yuichibow’s blog

ジェット旅客機の操縦席から外を眺めるお仕事をする人の日記

裕坊パイロット日記 1/20

皆さんこんにちは、航空会社フラリーマン裕坊です。

先月に続いて、スタンバイシフトを選択した裕坊。欠員が出た場合の交代要員で、基本的にはずっと電話待ち。今日は先週火曜日から通算で10日連続のうちの6日目………

 

今のところ、昨日5日目までフライトは入らず………

 

正確に言うと、本当なら今日は早朝から、5月の第1土曜日に開催されるケンタッキーダービーの開催地として知られ……

 

貨物宅配大手のUPSの、航空部門の本社があることでも知られるケンタッキー州ルイビルまでフライトへと行くはずだったのですが……………

 

そのフライトを他のパイロット仲間が休日返上してピックアップし………

 

裕坊はまた『リザーブ』へと逆戻り………

今日も結局1日電話はかかりませんでした………

 

まぁ最低保障給料は支給されますから、今は取りあえずこれでガマン……………

 

 

それにしても今朝のデトロイト近郊のお天気。久々に雲ひとつない快晴………

 

太陽と銀世界のコントラストが、久々になかなか見事でした。

 

夕べは遅くになって我が家の前にもショベル車がやってきてくれましたので、何とか外にも出られるようになり……

 

今日はスーパーへちょっとお買い物。ミシガン州の冬の日常が久しぶりに戻ってきたような景色…………

 

どこを向いても雪だらけ………

雪が降ると、北国はかなりの塩が撒かれます。ですからサビを防ぐためにも、小まめな洗車は不可欠………

 

ということで、買い物帰りに洗車……

 

10ドルほどで洗車できます。こちらの洗車は車が洗車機の中をゆっくりと前へと進みながら、洗車の各行程をこなす仕組み………

 

今日のような日にお出かけできるのも、こういった人たちがいるおかげです。夕べはこんなトラックが家の前の除雪をしに来てくれました。

 

空港ではこんな除雪車が、大挙して姿を見せて、滑走路を中心に除雪作業を頑張ってくれます。

 

そのパワーたるや、まぁすごいです………

 

さらにすごいのが、滑走路の除雪隊………編隊でやってきて、長い時には10台ほどのトラックが、滑走路の雪を勢いよく払って行くのですが………

生で見ていると、これがなかなかの迫力…………

 

飛行機には自動車のようには冬用のタイヤというものがなく、夏季に使用しているものと同じタイヤを使用していますので、滑走路の路面状態はパイロットにとっては命綱。過去にも降雪が原因で安定を失ったり……

こちらは4年前に、ニューヨーク・ラガーディア空港で起きた、デルタ航空の滑走路踏み外し事故……決して長くはない滑走路を追い風状態で着陸して、バランスを崩して滑走路を逸脱…

 

あわや隣接するイースト川に転落する寸前でした………

 

路面が滑りやすいと、着陸時の滑走路距離も必然的に伸びることになり、滑走路内で最悪減速しきれず、滑走路を逸脱してしまうことも…

こちらはシカゴ・ミッドウェー空港で起きた15年ほど前のサウスウエスト航空による滑走路の逸脱事故……

元々こちらシカゴ・ミッドウェー空港は、写真からもお分かりいただけますように、住宅地の密集地の中に位置する空港とあって、滑走路は最長でも、旅客航空が運航する空港としては短い部類に属する2,000メートル…

 

しかも住宅地への衝突を避けるために、着陸機はやや高度を高めに保ったまま入るように設定されていて、着陸に使える滑走路距離はさらに短いものになり、最長で1,800メートル……

陸技術を要求される空港の一つです。

 

こちらもあわや大惨事になりかねない事故でした……

降雪のある時に、着陸後のブレーキの効きがいい時は、いつも心から除雪隊の皆さんには感謝、感謝です。

 

そんな中で、裕坊、こんな話題を一つ見つけてしまいました。

降雪の多い北国の中でも、突出して就航率が高いことで知られる旭川空港。この冬に至っては、天候が理由による欠航が、未だにゼロなのだそうです。

それを支えるのが、農閑期の近隣農家の皆さんで作る除雪隊なのだとか……

地元の天気を知り尽くし、チームワークを生かした除雪技術が、安全な離陸着陸を可能にする滑走路を保つのに、大いに役立っているそうです。

17年度の就航率は99.5%で、発着計6,463便のうち欠航は33便。そのうち雪や強風による欠航は、わずか12便にとどまったのだとか。

除雪作業を行うのは、空港を管理する旭川市に委託を受けた民間業者。35名の近隣農家の方たちが、旭川空港の就航率99%超えに大いに大活躍しているそうです。

その素晴らしい活躍ぶりに、心から大拍手です。

 

裕坊、明日も電話番です。