトなどお気に入りの野菜を挟んでもらって、出来上がり。

 

こちらは日本でもお馴染みのサブウェイ。

実は外食産業では、世界一の店舗数を誇るこのサンドイッチ屋の老舗、全世界における店舗数は2019年12月現在、41,000にもなるそうです。そのうちの2店は、デトロイト空港マクナマラターミナル内…

 

Aターミナル、Cターミナルでそれぞれ1軒ずつを展開中。

急ぎの時には、Aターミナルの店舗に裕坊も仕方なく並びますが、時間に余裕がある時は、裕坊は大抵Cターミナルまで運動がてらカバンを引きずって歩いて行ってしまいます。Cコンコースでは、C25のゲート横に展開。列がかなり短いので、あっという間に買えてしまいます。

 

こんなものばかり食べているうちに、一時はダイエットがうまくいって67キロ台を保っていたのが、「冬籠り」に向けて、また1キロ戻ってしまいました……去年の冬は、本当に家の中に『籠っており』ましたが、体重も70キロ台後半………

 

今年の冬は『冬眠しないリス』になって、お仕事頑張りたいと思います……

 

 

先日終わったばかりの4日間のフライトの最終日は、客席に座っての移動……ファーストクラス座席のない、50人乗りの機体への搭乗でした……

実は本来は操縦を担当するはずだったのが、急に予定が変更になって、お客さんとともに客席に座っての移動になることに………… 木曜日の朝になって、急な予定変更。

 

運航課の担当者に理由を尋ねてみると、どうやら我が社の機体のうちの1機に故障が発生したらしく、76人乗りの機体が足りなくなって、急遽予約が少なかった便が76人乗りの機体から、50人乗りへと機材変更になったとのことでした…… デトロイトまで帰ってきて、たまたま出くわした整備員に尋ねてみると…… どうやら油圧系の故障だったらしいです…

 

何やら油圧系というと、難しい言葉のように聞こえますが、理論自体はとても単純。細い管と太い管とが液体の入った管で繋がっていて、細い管を押し込むと、押し込んだ分と同じ量の液体が反対側の太い方の管でも動く仕組み。

実はこの原理を使うと、何トンもあるような機械を小さな力で動かすことが可能になるので、航空機のみならず、自動車、重機といった機械の世界ではほとんど使われているという、スグレモノ。自動車では、ハンドル、ブレーキにはほぼ例外なく使われていますし、航空機でも操縦翼面、補助翼の作動、あるいは車輪のついた降着装置(着陸脚)の作動には例外なく装備されています。

 

ただし原理自体は単純でも、装置内の負荷は相当なもの。

裕坊が乗っているような、定員が100人にも満たない小型ジェット機といえども、最大離陸重量は42トン。飛行機が最大速度に達している時は、地上を最大で時速550キロで移動している時と同じ風圧を受けています。その空気圧を受けながら最大で42トンにもなる機体の操縦翼面を、旋回、或いは上昇下降といった局面においては動かさなければいけませんので、それに耐えうる強度を保っておくことも必要。離陸、着陸時など、操縦系の動作が激しい場面における負荷は大きく、しかも高温度にもなりがち… 油圧系に使われる油圧液の漏れなどは、どうしても起こってしまいます……

 

最近の旅客機では、スカイドロールと呼ばれる、熱変化への耐性が高い(特に高温域において)油圧用液が使用されるようになり、

油圧系内における油圧液の供給こそ、安定するようにはなりました。

 

ただ一方で、金属やホースの腐食、金属疲労などが起こることはあり……

 

特に極寒地域を頻繁に行き来する機体の場合、飛行中の負荷が高く高温になるのに対し、

急激に低温になって、金属の収縮膨張などが激しくなり、接合部分の金属疲労や腐食が原因で、液漏れを起こしたりすることも………

 

油圧系統の液体は、回転数が高い主エンジンの回転を利用することが多く、油圧用のポンプなどはエンジン横に直結していたりするので、一度故障などが発生するとエンジンカバーを開けることも必要となるなど、手間も時間もかかりますから、大抵数日はフライトもできなくなります。

 

裕坊も3年前に、カナダのサスカトゥーン州レジャイナ(現在では、デルタ航空系における就航がなくなってしまった都市の一つです)に滞在した際に、同じ故障に悩まされて、3日間立ち往生したことがありました。

写真のように、緑が青々とした暖かい時期であれば、まだよかったのですが……

 

実際には故障が発生したのは、2月の中旬………冬の真っ只中とあって、外の気温はマイナス25度前後………

 

外を歩く方は、皆さんこの状態…………

そら、飛行機も壊れるわな……………………

 

先日木曜日は、76人乗りの機体のスペアがなくなり、50人乗りに置き換えざるを得なくなったとのことでした。我が社では補助翼のシステムが全く違う50人乗りと76人乗りの機体を相互で乗務することができないので、裕坊は客席にてお客さんとして移動することに………

 

トロントで故障していたという機体、1日がかりで修理を何とか終えて、デトロイトまで戻ってきたようです。

 

 

来週月曜日から、3日間お勉強をしてまいります。