yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 9/9

皆さんこんにちは、航空会社勤め人、裕坊です。

我が家の1人息子くんが、アメリカにやってきたのは2歳の時。ちょうど裕坊が現在勤めるリージョナル航空会社に入社した年の渡米。あれから早や13年……

いつの間にか高校に通い始め、4年後には大学へ進学…………の予定…………

 

目を覆いたくなるような学費の大学へ息子くんを送り込むには、体が動くうちにしっかりと働いておかなくてはいけません…

 

休日を返上して、日曜日にはニューヨークからフライトを3便担当。前日には数ヶ月ぶりに、ニューヨークに今も借りている宿舎へとやってきて、1泊…

クイーンズは落ち着いた佇まいで、治安も安定し、住環境も悪くはないのですが、やはり中は狭いです…

 

オーナーの許可を得て、一部写真を掲載……

こちらはダイニングルーム。6人が座るといっぱいいっぱい…

 

こちらのお部屋は、元々はマスターベッドルーム。

2つの2段ベッドを4人で共有する、雑居部屋。こちらでクラッシュパッドと呼んでいます。一時期はケネディ空港に所属し、ここで月のほとんどを過ごしていた時期もありました。

 

日曜日の朝は、ラガーディア空港からの出発。

 

ボーディングブリッジのない駐機スポットからの出発で、 お客様は、バスにてお出迎え。ターミナルの建て替え工事が次々に進んでいきますので、

しばらくは、このバスは活躍することになりそうです……

 

日曜日は、まずノースカロライナ州の金融の中心地の一つ、シャーロット往復便を担当。

 

ここの空港のフードコートは、天井が広く、いろんな種類の食事が選べることで大好評。

 

椅子やテーブルの数も揃っているので、座る場所を見つけるのにも、あまり困ることはありません。

 

ただ日曜日とあって、人気のチキンバーガー専門店は、お休みでした…

 

最近ダイエットがまずまず順調で、体重がいよいよ70キロを割り込み、ちょっと調子に乗っている裕坊。

目もくれずに、こんなところにやってきて、

 

ここは先日ご紹介したケネディ空港と同じような、パック詰めのお寿司が売っているのですが、

 

こんなものを購入しておりました。

ケネディ空港と比べて、ほとんど同じ内容でありながら、2割も安いのでお買い得。シャーロット国際空港の、フードコートのほぼ真ん中に位置していますので、迷わずお寿司屋さんにやってくることができます。

 

そのシャーロット空港は、従来からある古い方のAコンコースは、南側半分が工事の真っ最中。

現在供用になっているのは、奇数側のゲートだけ。

 

既に改装工事が終わっている、北側半分のAコンコースの奇数側のゲート、A3からラガーディア空港に向かって、折り返し。

既に旅行シーズンは終わっているはずなのですが、先日も70名以上の乗客の方が搭乗してこられました。

 

既にハリケーン・ドリアンが過ぎ去り、落ち着いたお天気の東海岸

フライトは順調、乗り心地もスムーズで安定したフライトでしたが……

 

 

 

…………………………

 

 

 

実は、裕坊が座る機長席の、両側の画面からデータが完全に消えて、自動操縦までがオフになる故障が発生…

副操縦士のウェスリーくんが担当していた便ですので、そのままデータが生きた状態のウェスリーくん側の計器画面を使って、そのままラガーディア空港まで到着……

 

 

ちなみに、最近の旅客機は、故障の履歴までが記録されるようになっていて…

 

 

我がCRJ−900型機では、機長席の後ろにあるパネルの一番上のスイッチを、

 

上にすると……

 

機長席にある計器画面に、このようなデータ表が表示されて、故障歴を追うことができる仕組みになっています。

どうやら起こっていたのは、ジャイロセンサーの故障だったらしい……

 

 

ところで、ジャイロってなんぞや…

 

 

早い話、『ジャイロ』というものを使うと、飛行機の姿勢や方角を知ることができる、スグレモノなのです。

 

実はジャイロというのは、回転体の性質を利用したもの…

 

コマのような回転体が、高速で回転すると、その場にとどまり、安定する性質がありますので、

飛行機では、早くから使われてきました。

 

横方向に回転させると、回転体はその場で安定し、その周りを飛行機が動くことによって、飛行機の姿勢(機首上げ下げ、左旋回、右旋回)などが分かる仕組み…

 

計器画面では、このように表示されます。

 

回転体を縦に回転させると、今度は回転体は縦方向で安定するので、その周りを飛行機が回ることによって、

飛行機の機首が向いている方角を知ることができます。

 

それを使った計器がこちら…

 

それらを含めた計器がたくさん並んだセスナで、ほとんどの将来のパイロットたちは、飛行訓練を受けます。写真はセスナC−172(4人乗り)のコックピット。

いくつかある計器の中に、紹介した2つの計器が並んでいるのが見えます。

 

ただこの古くからあるジャイロ計器は、空気を送り込むポンプの故障が多いのが難点でした。

雲の中を飛んでいて、これらの計器類が故障すると命取りになりかねないので、最近では光ファイバーを使ったジャイロ計器などによって、置き換えられるようになりました…

 

こんな小さなチップ一つで、様々な計算を行うことによって、飛行機の姿勢や方角などを算出しているらしいです。

裕坊が乗っていた機体は、チップを置き換えたのかどうかまでは分かりませんが、次の出発便はほぼ定刻で出発しておりました。

 

裕坊たちは、飛行機を乗り換えた上で、フロリダ州のジャクソンビルまでやってきて、

その日の担当を終了…

 

朝はプールを見ながら、起き上がり…

 

日光が上からたっぷりと入る、気持ちがいいターミナルから、

 

デトロイトまで、お客さんとして帰ってまいりました…

 

帰宅の途…

裕坊は、火曜日に1日お休みをいただき、再び水曜日から元々入っている4日間のフライトへと出発します。

 

 

ところで、成田空港では、台風による影響で交通機関が軒並み止まって、1万5千名の方が、成田空港にて一夜を明かしたと聞きました。まだ千葉県内では5万7千軒、東京電力の圏内で61万軒が停電が続いているとの報道もあります。少しでも早い復旧を願っています。