皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。
アメリカの航空会社のパイロットのスケジュールは、基本的には選択制。社歴がものをいう世界で、社内での経歴が長くなると、自分の希望するスケジュールを選択しやすくなります。1ヶ月担当便が確定したスケジュールを選ぶのも、スタンバイで交代要員に徹するのも各個人の自由。
裕坊はここ数ヶ月、全てスタンバイシフト。書面上の休日はパイロット契約の最低保障に止まるのですが、会社が交代要員を必要とするまでの間は自由に時間を過ごすことができます。裕坊は空港から車で20分に住んでいるので、結果的に家族と過ごせる時間が増え……
有意義な時間が大幅に増えました。
ただ一方で、アメリカのパイロットのお給料は、飛行時間が反映される仕組みになっているので、このままではお給料が………………………
3割減……………
ですので、月末の用事がない時は、休日返上でフライトを次々に入れて行きます。
昨日も夕方になって、機長が急に必要になるフライトが一つスケジュール上に上がってきたので………
敢えてそのフライトをリクエスト。今朝は6時に我が家を出発して、まだ夜が明けないうちに、空港までやってきていました。
出発は8時35分で、アメリカの首都、ワシントンを目指します。
普段はビジネス客の需要が多い路線。週末は逆に需要がかなり減るので、客席数の少ないリージョナルジェット機の出番。
ワシントン地方も午後は雨の予報で、こちらもどんより曇り空……
普段はスーツ姿で賑わうワシントン・ロナルド・レーガン空港。
今日は何となく閑散とした1日でした。
普段は行列ができるハンバーガー屋さん。まだ10時過ぎではありましたが、かなりお腹も空いていたので……
よく見ると、プレジデント・オバマ・バーガーなどという商品もあります………
さすが首都やね………
写し方今ひとつよくないですが、その名の通り、目玉焼きがちゃんと一つついておりました。
折り返しはお客さんになって、1時前出発のデトロイト行きに搭乗し……
お昼下りの3時前には、デトロイトにも到着。
月曜日にアトランタから出発するフライトを、今日と同じく休日返上で入れているので、また明日にはデトロイト空港へ戻ってまいります。
そんな中、今日は残念なニュースが一つ………
フロリダ州マイアミから、テキサス州ヒューストンへと向かっていた貨物航空会社のアトラス航空3591便が、ヒューストン近郊で墜落。
乗っていた3名の乗務員も残念ながら、死亡が確認されたとの情報が入ってきました………せめて命だけでも取り留められていたら、と期待していたのですが、その希望も叶わず………
本当に何度聞いても、この手のニュースには、心が締め付けられてしまいます……………
事故を起こしたアトラス航空のボーイング767型機。インターネット通信販売大手のアマゾンから、アマゾン・プライムエアとしてのブランドとして委託を受けている3社のうちの一つ。機体もアマゾン・プライムエアカラーだったらしいです。
最近はインターネットによる通信販売が当たり前の世の中になり、以前では日常は貨物会社にはほとんど縁がなかった一般家庭も、普段から貨物会社との関わりが劇的に増え、貨物航空会社の需要も嘗てないほどに高まってるそうです。
しかし、貨物機を運航するフライトクルーのスケジュールは、今も昔も想像を絶する過酷の世界………
貨物会社のロゴをつけたトラックが、町中を走るのは昼間の時間帯。この時間帯の集荷や配達を可能にするために………
州外など遠くへ配送される荷物の場合、飛行機へと搭載された上で、一度先ず貨物航空会社の大きな集荷センターへと送られます。
フェデックスの場合ですと、ほとんどはテネシー州メンフィスで、一部はインディアナ州インディアナポリスに集荷されるのですが、メンフィスへの到着は大抵夜遅く………
まずは各到着便から荷物が積み降ろされ、
そしておびただしい数の荷物が、本社の集配センターで仕分けされます。
目的地に応じて次のフライトへと再搭載。
そして次の目的地に向けて出発。
フェデックスの場合ですと、メンフィスを出発するのが夜中の2時から3時にかけて…………
到着後に荷物を積み降ろして、それぞれの地域ごとの集配所に送られて、
トラックに載せられた荷物が届くという仕組み…………
かなりの人手が関わっています。
貨物航空会社のパイロットとは、現代社会に呼応するために、昼夜問わず過酷なスケジュールを請け負って世界中を飛び回る、現代社会の担い手。
今回の事故では、時代の最先端を行く3人の尊い命を奪うことになってしまいました。
心からご冥福をお祈りいたします。